古民家をDIYして快適な移住生活を叶える秘訣

古民家をDIYして快適な移住生活を叶える秘訣

古民家をDIYする際の具体的な注意点や抑えておきたいポイント、快適に暮らすためのアイデアを解説

移住を検討されている方の中には、移住者が古民家をリノベーションしてかっこいい住まいで暮らしていたり、オシャレなカフェをオープンしたりする様子を見たことがあるのではないでしょうか。 古民家のDIYに挑戦しながら、移住して新しい暮らしを始めるのも、すてきなライフスタイルの1つです。 この記事では、移住後に古民家をDIYして暮らしてみたい人向けに、注意点や快適に暮らすために抑えておくべきポイントをまとめました。

移住して古民家暮らしを始める前に知っておきたいこと

まずは、古民家で暮らし始めるまでに知っておくべきことをご紹介します。実際に古民家を見たことがない人は、想像と現実が大きく違っていたり、後悔してしまう場合もあるので、ぜひチェックしてください。

古民家暮らしのメリット・デメリットを理解しよう

大きな梁が見える日本的な家屋や茅葺屋根、立派な瓦屋根の古民家は、現代建築の建物に比べて多くの違いがあります。古民家の特徴に触れながら、そこで暮らす場合のメリット・デメリットをみていきましょう。

古民家暮らしのメリット

  • 広々とした空間がある:昔の家は部屋数が多く、部屋と部屋の間が「ふすま」や「障子」で仕切られています。それぞれが個室にもなりますが、全て開けると1つの大きな空間にもなります。
  • 伝統的な建物の雰囲気を感じられる:昔ながらの縁側や土間、立派な梁をそのまま使った伝統的な木造軸組工法など、その歴史の味わいや雰囲気を感じられるのが古民家の特徴です。

古民家暮らしのデメリット

  • 冬は寒い:古民家は現代建築の建物に比べて断熱性能が低いです。すきま風が通る場所も多いため、冬は寒く感じるでしょう。実際に暮らすと、想像以上に暖房費がかさんでしまう場合もあります。
  • 虫が出る:古民家は床板や柱の隙間から虫が入り込みやすいです。そのため、虫が苦手な人にとってはつらく感じるかもしれません。
  • リフォームやメンテナンスが必要:状態の良い古民家と巡り合える場面はそう多くありません。特に、空き家の期間が長い物件は傷んでいるところも多く、住み始めるまでに多くの修繕が必要になる場合もあるでしょう。

このように、現代建築に比べて気密性や断熱性能が劣る古民家では、寒さや虫対策も一緒に考える必要があります。

 

古民家をDIYするつもりなら「状態の良い物件選び」から

DIYで古民家暮らしに挑戦する場合、なるべく状態の良い物件を選びましょう。

古民家の中には傷んでいる箇所が多かったり、構造上の問題があるような状態だったりする物件もあります。大規模な修繕が必要な物件はコストも時間もかかるため、DIYのハードルが高いです。

家は人が住まなくなって風通しが悪くなると、湿気がたまり傷みやすくなるため、空き家の期間が長い物件は状態が悪い傾向にあります。状態の良い物件に巡り合うためには、移住先で人間関係を構築しながら「これから空き家になる物件」と出会うのが良いでしょう。

移住先の人間関係づくりについては、こちらの記事も併せてご覧ください。

田舎暮らしで良い人間関係を築く3つのコツ

 

 

古民家で暮らし始めるまでの期間や費用を把握しておこう

古民家のDIYに挑戦する前に、暮らし始められるまでの費用や期間も把握しておきましょう。

古民家をDIYでリノベーションしていく場合、業者に依頼するよりも工期が長くなります。自分で調べながら材料を調達したり、作業を進めたりする必要があるため、暮らし始めるまでに予想以上の時間がかかります。

また、リノベーションをする古民家と現在の住まいの場所が離れている場合、DIYで使う材料費にプラスして、交通費や移動時間などのコストがかかります。

昔ながらの古民家は部屋数が多くて広い上、状態が良くない場合は修繕範囲も増えるので、実際に古民家暮らしを始めるまでに1年以上かかる場合もあります。

想定している予算やスケジュールを確かめた上で、古民家のDIYを検討しましょう。

 

古民家をDIYの魅力

注目されている古民家リノベーションやDIYですが、どんな魅力があるのでしょうか。

自分好みの空間で暮らせる

古民家DIYの魅力の1つは、自分好みの空間で暮らせることです。

現在は壁紙や床板、フロアシート、建具の金物などの種類が豊富になってきており、自分の好きな空間づくりがしやすいです。インターネットで誰でも材料を購入できるので、自分の暮らしに合った空間を自作していけるのが魅力と言えるでしょう。

また、以前に比べてDIYの工具や便利なツールが普及し、大工さん以外でも手軽にDIYに挑戦できるようになりました。そうしたDIYの様子をSNSやYouTubeにアップロードする人も増え、DIYでつまずく場面があっても自分で解決しやすい環境になっています。

新築物件に比べて取得価格が抑えられ、その分DIYで自分好みの空間に変えていけるのが古民家DIYの大きな魅力です。

自分で修繕するDIY力が身につく

古民家のDIYに挑戦すると、自分で建物を修繕したり新しくものづくりができる力が身につくのもメリットです。

移住して物件を購入した場合、今後は自分でメンテナンスしていく必要があるため、簡単な修繕なら自分でできるようになります。

また、快適な空間づくりや場所にあった家具を作りたくなる場面もあるでしょう。

  • キッチンのデッドスペースに棚をつけたい
  • 寒さ対策のために二重窓を作りたい
  • 庭に鶏を飼える小屋を建てたい

最初はうまくできなくても、少しずつ練習すればDIYでできることは増えていきます。DIYに挑戦してスキルアップすれば、住まいを快適にするための寒さ対策や、あったら便利なものを自分で作ることができるので、暮らしの快適性が高まっていきます。

古民家暮らしは不便なこともありますが、自分のDIYの力を上げることで、快適に暮らせるようになるでしょう。

 

古民家をDIYしていく時に抑えておきたい2つのポイント

実際に古民家のDIYに挑戦する時に、抑えておきたいポイントを2つ解説していきます。

  • 相談できる専門家を見つけよう

    古民家のDIYをする時には、相談できる専門家を見つけておきましょう。建物に必要な壁や柱を判断したり、傷み具合の診断をしたりするのは難しいので、専門家を頼るようにしましょう。また、豊富な経験がある専門家に頼れば、自分の知らない工法や処理の仕方をアドバイスしてくれる場合もあるため、結果的には最適なDIYの方向性が導き出せます。
    地域の人から知り合いの工務店を紹介してもらったり、DIYに理解のある職人さんを見つけたりして、相談できる専門家と進められると良いでしょう。
  • 無理しない!自分でやる場所とプロに任せる場所を見極めよう

    古民家のDIYで最も大切なことは「無理をしない」ことです。自分でできる範囲とプロに任せる範囲をしっかりと見極めることで、リノベーション後の仕上がりが変わるだけでなく、本来は問題なく使えるはずだった設備の機能にも、悪影響がでてしまう可能性があります。

 

プロに任せた方が良い範囲

  • 水回り
    水道管や排水管の設置は難易度が非常に高いです。水の勾配を計算して配管を設置しているため、プロに任せましょう。また、水漏れが発生すると周辺が腐食してしまうため、既存の設備が老朽化している古民家の場合は、プロに依頼して状況の確認も併せてしてもらうのがオススメです。

  • 電気設備回り
    リノベーションではコンセントやスイッチ、照明設備などの種類を選んだり、取り付ける位置を決めたりするのは、重要な工程の1つです。しかし、電気設備工事は資格が必要なため、無資格での電気工事はできません。
    また、電気工事は処理の仕方を誤るとショートして発火の原因につながるため、大変危険です。必ずプロに工事をお願いしましょう。最近では、既存のコンセントのままでもオシャレなダクトレール型の照明設備などを設置できる商品も登場しているため、DIYでオシャレな空間作りができる幅も広がっています。

  • 屋根
    屋根のDIYは、雨漏りの原因になるリスクが高いため、プロに依頼しましょう。
    瓦屋根の場合、湿気や日当たりの状況によってコケがつくことがあります。屋根でコケが繁殖してしまうと、屋根の下地まで水分が伝ってしまい、雨漏りの原因になります。
    また、屋根の修理は高所作業を伴う作業なので、作業自体が危険です。屋根の修繕などは、専門の業者にお願いするようにしましょう。

  • 外装
    外装も風雨にさらされる場所のため、不完全な施工では雨漏りの原因になります。外壁の板張りなどはプロに依頼すると良いでしょう。外壁の強度を高める塗装などはDIYでもできる範囲ですが、高所作業は危険が伴うため、プロにお願いするのが無難です。

 

自分で挑戦しやすい古民家DIYの範囲

  • 残置物の撤去、解体
    古民家のDIYを始めるためには、残置物の撤去や不要な床板、土壁などの解体作業が必要です。
    古民家の残置物を撤去する時には、引き渡し時に必要なものが残っていないか、撤去しても問題ないかなど、承諾をもらってから作業に入ると良いでしょう。解体時は飛び出した釘や木の破片に注意しながら、手袋や安全靴などを用意して進めます。

  • 内装
    床板や壁の板張り、壁紙仕上げ、しっくい塗り仕上げなどは、DIYでできる範囲です。壁紙やフロアシートはバリエーションが豊富で、DIYでも施工しやすいように接地面と接着できるのりがついたタイプなども販売されています。自分のレベルに応じて挑戦してみましょう。

  • 家具・建具作り
    家具や建具作りも、DIYでできる範囲です。古民家で快適に暮らすために、その空間にあった家具や建具をDIYしても良いでしょう。昔ながらのふすまに好きなデザインのシートを施工したり、デッドスペースに棚を作ったり、DIYなら自分好みの空間作りに挑戦できます。

 

古民家をDIYして快適な暮らしを実現するための心構え

「憧れの古民家暮らし」でも、快適に暮らせないのでは本末転倒です。ここでは、古民家DIYで快適に暮らすための心構えをご紹介します。

  • 快適性を重視!毎日の暮らしが不便にならないように適切な修繕をしよう

古民家で快適に暮らすなら、水回りは新しくするのが無難です。

既存の状態にもよりますが、トイレやお風呂、キッチンなどの水回りは毎日使う場所なので、プロにお願いをしてリノベーションしましょう。

DIYをするなら、水回り以外の内装や建具などに留めておいた方が、最終的に暮らしやすい空間に仕上がることが多いです。

  • 古民家は寒いと割り切る

現代建築の住宅に比べて古民家は気密性が低く、すきま風がよく通るため、冬場は寒いです。古民家に憧れを持って暮らしはじめるのであれば「古民家は寒い」と割り切る覚悟も必要です。

  • 失敗しにくい古民家DIYの考え方。スキルアップに応じて範囲を広げよう

古民家DIYに挑戦するなら、少しずつスキルアップしていくことを踏まえ、目立たないところから始めてみるのが失敗しにくい進め方の1つです。

DIYを始めた頃は、インパクトドライバーやノコギリの使い方1つ1つが不慣れで、うまく扱えないこともあるでしょう。壁紙やフロアシートの施工、しっくい塗りなども最初は失敗します。

しかし、やればやるほど上達していくので、少しずつ仕上がりがキレイになっていきます。

古民家のDIYをキレイに仕上げて快適な古民家暮らしをしたいなら、施工する場所の順番を考え、少しずつ範囲を広げながらスキルに合わせて進めていくと良いでしょう。

 

古民家のDIYに挑戦してみたい方へ

古民家をDIYする際の注意点や、快適に暮らすために抑えておくべきポイントを解説しました。

古民家のDIYは大変なこともたくさんありますが、自分のDIYスキルが向上すればできることが増えたり、自分で家を修繕できたりします。移住先で快適に暮らすためには、周りの環境を追い求めるだけではなく、自分で環境や空間を作り出すことも必要です。

とはいえ、古民家DIYは生半可な覚悟では挫折をしかねないほど大変です。本格的に挑戦する前に、経験者の話を聞いてみたり、実際に古民家をDIYしている人のお手伝いをしてみたりすると良いでしょう。

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