<h2>どのような経緯で空き家に住むことを決意しましたか?</h2><p>アフリカ・カメルーンでの滞在経験を通じて、自分のライフスタイルを見直したいと思うようになったことがきっかけです。その時、頭に浮かんだ理想の暮らしは、古民家でハンドメイドのアトリエを開くというものでした。</p><p>当時は神戸市に住んでいて、神戸も好きな街でしたが、都市部から離れた場所での生活に挑戦したいという気持ちが芽生えました。そこで、九州を中心に古民家を探し、知り合いのつてを頼って古民家探しの旅をしました。</p><p>その中で、友人が住んでいる愛媛県西予市に立ち寄り、空き家を2件紹介してもらいました。1軒目は家賃が安かったものの、住むためには大幅な改修が必要で断念。2軒目は少し家賃が高めでしたが、庭から見える田園風景が美しく、間取りも広々としていて、訪れた瞬間に「ここに住みたい」と思わず口にしてしまったんです。</p><p>その後、九州も回りましたが、心に響く物件には出会えず、最終的に西予市の友人のサポートもあり、地域おこし協力隊として今の空き家に住むことができました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Ld-69Sz8dMO43F-8yJ18e.webp"></figure><h2>空き家を見つけるために利用した手段やサービスについて教えてください。</h2><p>基本的には、各市町の空き家バンクを利用して物件を探していました。しかし、良さそうな物件が見つかっても、実際に足を運んで確認するまでの決断には至らないことが多かったです。</p><p>当時、空き家に関する知識がほとんどなかったため、今振り返るとインターネットで見つけた物件だけでは上手くいかなかったのではないかと思います。最終的には、空き家を本格的に探し始めた際、各地に住む友人たちに相談し、地元のネットワークを活用して物件を紹介してもらう方法に切り替えました。</p><h2>入居前の空き家の状態や実施した修繕、リフォームの内容について教えてください。</h2><p>入居前の空き家は、瓦や内装ともに非常に良い状態でした。前の住民が残していた家具などもある程度搬出されていたため、私の荷物をスムーズに搬入することができました。</p><p>入居後の最初の1週間は、徹底的な掃除に費やしました。動物臭やトイレの匂いが気になったので、天井裏やトイレなど、家全体を隅々まで拭き掃除しました。また、温水器が壊れていたため、大家さんに修理してもらうまでの2週間は少し寒い思いをしましたが（笑）、その後は快適に過ごせるようになりました。</p><p>入居後は、納屋をハンドメイドのアトリエとして活用し、別宅は古民家民宿に改装しました。改装は基本的に自分たちでできることはすべて行い、原状復帰できるように配慮しながら進めました。躯体（※くたい）には手を加えず、木材を工夫して使い、見た目を整えました。</p><p>主な改修内容は次の通りです。</p><ul><li>天井をスダレ、竹でデコレーション</li><li>内壁の板張り、棚の製作</li><li>納屋のカウンター、棚づくり、床張り</li><li>民宿の畳の表替え、障子のアフリカ布デコレーション</li><li>エアコンの設置</li><li>照明器具の交換</li></ul><p>※「躯体」（くたい）とは、建築物全体を構造的に支える骨組み部分のことで､構造体のことを意味する。&nbsp;</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/5NTOFwSVgpcV_dutJ3aqd.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/YXs7zXCDa3BULhbObP8cw.webp"></figure><h2>支援制度を活用した場合は詳細を教えてください。</h2><p>改装については、基本的に実費でしたので、支援制度は使っていません。使わせていただいたのは、地域おこし協力隊の活動経費です。</p><h2>空き家暮らしを始めてからの日常生活の変化や感じたことを教えてください。</h2><p>空き家や田舎での生活を始めてから、考えることへのストレスが大幅に減ったと感じています。田舎は人もお店も少なく、どこに行くかも自然と限られてくるため、生活がとてもシンプルになりました。</p><p>また、家が密集していないので、圧迫感がなく、玄関を出れば広がる美しい景色に癒されます。畑で土に触れ、天候の変化を肌で感じながら、自然と共に暮らしている実感があります。</p><p>特に楽しいのは、空き家をDIYや改修している時間です。どうすれば自分の理想の空間に近づけるかを考えながら作業するのが非常に充実しています。周りや他人に影響されることなく、今の自分がやりたいことを自由に実行できている点が、とても心地良いと感じています。</p><h2>空き家暮らしで困ったこと、苦労したことについて教えてください。</h2><p>広大な庭や山の管理がとても大変です。今では徐々に慣れてきましたが、カビ問題や虫には悩まされています。<span style="color:#000000;">とくにアリ、ムカデが厄介です。</span></p><p>さらに、昔の家に関する知識がなかったため、建具や畳を一度外して掃除しようとすると、ぴったりと元に戻せなくなることや、砂壁のメンテナンスや外壁のひび割れの修理方法も分からず、対処に苦労しました。</p><p>ただ一番大変だったのは、大家さんとのやり取りだったと思います。賃貸なので、どこまで改修をしていいか、僕のイメージを伝えてもなかなか納得してもらえず、了解を得るのに相当時間が必要でした。</p><h2>地域の人々との交流や関係性の構築について大切だと感じることを教えてください</h2><p>大切なのは程良い距離感を保つことだと思います。移住者は外部の人で、地元住民と同じになるには何十年とかかると思います。</p><p>田舎の地区はいい意味でみんなが家族で、移住者は仲間になるのが精一杯です。ただ、無理にその家族に入ろうとする意識が必要なのではなく、自分がストレスのない距離感を裏表なく表現し、自然に馴染むことが理想です。</p><p>移住者はこの地区の素人であり、分からないことだらけだと思うので、思いっきり頼ったらいいと思います。ただ大切なのは、まず自分がどんな人間かを知ってもらった上で頼ることです。</p><p>そして知ってもらうために、挨拶をしたり、散歩や草刈り、農作業などを通じて地域の方とコミュニケーションをとることが大切だと思います。</p><h2>今後も空き家での生活を続けたいか、その理由について教えてください</h2><p>できる限りここで生活したいと考えています。なぜなら、私が理想とする生活スタイルがやっと整い、今スタートしたからです。</p><p>私が民宿やアトリエを始めたことで、外部の方と地域住民の交流も増えました。それが今後どのように影響していくかを、肌で感じていきたいと思っています。</p><p>そして何より、今までに多くの人に助けてもらったので、その方々にお返しをしていきたいです。</p><p>自分の事業が、地域が求めていることに役立てているという自負があります。ボランティアでなく商売をする上で、私自身が地域の中で何かの役に立っている実感を得られているので、今後もここで生活をしたいと考えています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/oargULmyDKxfdREMtvN5h.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/GwrAN0in73w1whjZVQyzi.webp"></figure><h2>地域の魅力について教えてください。</h2><p>のどかな町で、人々の暮らしはゆったりとしています。自然豊かで、マンモスや古墳などの観光資源があります。季節ごとにご近所の方から野菜をいただくこともありますし、ツルやホタルも見ることができる環境です。</p><p>一方で、お店や病院も近くにあり、想像していたより都市への交通の便も良いです。</p><p>伝統技術や生活知識をもった住民が多く、高齢でもとても元気なおじいちゃんやおばあちゃんがいて、負けていられません。</p><p>少し閉鎖的な印象もありますが、それが逆にこれからどう変化するのか未知数でワクワクします。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/29/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/gGf5YxrgE_4swVWjm1b5T.webp"></figure><h2>空き家暮らしを検討中の方に向けてアドバイスやメッセージをお願いします。</h2><p>空き家物件に関しての知識を高め、水回り、屋根、設備、周囲の状況、風通しなどについて調べてください。</p><p>そして、契約する前に必ず現地を訪れて現地もしくは近隣で宿泊することが大切です。現地の生活感を感じるのと共に、その物件の背景や状態を聞くことも重要です。</p><p>それを踏まえ、全国各地で行われている移住体験や先輩移住者が経営しているお店や宿に行くことをお勧めします。</p>

ワープシティ公式

近年、古民家や空き家を購入し、自らの手でリノベーションを施してコストを抑えつつ、自分だけの理想の住まいを実現するDIYが人気を集めています。

地方移住をきっかけに、古民家・空き家での暮らしを検討する方も増えている中、どのようにして理想的な家を見つけ、購入すると良いのでしょうか。
実際に移住し、家のリノベーションに挑戦した方の体験談をもとに、その魅力と課題を探ります。


第1回目にご協力いただいた方は、愛媛県西予市の久場勝弘さんです。

西予市

愛媛県

所在地：愛媛県西予市、業種：民宿・アトリエ、家の築年数：100年以上


久場勝弘

#1 神戸から西予市へ。古民家でDIYとシンプルな暮らしを楽しむ新生活

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>以前も山梨県で地域おこし協力隊として活動をしていたのですが、コロナ渦であったのと自分が思っていた活動ができていなかったこともあり、もう一度協力隊として関わりたい気持ちがどこかでありました。</p><p>家族の理解もあり、全国の地域おこし協力隊の募集を調べていたところ、以前と同じ業務内容で上島町の募集を知りました。どうせ行くなら訪れたことがなく、知識もない地域がよかったので、ここで生活したらどうなんだろうとか色々と調べながら想像していたらとても楽しくなり、すぐに応募しました。</p><h2>愛媛県上島町を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>場所的には、上島町は25の島々で構成された全国的にも珍しい町で、瀬戸内海の穏やかな海と多島美がどこからでも見れるところが魅力です。3年後の自身の起業などを考えた場合にも観光地としてこれからの伸びしろを感じました。</p><p>また、以前いた約3万人の町の規模では、協力隊自体が町の人にはあまり知られていない感じがありました。それよりもこじんまりとした（上島町は人口6,000人）地域で活動したほうがみんな（協力隊、役場、町民）がより同じような目線に立って物事を進めていけるのではないかと期待を感じたので上島町を選びました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。&nbsp;</h2><p>町の企画情報課に配属し、移住定住支援と空き地バンクの運営を主に業務としています。 具体的には、移住定住支援業務として、移住検討者からの相談対応、東京や大阪などの都市部での移住イベントへの参加、移住定住サイト“かみじまライフ”の運営などを行っています。</p><p>空き家バンク業務としては、空き家物件の登録・物件調査、空き家利用者の登録・物件情報の提供、空き家バンクへの登録促進のためチラシやポスターの作成・配布など業務に関係するものであればなんでもやります。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/CkqlsrDFu-IK9V_bQW_Wv.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？&nbsp;</h2><p>ミッションに共通しているのですが、自分自身も移住者として、これから町へ移住している人の気持ちが分かります。どうしたら、いかに移住者さんたちが上島町へ来ていただけるか、自身の経験などを踏まえ、協力隊として役場の方々と協力しながらよりよい町づくりにしていくことです。</p><p>そして何より、移住を検討している人たちが、数ある町の中からここがいいと思い、実際に移住をしてきてくれることはとてもやり甲斐を感じています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。&nbsp;</h2><p>協力隊としてというのは特にないのですが、町に夜間の移動手段（タクシー）がないので、飲みに行くのが少し大変なところです。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>協力隊として活動したはいいけど、どうやってその地域に留まるのかが一番難しいところだと思います。私自身は現在のところハッキリしたものはないのですが、いい物件があれば、以前にカフェをしていた経験を活かして、趣味のDIYで空き家を活用したカフェなどができればと思っています。</p><h2>上島町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>愛媛県のイメージはみかんなどの柑橘類が豊富といったことくらいでしたが、実際に住んで早々に、頂いた八朔がひと箱集まった時には、やっぱり本場はすごいなあと思いました。その他にも周りの方々から柑橘をはじめ、果物や野菜をたくさんいただけるのはとてもありがたいです。</p><p>住んでいる地域は高齢の方が多いので、うちのような子育てしている世帯に対して温かい目で見守ってくれている気がします。<img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/lhusi8wutoL3s2XTIyTl7.webp"></p><h2>上島町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>離島ならではの「のんびりとした雰囲気」は他では味わえない一番の魅力だと思います。島の中では、いたるところで釣りやサイクリングを楽しんでいる方々がいて、自分の時間を楽しんでいる方が多い気がします。</p><p>また、島を出るにも、車ごとフェリーに乗ってたった5分くらいで本土に行くこともできます。さらに、ショッピングや周辺の観光地へも気軽に行くことができるので、特に不便とは思いません。</p><p>都市部への移動、新幹線の駅や空港へも1時間くらいで行けるので、そういったアクセスの良さも魅力の一つだと思います。また、四国地方ではお接待というお客様に対するもてなしの文化が根付いているので、人付き合いの面でも島に訪れた方々をきっと温かく迎え入れてくれると思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/E6WuGBocfVVEcZ1F_NXMI.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/23/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/8CO5PqN3r7JKLTEaZUv9D.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>人の温かさと豊かな自然、そしてのんびりとした空気感がこの島にあります。ぜひ一度訪れていただいて、自分自身でその空気感を感じていだければと思います。</p><p>都会の目まぐるしいスピード感が少し合わなく感じている人や希薄になった人付き合いが少し物足りない方にはきっと心地よさを感じていただけるのではないかと思います。町の案内も行っておりますので、ご興味がありましたら是非お気軽にご相談ください。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p><p>&nbsp;</p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第67回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、愛媛県上島町の柿沼祐一さんです。

上島町

愛媛県上島町の地域おこし協力隊、趣味・特技：子育て・DIY

柿沼祐一

#67 愛媛県上島町の離島ならではの「のんびりとした雰囲気」の中で子育てしています

<h2>移住することになったきっかけを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生明良さん（以下、柳生）</span>：</b>私は東京生まれ、東京育ちです。将来は地方に移住して、のんびり暮らしたいという夢を持ちながら、都内で教員として働いていました。その生活を一変させたのが『新型コロナウイルス』でした。学校の休校や企業の休業、東京での生活が窮屈に感じはじめましたね。</p>
<p>そこで、地方移住は将来ではなく今行こう！」と一念発起。2021年12月に「新居浜市地域おこし協力隊」として別子山に着任、移住することを決意しました。</p>
<h2>移住にあたり重要視していたことはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生<span style="color: #061d60;">：</span></b>地域おこし協力隊として移住するにあたり、一番重視していたことは子育てについてです。別子山地区は人口約130人ほどで少ないのですが、保育園、そして小中学校の教育施設がありました。子育てしながら活動をしていくには、別子山の環境が最適でした。</p>
<h2>実際に移住してみていかがでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生<span style="color: #061d60;">：</span></b>別子山に着任して最初の印象は「とにかく気持ちがいい」ということでした。青い空と緑、そして澄んだ空気。都会の喧騒から離れ、日々心穏やかに暮らせていることが何よりも楽しいです。移住して一番よかったのは、重視した子育ての環境でした。</p>
<p>別子小学校には、今年、長男の隼平を含む３名の新入生を迎え、全校生徒は８名になりました。先生と生徒の『ほぼマンツーマンでの授業』により、新3年生になった長女の柚は別子山に来てから集中して学ぶことができ、学力は格段に上がりましたね。</p>
<p>さらには多くの地域住民と顔見知りとなり、人とのコミュニケーションをたくさん取ることができるようになりました。東京では「声をかけてくる人には近づかない」という決まりごとでしたが、別子山ではまったくの真逆。子どもがのびのびと暮らせる。子育て環境には最高です。</p>
<h2>地域おこし協力隊としての活動はいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生<span style="color: #061d60;">：</span></b>地域おこし協力隊としては、年々増える獣害被害の対策を担当しています。将来、食料不足が危惧されている今、自分たちの食料は自分たちで賄えるようになりたいと狩猟に興味を持ちはじめました。</p>
<p>罠をかけ、動物をさばくことにはまだ慣れていませんが、命をいただくことに今まで以上に感謝できるようになりましたね。狩猟は地域の人から指導を受けています。今後は獲れた肉を使ったジビエ料理なども開発する予定です。</p>
<h2>移住後のお住まいについて教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生<span style="color: #061d60;">：</span></b>古民家での暮らす準備をしています。今は別子山の公営住宅で暮らしていますが、築200年超の古民家を別子山で借りることができました。しかし空き家となって20年以上、とても人が暮らせる状況ではなく、時間の許す限り『片付けと掃除』の日々を送っています。江戸時代の書物が出てきたり、いつから漬けられていたか分からない梅干しが出てきたり…とハプニングもありました。</p>
<h2>新たにチャレンジしていることはありますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">柳生<span style="color: #061d60;">：</span></b>「こんな経験はない」と古民家再生の模様をYouTubeに投稿しています。約3カ月で登録者は1,000人を超えました。現在は片付けもほぼ終わり、宮大工さんとともに改築の段階に入っています。</p>
<p>地域おこし協力隊の任期満了後も別子山に永住するつもりです。別子山の空き家再利用に1人でも多くの人が興味を持ち、人が集まる別子山になったらいいなと思っています。</p>
<p>フリーペーパーHoo-JA!　2022年4月23日号　掲載</p>
<p>出典: <a href="https://life.city.niihama.ehime.jp/citizen_interview/9585/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://life.city.niihama.ehime.jp/citizen_interview/9585/</a></p>

東京都出身の柳生明良さんは、2021年12月に地域おこし協力隊として愛媛県新居浜市別子山にご家族で移住しました。移住前は小学校教員として勤務していました。現在は獣害対策やジビエ料理の利活用の開発とあわせて、YouTubeで別子山の暮らしを発信しています。魅力がいっぱいの別子山をアピールしたいと話す柳生さんにお話を伺いました。

新居浜市

出身地：東京都、前住所：東京都、現住所：愛媛県新居浜市、職業：新居浜市地域おこし協力隊

柳生 明良

新居浜市の魅力をアピールしたい、今民家再生と永住への決意

<p><img class="alignnone wp-image-15254 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/04e6df20-2.jpg" alt="「古民家ゲストハウス汐見の家」で笑顔の富田桂子さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>ゲストハウスに興味を持ったきっかけはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田桂子さん（以下、富田）</span>：</b>私は1981年生まれ、愛媛県伊予市の出身です。江（ごう）と心（こころ）の2人の子どもを育てるシングルマザーです。もともと旅が好きで20代の頃からヨーロッパや中米、東南アジアなどを訪れていました。</p>
<p>外国に行っても都会より田舎のほうが好きです。都会だと観光客向けの取り繕ったところが多いですが、観光客の行かないような郊外だと住んでいる人たちの生活がよく見える。それが楽しかったんです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15255 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/d6b53ad8-3.jpg" alt="「古民家ゲストハウス汐見の家」の様子" width="1080" height="720" /></p>
<h2>実際にゲストハウスを運営することになった経緯を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>ふとした縁がきっかけです。旅先ではよくゲストハウスを利用していました。イタリア・ローマでは1年間、オーストラリアのパースでも3ヶ月ゲストハウスで働いた経験があります。いつか日本でもゲストハウスをやってみたいという気持ちがありました。転機が訪れたのは2014年、シングルマザーになってすぐでした。</p>
<p>佐島をルーツにもつ東京在住の女性、西村暢子さんと共通の友人を通して出会います。西村さんは、佐島にある親戚の家が取り壊されそうになっているのを惜しんで、その活用の道を探っていました。</p>
<p>その家が、現在ゲストハウスになっている「汐見の家」です。家は改修を経て2016年4月にゲストハウスとしてオープン。私は佐島に移住し、汐見の家の管理人として働き始めました。のちに、もう1人の管理人である工藤美絵さんが合流し、現在は二人で汐見の家を運営しています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15256 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/691f6806-4.jpg" alt="「古民家ゲストハウス汐見の家」の外観と庭木" width="1080" height="721" /></p>
<h2>ゲストとのコミュニケーションも楽しそうですね</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>ゲストハウスは世界中からゲストが訪れます。各国の滞在経験もあり簡単な英語が話せるので楽しいです。この日は中国系ニュージーランド人のナンシーさんが、2週間程度の滞在中です。昼の落ち着いている時間、ナンシーさんと炬燵を挟んでおしゃべりを楽しんだりしています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15257 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/f0059a4e-5.jpg" alt="炬燵で話すゲストのナンシーさんと富田桂子さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>汐見の家の魅力を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>汐見の家の魅力は、まさに「佐島の日常にお邪魔するような滞在ができる」ことだと思います。例えば、子どもたちの送り迎えにゲストと一緒に行ったり、買い物を一緒にしたりします。</p>
<p>こうしてゲストは、島の住人の目線で島の日常を体験できます。でもこれらのことは宿のサービスで行っているものではなく、自分たちの暮らしをあえて意識的に見せているというわけでもありません。</p>
<p>私の自分の暮らしの中に汐見の家があり、仕事とプライベートが隣り合っています。そんな自然体の暮らしを少し垣間見ること、それがゲストに心地よく映るのでしょう。そして、見ず知らずのゲスト同士も、いつしか仲良くなっています。</p>
<p>ゲストの中には、汐見の家に滞在したのがきっかけで佐島に移住した人が10人ほどいます。みな口を揃えて言うのが、佐島の人のあたたかさ。人口およそ500人の小さなコミュニティのなかで、お互いを思いやりながら暮らしている、そんな空気感があります。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15258 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/9158a24f-6.jpg" alt="友人たちと食事を楽しむ富田桂子さん" width="1080" height="721" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15259 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/89908e80-7.jpg" alt="「古民家ゲストハウス汐見の家」の軒先に吊るされた玉ねぎ" width="1080" height="720" /></p>
<h2>子育て環境としてはどのように感じていますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>現在、子どもたちは弓削小学校に通っています。こちらに移住してきたのは、江が3歳、心が2歳のときでした。こちらに来るまで江は、図鑑に描かれているカニの絵も触れないほどでした。</p>
<p>しかし今では、すっかり生きもの好きになりました。島では5月から6月ごろ、路上を小さなカニがたくさん歩いています。近所のおじさんにそのつかみ方を教えてもらい、いまでは簡単に捕まえられるようになりました。</p>
<p>佐島の若い農家・青木俊樹さんにエンドウ豆の収穫をさせてもらい、地域で捕らえられたイノシシの解体もしっかりと見学しました。私では教えられないようなことを、地域の方に教わっています。私の学びもとても多いんです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15260 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/6ce0d13c-8.jpg" alt="ニワトリを抱く富田桂子さんの息子さんの江くん" width="1080" height="721" /></p>
<h2>地元の方たちとの交流についてはいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>江と心は、所属している弓削サッカーチームの練習に週1回通っています。練習時間は18時から19時半までの1時間半です。子どもたちが練習に行っている間、楽しんでいるのは石鹸づくりです。弓削島に住む壬生優子さんの自宅で行う石鹸づくりは本格的でさながら化学実験のようです。</p>
<p>優子さんも移住仲間で、このサークルはその名も「Bubble Club」。メンバーは、先ほどのナンシーさんも加えて4人です。石鹸にはその時々の感覚でエッセンスオイルや柑橘の皮を擦ったものを入れ、オリジナルの石鹸をつくっていきます。たまにこうした趣味のサークル活動でリフレッシュしています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15261 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/fb133c49-9.jpg" alt="参加するサークルで石鹸作りをする富田桂子さんと友人" width="1080" height="720" /></p>
<h2>今後の展望について教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">富田</span>：</b>島では楽しく、平和で健康な暮らしをしていきたいですね。都会のような便利さはないけれど、それが逆にいい。便利って自分勝手な感じがするんです。丁寧に、不便を楽しんで生きていきたい。それから、ずっと未来には、いま私がお世話になっている島の女性たちのようなしなやかで優しいおばあちゃんになりたいです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15262 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/65c8277a-10.jpg" alt="「古民家ゲストハウス汐見の家」の玄関で靴を揃える富田桂子さん" width="1080" height="720" /></p>
<p>古民家ゲストハウス汐見の家: <a href="http://shiomihouse.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://shiomihouse.com/</a></p>
<p>出典: <a href="https://kamijima-life.jp/interview/1381/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijima-life.jp/interview/1381/</a></p>

愛媛県伊予市出身の富田桂子さんは、縁あって2016年に愛媛県上島町の佐島へ移住しました。現在は海外のゲストハウスで働いた経験を活かし「古民家ゲストハウス汐見の家」の管理人として働いています。ありのままの日常を、ゲストと共有し楽しんでもらうスタイルで、富田さん自身も楽しみながら日々を送っています。そんな富田さんに移住や「汐見の家」についてお話を伺いました。

出身地：愛媛県伊予市、現住所：愛媛県上島町、職業：古民家ゲストハウス汐見の家　管理人　

富田 桂子

移住者を呼ぶゲストハウスの管理をしながら、家族と一緒に成長

<p><img class="alignnone wp-image-15242 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/e980a099-2.jpg" alt="静かな海を背に笑顔の平石美智子さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>現在のお仕事の介護福祉士になるまでのいきさつを教えていただけますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>1976年生まれ、出身は山口県岩国市です。高校を卒業してから広島のデザイン専門学校で学び、食品などのパッケージデザイナーとして印刷会社やメーカーで働きました。</p>
<p>30代後半までデザインの仕事に打ち込んできましたが、長時間、深夜まで働く労働環境に疲れ退職。そんなとき社会福祉士の知人が介護の仕事を推してくれました。介護福祉士の可能性ややりがいを感じ、介護の学校の門を叩きました。その後40歳で学校を卒業、広島市の回復期病院に就職し、介護福祉士としてのスタートを切りました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15243 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/07d92eb7-3.jpg" alt="移住のきっかけとなったご友人と笑顔の平石美智子さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>介護の学校へお通いの時に出会いがあったそうですね</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>介護専門学校で若い友人たちがいました。その中にたまたま上島町の出身者がいたんです。生名島の濱口広大さんと、岩城島の澤田美波さんです。ふたりは同級生で私とは年が離れていましたが仲が良くなり、よく交流していました。教室などでも広大くんは生まれ育った島の良さを語っていましたね。</p>
<p>心地よい島のコミュニティのこと、友達との繋がりなど。そんなことを聞くうちに、私も島に行ってみたいと思っていたのです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15244 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/d308361e-4.jpg" alt="上島町の海岸、波がキラキラしている様子" width="1080" height="720" /></p>
<h2>ご友人との出会いが上島町への興味へとつながったのですね</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>そんなわけで学生時代に一度、みんなで岩城島に旅行し、積善山の展望台でキャンプをすることになりました。島の中をいろいろと見て回るうちに、福祉の仕事をする上で、地域と繋がれることが羨ましいな、と思いました。</p>
<p>都市部の病院では、利用者さんが病院に来た時にしか診られません。しかし島では介護する側の生活圏のなかに利用者さんたちがいますから、病院以外でも目を配ることができます。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15245 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/bbe3f0ca-5.jpg" alt="砂浜に立つ平石美智子さんの足元のアップ" width="1080" height="720" /></p>
<h2>上島町への移住になったきっかけはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>その後、広島の病院を退職した私に、濱口さんが「島に来てみたら？」と声をかけてくれました。その一言が大きな転機となりました。まず佐島のゲストハウス汐見の家にヘルパー（無報酬で働く代わりにベッドを提供してもらう）として逗留し、およそ3ヶ月を過ごしました。</p>
<p>さて、これからどうしよう？ と思っていた矢先に、たまたま現職場である社会福祉協議会の求人を見つけたのです。応募すると、見事に採用内定をいただきました。住む家もうまく見つかり、いまの暮らしが始まりました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15246 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/e7352a8e-6.jpg" alt="介護施設内でお年寄りに寄り添う平石美智子さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15247 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/cddecbc4-7.jpg" alt="介護施設でのお年寄りたちとの時間" width="1080" height="720" /></p>
<h2>移住後の上島町の印象はいかがでしたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>来てすぐの時は、ほかの移住者さんたちを見ていると皆やりたいことがあって、キラキラしてる。それに対して私は何がやりたいんだろう……ちょっと場違いなのかもしれない、と思ったこともありました。</p>
<p>そんなとき誰かが「いいことは海の向こうからやってくるよ、焦らなくていい」って言ってくれたんです（笑）。1年間ほどは何のために島にいて、働いているのか？という葛藤が常にありました。</p>
<p>島という小規模のコミュニティのなかにひとりで暮らし、働くことに慣れるまで、正直苦しかったですね。しかし、たまに島外に遊びに行くと、島に帰ってきたらホッとする、という不思議な感覚を感じていました。それは何か、自分でもまだよくわかりません。</p>
<p>生名の人はいい意味でお互いがほどよい距離をとっているように感じます。地域のしがらみもそれほどなく、どこか都会的で、開放的。それが心地いいのかもしれないですね。</p>
<h2>社会福祉協議会での仕事についてはいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>施設内で要介護者に接するのではなく、その前段階の「まだ要介護ではないけれど、近い将来に要介護者になる人たち」のサポートを地域の中で行っています。</p>
<p>例えば「高齢者いきいきサロン」では、公民館を使って地域のお年寄りに集まってもらい軽い運動プログラムなどを一緒に行いながら、お年寄り一人ひとりの健康状態を確認します。お年寄りの孤独解消や社会参加を目指すこうした仕事の中で、地域とつながっていられることが嬉しいですね。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15248 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/6091cb52-9.jpg" alt="平石美智子さんが飼う猫のげんまい君" width="1080" height="720" /></p>
<h2>一緒に暮らす同居人がいるそうですね</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>猫のげんまいです。生名島に住み始めて数ヶ月後、もらい手のなかった彼を引き取りました。げんまいとの共同生活は私にいろいろなことを教えてくれます。</p>
<p>いまは社協の仕事を前向きにやりながら、猫との暮らしを楽しみたいですね。季節を感じて、しっかりと食事をして、丁寧に暮らす、そんな生活を続けていきたいです。社会に役立ちたい気持ちは強いですね。将来的には気の合う仲間と一緒に何かつくっていけたら楽しいと思います。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15250 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/277b6da9-10.jpg" alt="平石美智子さんのご自宅の本棚" width="1080" height="720" /></p>
<h2>今後の目標があれば教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">平石</span>：</b>人との関わりがあってこそ自分もある。岩登りでロープをパートナーに託して命を預けるように、信頼できる仲間と同じ時間、景色を共有しながら生きていけたらいいですね。まずは今の生活を、運命には抗わずに受け入れていきたいと思っています。</p>
<p>社会福祉法人 上島町社会福祉協議会　<a href="http://www.kamijima-shakyo.or.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://www.kamijima-shakyo.or.jp</a></p>
<p>出典: <a href="https://kamijima-life.jp/interview/1343/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijima-life.jp/interview/1343/</a></p>

山口県岩国市出身の平石美智子さんは、ご友人との出会いをきっかけに愛媛県上島町へ移住しました。現在は上島町社会福祉協議会の職員として勤務されています。休日には山歩きや岩登りをするというアウトドアが好きな平石さん。猫のげんまい君と暮らす平石さんにご友人との出会いや移住について、お話を伺いました。

出身地：山口県岩国市、前住所：広島県、現住所：愛媛県上島町、職業：上島町社会福祉協議会職員

平石 美智子

いいことは海の向こうからやってくる、焦らなくていい

<p><img class="alignnone wp-image-15227 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/88bf3906-2.jpg" alt="マシュー・ピーターセン（マット）さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>上島町弓削島を知ったきっかけを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マシュー・ピーターセンさん（以下、マット）</span>：</b>私はニュージーランドのニュープリマス市の出身です。父がニュージーランド人、母がマレーシア人のハーフです。大学時代にニュージーランドのオークランドで過ごしたあと、2018年6月に弓削島に住む友人のサムさん一家を訪ねてやってきたのが、島との出会いでした。</p>
<p>その時の島の印象は人がとても親切で、ちいさな規模の町というのが素晴らしいと思いました。ニュージーランドの田舎もいいのですが、1ヶ月滞在するなかで弓削島のほうが住むのにいいかも、と思うようになったんです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15228 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/dac502c3-3.jpg" alt="窓際に座り笑顔で話す奥様のももこさん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>マットさんとの出会いについて教えていただけますか？</h2>
<p><b><span style="color: #58cbb7;">ももこ・ピーターセンさん（以下、ももこ）</span>：</b>私は兵庫県西宮市出身で、地元の大学を経てオーストラリアへワーキングホリデーで滞在していました。日本に帰って満員電車を見ていると、都会の人があまり幸せそうに見えないことに気づいたんです。そんな折、日本に来ていた彼と偶然出会って意気投合しました。その後結婚し、2019年1月に一緒に弓削島へ移住しました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15229 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/1b7b39a1-4.jpg" alt="青いコントラストが美しい愛媛県上島町の弓削島の風景" width="1080" height="720" /></p>
<h2>弓削島を移住地にした決め手を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #58cbb7;">ももこ</span>：</b>島のコミュニティが心地よかったですね。例えば、島の陶芸家の宗兵衛窯さんのところへ土ひねり教室に行くのに道に迷って困っていた時に、近くの自動車修理工場の富田さんが現地まで歩いて案内してくださったり。</p>
<p>それから食堂まるふ農園やKitchen 313 Kamiyugeといったオシャレな食べ物屋さんが、こんな小さな離島にあるのか！というのも驚きで楽しかったんです。長い滞在中にふたりとも「弓削島には明るいパワーがある」と感じ、ここを住む場所に選びました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15230 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/a558514b-5.jpg" alt="コーヒーを抽出するマシュー・ピーターセンさんの手元のアップ" width="1080" height="720" /></p>
<h2>移住してみて、新たに感じたことはありましたか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マット</span>：</b>住み始めると経済的な問題がありました。当初、私は日本語があまり上手でなかったため、働ける場所も限られていました。そこで妻は飲食店や観光協会の事務、児童クラブなどいくつものアルバイトを掛け持ちして家計を支えてくれました。あるとき事務職で正社員の仕事の募集がありました。</p>
<p>安定的な収入を得られる仕事でしたが、私は「都会でもできる仕事を収入のためだけにやるのは、そのうち島にいるのが嫌になるんじゃないかな」と思ったんです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15231 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/5f738f42-6.jpg" alt="「ゆげ海の駅舎ふらっと」の外観" width="1080" height="720" /></p>
<h2>なるほど。では、どのようにして就職先を決めたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マット</span>：</b>そうこうしているうちに、海の駅舎「ふらっと」の管理委託の話がありました。世界中から訪れたヨットが停泊し、町内でも国際色豊かな場所です。明るくて英語が堪能だった私達にはとてもマッチした仕事であるとお話をいただきました。</p>
<p>上島町役場との契約を経て、2020年6月から管理業務をスタートしました。ヨットの受付業務や観光案内だけでなく、持ち前のアイディアを生かして「ふらっと」を使ったイベントなども企画・実施しています。例えば、「ふらっと」のスロープの下にある天井の低いスペースの使い方を工夫しました。</p>
<p>もともと物置としてしか使われておらずほぼ生かされていなかった空間でしたが、ここをキッズスペースとして開放し、おもちゃや簡単な遊具を置きました。まるでちょっとした秘密基地みたいで、狭いところが好きな子どもたちはとってもうれしそうです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15232 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/bcedf66d-7.jpg" alt="「ゆげ海の駅舎ふらっと」のスロープ下に設置したキッズスペース" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15233 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/0ad14b0e-8.jpg" alt="「Kamijima Tours」での外国人ツアーをするマシュー・ピーターセンさん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>新たな事業も始めたそうですね？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マット</span>：</b>「ふらっと」の運営と並行して、上島町を訪れる外国人向けのツアーガイドを始めました。その名も「Kamijima Tours」です。コンセプトは「素の島を体験してもらう」こと。特別な観光スポットを回るのではなく、島に住む私達の友人を訪ねてゲストと交流してもらったり、路地裏を案内して島の暮らしの様子を体感してもらったり。もちろん、希望者にはしまなみ海道にも足を伸ばして案内をすることもあります。</p>
<p>コロナ禍で外国人が入国できなくなる前には何組ものゲストを受け入れました。2021年春からは旅行者向けの原付バイクレンタルを始めるなど、着々と事業のカタチを固めていっています。</p>
<h2>移住当初に懸念していたマットさんの日本語はどのように習得されたのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マット</span>：</b>Kamijima Toursの事業に取り組みながら、移住してまもなくアルバイトさせてもらうようになった島の寿司居酒屋「ととや」で今も働いています。大将の岩越竜司さんとは息が合いました。「マットは真面目で飲み込みが早いんですよ。お客さんともすぐ親しくなってくれるしね」と言ってくれます。</p>
<p>もともと料理が好きだったので、店で出す料理もすぐに上達しました。今では寿司も握ります。接客のおかげで日本語も上達し、日常会話程度だとほとんど問題なく話せるようになりました。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15234 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/bfc535f1-9.jpg" alt="マシュー・ピーターセンさんと島の寿司居酒屋「ととや」大将の岩越竜司さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15235 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/46d82089-10.jpg" alt="笑顔のマシュー・ピーターセンさんと奥様のももこさん" width="1008" height="672" /></p>
<h2>今後の目標があればお聞かせください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">マット</span>：</b>今後の目標はタイニーハウス（ちいさな家）を建てたい！と思っています。何でも、静かな浜辺の近くに自ら大工仕事をして家を作りたいです。今は自立を目指すために、面白そうなことには積極的にチャレンジしていきたいですね。家を建てるのもその一環です。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15236 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/bbc6865e-11.jpg" alt="窓際に置かれたたくさんの小さな多肉植物の鉢" width="1080" height="720" /></p>
<p>Kamijima Tours: <a href="https://kamijimatours.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijimatours.com/</a></p>
<p>出典: <a href="https://kamijima-life.jp/interview/1296/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijima-life.jp/interview/1296/</a></p>

ニュージーランド出身のマシュー・ピーターセン（マット）さんと、兵庫県西宮市出身のももこさんご夫妻は、2019年1月にご夫婦で愛媛県上島町へ移住しました。現在は弓削島で、日本はもちろん世界中から訪れたヨットが停泊し、町内でも国際色豊かな場所である「ゆげ海の駅舎ふらっと」を管理・運営しています。笑顔あふれるお二人の出会いから移住、今後の展望についてお話を伺いました。

マシュー・ピーターセン、出身地：ニュージーランド・ニュープリマス市、前住所：ニュージーランド・オークランド、現住所：愛媛県上島町、職業：海の駅舎「ふらっと」管理、Kamijima Tours 運営、ももこ・ピーターセン、出身地：兵庫県西宮市、現住所：愛媛県上島町、職業：海の駅舎「ふらっと」管理、Kamijima Tours 運営

ピーターセン マシュー・ももこ

弓削島の明るいパワーに惹かれて。島でしかできない仕事をする

<h2>Uターン移住するまでのいきさつを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">塩見尚徳さん（以下、尚徳）</span>：</b>1975年上島町弓削島で生まれました。弓削高校を卒業後、進学のため岡山へ行きました。自動車整備の仕事に就き岡山と福山で整備工場勤務した後、魚島に当時いた知人から声をかけてもらったのがきっかけです。2016年魚島村漁協（当時）へ移りました。</p>
<h2>現在のお仕事について教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">尚徳<span style="color: #061d60;">：</span></span></b><span style="color: #fe5782;"><span style="color: #061d60;">現在は愛媛県漁業協同組合の魚島支所長を務めています。</span></span>朝、漁船が港へ着くと鯛やカワハギ（瀬戸内では「ハゲ」という）、大きなハマチが素早く水揚げされます。漁協の仕事には朝の「だんべ」という作業があります。エラの奥に鋭い刃を差し込んで魚の動きを止め、血抜きをすることで魚の鮮度を保つ大切な作業です。大きな容器に氷水を用意し、活け締めされた魚たちを手早くその中に入れていきます。</p>
<p>活け締めが終わると次に魚の重量を計測して記録し、発泡スチロールのトロ箱に氷とともに魚を箱詰めします。このとき測った重さで買取価格が決まるので、先方への信用面も含めて正確性が非常に大切な作業になります。仕事は「だんべ」だけでなく、漁獲高管理、融資、燃料販売など多岐に渡ります。</p>
<p>商品は鮮度が命です。僕は漁師さんをサポートする立場だと思っています。漁師さんが大漁だったり売り上げが多かったりして喜んでくれると僕も嬉しいですね。仕事はきついことも多いけれど、やりがいはかなりあると感じています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15211 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/150ce6b2-2.jpg" alt="水揚げされた魚を「だんべ」する漁師の皆さんの様子" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15212 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/9b56deaa-3.jpg" alt="「だんべ」作業をする漁師とかごに入った魚" width="1080" height="721" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15213 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/58ffe783-4.jpg" alt="水揚げされたカゴに入った魚を扱う漁師たちの様子" width="1080" height="721" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15214 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/816976cf-5.jpg" alt="漁協でパソコンに向かい作業する塩見尚徳さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15215 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/2b43c0dd-6.jpg" alt="パソコンに向かい作業する塩見尚徳さんの腕のアップ" width="1080" height="720" /></p>
<h2>愛媛県上島町へ移住した経緯を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #58cbb7;">塩見亜希子さん（以下、亜希子）</span>：</b>出身は愛媛県愛南町です。地元の高校、兵庫県の看護大学を卒業後、兵庫県と高知県の病院で看護師として勤務していました。地方の総合病院で働くうち、病院にきてもらう時だけ患者さんを診るのではなく、患者さんの日常生活にも関わりながら医療に携わりたいと思うようになりました。</p>
<p>病院中心ではなく地域全体で患者を支える、いわゆる［地域医療］を自ら実践したいと考えたんです。そんなとき、魚島診療所が看護師を募集していることを知りました。</p>
<p>魚島のような小さなコミュニティだと、思い描くような医療が経験できるかもしれない。そのようなわけでその募集に応募し、採用され2017年10月に魚島に移住することになりました。生まれ育ったところ（愛南町久良）が魚島と同じような漁師町で、実家も養殖業を営んでいたことから、魚島の暮らしにも違和感はありませんでしたね。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15216 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/d15dc043-7.jpg" alt="診療所のエントランスにて笑顔で立つ塩見亜希子さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15217 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/0c054c1c-8.jpg" alt="診療所で手にカルテを持ち笑顔で同僚と話す塩見亜希子さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15218 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/36c72280-9.jpg" alt="診療所で電話をする様子の塩見亜希子さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15219 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/18979a76-10.jpg" alt="長女の芽依ちゃんを抱っこして歩く塩見尚徳さんと奥様の亜紀子さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>ご夫婦それぞれが移住した後にご結婚されたそうですね。子育て環境はいかがですか？</h2>
<p><b><span style="color: #58cbb7;">亜希子<span style="color: #061d60;">：</span></span></b>私達は魚島でバンド活動を通して知り合い結婚しました。2019年に長女の芽依が誕生しました。芽依ちゃんは2021年現在最年少の島民で、魚島保育所の唯一の園児です。</p>
<p>ちなみに芽依の上には小学校2年生の子のほか小中学生が計5人、弓削高校に通う高校生が1人います。子どもたちは地域の宝。島のみんなで子どもを育てる、そんな空気を感じます。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15220 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/a56dbc70-11.jpg" alt="保育士さんと魚島保育所の唯一の園児の塩見芽依ちゃん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>上島町で暮らす魅力を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">尚徳</span>：</b>魚島のいいところは面倒見の良さだと思います。独身時代は冷蔵庫の中が空っぽでも近所の人が食事に呼んでくれたり、おかずをお裾分けしてくださったり、いろいろお世話をしてもらいました。</p>
<p>仕事に必要な部材を買うのにホームセンターがあったら……と思う時はあります。でも離島とはいえ、インターネット通販ですぐ届くので、慣れてしまえばそれほど不便は感じません。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15221 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/d6abc9aa-12.jpg" alt="ご自宅で塩見さんご夫婦と長女の芽依ちゃんが遊ぶ様子" width="1080" height="720" /></p>
<p><b><span style="color: #061d60;"><span style="color: #58cbb7;">亜希子</span>：</span></b>地続きだと何でもすぐ手に入りますよね。ここではそうじゃないけれど、私は逆に、大切なものって何かを考えながら生活できると思うから気に入っています。娘の教育のことについては、少し心配はあります。</p>
<p>同級生だけでなく年の近い子もいないので、そういった友達の間のコミュニケーションができない。ですので、もし移住者が来てくれて子どもが増えるととても嬉しいです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15223 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/1ebc27b8-13.jpg" alt="美しい愛媛県上島町の港の風景" width="1080" height="720" /></p>
<h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">尚徳</span>：</b>挑戦したい人にぴったりの島だと思います。魚島では次世代に向けて漁業の担い手を募集しています。漁業は自分の経験や体力、センスなどが総合的に問われる仕事。</p>
<p>だから面白いともいえます。いまは手厚い研修制度がありますし、高齢のため廃業する方の中古船も手に入りやすいです。漁協も現在職員を募っています。漁師も漁協もマニュアルはありません。臨機応変に自分の考えで動きたい、動ける人にはいい環境です。若い人の挑戦を待っています。</p>
<p>愛媛県漁業協同組合　<a href="http://www.ehimegyoren.or.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://www.ehimegyoren.or.jp</a></p>
<p>出典: <a href="https://kamijima-life.jp/interview/1257/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijima-life.jp/interview/1257/</a></p>

塩見尚徳さんと亜希子さんご夫婦は愛媛県上島町への移住後に出会い、ご結婚されました。現在は尚徳さんは漁協の支所長、亜希子さんは診療所で看護師として子育てをしながら暮らしています。「大切なものは何か」を考えながらの暮らしを気に入っていると話す亜希子さん。そんな塩見さんご夫婦に上島町での暮らしと魅力についてお話を伺いました。

塩見尚徳、出身地：愛媛県上島町、前住所：岡山県、現住所：愛媛県上島町、職業：愛媛県漁業協同組合　魚島支所長、塩見亜希子、出身地：愛媛県愛南町、前住所：高知県、現住所：愛媛県上島町、職業：魚島診療所　看護師

塩見 尚徳・亜希子

人口150人以下の小さな島、魚島で家族を育む

<p><img class="alignnone wp-image-15198 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/123ebc1c-2.jpg" alt="運営する「しましま農園」で作業する原田広志さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15199 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/fb1d793b-3.jpg" alt="笑顔の原田広志さんの横顔" width="1080" height="720" /></p>
<h2>上島町岩城島へ移住するまでの経緯を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田広志さん（以下、原田）</span>：</b>自分がしたい仕事をするために上島町を選びました。私は京都出身、母が岩城島、父が近隣の広島県尾道市生口島の出身なので、幼い頃から島には親しんできました。大学では農学部の環境化学研究室で学び、卒業後は交通系企業のサービス品質を管理する会社に就職し、4年間勤務しました。</p>
<p>当時は会社を良くしようと考えて頑張っていたけれど、会社にはそうでない人もいましたから、周囲との温度差が気になって（笑）。そう気付いて、自分がしたい仕事をやろう、と決心しました。</p>
<p>幼い頃から生口島のおばあさんのみかん畑で遊び、農業が身近で親しみがあったので、会社勤めの合間に農業の本を読み、程なく小さな土地を借りて家庭菜園を始めました。実際に農業を体験してみると面白くなり、平日は会社で勤務、土日に有機農法を学ぶ農業学校に通うようになりました。1年そこで学んだあと務めていた会社を退職。</p>
<p>将来の本格就農に向けて、有機野菜を扱う八百屋「坂ノ途中」の自社農園「やまのあいだファーム」や、イチゴ・九条ネギなどを慣行農法（化学肥料や農薬を使用する一般的な農法）で生産している「渋谷農園」で修行しました。そのような中で、畑をすることが、「人生で一番時間を使いたいものだ」と自分の中で確信したのです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15200 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/da6d9357-4.jpg" alt="「しましま農園」の作業場にある並べられた道具の数々" width="1080" height="720" /></p>
<h2>上島町岩城島での就農を決めた理由を教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田</span>：</b>農業を生業にするなら、暮らす場所は生まれ故郷の京都、または、ルーツのある岩城島や生口島のどれかと考えていました。上島町に地域おこし協力隊（上島町では島おこし協力隊という名称）の制度があり隊員を募集していたことから岩城島を選び、2016年11月に岩城島へ移住しました。</p>
<p>協力隊員として町内の農家でのお手伝いを通して島の農業を学びつつ、自らの生き方も考える1年間を過ごし、17年11月に協力隊を卒業。現在（2021年3月）は農業次世代人材投資資金の給付を受けながら、農家として独り立ちしていくための大切な期間を過ごしています。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15201 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/2b726083-5.jpg" alt="「しましま農園」で実った鮮やかな黄色のレモン" width="1080" height="720" /></p>
<h2>運営する「しましま農園」について教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田</span>：</b>「しましま農園」は、野菜と果樹を主体としています。園地の総面積は1町8反（約17,850平方メートル）あります<b>。</b></p>
<p>有機農法の農家さんたちはストイックに有機にこだわっていますし、慣行農法は野菜の見せ方はもちろん収益性を追求しています。僕は両方の経験をしてきたうえで、どちらも間違いではないなと思っています。いま目指しているのは、いいバランスでその両方がある形です。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15202 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/12de4ad2-6.jpg" alt="収穫した野菜の手入れをする原田広志さんの手元" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15203 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/aafa718f-7.jpg" alt="「しましま農園」に実る芽キャベツ" width="1080" height="720" /></p>
<h2>「しましま農園」ではどんな作物を作っていますか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田</span>：</b>野菜は固定種を中心におよそ50品目を少量多品種で栽培、それに加えて愛媛果試第28号（商標登録名：紅マドンナ）やレモンなど数種類を育てています。基本的に、僕が好きな品種を有機農法でつくっています。</p>
<p>これまで合わせて70品目くらい試しながら、最近になってその中から売れる、または売りやすいものを絞り込み、50品目ぐらいに落ち着いてきたところですね。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15204 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/a7dc34d9-8.jpg" alt="野菜の収穫作業をする原田広志さん" width="1080" height="720" /></p>
<h2>新しい作物にもチャレンジされると伺いました</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田</span>：</b>野菜や柑橘の栽培のかたわら、いま取り組んでいるのはアボカドの事業化です。国内に流通しているアボカドはほとんどが輸入品で、国内産はごくわずか。ですが、じつは岩城島には自然に成長しているアボカドの大木があり、毎年実をつけています。</p>
<p>また愛媛県内でも先行的に栽培に成功した例もあります。希少な国産アボカドは、安全性や味が評価され輸入品の数倍の価格で取引されており、高収益が狙えるまさにこれからの作物です。なので、アボカドを農園の中心的存在に育て上げたいと思い、自らタネを発芽させ、苗を育てはじめました。アボカドを植えているのは主に生口島の園地です。</p>
<p>しまなみ海道の高速道路に程近い、日当たりの良い斜面にいくつものアボカドの幼木が植わっています。背丈以上に大きくなっているものもあれば、小さいまま枯れてしまっているものもあります。一筋縄ではいかない未知への挑戦です。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15205 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/ae478ba4-9.jpg" alt="栽培中のアボカドの苗" width="1080" height="720" /></p>
<p><img class="alignnone wp-image-15206 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/59f848a0-10.jpg" alt="水に挿し発芽を待つアボカドの種" width="1080" height="720" /></p>
<h2>今後の目標がありましたら教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">原田</span>：</b>僕が農業に取り組むことが、社会の役に立つようになればいいなと思います。僕の野菜を食べていただいたり、岩城の畑を訪れていただくことで、野菜が好きになったり自然のことを学んで暮らし方が変わったりする人が増えるような、そんないい影響を社会に与えられたら幸せです。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-15207 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/05/e6e7bd79-11.jpg" alt="アボカドの木を見つめる原田広志さん" width="1080" height="720" /></p>
<p><a href="https://shimashimano.thebase.in/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">しましま農園直販サイト: https://shimashimano.thebase.in</a></p>
<p>出典: <a href="https://kamijima-life.jp/interview/582/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://kamijima-life.jp/interview/582/</a></p>

京都府出身の原田広志さんは、2016年11月に島おこし協力隊として愛媛県上島町の岩城島に移住されました。現在は「しましま農園」を運営し、野菜と果樹を露地栽培しています。移住して5年、新たな作物であるアボカド栽培に挑戦する原田さんに、上島町岩城島を選んだ理由や農園の今後についてお話を伺いました。

出身地：京都府、現住所：愛媛県上島町、職業：しましま農園　代表

原田 広志

国産アボカド生産を目指す「しましま農園」

<h2>伊方町へ移住する前のことを教えてください</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">田中健介（以下、田中）</span>：</b>出身地は、兵庫県宝塚市です。小・中は野球、高校・大学はアメフト、泥まみれの体育系でした。社会人時代は、大阪市内のベンチャー企業にて、営業チーフや新規事業責任者としてビジネスの波に揉まれました。</p>
<p>週末になれば、友達と飲みに行ったり、旅行に行ったりと、昔からじっと出来ないタイプです。「やりたいことはやる」というスタンスで、26年間生きてきました！！</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11874 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/35662f3b-_移住体験談画像1.jpg" alt="大阪市内のベンチャー企業にて、営業チーフや新規事業責任者として勤務していた頃の田中健介さん" width="1150" height="768" /></p>
<h2>伊方町に移住を決めたきっかけは？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">田中</span>：</b>もともと、“独立思考”が強かったこともあり、社会人時代に、一から新規事業の立ち上げを経験しました。苦しい中でもやりがいを感じており、立ち上げた新規事業の黒字化にも成功しました。</p>
<p>1年が経った頃、コロナの影響で在宅勤務になったのをきっかけに、四国各地を転々と旅をしたんです。その時に出会ったのが伊方町です。</p>
<p>“景観”や“町並みの良さ”、何よりも“海の綺麗さ”に惚れてしまいました。考えた末、自然豊かな伊方町に移住し、独立することに決めました！</p>
<h2>伊方町のおすすめスポットはどこですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">田中</span>：</b>私がおすすめしたいスポットは、大久（おおく）海岸です。透明度が高く、海がとてもきれいに見えることが特徴です。</p>
<p>この海を毎日見たくて、僕はここから徒歩20秒の場所に住んでいます。すぐ近くに海水浴場があって、砂浜の長さは約1.5kmもあるんですよ。穏やかな波の音、この透明度を楽しめる毎日は、僕からしたら本当に贅沢です！</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11875 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/4efeb88c-2.jpg" alt="田中健介さんお勧めの大久（おおく）海岸。海の透明度が高い" width="1108" height="1477" /></p>
<h2>伊方町ではどのようなお仕事をされているのですか？</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">田中</span>：</b>“フリーミッション型”という形で、地域おこし協力隊の業務を町から委託して頂きました。主に、アウトドア関連の業務を行っています。</p>
<p>その中で、キャンプ・グランピングの施設を造り、運営します。また、アウトドア関連のイベント企画、Barの運営なども行っております。</p>
<p>僕の場合、個人事業主として活動しているので、ある程度自由度も高く、会社設立に向け、事業化を進めています。また仕事の傍ら、お笑いコンビ『ファンファーレ』としての芸能活動もしております。</p>
<p><img class="alignnone wp-image-11877 size-full" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/02/57b6c1df-5.jpg" alt="地域おこし協力隊でアウトドア関連の業務を行う田中健介さん（左）" width="750" height="563" /></p>
<h2>伊方町への移住を検討している方へ、メッセージをお願いします</h2>
<p><b><span style="color: #fe5782;">田中</span>：</b>伊方町に移住して約1年になりますが、今言えることは、「伊方町で良かった」ということです。仕事や人間関係など、都会から地方への移住は大きな変化があると、周りの人は言いますが、僕は“自分次第”だと思っています。</p>
<p>仕事に関しても、地方の方が課題が多いので、自分の“発想”と“行動次第”で、色々なことができると思っています。可能性を大いに秘めていると思いますね。</p>
<p>また、お昼ご飯や晩御飯を地域のお母さん方から貰うことが多いなど、人との距離も近いです。僕はこの“つながり”に心地良さを感じています。</p>
<p>目の前に広がる海、そして風車を毎朝見れるのは、格別に幸せです！一度、伊方町に遊びに来ていただければ、伊方町の魅力を存分にお伝えします！</p>

兵庫県宝塚市出身の田中健介さんは、2020年11月、地域おこし協力隊として、当時の勤務地であった大阪市より愛媛県伊方町に移住をしました。四国巡りの旅の途中で、偶然出会ったという伊方町。伊方町の景観と海の美しさに惚れ込み、移住することを決意したのだとか。現在は、協力隊の“フリーミッション型”という体制で、主にアウトドア関連業務に携わっているという田中さん。伊方町での起業の目標に向け、日々奮闘中です。海を眺めながら暮らす伊方町での暮らしに格別の幸せを感じているという田中さんに、お話を伺いました。

伊方町

出身地：兵庫県宝塚市、前住所：大阪市、現住所：愛媛県伊方町、職業：地域おこし協力隊

愛媛県

愛媛県の移住体験談一覧：9件