<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>前職では自動車エンジン製造メーカーに約20年勤め、主にアルミ鋳造工程を担当していました。シリンダーヘッドやシリンダーブロックの素材を扱い、アルミを溶かして金型に流し込み、固めて形成する鋳込み工程など、「モノづくり」の現場で働いていました。</p><p>会社には不満はなかったものの、長年勤める中で、自身のキャリアや家族との生活、子育てについて考える機会が増えました。そんな時期に、家族と相談し、新たな環境で働くことや子育て環境を変える決意をし、小豆島への移住を決めました。</p><p>新しい環境では「モノづくり」ではなく「ヒトと関わる」仕事をしたいと考えていたところ、ちょうどそのタイミングで地域おこし協力隊の募集がありました。特に「雇用に関する」ミッションに強く惹かれ、履歴書を送りました。</p><p>移住定住促進や観光、農業などさまざまなミッションがある中で、「雇用に関する」ミッションが他の地域では見られなかったことも、応募の動機になりました。</p><h2>香川県小豆島を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>私は、瀬戸内の温暖な気候や穏やかな海、豊かな自然に魅了され、小豆島への移住を決意しました。特に、離島でありながらも、地元の京都からのアクセスが良好で、島外への移動手段として自家用車だけでなく公共交通機関も利用できる点が、決め手の一つとなりました。</p><p>また、学生時代に部活動の合宿で訪れた経験があり、当時から何かしらの縁を感じていました。さらに、移住を決める前に実際に現地を訪れ、家探しのために島を巡った際、車の窓越しに見えた青々とした瀬戸内の海の光景は今でも心に深く刻まれています。その爽快感は忘れられず、ここでの生活を夢見るようになりました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>私のミッションは、小豆島・豊島での雇用活性化に取り組む雇用コーディネーターとして活動することです。私は厚生労働省による地域雇用活性化推進事業の一環として、主に島内の企業様と求職者様の間に立ち、就職に繋げるためのマッチングを行っています。</p><p>私は、小豆郡地域雇用創造協議会、通称「島ワークプロジェクト」に所属し、島内の人手不足を解消するための取り組みを日々行っています。行政やハローワークと連携し、島内での就職や転職を希望する方、そして移住者の就職サポートも行っています。</p><p>さらに、島内企業様の魅力をインターネットを活用して発信し、求人情報だけでは伝わりにくい具体的な働くイメージを提供するため、「企業見学会」や「インターンシップ」（学生だけでなく一般社会人向け）、都市部での移住セミナーを開催し、マッチングに繋げる活動を行っています。</p><p>また、島内での転職や移住を考えている方への相談対応や、比較的移住時期の浅い方を対象とした交流会イベントの企画・開催・運営も手掛けています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/RYzY21sWawsETAUEiD_Pt.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>私は、多くの「ヒト」と関わることができる点に、大きなやりがいを感じています。</p><p>前職では、業務上、職場内のメンバーと関わる機会はありましたが、主な仕事は「モノづくり」でした。しかし、地域おこし協力隊として活動するには、人との繋がりが非常に重要です。</p><p>現在は、企業様と求職者様の間に立ち、就職サポートや相談業務を通じてお役に立てることに、深い喜びを感じています。特に、自身が移住を経験したことで、移住を考えている方々を支援できることに、さらにやりがいを感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/NbXTktvN0m5iF048mI0Ic.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>地域おこし協力隊としての仕事は、与えられたことをただこなす作業的なものではなかったことです。前職でのモノづくりでは、効率を重視し、決められた作業や手順に従うことが多かったですが、地域おこしの活動ではそうした枠組みが存在しません。</p><p>企業様、求職者様、そして地域が抱える多様な課題に直面しながら、私自身も「地域おこし協力隊として何ができるのか？」を常に考えるようになりました。上から目線ではなく、地域の一員として、自分がどれだけ貢献できるのかを深く考えるようになったのです。</p><p>活動を通じて、やるべきこと、できること、そしてやりたいけれど今はできないことを見極める力が必要であると感じています。スキルももちろん大切ですが、企業様や求職者様、そして地域社会との信頼関係を築き、連携していくことが、何よりも重要であると実感しています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>私は、地域おこし協力隊や雇用コーディネーターとしての3年間の活動経験を活かし、今後も島内の雇用問題に取り組んでいきたいと考えています。特に、人手不足や担い手不足の解消に貢献することに強い関心を持っています。</p><p>まだ具体的な方法は模索中ですが、一人ひとりが持つ得意分野や役割を最大限に活かせるサポート・コーディネーターとして成長していきたいと思っています。そのためにも、自分の経験や直感だけに頼るのではなく、より専門的なアプローチを行えるよう、現在は国家資格である「キャリアコンサルタント資格」の取得を目指して勉強中です。</p><h2>小豆島の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>地域住民の方々との距離感が近いことです。引っ越しをする前に、住む地域へ事前に足を運んでいたことも影響していると思いますが、引っ越し前から私たち家族のことを多くの方が知っていてくださったことが印象的でした。</p><p>実際に引っ越した後も、すでに私のことを知っている地域の方が多く、初対面の方々から声をかけていただき、話す機会が多くありました。</p><p>また、私が企画したイベントに地域の方々が参加してくださることも、とても嬉しいです。広報活動を通じての呼びかけもありますが、「このイベントに参加してほしい」と思って声をかけた方が実際に参加してくださることは、何よりも励みになります。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/TC3HRBxs7OxDTUE8-G_k2.webp"></figure><h2>小豆島の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>小豆島は、完全な離島でありながら、フェリー航路が豊富で、各方面へのアクセスが非常に便利です。</p><p>自然が豊かで、穏やかな海が広がるこの島では、心が安らぐひとときを過ごせます。穏やかな海のおかげで、SUPやカヤックなどのアクティビティも楽しめるのが魅力です。海と山に囲まれた暮らしの中で、アクティブな休日を満喫できます。</p><p>おすすめスポットは、晴れた日のエンジェルロードです。また、屋形崎地区や小瀬地区から眺める夕陽は絶景で、何度見ても飽きることがありません。</p><p>グルメについても、小豆島は魅力にあふれています。オリーブ牛やオリーブハマチ、ごま油を使った素麺など、どれも絶品です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/BMdpNAhE5FHySy2jPWYVX.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/D73R-c-nq0OSmkvt_YAok.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>生活する場所や環境を変えることで、生活が一変するということを身をもって体感しました。</p><p>人それぞれのライフステージは多様で、どれが正解かは一概にはいえません。その時々の決断が、その瞬間の正解だと思います。</p><p>移住を考える際には、これまでの人生を振り返り、棚卸しをしてみるのも良いと思います。立ち止まって過去を見つめ直す、絶好のタイミングです。</p><p>移住をすると、これまで必要だったものが不要になることや、新たに必要になることがたくさん出てきます。良いこともあれば、悪いこともあり、これまで当たり前だったことがそうでなくなることもあります。</p><p>時には不便に感じることもあるかもしれません。しかし、それこそが今の自分に必要な経験だと捉え、新しい環境で挑戦してみてはいかがでしょうか。</p><p>不安が消えることはないかもしれませんが、ワクワク感や期待を信じて、一歩踏み出してみてください。これまでとは違った、新たな景色が見えてくるはずです。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第122回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、香川県小豆島の服部剛幸さんです。

土庄町

香川県

香川県士圧町の地域おこし協力隊、趣味・特技：ケツメイシの音楽を聴く・野球

服部 剛幸

#122 移住してライフステージを変える勇気と、その先に広がる可能性

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>私は東京で生まれ育ち、大学卒業後はリゾートバイトで各地を転々としていました。経験した職種は、スキー場スタッフやホテルフロント、旅館の売店など様々です。</p><p>赴く先々で多くの出会いがあり、日本各地の空気やその土地の人々に触れるうちに、「その土地をもっと知りたい」「地域にもっと貢献したい」という気持ちが強くなりました。北海道の岩内町でリゾートバイトをしていた際に、協力隊の友人ができたことをきっかけにこの制度を知り、応募に至りました。</p><h2>香川県小豆島を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>自治体を選ぶにあたり私が重視した条件は、自身の強みを生かせる「スポーツ分野」であることと、まだ一度も訪れたことがなかった「四国」であることでした。</p><p>複数の候補が上がった中で小豆島町を選ぶ最終的な決め手になったのは「離島」というワードです。失礼な話ですが、当時の私は「島にはどんな人が住んでいるんだろう、どんな暮らしをして、どんな言葉を話すんだろう」という好奇心が勝り、選考が進んでいた他の自治体をお断りして小豆島町に応募しました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/06/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/hmyLj6ty5X-Gxh0HyOjub.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>子どもから高齢者まで、ひとりでも多くの町民に身体を動かす楽しさを伝えることを目的として、公民館や地区サロン等での体操教室や、スポーツ選手やアーティスト等の著名人を招聘する「こどもの夢応援プロジェクト」の企画運営、屋内型の遊び場「KiSPa!」の運営等を行っています。</p><p>コロナ禍のスタートだったため、初めは制限が多くもどかしい思いをすることも多々ありましが、担当課の職員さんや地域の方々に支えられてここまで活動することができました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/06/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/KOCMo1i5hqoSneIDn_Ab4.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>「誰かの役に立っている」という確かな自信と、「地域の一部として生きている」という責任感です。</p><p>協力隊になるまでの私の働き方は、「10：0」で「プライベート：仕事」という考え方で、仕事はあくまでお金を稼ぐための手段でしかありませんでした。一方で地域おこし協力隊は（あくまで私の場合ですが）、「1：9」くらいで仕事がメインの毎日です。仕事とプライベートが混在している、と言った方が正しいかもしれません。</p><p>特に3年目は教室も多く、せわしない毎日でしたが、教室の参加者に「運動は苦手だけどあんたの顔を見るために頑張って来るよ」なんて言われたら、指導者としてこの上ない喜びです。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>東京で生まれ育ったので、地方特有の地域の密な繋がりには非常に驚きました。買い物や外食に行くと必ず知り合いに会うことや、すれ違う車同士で挨拶をすること、教えずともみんなが自宅を知っていることなどは、東京では考えられない日常です。</p><p>協力隊着任当初はそのような暮らしに戸惑い、「常に誰かに見られているかもしれない」という環境に不安もありましたが、3年経った今ではその環境を楽しむ余裕ができたように感じています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>恥ずかしながら、卒隊後の明確なビジョンはありません。引き続き島に住み続けるのか、地元である東京に帰るのか、心機一転また新たな土地へ赴くのか、さまざまな選択肢がある中で揺れています。</p><p>協力隊4年目に入り、やり甲斐や責任が大きくなっていく中で、さらに葛藤が増す一方です。私は地元である東京が好きですし、小豆島で暮らしていても時々東京の喧騒や無関心さが恋しくなることもあります。</p><p>ただどのような形であれ、この4年間でお世話になった小豆島には生涯関わっていきたいと強く思っています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/03/06/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/ITaEJTeeMMc67JCzUQjAj.webp"></figure><h2>小豆島の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>小豆島の皆さんはとても温かく、自分の娘や孫のように可愛がってくれます。</p><p>先日、私が風邪でダウンして1週間ほど家から出られないことがありました。一人暮らしでそこまで食べ物の備蓄もなく、「買い物に行くのはしんどいな」と思っていたら、噂を聞いた島の父ちゃん母ちゃんや友人たちが毎日のようにドアノブに食料をかけてくれました。</p><p>あのとき感じた心強さは、忘れられません。よそ者の私に「困ったことがあったら何でも言ってきなさい！」なんて言葉をかけてくれる、小豆島の温かい人たちが大好きです。</p><h2>小豆島の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>小豆島の魅力は「豊かさ」だと思います。人、自然、食べ物、すべてが豊かで、すべてが手の届く範囲にあります。海や山などの自然があることはもちろん、旬の野菜や魚が食べられるのは小豆島ならではの魅力です。</p><p>私が小豆島に来て一番美味しいと感じたのは、島のお母さんが作ってくれたオリーブ炊き込みごはんです。初めて食べたときの感動は今でも忘れられませんし、皆さんにもぜひあの感動を味わってほしいと思います。</p><p>小豆島に来られた際は、人、自然、食べ物に触れ、小豆島をまるごと感じてもらえると嬉しいです。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>すべての方が私のように勢いだけで移住できるかといえば、そうではないと思います。家庭、仕事、さまざまな事情がある中での移住は少なからず不安もあるのではないでしょうか。</p><p>現在小豆島町では、移住体験施設の運営やオンライン移住イベントの実施、雇用促進事業など、移住を考えている方の不安や疑問を少しでも解消できるような制度が充実しています。「移住してみたらイメージと違った」というようなミスマッチを防ぐためにも、ぜひそのような制度を活用していただき、前向きな検討をしてもらえると嬉しいです。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a><br>&nbsp;</p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第105回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、香川県小豆島の加藤彩菜さんです。

小豆島町

香川県小豆島の地域おこし協力隊、趣味・特技：ツーリング・ギター

加藤　彩菜

#105 香川県小豆島で、強みを生かせる「スポーツ分野」で新たなる挑戦！

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>私は元々、大学病院の医療ソーシャルワーカーとして働いていました。病気やケガが原因で生活に困りごとを抱えた方の相談に応じ、その人がその人らしく生きていくための環境を整えるお手伝いをする仕事です。</p><p>やりがいもあり不満はなかったものの、経験を重ねるにつれて「病気や怪我になる前に、出会えていれば…」と思うことが増え、社会福祉士としての活動のフィールドを〈医療〉から〈地域〉へ移行したいという気持ちが芽生えていました。</p><p>そんな頃、新型コロナをきっかけに地方移住を決意しました。移住先を〈小豆島 土庄町〉と決めた後、「さて、仕事はどうしよう？」と。一旦無職になってもいいか…なんて思っていた時に、移住相談に乗ってもらっていたNPO法人トティエから一通のメールが届きました。</p><p>そのメールに導かれるまま、地域おこし協力隊のオンライン説明会に参加すると、自分のやりたかった〈地域福祉〉に関係が深そうな求人がありました。「自分のやりたかったことで、移住をサポートしてくれた島の方々へ恩返しができるならば、やらない選択肢はない！」そんな気持ちで、即決し、締め切りギリギリに履歴書を送りました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/02/28/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/X1Xylgv-NLFcbL6DkaJPB.webp"></figure><h2>香川県土庄町を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>地方移住を希望するよりずっと前に、友人と、たまたま小豆島に旅行に来たことがありました。離島というワクワク感、目に飛び込んでくる美しい景色、島で出会った島民の人柄など…今振り返っても「あれ以上に楽しかった旅行があっただろうか？」と顔がほころぶくらい、本当に楽しかったんです。</p><p>それから月日が経ち、世の中にやってきた新型コロナウイルス感染症、大阪市内の小さなマンションの一室で暮らしていた私たち家族にとって、これからの生き方を考えるきっかけとなりました。毎晩のように夫と家族会議を重ね、「地方移住をしよう」と覚悟を決めました。</p><p>移住先を考える際、条件をあげていきました。『実家（大阪）に半日で帰れるところがいい。』『せっかくなら海も山も捨てがたい。』『田舎で暮らしてみたいけど、ポツンと一軒家すぎるのは怖い。』などです（笑）。</p><p>そんな私たち夫婦の希望を全て叶えてくれた場所が、ここ土庄町でした。SNSで繋がった友人のサポートもあり、まさに「エイ、ヤー！」の気持ちで飛び込みました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>私が担当している内容は〈空き家の掘り起こしおよび有効活用〉と〈移住定住促進〉の2つです。子育て移住・空き家コーディネーターという肩書で活動をしています。</p><p>空き家に関する活動では、隣町の地域おこし協力隊である山本さん（宅地建物取引士）やNPO法人トティエの仲間たちと共に、空き家所有者向けの総合相談窓口『空き家お悩み相談室』を立ち上げました。開設直後より「空き家を活用したいが何からどうしていいか分からない。」「片付けができていないので活用を諦めている。」などの相談を多数いただいています。</p><p>「お家＝家族の思い出の詰まった大切な財産」ということを大切に、相談者の想いに寄り添い、納得のいく活用ができるよう伴走支援を行っています。今後は、終活の視点も織り込んだ出張講座やイベント企画にも力を入れていく予定です。</p><p>移住定住促進に関する活動では、特に「子育て世帯」にフォーカスして活動をしています。子連れの地方移住はなかなか大変だったからです（笑）。</p><p>そんな自身の経験を生かして、子育て世帯の移住を全面的にサポートしたい！と強く思っています。具体的には、島の子育てを紹介するガイドブックの作成や、SNSを活用した情報発信、子育て世帯の繋がりを創出するための交流イベントの企画運営などです。</p><p>どちらも自分の興味関心に深く関連するものなので、毎日がとても充実しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/02/28/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/N0zoAxZ3oSGugAaKZdpHZ.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>地域の多方面の方と繋がり、自分の活動を応援してもらえることです。</p><p>大阪にいた時は、自分の存在なんてあってもなくてもいいような、ちっぽけなものだと思っていました。でもここにきて、地域おこし協力隊になって、その気持ちは大きく変化しました。</p><p>まず、地域をまとめ引っ張っているような、俗に言う「えらい人たち」との面識ができました。「期待してるよ。」なんて声をかけていただくと嬉しく、気合が入ります！</p><p>日々の暮らしの中でも、ご近所のおばちゃんや、娘が通うこども園の先生に「広報の記事読んだよ！頑張ってるね！」と声をかけてもらったり。これまでの人生では考えられないことです…（笑）。</p><p>私にとっては、ただ自分のやりたい仕事をしているだけなのに、それを喜び、応援してくれる人がたくさんいるんです。「この地域の役に立てることがあるのかも」そう思えるということは、「この地域に居ていいよ／居てほしい」と受け入れてもらえている気がします。</p><p>私にとっては何よりの支えであり原動力になっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/02/28/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/SFHzq8nZhfZPTLg7NsCqZ.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>同じ“地域おこし協力隊”でも、活動ジャンル、エリア、所属などによって活動内容や体制が大きく違うことには驚きました。これまでの私は、仕事というものは上司や先輩に業務を習い、こなすというイメージでした。</p><p>でも地域おこし協力隊は、「自分で道を切り開き、周囲を巻き込みながら、問題に立ち向かっていく」という感じです。自身に課せられたミッションや課題意識、目標、自分の立ち位置などを常に意識してアンテナを張っておかないと、何をしたらいいのかを見失い、流されてしまうだろうな…と思います。</p><p>そこはいつも忘れないように意識しながら、活動することを心がけています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>まだまだ構想段階ですが、コミュニティーソーシャルワーカーとして活動したいという夢があります。社会福祉士として、年齢や性別、病気や怪我、障がいの有無に関わらず…小豆島に暮らす全ての人が、自分らしく安心して生きていくためのお手伝いができないかな、と考えています。</p><p>また、今地域おこし協力隊として担当している空き家の利活用や移住定住支援もその中に含まれると思っているので、立場は変われど、継続して取り組んでいくつもりです。</p><p>そのためにもまずは、地域おこし協力隊として人脈を広げ、地域の実態や課題、強みなどを正しく知るところから始める必要があります。真のニーズは何なのか？自分にできること、求められていることは何なのか？をしっかりと情報を集めて、準備をしたいと思います！</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/02/28/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/EmmP0AF-WwcmS-orTlh4G.webp"></figure><h2>土庄町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>これを言うと「なんで田舎暮らしに憧れたんや」とツッコミを入れられそうですが（笑）、私は虫が大の苦手です。覚悟はしていたけれど、田舎の虫は、想像以上に大きく生き生きとしていて、移住直後は「とんでもないところにきてしまった…」と毎晩枕を濡らしていました（笑）。</p><p>それでも私がこの暮らしを続けてこられたのは、寄り添ってくれるご近所さんの存在があったからです。私が家に虫が出た話をする度に「また洗礼受けたんか～！(笑)」と笑い飛ばしてくれて、「大丈夫かー？」とスキマ時間に様子を見に来てくれたり、たまらずSOSを出したら虫を退治しに駆けつけてくれました。</p><p>小豆島の人は、みんな本当に穏やかで面倒見が良いです。困っていたら、いつも「えいえい。なんちゃない。」（方言で「いいよ。このくらいどうってことない。」という感じ）と、不安や悩みを解消してくれる温かさがあります。</p><p>そんな人がたくさんいるこの島が本当に心地良くて、絶対に恩返しするんだ！と気合いが入ります。</p><h2>土庄町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>香川県小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ2番目に大きな島です。完全離島でありながら高松、神戸、姫路、岡山と結ぶ航路があり、利便性も抜群です。</p><p>私の住む土庄町は、スーパーはもちろんホームセンターや100円均一なども揃っていて、離島とは思えないくらい暮らしやすいです。観光業も盛んで、年間を通してたくさんの方が観光に訪れます。オリーブや醤油、そうめんなどが有名です。</p><p>そんな便利で賑わいがある一方で、豊かな自然環境にも恵まれています。穏やかにキラキラ光る海、山々、農村、漁村、採石場、棚田など…エリアごとに全く違った景色が見られるのも魅力のひとつです。</p><p>農村歌舞伎や虫送り、太鼓台巡り等の伝統文化が大切に継承されているのも島の自慢です。「自然の豊かさ」と「便利さ」、「古き良き文化」と「新しい風」。これらの絶妙なバランスが、小豆島・土庄町の魅力だと思います！</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/02/28/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Q9L9Hf1fuSfw5vCRoqjDF.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>小豆島・土庄町には魅力がいっぱいあります！私は、本気でそう思っています。</p><p>でも感じ方は人それぞれで、実際に経験してみれば良い面も良くない面もきっとあると思います。移住した後にトラブルはきっとあると思います。</p><p>体調を崩すこと、思わぬ出費がかさむこと、不便を感じること、窮屈なこと、予期せぬ天災に合うことだってあるかもしれません。それは誰にも予測しきれないし、保証はできません。あなたの人生はあなたのもので、やっぱりそこは自己責任です。</p><p>でも…そんな運命を受け入れる覚悟と、「おかげさま」の謙虚さと、「ピンチをチャンスに変える」前向きな気持ちがあるならば、私は『大丈夫、何とかなるし、何とかしてあげるからとりあえずおいで。』と心から伝えたいです。</p><p>これを読んでくださったあなたと、ここ小豆島・土庄町でお会いできることを楽しみにしています！！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

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「地域おこし協力隊に聞きました！」第104回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、香川県土庄町の堀川愛理さんです。

香川県土庄町の地域おこし協力隊、趣味・特技：絵日記・イラスト

堀川　愛理

#104 香川県土庄町で、空き家活用と移住支援！協力隊業務が原動力に

<h2>絵を好きになったきっかけは祖父に習った水彩画</h2><p>1989年生まれ、山口県出身の高橋マサエさん。専門学校を卒業後、広島市内のデザイン会社に就職し、グラフィックデザイナーとして働いていた。</p><p>「地元は瀬戸内海に面した小さな町で、広島県との県境にあります。言葉遣いが広島弁に近いなど、広島の文化が比較的浸透していて、社会人になって広島市内まで働きに出る人が多い地域です。私も電車を乗り継いで、広島まで通勤していました」</p><p>高橋さんがグラフィックデザイナーを志したのは、高校生の頃。絵を描くことは、小さい頃から好きだった。</p><p>「<span style="background-color:#fdff90;">きっかけは、水彩画が趣味の祖父。田舎にある祖父の家は庭が広くて、植物がたくさんありました。小学一年生くらいのときに、庭で摘んだキキョウの花の描き方を教えてもらったんです。おしべとめしべはこんな形をしていて、花びらは五枚で、よく見ると細い筋が入っている。祖父の言うとおりじっくり観察しながら描いたら、すごく上手に描けました</span>」</p><p>その時の感動は、今でもよく覚えているという。家には絵本もたくさんあり、幼稚園の先生をしていた母によく読み聞かせをしてもらっていた。こうして、絵の楽しさに触れながら育った高橋さんだったが、実際、それを職業にするとなると、画家や漫画家のイメージしかなく、自分には縁遠い世界のようにも感じられた。</p><p>「進路を決めるために専門学校や大学のパンフレットを取り寄せたりするなかで、グラフィックデザイナーという仕事があることを知りました。その時、『自分がしたかったことはこれだ！』とピンときたんです。ファッション雑誌を読むのが好きだったので、雑誌のデザインをする仕事がしたいなと思いました」</p><h2>結婚を機に高松市へ移住。第一印象は「綺麗な町」</h2><p>実家から広島へと通勤し、グラフィックデザイナーとして働いていた高橋さんが、香川県に移住したのは2012年のこと。結婚をきっかけに、夫の郷里である高松市へと住まいを移すことになったのだ。</p><p>「当時、仕事がハードで体調を崩してしまっていて、心機一転、新しい場所で生活を始めることにしました。香川県には小さい頃に一度、レオマワールドという遊園地に遊びに行ったことがあるだけ。その時のことはよく覚えていなくて、移住するまでどんな場所なのか知りませんでした。</p><p><span style="background-color:#fdff90;">実際、住んでみて感じたのは、町が綺麗だなということ。再開発が進んでいたこともあって、駅も、港も、商店街も、どこも綺麗に整備されていました。</span>特に、日本一長いアーケード商店街と言われる高松中央商店街は、海から歩いて行ける距離にあり、とても心地よい雰囲気の場所です」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/e2qxngqa_hatQe-7V2v_Z.webp"><figcaption>高松港近くの北浜町から臨む瀬戸内海。レトロな倉庫街にはカフェやギャラリーがあり、景色とカルチャーを楽しめる落ち着く場所</figcaption></figure><p><span style="background-color:#fdff90;">高松市は"コンパクトシティ"とも言われるように、町の機能が程よい距離感にまとまっており、特に高橋さんが暮らしている市街地に近い地域は、徒歩と自転車でどこにでもアクセスしやすい</span>という。</p><p>「車がないと生活できないような山間部から引っ越してきた私にとっては、スーパー、本屋さん、八百屋さん、コーヒーのお店、うどん屋さん……そうしたお気に入りの場所が歩いて行ける範囲にあるのはすごくいいなと思いました。散歩が好きなので、よく町歩きをしたり、川沿いを歩いたりしています」</p><h2>豊かな自然や美術館。休日の楽しみ方も多彩</h2><p><span style="background-color:#fdff90;">車を10～15分ほど走らせれば山があり、自然も満喫できる。</span>高橋さんのおすすめスポットは、源平合戦の舞台ともなった屋島。テーブル上の平らな形が特徴的な山だ。</p><p>「友人が高松に遊びに来た時は、まず屋島を案内することが多いです。山上からは瀬戸内海を一望できるんですよ。うどん屋さんもあるし、史跡も多く残っています。屋島寺には、（民話などに登場する）日本三大狸の一匹が祀られていて、このたぬきは、『平成狸合戦ぽんぽこ』に登場する一匹のモデルになったとも言われているんですよ」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/ny6ZIfcYo9aRa1QDgKi5C.webp"><figcaption>高松市街地から車で20～30分ほどの五色台からは、讃岐平野の自然豊かな景色を臨むことができる。香川県の山は「おむすび山」とも呼ばれ、きれいな円錐形をした山が多いのが特徴。昔話に出てくるような形の山々が平地に広がる風景が高橋さんのお気に入り。</figcaption></figure><p>県内には、美術館も数多くある。世界的な家具デザイナーのジョージナカシマの記念館、三越の包装紙をデザインしたことでも知られる洋画家・猪熊弦一郎の「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」、香川出身のマルチクリエイター・和田邦坊の「灸まん美術館」など、地域にゆかりのある芸術家に関連した美術館が点在している。</p><p>「もともと、お菓子のパッケージや包装紙など、その土地の雰囲気を感じられるデザインを見るのが好きなんです。休みの日に美術館に足を運び、そうしたローカルデザインがどんな人たちの手で生み出されたのかを知れたりするのは楽しいですね」</p><h2>肩書きを「イラストレーター」に変え、作品集で売り込み</h2><p>現在は、雑誌や書籍、Webなどの分野で、イラストやデザインの仕事を手がけている高橋さん。会社員を辞め、高松に移住したタイミングでフリーランスでの活動を始めたという。</p><p>「知り合いが誰もいない状態でのスタートでしたが、香川で活動されているクリエイターの方にご連絡したら、とても親切にしてくださって。ほかのデザイナーさんを紹介してもらったりする中で、少しずつデザインの仕事をいただけるようになりました」</p><p>移住して7年目、ちょうど30歳を迎えるタイミングにはある心境の変化があったという。</p><p>「<span style="background-color:#fdff90;">これまではグラフィックデザインの仕事がメインでしたが、自分がやりたいことを改めて考えて、イラストレーターとしての活動に軸足を移したいと思ったんです。</span>グラフィックデザインやウェブデザイン、イラストの仕事を同時並行で対応するのがだんだんと大変になってきたこともあって、もう少し自分の仕事をシンプルにしたいなと」</p><p>思い切って、肩書きを「イラストレーター」のみにし、東京や香川の出版社、デザイン会社を中心に自身のポートフォリオを送り、売り込みを始めたという。</p><p>「自分の好きな雑誌の奥付けなどを見て、気になった会社に直接、メールでご連絡したりしました。今思うと、多忙なアートディレクターの方にいきなり作品集を送ってしまって、ご迷惑をおかけしたなとも思うんですが、ちょうどコロナウィルスが蔓延し始めた時期で、仕事自体が減り、生活費もどんどんなくなっていくなかで、『どうにかしなきゃ』という焦りもありました」</p><p>実際、すぐに仕事に結びつくものばかりではなかったが、一年後、二年後に依頼をもらえることもあり、地道な努力は着実に実を結んでいった。</p><h2>町を歩き、日常の素朴な風景を描く</h2><p>高橋さんのイラストのテーマは、「生活の小さな幸せを描く」。身近なモチーフを優しい色使いと軽やかなタッチで描いている。</p><p>「フリーランスになった時に、『絵で何が伝えられるのか』を一歩踏み込んで考えてみました。高松の街中を歩いたり、自然を眺めたりする中で、自分はこういう日常の風景が好きだったなと改めて気づいて。<span style="background-color:#fdff90;">生活で目にするものや、そこにある小さな幸せを自分の絵に落とし込んでいきたいと思うようになりました。</span></p><p>実際、オーダーをいただく時も、大都会のビルやメカニックなものというより、生活のワンシーンであったり、自然や人物などのモチーフを求められることが多いんです。それはやっぱり、生活にある素朴な風景を世の中が必要としているからだと思うんですよね」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/xrc8Je_5eGjz5vYG1icnd.webp"><figcaption>普段のイラスト制作風景。メインの制作はiPad ProとMacを使用しているが、アイデアスケッチは、学生時代から紙のスケッチブックに鉛筆で描くことが多い。</figcaption></figure><p>最近は、国内に留まらず、海外から仕事の依頼が舞い込むこともある。</p><p>「<span style="background-color:#fdff90;">イラストというのは、言葉がなくても伝わる表現なので、ボーダレスに依頼をいただけるのは嬉しいです。</span>あるアメリカのアートディレクターの方が、私が国内向けに描いたお風呂の絵を見て、『日本らしくていいね！』と誉めてくださって。海外の人はお風呂を日本の文化として捉えているんだなという、新鮮な発見がありました。そうした気づきを地域での仕事にも役立てながら、自分の世界や価値観を広げていきたいですね」</p><h2>瀬戸内海のクリエイティブユニット「つつ、」を結成</h2><p>新しいチャレンジも始めている。<span style="background-color:#fdff90;">広島のデザインの専門学校で出会った仲間と三人で、クリエイティブユニット「つつ、」を結成</span>したのだ。「くらしつつ、つくりつつ、あそびつつ、集いつつ、津々浦々を訪ねる瀬戸内生まれのクリエイティブユニット」というコンセプトから、「<a href="https://bento.me/tsutsu">つつ、</a>」と名づけた。</p><p>「仕事と並行して、純粋につくる作業も大切にしたいよねという話を三人でしていて。広島のフォトグラファーの的野翔太くん、岡山を拠点に活動するグラフィックデザイナー・妙妙デザイン、そして私。<span style="background-color:#fdff90;">それぞれ表現方法は異なりますが、瀬戸内海にルーツを持つ三人が集まって、一緒に地域の魅力を表現していきたいと思っています</span>」</p><p>現在は、瀬戸内をテーマにしたアートブックを制作中。県外のアートイベントへの出展も考えているところだという。高橋さんのテーマは、“香川の休日”。描くことを通して、自分自身が香川の魅力を再発見できることも多いそうだ。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/08/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/ycde4JWK5dxi3SC5BPj3k.webp"><figcaption>『さぬきうどん』（表紙）<br>さぬきうどんの「セルフ店」の様子。天ぷらやおでんを取りながら店内を進んだり、湯ぎりに使う「てぼ」を使い、自分でうどん玉を温めたりする工程を描いた。</figcaption></figure><p>「例えば、さぬきうどんのお店って、おでんがぐつぐつと煮えているコーナーがあったり、好きな天ぷらを自分でお皿によそったり、麺を自分でお湯につけて温めたりする『セルフ店』と言われるお店が多いんです。<span style="background-color:#fdff90;">そういう風景を描いていると、自分は香川のこういうところが好きだなと気づけるし、その絵を見てもらった時に、『香川のうどん屋さんにはこういうシステムがあってね』と、誰かに話すきっかけになるのも楽しいですね</span>」</p><h2>住む場所を変えたからこそ、気づけたこと</h2><p>生まれてからこれまで、海が見える場所で暮らし続けてきた高橋さん。彼女にとって瀬戸内海は日常に溶け込んだ一風景に過ぎなかったが、香川へと移住した時、その美しさに改めて気づいたという。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/EU8ixwbnOPSd5wLl4FN3G.webp"><figcaption>『小休憩』<br>瀬戸大橋の近くの島・本島（丸亀市）に行ったときに、海辺の何気ない風景がきれいで描いた一枚。</figcaption></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/10/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/Vy1jiHHdoi9X0mu6h38mn.webp"><figcaption>夕暮れ時の瀬戸大橋を描いた作品『夕暮れ』。幻想的な色の瀬戸内海は、昼間とは異なった表情を見せる。</figcaption></figure><p>「マリンライナーという電車で瀬戸大橋を渡ると、右も左も瀬戸内海で、多島美と言われる、小さな島が無数に浮かぶ光景が広がっています。それを見た時に、ああ、綺麗だなって。私はこの瀬戸内海沿いにずっと住んでいたんだなと気づきました。</p><p>以前、ラジオで聞いたんですが、ずっと同じ場所にいると生活に順応してしまって、何も考えなくてもオートモードで日常生活を送れるようになるそうなんですね。<span style="background-color:#fdff90;">もしかしたら私は、ずっと実家で暮らし続けていたら、フリーランスのイラストレーターにはなっていなかったかもしれません。生活環境が変わったタイミングで、何か別のことをしてみようかなと思えたので。</span></p><p>そういう意味では、住む場所を変えることで、新しいことを始めたり、別の生き方が見つかるのかもしれませんね」</p><p>日常の中で見過ごしていた海の美しさに気づいたように、日々の小さな幸せに気づき、それをイラストという形で表現している高橋さん。</p><p>仕事終わりに近所のお気に入りのお店に足を運ぶ。川沿いを歩きながら、植物や鳥の姿を眺める。日が暮れる時間の変化に気づき、季節の移ろいを感じる。高松で過ごすそうした時間や出来事のひとつひとつが、高橋さんの作品を形作っているのだろう。</p><ul><li>本文中に掲載の作品は、瀬戸内・香川の休日をテーマに描いたアートブック『休日、好日』に収録。アートブックは11月10日～12日に福岡で開催される「NEWGRAPHY FUKUOKA ART BOOK EXPO 2023」で販売後、インターネットでも販売予定。詳しくは、<a href="https://masae.radial.jp/ng2023">https://masae.radial.jp/ng2023</a>をご覧ください。</li></ul>

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けしています。

第62回目の先輩移住者は、香川県高松市へと移住したイラストレーターの高橋マサエさん。

山口県出身の高橋さんは、広島の会社でグラフィックデザイナーとして働いたのち、結婚を機に、香川県へと移住しました。

移住後、イラストレーターとして独り立ちを果たし、クリエイター仲間と共に、瀬戸内海地域の魅力を全国に伝える活動も始めています。

「生活の小さな幸せを描く」をテーマに創作活動を続ける高橋さんに、移住に至った経緯や香川県の魅力、創作への向き合い方の変化などについて、詳しくお話を伺いました。

高松市

出身地：山口県、前住所：山口県、現住所：香川県高松市、職業：イラストレーター

高橋マサエ

高松市へ移住したイラストレーター。描くことで気づいた瀬戸内海の魅力とは

住む場所が変わると生き方も変わる。

環境が変わると自身も変化し、人生までもが変わっていくーー。
都会の喧騒を離れて、地方で“自分らしい生き方”に憧れを抱く人は少なくないだろう。

しかし、いざ真剣に移住を考えると、移住に大きな期待を持つ反面、不安も計り知れない。

現実的に自分の思い描く理想の暮らしが実現できるのかーーー。

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けする。

第47回目の先輩移住者は、高知県高知市出身のダンサー・堅田知里（かたた・ちさと）さん。

2011年に東京都から徳島県徳島市に移住し、その後も香川県高松市、現在の香川県さぬき市と、ご家族のライフプランに合わせて拠点を移し、移住ライフを楽しんでいるという堅田さん。
ダンサーのみならず、演出家、ワークショップファシリテーターとしても幅広く活動し、彼女にしか生み出せない色で表現の世界に“彩り”を加えている。

「人と同じ“風（ふう）”に見せることにではなく、“変わらなければ”と自分を縛るその思考から解放されることにこそ、力を注いでほしい」

と力強く発信する彼女の軸にある“想い”、インスピレーションの“源泉”となっているもの、そして彼女にとっての本当の意味での“豊かさ”について、詳しくお話を伺った。


さぬき市

出身地：高知県高知市、前住所：香川県高松市、現住所：香川県さぬき市津田町、職業：ダンサー、演出家、ワークショップファシリテーター

香川県

香川県の移住体験談一覧：5件

#122 移住してライフステージを変える勇気と、その先に広がる可能性

#105 香川県小豆島で、強みを生かせる「スポーツ分野」で新たなる挑戦！

#104 香川県土庄町で、空き家活用と移住支援！協力隊業務が原動力に

高松市へ移住したイラストレーター。描くことで気づいた瀬戸内海の魅力とは

ダンサー・堅田知里が選んだ「創造性を発揮できる地」香川県さぬき市