近年は、古民家を購入してDIYでリノベーションを施し、コストを抑えながら自分好みの住まいを実現することが流行しています。理想的な古民家をどのように見つけて購入すればよいのでしょうか。移住して古民家での暮らしを検討している方に向けて、「空き家バンク制度」をご紹介します。
空き家バンクとは
メリット・デメリット
利用の流れ
空き家を探す方法
空き家バンクとは?
空き家バンクは2005年に開始された、移住定住の促進による地域活性化を目的として採用された支援制度の1つで、自治体が主体となって運営しています。
空き家等の物件を売却・賃貸したい所有者と、空き家等の物件を購入・賃借したい利用者を自治体独自のホームページ等で結びつけるサービスです。
空き家バンクのメリット・デメリット
メリット
豊富な物件情報
空き家バンクには、地域ごとにさまざまな古民家や空き家の情報が掲載されており、選択肢が豊富です。
手頃な価格
多くの物件が一般市場に比べてリーズナブルな価格で提供されているため、コストを抑えて購入が可能です。
地域密着のサポート
多くの物件が一般市場に比べてリーズナブルな価格で提供されているため、コストを抑えて購入が可能です。
地方移住を推進
空き家バンクを利用することで、地域の活性化や地方移住の促進に貢献できる点があります。
補助金・助成金の活用
一部の地域では、購入やリノベーションに対する補助金や助成金を利用できる場合があります。
デメリット
物件の選択肢が限られる
地域によっては掲載されている物件数が少なく、理想の古民家を見つけるのが難しい場合があります。
物件の状態が不明確
一部の物件は長期間放置されていたため、修繕が必要な箇所が多く、想定外のリノベーション費用が発生することがあります。
手続きの煩雑さ
空き家バンクを通じた購入には、一般的な不動産取引に比べて手続きが複雑な場合があり、時間と労力がかかることがあります。
地域との調整が必要
地域住民との関係構築が重要であり、移住後に地域に馴染むための努力が求められることがあります。
流動性の低さ
空き家バンクに掲載される物件は、地域や条件によっては市場での流動性が低いため、将来的な売却が難しい場合があります。
空き家バンク利用の流れ
利用登録
借りたい・買いたい人
自治体のサイトや窓口で登録し、希望条件を伝えます。
貸したい・売りたい人
空き家を登録し、物件情報(住所、状態、価格など)を提供します。
物件検索
自治体のサイトで物件情報を閲覧します。希望の物件が見つかれば問い合わせをします。
見学・相談
- 気になる物件を現地見学。建物の状態や周辺環境を確認します。
- 見学後、契約を希望する場合はその意向を伝えます。
契約手続き
- 購入:売買契約書の作成、不動産登記を行います。
- 賃貸:賃貸借契約を締結し、敷金や保証金を支払います。
- 自治体や仲介業者がサポートする場合もあります。
リフォーム・
補助金
- 老朽化した物件にはリフォームが必要な場合があります。
- 自治体によっては補助金制度が利用可能です。詳細は自治体に確認してください。
入居・移住
契約後に入居します。地域住民との交流イベントが用意されている場合もあります。
注意点
- 物件の状態確認:修繕や維持費の把握を忘れずに。
- 地域の暮らしに適応:生活スタイルの違いを理解しておきましょう。
- 自治体のルール確認:空き家バンクの制度や補助金は地域ごとに異なります。
空き家バンクの利用を検討する際は、住みたい自治体に直接相談するのが一番の近道です。
空き家の種類
賃貸用の住宅
所有者が使っていた住宅を使わなくなったため貸し出す物件
二次的住宅(別荘等)
普段は人が居住しておらず必要なときだけ使用する住宅
売却用の住宅
転勤や転職や移住などの理由により、使用していた住宅を処分するために売却する住宅
放置された家
賃貸や売却に出さず放置されている住宅。メンテナンスが行われていないため、劣化し、倒壊の恐れや災害時の被害助長の危険性がある。
「空き家差し上げます」のカラクリ
空き家について調べていると、「空き家を無料で差し上げます」というフレーズを耳にすることがあります。魅力的ではあるものの、警戒し戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。空き家であっても居住できる状態の物件であれば、そのエリアに住みたいと考える人にとっては無料で入手できるなら良い話だということは間違いありません。しかし、無料の空き家を入手する際にも、以下の費用はかかります。
税金
不動産取得税 | 固定資産税評価額の4% 建物や土地などの不動産を取得した際にかかる税金で、不動産の価格には関係なく固定資産税評価額の4%の金額になります。 |
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登録免除税 | 固定資産税評価額×税率(基本4%の変動あり) 不動産を取得した場合、法務局の登記簿に所有権を登録する必要があり、その際に登録免許税を納めなければなりません。 |
贈与税 | 資産価値(評価額)による 不動産を無料で譲渡する場合には、贈与税がかかります。譲り受けた空き家の資産価値が110万円の場合は発生しませんが、資産価値は購入価格とは別なので、0円で譲り受けた場合でも贈与税が発生することもあります。 |
固定資産税 | 固定資産税評価額×税率 空き家を譲り受けた翌年からは毎年、固定資産税の支払いが生じます。固定資産税は1月1日の時点で不動産を所有している場合に課せられる税金のため、1月2日以降に不動産を取得した場合には、その年には固定資産税がかかりません。 |
修繕費
無料で空き家を譲り受けるには、現状のままでの引き渡しとなるため、修繕費がかかることがほとんどです。キッチンや浴室、トイレなどの水回りが古いタイプの空き家が多いため、フルリフォームが必要になることもあります。また、築年数が古い物件は、昔の耐震基準で建てられた家の可能性もあるため、安全で快適な居住空間にするためには、やはり修繕が必要になってきます。
譲渡契約書作成費
空き家を無料で譲り受ける場合には、不動産を通さず、個人間の譲渡となるため、司法書士や弁護士に依頼して、譲渡契約書(※)の作成が必要になります。そのため譲渡契約書作成費がかかります。※譲渡契約書は、自分で作成することも可能ですが、譲渡に関するさまざまな手続きや調査も自分で行わなければならないので、かなり難易度が高くおすすめはできません。

空き家を探す方法
インターネットを活用しよう
空き家専用のマッチングサイト(「空き家バンク」「家いちば」「空き家ゲートウェイ」など)で、日本全国の空き家を探すことができます。
地方の自治体に相談する
移住者を誘致している団体や地方自治体の期間などに相談することで、その地方の季節毎の家の対策や、風習なども知ることができます。
地方自治体のホームページなどにも情報があります

