幸福度を高める地方移住「ライフスタイル移住」

地方移住で理想の暮らしを実現しよう

コラム

コロナ禍の影響もあり、ここ数年地方移住を検討する人は増えていますが、移住スタイルにも変化が表れているのをご存知でしょうか。
近年「ライフスタイル移住」と呼ばれる、理想のライフスタイルを実現するために自発的に行われる移住が注目されています。
今回の記事は「ライフスタイル移住」について検証します。

ライフスタイル移住とは

「ライフスタイル移住」という言葉を初めて聞いた人も多いのではないかと思います。
ライフスタイル移住は2009年に定義され、2015年に日本で紹介された新しい概念です。「比較的裕福な個人による、経済的理由によらない、生活の質の向上や自己実現を求めて行う移住」と定義されています。

出展: 「ライフスタイル移住とは何か -欧米圏の研究動向と日本の地理学における方法論的展望-

かつての移住の目的は経済的な理由(経済的苦境からの脱出もしくは経済的成功によるもの)が多かったのですが、ライフスタイル移住は経済的な理由をさほど重要視しないところがポイントです。

移住を希望する理由は人それぞれですが、その人にとってより良い生活が実現できれば、それはライフスタイル移住といえます。
例えば「大好きな海の近くに住みたい」「農業をして暮らしたい」「子どもを自然豊かな環境で育てたい」「ふるさとにUターンして両親と暮らしたい」「通勤時間を減らし、家族と一緒に過ごす時間を増やしたい」「その地域ならではの仕事に就きたい」などです。

移住を希望する年代の変化

2023年1月に20代~50代の男女を対象に行った調査によると、地方移住に「とても興味がある」と回答した人は17.8%、「興味がある」は17.6%、「どちらかといえば興味がある」は24.4%でした。約6割の人が地方移住に興味を持っていることが分かりました。

また年代別でみると、移住に興味を持っているのは「30代」が63.1%で最も多く、次いで「40代」が62.6%となっています。

かつては移住というと、定年を迎えたシニア世代が第二の人生をゆったり過ごすというイメージがありましたが、次第に若い年代の人たちも検討するようになり、子育て世代の移住も増えています。


 

出展: Laibo「2023年 地方移住の意識調査を実施しました」
 

移住スタイルの多様性

地方移住に興味を持っている年代が幅広くなるのにともない、移住そのものにも多様性が出てきています。

例えば、希望する移住先にも変化が現れています。以前より人気の高い北海道、沖縄県、静岡県、山梨県、長野県などのほかに、神奈川県、群馬県、茨城県など比較的東京都から近い地域を希望する人が増えています。
これはテレワークが普及したことも大きく、1年に数回、または月に数回程度なら会社へ出勤できる地域を移住先に選ぶ人も少なくありません。

また、以前は移住するとなったら転職や起業が一般的でしたが、現在の仕事を変えずに地方へ移住することも可能になってきました。
仕事や人間関係はそのままで、ライフスタイルをあまり変えずに地方移住をすることができる一方、憧れの地域に住みたい、生活や人間関係を大きく変えたい、農業など田舎ならではの仕事がしたいなどの人もおり、移住のスタイルも多様化しています。

ライフスタイル移住のメリット

ライフスタイル移住には数多くのメリットがあります。ひとつずつ検証してみましょう。

幸福度が上がる

地方移住と幸福度の関係の調査結果によると、移住をした人の幸福度は63.5%と、地方移住に関心があるもののまだ実行に移していない人に比べ高いことがわかりました。


出展: PR TIMES「【最新移住事情 2021】全国で徹底調査!実態から導く「移住が成功する条件」〜地方移住への関心が高まる若者・単身者〜」
 

ストレスが減る

人混みや満員電車、渋滞、無機質なビル群の中での仕事など、都会は何かとストレスが溜まるものです。
地方にはまだ自然豊かなところがたくさんあり、海や山、田んぼや川など自然に囲まれてリラックスして過ごすことができます。

時間にゆとりができる

都会では通勤時間に往復3時間かかることも珍しくありません。
地方では都会に比べ通勤時間が短く、家族と過ごす時間や趣味の時間を増やすことができます。

趣味を満喫できる

マリンスポーツ、ウインタースポーツ、釣り、キャンプなどのアウトドアはもちろん、自由な時間が増えることにより、室内で行う映画鑑賞、読書、ゲームなどの時間も増やすことが可能です。

子育てしやすい

自然豊かな環境でのびのびと子育てをしたいと思っている人も多く、子育て世代での地方移住も増えています。
家と家の距離が離れているため、子どもが騒いでも近所の人からクレームになることは少ないです。また田舎では子どもの数が少ないため、子ども連れの移住が歓迎され、地域全体で子育てをしようという地域もあります。

ペットを飼いやすい

都会では犬や猫などのペットを飼いたいと思っていても、マンションが狭かったり、ペット禁止の物件も多くあきらめなければならないことも多いです。加えて一軒家の価格は高く、購入のハードルは高めです。

田舎では比較的一軒家の値段も安く、アパートやマンションも都会より広くて安いところを借りることが可能です。また、空き家バンクを利用することもできます。

※空き家バンクに関する記事はこちら
https://warp.city/posts/35087

好きな動物と一緒に暮らせるのはうれしいですね。

ライフスタイル移住のデメリット

メリットが盛りだくさんのライフスタイル移住ですが、デメリットもゼロではないので、注意が必要です。

交通の便がよくない

都会では数分に1本電車が走行しており、車がなくても十分生活できますが、地方は公共の交通機関がそれほど充実してはいません。
電車やバスは数十分に1本ということも珍しくなく、車がないとかなり不便な地域もあります。

車の維持費がかかる

田舎では自家用車は1人1台のことも多く、車を持つには相応の維持費が必要となります。
車のローンや、保険代、税金、車検代、ガソリン代など、車1台につき1年に平均40万円かかるというデータもあります。

田舎特有の人間関係がある

都会の人間関係は比較的ドライで他人に干渉しない傾向がありますが、田舎の人間関係は都会よりも深く、近所づきあいなども発生します。
移住者だからと周囲と距離を置くことは難しく、よい人間関係を構築する必要があります。

※田舎暮らしでよい人間関係を築くコツの記事はこちら
https://warp.city/posts/31845

ライフスタイル移住におすすめの自治体

最後に、ライフスタイル移住におすすめの自治体をご紹介します。

  1. 大分県豊後高田市

    移住・定住支援が充実しており、移住のしやすさは地方都市の中でも随一です。
    市内全域にケーブル網が張り巡らされており、市内のどこでも光インターネットが利用ができるため、テレワークにも最適です。
    市内には6か所の温泉があり、休日には温泉巡りも可能です。
    移住者と現地の人との交流の場を盛んに提供しており、暖かく迎え入れてくれると評判です。
     
  2. 愛媛県西条市

    瀬戸内海に面した町で、名水百選の「うちぬき」が各所で涌く水の都です。
    農業や工業がさかんで、就労環境も充実しています。子どもの出生率は四国第1位となっており、ICT教育を導入するなど子育て、教育にも力を入れています。
     
  3. 茨城県つくば市

    地方でのびのびと子供を育てたいけれど、教育も重視したいという人におすすめです。
    日本有数の学研都市で、筑波大学をはじめ、研究・教育機関が多数集中しています。つくばエクスプレスで秋葉原からつくばまで最速45分というアクセスのよさも魅力です。

理想のライフスタイルを実現するために、地方移住という選択をするのもよいかもしれません。
まずは自分の理想とする生活ややりたいことを思い描き、それを叶えられる移住先を探してみてはいかがでしょうか。

ライフスタイル移住を実現している人たちの記事はこちら
https://warp.city/posts/19856
https://warp.city/posts/10390
https://warp.city/posts/10684
https://warp.city/posts/4256
https://warp.city/posts/11442

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