自然教育を子どもに!地方移住で得られる自然の恵み
自然教育に力を入れている全国の私立小学校5選!
目次
INDEX
子どもにとってより良い教育環境を求め、家族で住む場所を変える「教育移住」。地域や学校により、どのような教育に力を入れているかはそれぞれ異なります。
今回は、「自然教育」を取り入れている全国の私立小学校についてご紹介します。
自然教育とは
自然教育は、自然のなかでの体験を通じて、子どもの思考や行動の基礎となる力を育む教育法です。自然と触れ合うことによって五感を刺激するため、子どもが本来持っている本能を活性化させることができます。
また、さまざまな動物や植物と触れ合うことにより、子どもの好奇心や感受性を育みます。仲間との遊びを通じ、社会性も育めるだけでなく、自然の中で全身を動かすことにより、筋肉の発達や体感が鍛えらえるといったメリットもあります。
都会では自然と触れ合う機会をつくるのは難しいですが、自然が豊かな地方では、特に有効な教育法といえます。
自然教育が注目される背景
都市部では、年々自然環境が減少し、公園などの遊び場の利用規制が増えています。さらに、塾や習い事の時間が増え、デジタル機器に触れる機会が多い現代の子どもたちにとって、自然と触れ合う機会は非常に限られています。
そのため、教育カリキュラムに“自然と触れ合う活動”を取り入れる提案が出されました。中央教育審議会の資料によると、自然体験活動をたくさん行った生徒は、以下の特徴があるとのことです。
課題解決能力や豊かな人間性など「生きる力」がある
分からないことはそのままにせず調べることが多く、誰とでも協力してグループ活動ができる、相手の立場になって考えることができる
得意な教科の数が多い
「理科」「図画工作」「体育」が得意と答えた生徒が多く、得意な教科の数も多い
環境問題に関心がある
地球の温暖化、オゾン層の破壊、ゴミ問題など気になる環境問題の数が多い
体力に自信がある
身体を使った活動が多く、運動能力や体力が自然に向上する
出展:スポーツ・青少年分科会(第33回)[資料1] (mext.go.jp)
自然教育に力を入れている全国の私立小学校
現在、多くの学校で自然教育が実施されています。中には、独自のカリキュラムで先進的かつユニークな授業を行う私立小学校が全国に多く存在します。自然教育に力を入れている全国の私立小学校をご紹介します。
神奈川県三浦市
約1万坪の広大な自然をそのまま教室として、自然教育を行っています。
日常の教科学習では得らえない、心身を一丸とする生活体験を通して、強い意志力、たくましい身体、自然愛、人間愛、正しい勤労観をもつ豊かな人間性を育みます。
子ども達が自分で考え判断し、自分で行動できるようになってほしいという願いから、授業間のチャイムはありません。このことにより、子ども達の自主性が芽生え、時間割の時間帯にとらわれず、その時の子ども達の興味関心に基づいて授業を行うことができます。
奈良県奈良市
理科の授業では、自然教育や環境教育を含めた自然を学ぶ取組みを行っています。じっくりと自然のしくみや豊かさを認知する取組みから、自然や環境に関わる問題意識育成までのプロセスを重視。
実験・観察やさまざまな機会を利用したフィールドワークの充実など、子どもたちが実物・本物に接する機会をできるだけ多く設けています。
また、各学年で実施している各種・各方面への合宿も、当地特有の自然の摂理や歴史・文化を学ぶ絶好の機会となっています。
和歌山県橋本市
きのくにこどもの村小学校
「プロジェクト」という授業を週に14時間行っています。プロジェクトは以下の5つで、それぞれ特色のある活動テーマを持ったクラスです。1年に1回、子どもたちはプロジェクトの中身や、大人や友だちのメンバーを見てクラスを選びます。どのクラスもさまざまな学年の子どもたちがいます。
- 劇団きのくに(表現)
- 工務店(木工、園芸)
- おもしろ料理店(食の研究)
- ファーム(農業)
- クラフト館(やきもの、木工)
岡山県岡山市
大きな池に面し、緑豊かな林に囲まれた静かな環境。校舎は、3階までが吹き抜けとなった中央部分をはじめ、光がたっぷりと降り注ぐ開放的な空間です。
運動会、校外学習、遠足、水泳、体験学習、お祭り、音楽発表会、星の観望会、宿泊学習など、さまざまな年間行事を実施しています。
高知県吾川郡いの町
2019年4月に開校。自然の中での体験学習を中心とし、自分で考え、自分で決め、行動する子どもたちを育てます。教育方針は、個性・多様性の尊重、自己決定、体験学習の3つ。
個性と多様性を大切し、自己決定を尊重し、自らやりたこと決め実践することができる環境を整えています。田植え、稲刈り、収穫祭などの農業体験、川開き、サマーキャンプなどの季節の行事は、自分たちで計画を立て、実行します。
自然教育に取り組むことの成果
自然の美しさ、雄大さ、神秘性、厳しさなどは人間の五感に直接働きかけ、子どもたちに感動や驚きを与えます。こうした体験は子どもたちの感性を育み、知的好奇心や探求心を育みます。
自然教育では少人数のグループ活動が多く、自分のことは自分でする、仲間と相談し協力する、困っている人を助けるといった行動・態度が求められます。これは子どもたちの自主性、協調性、社会性の育成に役立ちます。
また、物質的に豊かで便利に過ごす現代において、非日常的な自然の中での活動は、困難を乗り越える力や忍耐力を養うチャンスになります。ピンチや苦労は子どもたちを成長させ、主体性や積極性を引き出すのです。
さらに自然を理解し、環境問題へ関心が深まる、災害などの緊急時における危機管理能力が身につく、体力がつくなど、自然教育が子どもたちに与える好影響は計り知れません。
このように、さまざまな能力を育てる自然教育は、子どもの生きる力を養うのに有効な手段だといわれています。
自然教育は、日常的に自然と触れ合える地方の環境が最適です。自然教育に興味を持った方は、豊かな自然環境で子どもたちが学べる教育移住を検討してみてはいかがでしょうか。
夏休みには、自然体験活動の機会を提供している施設・組織があるので、まずは移住する前にお試し体験をしてみることをオススメします。