<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>大学ではデザインや木工、漆芸を専門に学ぶ中で、宮島ロクロの実習を経験しました。そこで初めて宮島の伝統工芸について知り、宮島ロクロでの作品制作に熱中するようになりました。</p><p>前職では、高校で非常勤講師をしながら木工作家として活動し、作品の制作や販売、ギャラリーでの展示を行っていました。いつかはロクロを本業にしたいという思いはありましたが、なかなかロクロ一筋で生活する決断ができずにいました。</p><p>そんな時、廿日市市の伝統工芸継承担当の地域支援員（地域おこし協力隊）の募集を知り、宮島で職人としてロクロを本業にするチャンスだと考え応募しました。</p><p>宮島細工とは、廿日市市宮島町で作られている木工品の総称で、「杓子、宮島ロクロ、宮島彫り」の三つの技術があります。</p><p>その起源は江戸時代後期にさかのぼり、厳島神社をはじめとする寺社建設のために招かれた宮大工や木工職人が技術を伝えたことが始まりとされています。宮島細工は、こうした職人たちの技術を受け継ぎ、宮島の産業を支える重要な伝統工芸として発展してきました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/cHGkfqYnvGsL63FmRnfdl.webp"></figure><h2>廿日市市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>作品の制作場所として、やはり島内で作品をつくりたいという思いがありました。また、師匠からも「ぜひ宮島に住んで宮島で職人になってほしい」と言葉をかけていただいたことが、宮島移住を決めた大きなきっかけになりました。</p><p>宮島にはかつてロクロ細工をしていた家が何件もあり、その中で空き家となっていた物件にご縁をいただきました。幸運なことに、ロクロと木工設備の整った理想的な環境の物件に巡り合うことができました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>国の伝統工芸品にも指定されている「宮島細工」の技術や魅力を次世代に継承していくため、技術習得と普及促進に取り組んでいます。</p><h3>宮島ロクロの技術習得</h3><p>宮島在住の伝統工芸士・藤本悟氏に師事し、宮島ロクロの技術を学んでいます。刃物づくりから削り、磨きまで、すべての工程を習得しながら、一人前の職人を目指しています。</p><h3>宮島細工の普及促進とPR活動</h3><p>宮島細工を多くの人に知ってもらうために、SNSでの情報発信を行い、企画展や体験イベントを企画しています。伝統技術の魅力を発信しながら、より多くの人に宮島細工に興味を持ってもらえるよう努めています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/CTgXhKfTBUHhTAsm7VOiA.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>じっくりと自分自身のロクロの技術向上に時間をかけられることが大きな魅力です。</p><p>任期後、職人としてしっかりと仕事を受けていけるように、技術を高めていきたいと考えています。また、宮島細工はさまざまな課題を抱えているため、少しでも良い方向へ進めるように、広報活動や企画展の開催にも取り組んでいます。</p><p>知名度が低い工芸品だからこそ、周知活動やPRのやりがいがあり、宮島細工をもっと多くの人に知ってもらえるよう、積極的に発信していきたいと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/cf3h0ycTouiGFcY7Uwilt.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>宮島細工が抱える後継者不足や作り手不足の問題が、想像以上に深刻であるということです。</p><p>自分一人がどれだけ頑張っても限界があり、宮島細工の未来を守るためには、同じ思いを持つ仲間を見つけ、共に取り組んでいくことが不可欠だと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/sTyU3vYwAaqKDzo90Dipw.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/YzRf0n7hLlr9qVtBxrbis.webp"></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>卒隊後は、ロクロ付きの自宅で工房を構え、職人として生きていきたいと考えています。</p><p>また、自宅の旧店舗部分を活用し、宮島ロクロのワークショップを開くことを目標としています。体験を通じて、多くの人に宮島の伝統工芸に触れてもらい、その魅力を楽しんでいただきたいと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/VwjWQjUIul2HQGTS6EtaB.webp"></figure><h2>廿日市市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>宮島にはたくさんの伝統行事があり、それらに積極的に参加することで、島の方々と一体になれる機会が多くあります。移住に関しても、とても温かく迎え入れていただきました。</p><p>また、島内で仕事をする上でも、関わる方々が紹介や挨拶回りに同行してくださるおかげで、安心して活動を進めることができています。</p><h2>廿日市市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>宮島は、伝統文化や伝統行事が数多く受け継がれる歴史ある島です。厳島神社をはじめ、神社仏閣や伝統的な建築が立ち並び、文化的で美しい街並みが大きな魅力です。</p><p>また、島の大半が山であるため、四季折々に変化する自然の美しさを身近に感じることができます。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>島は離島ならではの不便さもありますが、本土が近くフェリーの便も多いため、意外となんとかなります。笑</p><p>街のほとんどが伝統的建築群で形成されており、文化的な景観が広がっています。初めのうちは、まるで美しい景色の中に住んでいるような、不思議な感覚を覚えました。</p><p>また、人口流出や高齢化が進む中だからこそ、島の方々は新しく移住してくる人を温かく迎え入れてくれると感じています。</p><p>&nbsp;</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第179回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、広島県廿日市市の下村祐介さんです。

廿日市市

広島県

広島県廿日市市の地域おこし協力隊、趣味・特技：写真・カメラ

下村　祐介

#179 宮島ロクロ職人を目指して。伝統工芸の技を学ぶ日々

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>地域支援員の募集があった際、正直なところ、地域おこし協力隊がどんな活動をしているのか詳しくは知りませんでした。</p><p>しかし、ありがたいことに私の周りには地域支援員の経験者がおり、直接お話を伺う機会をいただきました。その話を聞く中で、「自分に務まるのだろうか…」という不安はありましたが、それ以上にやりがいのある仕事だと強く感じたことを覚えています。</p><p>また、私が大好きな地元の商店街も、次第にお店が減少し、同じような課題を抱えているのではないかと考えました。</p><p>「ここでの経験が、いつか地元の役に立つ日が来るかもしれない」。そう思い、応募を決意しました。</p><h2>廿日市市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>廿日市市には、何かとご縁を感じていました。</p><p>学生の頃に宮島でアルバイトをしていたことや、母と妹が廿日市の大学出身だったこともあり、以前から身近に感じる場所でした。</p><p>しかし、何より大きかったのは、廿日市のローカルラジオ局でお仕事をさせていただけたことです。地域支援員の仕事も、ラジオ局の方が紹介してくださったことがきっかけでした。</p><p>こうして今、地域支援員として活動できているのも、これまでのご縁がつながっているからこそなのかなと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/MDDAKm0ZfvkU3gB1mzmAZ.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>地域支援員の業務の一つとして、空き店舗調査を実施しています。具体的には、空き店舗の情報を収集し、問い合わせがあった際には実際に現地を案内することもあります。</p><p>また、商店街の情報発信にも力を入れています。店舗紹介やイベント・お祭り情報などを掲載した商店街紹介冊子を作成し、商店街の店舗や市民センター、新聞折込を通じて配布しています。</p><p>さらに、Instagramでも店舗紹介やイベント・お祭り情報を発信し、その時の様子を写真や動画で紹介することで、より多くの方に商店街の魅力を知ってもらえるよう努めています。</p><p>地域の大学とも連携し、近隣大学の課外活動サークルと商店街で「まちあるき」を実施。その後、サークルの学生がマップを作成してくれることもありました。</p><p>今後も大学と商店街のつなぎ役として、地域活性化に貢献していきたいと考えています。</p><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>第1回目のイベントに携わった際、たくさんの方が足を運んでくださったことが本当に嬉しかったです。</p><p>その時から協力してくださった出店者の方が、今も継続して商店街のイベントに参加してくださっていること、さらに「協力したい」という声をいただけることに、大きなやりがいを感じています。</p><p>また、活動を通じてたくさんの方と知り合い、できることが増え、さまざまな経験を積めたことも、地域支援員としてのやりがいにつながっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/e9m3mg3gSTJy6JTy1Ng8C.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>3年間という限られた期間の中で、できることには限りがあり、正直なところ、大きな結果を出すのは難しいだろうと思っていました。</p><p>しかし、イベントやお祭りを一緒に企画・運営していく中で、「もっとこんなことができるよね」「こんなことがしたいんだけど」と、商店街の方々が前向きに変わってきているのを実感できるようになりました。</p><p>また、私がプロレス好きということもあり、「商店街でプロレスをしたい！」という思いを本気で実現しようとしてくれる方がいたことも、とても嬉しかったです。</p><p>まだ実現には至っていませんが、いつか形にできるように、これからも頑張っていきます。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>具体的なビジョンは、正直まだ決まっていません。</p><p>この1年間は、卒業後のことも考えながら、地域支援員としての業務にしっかり取り組んでいきたいと思っています。</p><h2>廿日市市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>フレンドリーで、熱い思いを持った方が多いなと感じました。</p><p>商店街の会議に参加すると、「楽しいことをやって盛り上げたい」という言葉が、ほぼ毎回のように出てきます。</p><p>「どうやって楽しんでもらうのか」「誰に楽しんでもらいたいのか」——時には意見がぶつかることもありますが、それだけ熱い思いを持つ方が多い商店街だなと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/bFEATOKitmyt88d7qjKYV.webp"></figure><h2>廿日市市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>4つの商店街を担当していますが、それぞれに特色があり、出会うものが新鮮で楽しいです。</p><p>例えば、ある商店街は宮島が見える地域にあり、けん玉発祥の地ならではの商品を販売しているお店や、1200年以上の歴史を持つ樟があるお寺など、個性あふれるスポットが点在しています。</p><p>また、西国街道沿いの商店街は神社仏閣が多く、歴史や文化を感じられるのも魅力の一つだと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/b3OGXL8m8_pUp9_ERQ7I-.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住を考えると、不安なことがたくさんあるかもしれませんが、まずは気になる地域に一度足を運んでみることをおすすめします。</p><p>いろいろなお店に立ち寄ったり、景色を眺めたり、まちの人と話してみたりする中で、新たな発見があるはずです。</p><p>そうした時間は、自分自身と向き合う良い機会にもなります。ぜひ、いろんな場所を訪れて、実際にその土地の雰囲気を感じてみてください。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第178回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、広島県廿日市市の狩山穂香さんです。

広島県廿日市市の地域おこし協力隊、趣味・特技：演劇、バレーボール

狩山　穂香

#178 プロレス好きが仕掛ける！？商店街で生まれる新しい挑戦

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>これまで東京都で個人事業主として働いていましたが、両親の実家が広島県にあり、いつかは広島に住みたいという思いを漠然と抱いていました。</p><p>そんな中、祖母が体調を崩して施設に入居することになり、両親も高齢になってきたことで、家族との時間を大切にしたいという気持ちが強まりました。</p><p>広島県への移住を検討する中で、友人が地域おこし協力隊になったことをきっかけに、制度の存在を知りました。学生の頃から地方創生に関心があり、行政の立場で地域に溶け込みながら活動できること、さらには地域での事業立ち上げが期待される役割が自分の性格に合っていると感じたのも、大きな理由の一つです。</p><p>また、個人事業と兼業で活動できるという点も、移住を決める大きな決め手となりました。</p><h2><span style="color:#000000;"><strong>廿日市</strong></span>市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>広島市周辺で移住先を探していたところ、広島市に隣接する廿日市市の募集を発見し、説明会に参加しました。</p><p>廿日市市には宮島があり、帰省のたびに訪れていたこともあって、もともと愛着のある場所でした。また、ちょうどコロナ禍が落ち着き、多くの観光客が訪れていた時期でもあり、市の持つポテンシャルの高さを実感しました。</p><p>さらに、廿日市市のPRで掲げている「ちょうどいい暮らし」というコンセプトが、自分にとってまさに公私ともに理想的だと感じ、移住先として選ぶ決め手となりました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>私のミッションは、中山間地域における移住・定住相談対応と空き家対策です。普段は会計年度任用職員として支所に勤務しながら、さまざまな業務に携わっています。</p><h3><strong>具体的な業務内容</strong></h3><ul><li>窓口での移住相談対応</li><li>担当課職員に同行し、空き家バンク登録に向けた物件調査の補助</li><li>移住希望者への物件案内</li><li>空き家対策に関するワークショップの運営</li><li>商店街のイベントでの移住相談受付</li><li>地域の事業者と連携した空き家活用イベントの企画</li></ul><p>こうした取り組みの成果もあり、空き家バンクへの登録相談は年々増加傾向にあります。また、数は多くないものの、民間の不動産会社からも問い合わせをいただくようになり、空き家対策への関心や認知度の高まりを実感しています。さらに、住居や別荘利用だけでなく、空き家を活用して起業する動きも生まれており、地域振興にもつながっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/nnv_RVxe1xlXAht6j9V43.webp"></figure><h3>現在の課題と取り組み</h3><p>一方で、空き家の存在は把握していても、所有者が不明で未解決の物件が多いという課題もあります。そこで最近は、一軒一軒空き家を巡り、所有者が帰省した際に見てもらえるよう、チラシをポスティングする活動を始めました。すぐに効果が出るかは分かりませんが、こうした地道な取り組みを継続し、少しでも多くの空き家が活用されるよう努めていきたいと考えています。</p><p>今後も地域の方々との連携を深め、「空き家のことならこの人に相談しよう」と頼ってもらえる存在を目指して活動を続けていきます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/AlctO7GY5WrCQ2yCoLFjt.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>一番のやりがいは、地域のさまざまな人とつながりながら、民間事業者では解決が難しい地域課題に取り組めることです。</p><p>市役所職員という公的な肩書きがあることで、初対面の方でも安心して話をしてくださることが多く、利害関係なく幅広い方々と接することができるのは大きなメリットだと感じています。</p><p>例えば、空き家問題では、民間の不動産事業者にとっては報酬額が低いため、空き家の取り扱いが後回しになりがちです。そうした民間では解決が難しい課題に向き合い、所有者の方から直接感謝されたときは、商売での成功とはまた違う、地域のために役立てた喜びを感じます。</p><p>さらに、この活動は任期後の自身のキャリアにもつながる可能性があることも、大きなモチベーションになっています。地域おこし協力隊は任期が決まっているため、肩書きがなくなっても地域で活動できる実力を身につけることが必要です。そのための起業準備費用の支援や柔軟な勤務体系が整っているのは、地域で起業を目指す人にとって大きな魅力だと感じています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>想定外だったのは、空き家対策業務の奥深さにすっかりハマってしまったことです。</p><p>もともと不動産業界は未経験で、「空き家を活用して何か始められたらいいな」という程度の考えでした。しかし、実際に空き家対策業務に取り組んでみると、さまざまな法律知識が必要で、一軒一軒に異なるストーリーがあり、毎回違う相談内容が寄せられるという奥深さに強く惹かれました。</p><p>着任後、スキルアップのために宅地建物取引士資格を取得しましたが、それだけでは不十分で、相続や財産管理など、さらに幅広い知識が求められることを実感。もっと良い提案ができるようになりたいという思いが強まり、現在は司法書士資格の取得に向けて勉強しています。</p><p>司法書士という職業については、それまで名前を聞いたことがある程度で、まさか自分が目指すことになるとは思ってもいませんでした。資格勉強は大変ですが、実務に直結する知識が身につくため、新しい挑戦にやりがいを感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/fi9v-euRMtbQE_emNis32.webp"></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>目標は、地域の身近な法律相談家になることです。</p><p>移住や空き家相談に対して、専門的な知見を交えながら親身に寄り添える事務所を開設することを日々思い描いています。というのも、専門業者の高齢化が進み、街まで出向かなければ相談できない状況になりつつあるからです。</p><p>そこで、相続登記から不動産仲介まで、不動産に関する相談をワンストップで解決できる場をつくることを目指しています。</p><h3>地域での場づくりにも注力</h3><p>また、地域の人と協力し、古民家を改修したゲストハウス開設を目指しています。ここでは、農業体験や自然学習など、田舎ならではの体験を提供し、地域の魅力を発信したいと考えています。</p><p>さらに、宮島には海外からの観光客が多く訪れますが、沿岸部だけでなく、中山間地域にも足を運んでもらいたいという思いがあります。そのため、囲炉裏付きの部屋を設け、「日本の田舎暮らし体験」を提供することも企画しています。</p><p>最終的には、市全体の回遊時間の増加に貢献し、地域全体の活性化につなげることを目標としています。</p><h2><span style="color:#000000;"><strong>廿日市</strong></span>市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>廿日市市は、早い段階から地域おこし協力隊員の受け入れを開始しており、先輩隊員たちの活動のおかげで、隊員の存在がすでに地域に認知されていたため、スムーズに受け入れてもらえました。</p><p>また、市全体としては9年連続で転入超過となっているため、移住者が特別珍しい存在という雰囲気もなく、肩肘張らずに自然に接してもらえていると感じています。</p><p>さらに、支所の近くにある商店街では、毎月一度、立場や役職に関係なく集まる参加自由の会議が開催されています。この会議では、誰かが「やりたい」と思ったことを、地域全体で支え合う体制が整っており、地域で新しいことに挑戦しやすい、とても良い環境だと感じています。</p><h2><span style="color:#000000;"><strong>廿日市</strong></span>市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>廿日市市は、瀬戸内海から中国山地まで南北に広がる多彩な自然環境を持ち、釣り・登山・スキーを気軽に楽しめる地域です。さらに、世界遺産「厳島神社」をはじめ、美しい風景にも恵まれています。</p><p>また、広島県の中心部までJRで約20分でアクセス可能で、岩国錦帯橋空港への交通利便性も高いため、都市部との行き来もスムーズです。加えて、子育て支援の手厚さは広島県内でもトップクラスと言われており、2029年には新たな観光エリアが誕生する予定で、今後さらに盛り上がりが期待されています。</p><p>私は大阪で育ち、東京で働いていたため、都市部の生活に慣れ親しんできました。そのため、いきなり大自然に囲まれた環境に移住するよりも、都市機能がしっかりありつつ、「ちょうどいい田舎暮らし」ができる場所を理想としていました。</p><p>廿日市市は、まさにそんな希望を持つ人にとって、都市と自然のバランスが取れた「ちょうどいい暮らし」が叶う場所だと実感しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/P8GbscIJB0Xg-uC1gZKyT.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住は人生の大きな決断の一つです。私自身、移住してから望んだライフスタイルを送ることができ、とても満足しています。</p><p>その理由の一つとして、身近に親族を含め知っている人がいたことが大きいと感じています。移住当初は、知らないことばかりで準備に戸惑ったり、新しい仕事を覚えたりと、生活に慣れるまで大変なことも多かったですが、そんなときに頼れる人がいたことで、一人で抱え込まずに済みました。</p><p>もちろん、全く知らない土地でゼロから人間関係を築きたい人もいると思いますが、私は近くに気心知れた人や相談できる相手がいた方が、地域に溶け込みやすいと感じています。地域では「つながり」がとても大切なので、私自身も相談相手として頼ってもらえたら嬉しいですし、そういった役割を担いたいと思っています。</p><p>移住を検討している方には、まずは地域の雰囲気を知ってもらうことが大切です。「移住までは考えていないけど、話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎なので、ぜひ気軽にご連絡ください！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

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地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

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「地域おこし協力隊に聞きました！」第177回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、広島県廿日市市の田崎裕司さんです。

広島県廿日市市の地域おこし協力隊、趣味・特技：カフェ巡り

廿日市市

廿日市市の移住体験談一覧：3件

#179 宮島ロクロ職人を目指して。伝統工芸の技を学ぶ日々

#178 プロレス好きが仕掛ける！？商店街で生まれる新しい挑戦

#177 空き家問題に魅了された！？地域課題に向き合う中で見えた新たな道