こんな仕事があるの!?地方ならではのお仕事特集
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地方に移住するにあたり、どんな仕事をするかは多くの人にとって重要な事柄ではないでしょうか。移住前の仕事を継続する人もいれば、転職、家業を継ぐ、起業する、などさまざまと思います。移住を検討しているけれど、何の仕事をするのかまだ決まっていないという方もいるでしょう。せっかく田舎に住むのであれば、都会ではできない仕事に就くのも一案です。今回は地方ならではの珍しいお仕事をご紹介します。
仕事1:農産物収穫ツアーガイド
観光客の農産物収穫体験をガイドする仕事です。お米や季節の野菜や果物、その土地ならではの地場産物の収穫をサポートします。
ガイドになるには農家に就職する、収穫ツアーを扱っている旅行会社へ就職し添乗員として働く、フリーで農家と契約する、などの方法があります。この仕事には自然やアウトドアが好きな人、ホスピタリティがあり人を喜ばせることが好きな人、食に興味がある人が向いています。
新しいツアーを考える企画力も求められます。収穫したものを料理することもあるので、栄養士や調理師の資格がある場合は活かせるでしょう。
お客様の楽しい旅の思い出づくりのお手伝いをする、やりがいのあるお仕事です。
仕事2:山岳ガイド
「山岳ガイド」は事故のないよう登山者を目的地まで安全にガイドする仕事です。似た職種に「登山ガイド」がありますが、登山ガイドが整備された登山道を案内するのに対し、山岳ガイドは登山道以外にも雪山や崖、谷などの険しいコースを案内します。
登山ガイドを”トレッキングガイド”、山岳ガイドを”クライミングガイド”とも呼びます。山岳ガイドは登山客の命を預かる責任のある職業であり、山に関する知識や登山の実績が必要です。
山岳ガイドになるには登山・山岳専門のガイド会社、登山やトレッキングを扱う旅行会社、アウトドアメーカーや専門店などに就職するほか、フリーの登山家として活動する方法もあります。資格は必須ではありませんが、日本山岳ガイド協会の資格を取得すると、登山に対する知識や経験、安全管理能力、ガイド能力が一定水準あるという証になります。
やりがいは何といっても、登山客が無事登頂し下山できたときに感謝の言葉をかけてもらえたり、楽しみや喜びを共有できること。フリーで活動する場合、日給の目安は1日30,000円程度ですが、季節や天候によって集客は左右されることが多いことを念頭におく必要があります。
とはいえ、自分でスケジュールを立てワークライフバランスを取りやすいことがフリーで活動する魅力といえるでしょう。
仕事3:地域文化伝承者
地域の伝統文化を次世代へと繋いでいく仕事です。地域文化には伝統工芸品、古代建築物、郷土料理、お祭り、伝統舞踊などがあげられます。
古来より大切に守られてきたその地域ならではの文化を、途絶えないようにするためにさまざまな活動を行います。伝統文化を伝承するには、若い世代の育成が不可欠となります。
地域文化に興味を持ってもらうようSNSを発信したり、子ども向けにイベントを実施します。またマッチングサイトを活用するなどし、全国で伝統文化を継承してくれる人材を探します。
仕事4:天文台職員
天文台職員は天体の研究・観測を行う天文台で働く職員です。天文台は国が運営する「国立天文台」と自治体が運営する「公共天文台」があります。
天文台職員は「研究者」「技術職員」「事務職員」の3つに分かれています。このうち研究者は博士号の所持者が対象であることが多く、大学の教授や准教授が就くことがほとんどです。
技術職員は観測機器の開発や整備が主な仕事で、事務職員は施設の維持管理や広報が仕事です。地方の公共天文台は天文の教育普及を重視しており、研究員以外の職員は教員免許、学芸員免許を持っていると有利とされています。
仕事5:牧羊業者
牧場で羊の飼育をするお仕事です。日本で家畜として育てられている羊(めん羊)は約2万匹と少ないのが現状です。
肉用牛の飼育頭数は約260万頭ですので、牛の100分の1以下の数となります。日本のめん羊のおよそ半数は北海道で飼育されており、他は東北と関東が多くなっています。
羊のエサやり、羊の体調管理・ケア、草刈り、飼育に必要な環境整備、清掃などが主な業務です。未経験でも問題ありませんが、普通運転免許がないと難しいでしょう。
動物園での飼育係の経験者や、牧草を刈るため農機具やトラクターを運転できる方は優遇されます。
仕事6:移住コーディネーター
地方へ移住を希望している人、移住した人をサポートするのがお仕事です。就職先としては地方自治体や関連する団体が多くなっています。
主な業務は移住希望の相談にのったり、情報発信を行うことです。移住相談では仕事に関する相談も多いため、仕事のマッチングを行うことがあります。
移住希望者のスキルや今後の人生設計をヒアリングし、その人にあった提案を行います。そのため地域の産業や雇用情勢を十分に把握しておかなければなりません。
住まいの情報提供や、その人にとって必要な専門家を紹介することもあります。移住希望者が移住したら終わりといういわけではなく、移住者がその地域で定着していけるようサポートしていく必要があります。
仕事7:温泉アドバイザー
温泉アドバイザーは、地域および周辺の温泉の所在地や特徴に精通し、温泉に観光客を誘致する仕事です。温泉の歴史、泉質、効能はもとより、正しい入浴法の知識も求められます。
主な勤務先としては観光案内所や温泉旅館、日帰り温泉施設、またカルチャーセンターの講師などで活躍することも可能です。温泉好きが高じてこの仕事に就く人も多く、趣味と実益を兼ねた職業といえるでしょう。
仕事8:地方農業支援コンサルタント
地方農業支援コンサルタントは、地方において農業経営者に対しコンサルティングを行う職業です。農業の経営に関するアドバイスをはじめ、生産・販売・加工に関して幅広くサポートを行います。
主な業務は農業経営の支援、6次産業化の支援、農業技術の導入支援、人材育成支援などです。特に6次産業化は農業従事者が収益を増やすために有効な取組みです。
6次産業とは、1次産業(農業)×2次産業(製造業)×3次産業(販売・サービス)をかけ合わせたもの。つまり農業従事者が農業だけでなく、自ら加工や販売などを手がけること。収穫した農作物を使って加工品を製造、販売することや農家レストランを営み、収穫した農作物を提供することなどです。
地方農業支援コンサルタントになるには、コンサルティング会社へ就職する、農業資材メーカーに就職する、会計事務所に就職するなどがあります。農業経営者が安定した収益をあげられるよう、多角的な視点からコンサルティングを行う必要があり、農業はもとより経営や経理、助成金など幅広い知識が求められる職業です。
地方ならではのお仕事の一部をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。都会でしかできない仕事があるのも事実ですが、地方には、地方ならではの魅力的な職業が多数あるのがお分かりいただけたかと思います。
また、地方で働くことのメリットは数多くあるといえます。まず通勤ラッシュがないこと。満員電車のストレスは何とも言い難く、できれば乗りたくない人が大多数でしょう。
テレワークが進んだとはいえ、都市部では電車通勤している人が多くいるのが事実です。一方、地方では自動車通勤がメインとなり、満員電車とは無縁の生活を送れます。
さらに地方では都市に比べ通勤時間も大幅に短くなります。通勤ラッシュのストレスはもちろん、通勤時間が短くなることにより、ワークライフバランスが整うことも注目です。
地方へ移住し、家族と過ごす時間が増えた、趣味にあてる時間が増えた、という声もよく聞きます。ワークライフバランスを重視させたい人は地方移住を検討してみてはいかがでしょうか。
ほかに、地域の人たちとのつながりを多く持てることも地方で働くメリットです。地方は都会に比べコミュニティが強く、仕事を通じて人間関係が広がったり、必要な人を紹介してもらえたり、困った時に助けてもらえることも多いでしょう。
地方ならではの仕事は経験や知識を必要とするものもあり、すぐに就ける職業ばかりではありませんが、地方へ移住を検討しているのであれば転職や起業の準備を少しずつ始めてみるのもよいのではないでしょうか。