移住者プロフィール
服部 剛幸さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
香川県士圧町の地域おこし協力隊、趣味・特技:ケツメイシの音楽を聴く・野球
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
前職では自動車エンジン製造メーカーに約20年勤め、主にアルミ鋳造工程を担当していました。シリンダーヘッドやシリンダーブロックの素材を扱い、アルミを溶かして金型に流し込み、固めて形成する鋳込み工程など、「モノづくり」の現場で働いていました。
会社には不満はなかったものの、長年勤める中で、自身のキャリアや家族との生活、子育てについて考える機会が増えました。そんな時期に、家族と相談し、新たな環境で働くことや子育て環境を変える決意をし、小豆島への移住を決めました。
新しい環境では「モノづくり」ではなく「ヒトと関わる」仕事をしたいと考えていたところ、ちょうどそのタイミングで地域おこし協力隊の募集がありました。特に「雇用に関する」ミッションに強く惹かれ、履歴書を送りました。
移住定住促進や観光、農業などさまざまなミッションがある中で、「雇用に関する」ミッションが他の地域では見られなかったことも、応募の動機になりました。
香川県小豆島を選んだ理由について教えて下さい。
私は、瀬戸内の温暖な気候や穏やかな海、豊かな自然に魅了され、小豆島への移住を決意しました。特に、離島でありながらも、地元の京都からのアクセスが良好で、島外への移動手段として自家用車だけでなく公共交通機関も利用できる点が、決め手の一つとなりました。
また、学生時代に部活動の合宿で訪れた経験があり、当時から何かしらの縁を感じていました。さらに、移住を決める前に実際に現地を訪れ、家探しのために島を巡った際、車の窓越しに見えた青々とした瀬戸内の海の光景は今でも心に深く刻まれています。その爽快感は忘れられず、ここでの生活を夢見るようになりました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
私のミッションは、小豆島・豊島での雇用活性化に取り組む雇用コーディネーターとして活動することです。私は厚生労働省による地域雇用活性化推進事業の一環として、主に島内の企業様と求職者様の間に立ち、就職に繋げるためのマッチングを行っています。
私は、小豆郡地域雇用創造協議会、通称「島ワークプロジェクト」に所属し、島内の人手不足を解消するための取り組みを日々行っています。行政やハローワークと連携し、島内での就職や転職を希望する方、そして移住者の就職サポートも行っています。
さらに、島内企業様の魅力をインターネットを活用して発信し、求人情報だけでは伝わりにくい具体的な働くイメージを提供するため、「企業見学会」や「インターンシップ」(学生だけでなく一般社会人向け)、都市部での移住セミナーを開催し、マッチングに繋げる活動を行っています。
また、島内での転職や移住を考えている方への相談対応や、比較的移住時期の浅い方を対象とした交流会イベントの企画・開催・運営も手掛けています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
私は、多くの「ヒト」と関わることができる点に、大きなやりがいを感じています。
前職では、業務上、職場内のメンバーと関わる機会はありましたが、主な仕事は「モノづくり」でした。しかし、地域おこし協力隊として活動するには、人との繋がりが非常に重要です。
現在は、企業様と求職者様の間に立ち、就職サポートや相談業務を通じてお役に立てることに、深い喜びを感じています。特に、自身が移住を経験したことで、移住を考えている方々を支援できることに、さらにやりがいを感じています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
地域おこし協力隊としての仕事は、与えられたことをただこなす作業的なものではなかったことです。前職でのモノづくりでは、効率を重視し、決められた作業や手順に従うことが多かったですが、地域おこしの活動ではそうした枠組みが存在しません。
企業様、求職者様、そして地域が抱える多様な課題に直面しながら、私自身も「地域おこし協力隊として何ができるのか?」を常に考えるようになりました。上から目線ではなく、地域の一員として、自分がどれだけ貢献できるのかを深く考えるようになったのです。
活動を通じて、やるべきこと、できること、そしてやりたいけれど今はできないことを見極める力が必要であると感じています。スキルももちろん大切ですが、企業様や求職者様、そして地域社会との信頼関係を築き、連携していくことが、何よりも重要であると実感しています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
私は、地域おこし協力隊や雇用コーディネーターとしての3年間の活動経験を活かし、今後も島内の雇用問題に取り組んでいきたいと考えています。特に、人手不足や担い手不足の解消に貢献することに強い関心を持っています。
まだ具体的な方法は模索中ですが、一人ひとりが持つ得意分野や役割を最大限に活かせるサポート・コーディネーターとして成長していきたいと思っています。そのためにも、自分の経験や直感だけに頼るのではなく、より専門的なアプローチを行えるよう、現在は国家資格である「キャリアコンサルタント資格」の取得を目指して勉強中です。
小豆島の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
地域住民の方々との距離感が近いことです。引っ越しをする前に、住む地域へ事前に足を運んでいたことも影響していると思いますが、引っ越し前から私たち家族のことを多くの方が知っていてくださったことが印象的でした。
実際に引っ越した後も、すでに私のことを知っている地域の方が多く、初対面の方々から声をかけていただき、話す機会が多くありました。
また、私が企画したイベントに地域の方々が参加してくださることも、とても嬉しいです。広報活動を通じての呼びかけもありますが、「このイベントに参加してほしい」と思って声をかけた方が実際に参加してくださることは、何よりも励みになります。
小豆島の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
小豆島は、完全な離島でありながら、フェリー航路が豊富で、各方面へのアクセスが非常に便利です。
自然が豊かで、穏やかな海が広がるこの島では、心が安らぐひとときを過ごせます。穏やかな海のおかげで、SUPやカヤックなどのアクティビティも楽しめるのが魅力です。海と山に囲まれた暮らしの中で、アクティブな休日を満喫できます。
おすすめスポットは、晴れた日のエンジェルロードです。また、屋形崎地区や小瀬地区から眺める夕陽は絶景で、何度見ても飽きることがありません。
グルメについても、小豆島は魅力にあふれています。オリーブ牛やオリーブハマチ、ごま油を使った素麺など、どれも絶品です。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
生活する場所や環境を変えることで、生活が一変するということを身をもって体感しました。
人それぞれのライフステージは多様で、どれが正解かは一概にはいえません。その時々の決断が、その瞬間の正解だと思います。
移住を考える際には、これまでの人生を振り返り、棚卸しをしてみるのも良いと思います。立ち止まって過去を見つめ直す、絶好のタイミングです。
移住をすると、これまで必要だったものが不要になることや、新たに必要になることがたくさん出てきます。良いこともあれば、悪いこともあり、これまで当たり前だったことがそうでなくなることもあります。
時には不便に感じることもあるかもしれません。しかし、それこそが今の自分に必要な経験だと捉え、新しい環境で挑戦してみてはいかがでしょうか。
不安が消えることはないかもしれませんが、ワクワク感や期待を信じて、一歩踏み出してみてください。これまでとは違った、新たな景色が見えてくるはずです。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2