病院数の多い都道府県は?!移住先の医療事情は要チェック!
移住前に医療機関を確認しましょう!
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移住先を決める際の優先事項は人それぞれ。しかし、医療事情に関しては、必ず調べておきたいところ。
今は若くて特に医療機関に通っていない人でも、子どもが生まれたら小児科に行く機会が増えますし、出産も移住先でするなら産婦人科も探さなくてはなりません。また、新型コロナウイルス感染症の流行のように、突然感染症にかかる確率だってゼロではありません。
そして、移住先にこの先ずっと住んでいくつもりなら、年をとってから起こりうるあらゆる病気についても想定しておく必要があります。
この記事では、移住先の医療事情についてチェックしておきたいことをまとめています。移住を考えている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
病院数の多い都道府県は?人口当たりの病院数も
移住先の医療機関について知っておきたいのが、近くに病院があるかどうかではないでしょうか。
病院数の多い都道府県
1. 東京都34,534件
2. 大阪府24,263件
3. 愛知県19,097件
4. 福岡県17,867件
5. 神奈川県17,491件
人口1万人当たりの病院数
1. 徳島県の50件
2. 島根県の47.5件
3. 佐賀県46.2件
4. 山口県45件
5. 高知県44.9件
病院の数の多さだけでは良し悪しははかれませんが、病院数が多ければその分選択肢も多くなります。また、車などの移動手段を使ってどのくらいの時間がかかるかもリサーチしておくようにしましょう。
参照:日本ソフト販売株式会社
無医地区が多い都道府県から見る医療格差
病院数の多い県がある一方で、医療機関がない地域もあります。このような地域を無医地区・無歯科医地区と呼び、歯科医療機関も含む医療機関がないエリアで、当該地区の中心的な場所を起点に、おおむね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であり、かつ容易に医療機関を利用することができない地区を指します。
平成26年(2014年)の時点で、日本全国の無医地区は637ヶ所確認されています。もっとも無医地区が多い都道府県は北海道で89ヶ所、次いで広島県の54ヶ所、高知県と大分県の38ヶ所、愛知県の23ヶ所と続きます。
北海道や広島県など無医地区の多い都道府県でも、都市部や人口が多いエリアは医師も病院もあるでしょう。しかし、人口も少なく医療機関が整っていないエリアも存在します。
病院が近くにあれば、それだけ気軽に足を運べますが、体調が悪くても病院に行くまでに時間や手間がかかるとなると、足も遠のくもの。それが積み重なって、病気の発見が遅れるという事態も考えられます。
今現在は特に医療機関に頻繁に通うこともないという人も、長く暮らすことを前提としているなら、このような観点からも移住先を検討した方がよいでしょう。
参照:厚生労働省「平成 26 年度無医地区等調査及び無歯科医地区等調査の結果」
子育て世代は小児科医と産婦人科医の有無をリサーチすべし
子育て世代としては、移住先に小児科と産婦人科があるかどうかも気になるところ。
小さな子どもはよく風邪をひきますし、予防接種などで小児科を訪れることも多いからです。また、出産を考えている人は、信頼できる産婦人科も見つけておきたいと思うことでしょう。
都道府県別の小児科の数
1. 東京都1,325件
2. 愛知県1,058件
3. 大阪府794件
4. 神奈川県722件
5. 兵庫県620件
以上の順ですが、人口当たりの小児科が多い都道府県ランキングにすると、
1万人あたりの小児医が鳥取県2.4件、島根県と徳島県に2.3件、福井県2.1件、岡山県2.0件となります。人口当たりの多さで見てみると、鳥取県や島根県、徳島県などの西日本に多いのが特徴です。
都道府県別の産婦人科の数
1. 東京都 507件
2. 大阪府353件
3. 愛知県275件
4. 神奈川県269件
5. 兵庫件243件
ランキングの並びは小児科医とさほど変わりませんが、件数はすべての県で半分以下と産婦人科医が全体的に不足していることが読み取れます。実際、地方では出産できる産婦人科が見つからない出産難民が増え、社会問題化しています。出産を控えていて移住を検討している人は、しっかりと地域の産婦人科についてリサーチをした上で、移住先を決定するようにしたいですね。
参照:日本ソフト販売株式会社
夜間・救急対応の有無も!救急医療体制が整っているか
24時間体制で営業している医療機関があるかどうかも調べておくと安心です。
夜間に体調が急変した際に、診てくれる病院がないと不安になります。また、救急患者の受け入れる余裕のある病院が近くにあるかどうかも確認しておきたいですね。
救急車の到着時間について
急患の場合、救急車を呼んでから病院に着くまでの時間は生死を分けることもあります。救急要請の通報を受けた後に救急自動車が現場に到着するまでの全国の平均所要時間は、平成元年(1989年)は平均5.7分ですが、平成29年(2017年)だと8.6分と、30年間で約3分延びています。
特に、病院数が少ない地域では、救急車に乗った後に病院が見つからない場合や、受け入れてもらえない場合もあり、症状が悪化してしまうこともあります。妊娠中の人や持病のある人など、少しでも不安のある人は、ある程度の数の医療機関が通える範囲にあり、自分が安心できる地域に移住することをおすすめします。
参照:内閣府公式サイト
シニア世代の移住も通える医療機関の有無は重要チェック事項
仕事をリタイアしてから移住を考えるシニア世代も少なくありません。シニア世代が移住を考える場合にも、医療機関は重要なチェック事項です。
ポイントは持病の専門医がいる地域
歳を重ねると、持病を持つ人の割合も増えてきます。持病を持っている方は、持病の専門医がいる病院が自宅から通える範囲にあることも確認しておきたいところ。近年は、地方によっては深刻な医師不足に悩んでいる地域もあります。
いざという時に安心して診てもらえる持病の専門医が近くにいないのは、文字通り死活問題。病院があるかどうかだけではなく、持病を診てもらえる医師がいるかどうかまであらかじめ確認しておきましょう。
眼科や歯科医院も要チェック
眼科や歯科医院など、特定の診療科も歳を重ねると行く機会が多くなります。視力はだんだんと衰え、白内障や緑内障に罹る人も多くなります。また、入れ歯や歯茎の衰えなど、歯科医に相談したいことも増えてくるでしょう。
都道府県別の眼科の数
1. 東京都1,063件
2. 大阪府783件
3. 愛知県548件
4. 神奈川県516件
5. 兵庫県504件
と予想通りですが、人口当たりの眼科が多いランキングにすると、佐賀県と島根県1.4件で同率1位、続いて富山県と石川県が1.2件、次に和歌山県が1.1件とやはり西日本に多いようです。
都道府県別の歯科医院の数
1. 東京都8,914件
2. 大阪府5,122件
3. 神奈川県4,539件
4. 愛知県3,811件
5. 福岡県3,395件
以上の通り大都市が並びますが、件数が他の科よりも多いのが特徴的。
人口当たりの件数を見てみると、徳島県7.2件、広島県6.8件、長野県6.7件、4位が福岡県 と長崎県の6.6件で同率4位です。自分に合った歯科医が見つかるかどうかは別にして、歯医者を見つけるのは、他の診療科に比べると難しくないのかもしれません。
参照:日本ソフト販売株式会社
移住先の医療機関は、移住前に要チェック
移住先の医療機関について、移住前にチェックしたい項目をまとめました。新型コロナウイルス感染症の流行を見ても、医療機関が近くにないというのはいざという時に不安になりますよね。今現在医師に診てもらう症状がなかったとしても、将来も同じ状況が続くとは限りません。
特に、子どもを抱えていたり、年をとってからも移住先で暮らそうと考えていたりする場合は、医療機関について考慮しないわけにはいきません。
今後移住を考えている人で、医療機関については考えていなかったという方は、移住先に通えそうな医療機関がさほど遠くない場所にあるかどうかを、ぜひチェック項目に入れてみてくださいね。
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