郷土愛を育む!?「地域活動学習教育」を行う全国私立小学校7選
家庭・学校・地域が一体となって子どもを育てよう
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子どもにとってより良い教育環境を求め、家族で住む場所を変える「教育移住」。地域や学校により、どのような教育に力を入れているかはそれぞれ異なります。
今回はその中で、子どもたちが身近な地域でさまざまな体験を通じて学ぶ「地域活動体験学習教育」を取り入れている全国の私立小学校についてご紹介します。
地域活動体験学習教育とは
地域活動体験学習は、子どもたちが身近な地域でさまざまな体験を通じて学ぶ教育法です。地域の人々と交流し、自然体験、文化体験、ものづくり体験など多様な活動を通じて”生きる力”を育みます。
地域活動体験学習には、ボランティア活動など社会奉仕に関わる体験活動、自然に関わる体験活動、勤労生産に関わる体験活動、職場や就業に関わる体験活動、文化や芸術に関わる体験活動、交流に関わる体験活動などがあります。
地域活動体験学習は、子どもたちの成長を促進し、地域社会との連携を強化するために有効な手段です。
地域体験学習教育に力を入れている全国の私立小学校
全国で地域体験学習教育に力を入れている私立小学校をご紹介します。
北海道函館市
田植え、野菜や蕎麦の栽培など自然とかかわる特別活動や、全校児童参加の宿泊学習、蒜沢(にんにくざわ)河畔林再生プロジェクトなどの校外学習を、数多く実施。
少人数制を採用しているため、子どもたちは何事にも主体的に関わり、深い学びを得ることができます。
茨城県かすみがうら市
子どもたちがやりたいことを選ぶ、小集団活動「ファミリア」を実施しています。大きなテーマが決まると、子どもたち一人ひとりがテーマを設定。仲間とチームを組んだり、分かれたりしながら取り組んでいます。
校外学習では子どもたち自ら計画書を作り、学習先にも自分たちで予約を入れます。ファミリア費をどう運用するかも大切な話し合いの場。 予算を組み校長先生に報告し、出納帳係が管理します。
活動内容に関するさまざまな発表の機会があり、ポスター制作や動画によるプレゼンテーションなどで表現力を磨きます。また、特技や経験を活かし、学校のために活動したいと考える在校生・卒業生の保護者、またはその関係者がボランティアでゲストティーチャーとして活躍しています。
岐阜県岐阜市
校内での特設の時間のほか、校外にも積極的に出かけ体験学習を行っています。
地元の方とふれいながらの干し柿作り、陶芸家の工房を訪ねてオリジナル茶碗を作るワークショップ、無農薬非化学肥料水田での田植え・稲刈りなど、多様な体験通して豊かな人間性を育みます。
大阪府豊中市
ふるさと体験学校を実施。5月に田植えを、10月には育った稲の収穫を行います。さらに収穫したお米を使ったおにぎりの会を開催し、自分たちのお米を実食。一年間を通じて食物のありがたさを実感する貴重な機会です。
農家の方の仕事や暮らしに触れ、社会科で学んだことを確かめるとともに、人のつながりの大切さ、農家の方や食べ物への感謝の気持ちを育てます。
兵庫県神戸市
幼小一貫教育校。環境学習では、甲南幼稚園小学校、甲南高等学校中学校、甲南女子中学校高等学校、甲南大学の三学園が集まり、自然と触れ合う体験学習を行っています。
4年生では住吉川の水質調査、生き物調べ、ゴミ調べ、スケッチ、俳句を、5年生では田植え、稲刈り、収穫祭(餅つき)を行います。
広島県広島市
民間企業の方による「租税教室」や、安田学園同窓会「唐花会」の方へのインタビュー、保護者ボランティアによるあいさつ活動など、学校生活の中で多くの社会人の方々と関わる機会を豊富に設けています。
社会で活躍する先輩との関係の中で、子どもたちはより多彩に学び、人間性に厚みをつけていきます。
福岡県太宰府市
キャンパス内の田んぼで田植えをして稲を育て、米を収穫する体験学習をします。米の収穫までではなく、その先にある事がらも教育。
刈り取った稲藁は焼いて灰にし、釉薬を作り、「陶芸」の授業ではその釉薬を使って茶碗を焼きます。「茶道」の授業では、その自作の茶碗でお茶を点てておもてなしをします。
5、6年生は刈り取った稲藁で、お正月に飾る「しめ縄」づくりも体験。しめ縄づくりには、外部講師を招き、お正月についてや、しめ縄づくりをする理由、しめ縄づくりの起源など、日本の文化について学びます。田んぼで育てる米は餅米で、収穫後、1月には餅つき大会を行い、地域の施設へお餅をお配りしています。
地域体験学習教育に取り組むことの成果
地域間交流体験活動を行う児童生徒にみられる成果は、以下の通りです。
出展:文部科学省
子どもだけでなく、学校、地域、家庭に好影響をおよぼす地域学習体験教育。今後ますます、地域社会と連携・協働した教育の必要性は増していくことでしょう。
地域とのコミュニケーションや「郷土愛」を育みながら、子どもの成長を得られる貴重な機会として、地方移住を検討してみるのもよいかもしれません。
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