移住者プロフィール
三浦 翔さん
北海道日高町の地域おこし協力隊、趣味・特技:農業・イラスト
目次
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地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
前職では約11年間観光業に従事しており、土産品の卸売営業をしていましたが、仕事をしていく中で日頃の無理がたたって体調を崩したことがありました。その出来事以降、自分の健康や食について考えるようになり、人が生きていくうえで重要な「衣・食・住」に関わる仕事がしたいと思うようになったのがきっかけです。
その中でも「食」に関心があり、農業という道を目指したいと思うようになりました。そんな中、日高町が少子高齢化や人口減少で衰退していることを知り、前職の観光業で学び得たノウハウを日高町の活性化に役立てられるのではないかと考えていたところ、こちらの自治体の募集を拝見し応募しました。
北海道日高町を選んだ理由について教えて下さい。
日高町は全国水質調査で何度も全国1位を取ったことのある清流や沙流川をはじめ、雄大な自然が育む日高山脈など、元々アウトドアが好きだった私にはとても魅力的な町だったからです。
日高町は以前何度か足を運んだ経験もあり、町について事前知識や親しみがあったことも日高町を選んだ理由の1つです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
日高町には産業支援員として着任しています。
主に新規就農を目指して、町内のトマト農家さんでトマトの肥培管理、収穫作業、農園経営について学んでいます。
元々サラリーマンだったため、文字通りの畑違いの「食」でしたが、観葉植物すら育てたことのない私にとっては未経験のことばかりでした。
さらに、自然相手の仕事のため予定通りに進むことの方が珍しく、改めて日本の食を支える一次生産者の偉大さを目の当たりにしています。
収穫したトマトは毎日、隣町の集荷場まで運ぶのですが、そこでも先輩や同期の農家仲間、農業普及センターの方々が温かく迎え入れてくれて、日々楽しく農作業に当たっています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
雇用形態にもよりますが、私の場合は雇用形態ナシの委託型での採用だったため自分自身で活動内容をある程度決められます。活動の幅が広く、自分の匙加減ひとつで良くも悪くも様々な経験を積むことができます。
在任中も早い段階から隊員活動卒業後を見据えて、必要な知識、技術、資格の取得などを計画的に進める事で、企業に勤めているだけでは得られなかった自信や自分自身の新たな可能性の発見もでき、そこにやりがいを感じています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
協力隊就任前に本やインターネットなどで調べた事前情報だと、協力隊事業の担当職員が日々の活動に対してあまり協力的ではなかったり、日々の業務に追われて隊員活動卒業後に向けての準備が全くできないまま任期が終了してしまったなど、協力隊に就任するまではマイナスなイメージも多くありました。
ですが、実際は自治体や雇用形態にもよると思いますが、私の事業のサポートはもちろん、隊員活動終了後の事業化に向けてのアドバイスなども下さり、担当職員の方々にはとても助けられています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
現在、アロニアという大変栄養価に優れた果実を農薬を使わず栽培し、それを無添加で加工した商品の製造販売をしています。ECサイトでの販売の他、北海道内はもちろん、東京や大阪の百貨店などでの販売会を行い、北のスーパーフルーツ、アロニアの魅力を沢山の方にお届けしています。
販売しているアロニア商品は日高町推奨品にも認定され、今後はふるさと納税返礼品としても出品が決まっています。まだまだ栽培本数が少ない為、3年以内に最低でも果樹本数を1,000本まで増やしていき、日高町の発展、北海道のアロニア栽培の発展に寄与していきたいと考えています。
日高町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
日高町は少子高齢化が進んでおり高齢者が多いのですが、皆さんバイタリティーに溢れ、若々しい方ばかりで年齢を伺って驚くことばかりです。
町内に仲良くさせていただいている89歳の高齢男性がいらっしゃいます。その方は「死ぬ前にワインを作りたい」という夢を持ち葡萄栽培をされていましたが収穫量が少ないためワインの受託をしてくれるワイナリーが無いんだと、ある日相談を受けました。
そういうことならと、私も一緒にワイン用葡萄を植え栽培を始め、2023年3月に念願のナチュラルワインが完成しました。5月には道の駅でワインの試飲会を開催しました。
町内外から沢山の方が足を運んでくださり、大変賑やかな集いとなりました。驚きなのが、なんとこの方、来年と再来年のワインについてもすでに名前を決めており葡萄の木の本数もすでに増やし始めているんです。
いくつになってもチャレンジ精神を忘れない方が多いのが、日高町の住民の印象です。
日高町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
北海道沙流郡日高町は95%を森林が占める山と川の地区「日高地区」と、競走馬の馬産地として有名な海沿いの地区「門別地区」で構成されている日本一遠い飛び地合併をしている自然豊かな町です。
私のいる「日高地区」は日高山脈を源流とする沙流川が流れており、年間を通してラフティングや釣り、乗馬、登山、スキーなどアウトドアを存分に楽しめます。町内には全道でも人気のキャンプ場「沙流川オートキャンプ場」がありシーズン中は道内外からたくさんのキャンパーで賑わっています。
日高地区に属する日高山脈襟裳国定公園はその自然環境の豊かさと生物の多様性から、国立公園化が進められています。
また、札幌や千歳、帯広などへは車で2時間弱で行くことができるので、北海道の交通の中心地としても優れた立地にあります。
都会のストレスで疲れた心と体を癒せるステキな町です。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
地域おこし協力隊としての任務は、地域の方々とのコミュニケーションを通して、土地の強みや足りない部分を見極めたうえで地域の魅力を全国に発信していくことです。
しかし、もっとも大きな目的は任期満了後に在任地区に定住、起業することだと思います。
協力隊の任期は3年間もあるように思えますが、始まってみればあっという間の3年間でした。可能であれば1日でも早く卒業までのプランを決めて、初年度から目標の実現に向けた活動を進めていくことをお勧めします。
皆さんの活動を応援しています!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓