移住して自給自足生活を!移住して農家になるまでの流れ
農家としての移住の失敗原因と対処法
近年地方移住の関心が高まり、また食料高騰などの社会情勢により、田舎で農業を営み自給自足の生活を送りたいと考えている人が増えているようです。
その一方、農業に関心があるものの未経験から始めるのはハードルが高いと感じる人も多いのではないかと思います。今回は田舎での自給自足暮らしの実態についての記事をお届けします。
自給自足とは
まず、「自給自足」の意味を改めて確認してみましょう。
自給自足(じきゅうじそく)とは、生活などに必要な物資の用意を外部に求めることなく、自ら生産してまかなうこと、あるいは、それで生活が満ち足りているさま。生活を意味する語。要は、既製品を購入するのではなく、自分で作ったり自然の中から採取したりする生き方。たとえば自分で米や野菜を作る、山川から山菜・薪・川魚などを得る、衣服や家具を自作する、といった営みが「自給自足」の典型といえます。
現代において生活に関わるもの全般を自分で生産することは難しく、一般的には自分で米や野菜を作ることを指すことが多いようです。
引用:Weblo辞書
移住して農家になるまでの流れ
自給自足を実現するために、実際に田舎に移住して農業の仕事に就くにはどうしたらよいのでしょうか。
情報をリサーチする
まずは移住前に、可能な限り情報収集をすることをお勧めします。以下の情報サイトを参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 農業をはじめる.JP(全国新規就農相談センター )
全国の就農に関する情報が提供されています。農林水産省や各自治体、JAグループ 等が行っている支援やサービス、民間企業等が実施する 農業体験、農業研修、就農相談会等に関する情報が掲載されています。 - 新・農業人ハンドブック2022
就農相談窓口や就農体験(インターンシップ)等の情報、研修中に受けられる資金の情報、就農開始直後に受けられる資金や無利子融資等の情報、経営確立後も受けられる収入保険や補助金の情報など、それぞれのステージ別に活用可能な情報がまとめられています。
起業か就職かを決める
移住先で農業を営む場合、一から農家として起業する方法と、既存の農家に就職する方法があります。
- 起業の場合
自分で農地を取得する必要があります。農業の規模や育てる作物を自分で決めることができます。移住先で農地が空いているか、どのような支援制度があるかを各自治体の移住相談窓口に問い合わせるとよいでしょう。 - 就職の場合
自治体の求人マッチングサイトや農業求人に特化したサイトで募集を見つけたり、ハローワークで求人検索をすることもできます。他の職種と同じように、採用された後は仕事を教わりながら農業を行うため、起業よりハードルが低い形で農業を始められます。
田舎暮らしで農業をはじめる方に向けた支援制度の記事はこちら
田舎暮らしで農業したい!支援制度を活用して憧れの自給自足の生活
北海道 / 足寄町
移住先を決める
自治体のサポート体制、移住者の農業実績や移住したい地域で作られている作物を調べることをお勧めします。
もし作りたい作物が決まっているのであれば、その作物の栽培がさかんな地域に移住するとよいでしょう。
農業体験・インターンシップ
住みたい地域が決まったら、その地域で行われている農業体験やインターンシップなどの情報を探して参加しましょう。
農業体験やインターンシップは必ずしも体験しなければいけないものではありませんが、農業を始めてからのミスマッチを防ぐため、できれば参加しておくことをお勧めします。
自給自足のコスト
就農の仕方は分かったものの、実際に農家として生活していけるかが心配な方も多いでしょう。
こちらのセクションでは、就農した場合、自給自足が可能かを検証します。
- 自営の場合
農林水産統計によると、主業農家(農業所得が主で、1年間に60日以上自営農業に従事する65歳未満の世帯員がいる農家)の、粗収益から経営費を差し引いた農業所得は433.5万円 でした。
なお、国税庁が行う民間給与実態統計調査によると、令和3年の給与所得者の平均給与は443万円 でした。自営農家であれば、会社員と同程度の収入は実現できる可能性が高いといえます。
- 雇用の場合
厚生労働省が実施する賃金構造基本統計調査によると、令和3年農林漁業従事者の毎月の給与額は25万7,500円、年間の賞与額は35万1200円です。
年収に換算すると約344万円となり、自営農家の農業所得433万円に比べて90万円マイナスとなっています。
出典:マイナビ農業
しかし、生活を維持するだけの収入は確保でき、農業のスキルを磨けば、より良い会社に転職したり、将来独立することも夢ではありません。
自営であれ、雇用であれ、自給自足するだけの農業収入を得て、スローライフを送ることは十分可能といえます。
農家としての移住失敗原因と対処法
最後に、農家として移住したものの、「こんなはずではなかった」とならないよう、よくある失敗原因と対策法を事前に知っておきましょう。
- 農業を甘くみていた
自然の中で働くのは一見、ストレスフリーのように思えますが、農業にも大変な面があるということを認識しておきましょう。基本、農業は体力仕事です。また、時期によっては早朝から夜遅くまで農作業を行わなければならないこともあります。会社員と違い、何時から何時までと労働時間が決まっているわけではないということを認識しておく必要があります。
- 金銭面で行き詰まる
農業は技術のみならず、営業力が必要です。作物を作っても買ってくれる人がいなければ成り立ちません。どうやったら売れるかを市場調査し、マーケティングを行う必要があります。また販路を拡大するなどの営業活動が必要になります。安定した利益を出すには地道な活動が不可欠です。天候によって収穫量が左右されるため、年によっては収入が思うように得られないこともあります。就農前にできる限り貯蓄をしておき、利用できる支援制度をよく調べて活用しましょう。
- 人間関係で行き詰まる
農業は人間関係の悩みとは無縁と思われるかもしれませんが、地域の人たちとのコミュニケーションは不可欠です。農業を始めても、最初はわからないことが多いものです。その時に農家の先輩や仲間に相談ができないと、スムーズに仕事を進められません。また、田舎では人間関係が都会より濃密なので、よい人間を築かないと、孤立してしまう可能性があります。地域の集まりに積極的に参加するなどして、コミュニケーションを図りましょう。
- 家族が耐えられなくなる
本人は強い覚悟をもって農業を始めたとしても、家族はそうとは限らないものです。農作業が忙しく家族との時間が取れなくなったり、家族の負担が大きくなったりすることもあります。実際に農業を始めてみなければ分からないことは多いですが、事前にしっかりと話し合いをしておき、何か問題が起きた場合も家族内でよく話し合いましょう。困ったら、先輩農家に相談してみるのもよい方法です。
農業には大変な面もありますが、田舎に移住し農業を行いながらスローライフを満喫している人も多数います。田舎での農業を将来の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
田舎へ移住し、スローライフを実現している人たちの体験談はこちら↓
山梨県中央市に移住してゼロから始めた農業
山梨県 / 中央市
大の北海道好きが当別町で就業!食と関わる暮らしの魅力を発信
北海道 / 当別町
山口の自家製野菜を使ったヴィーガンカレーが大盛況!
山口県 / 山口市
郡山のお米の美味しさに惚れて異業種に飛び込む!
福島県 / 郡山市
「ラジオと農業の二足のわらじ」周防大島町で可能性は広がる!
山口県 / 周防大島町