<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>東神楽町地域おこし協力隊の募集要項に記載されていた「スキルアップをしながら、ともに学びあう場づくり」というコンセプトに心を打たれ、すぐに応募しました。</p><p>息子3人が巣立った後の人生を思い描く中で、漠然とした不安を感じていた頃のことです。当時、学びを得たいと思い「LIFE SHIFT～100年時代の人生戦略～」（リンダ・グラットン著）を読んでいました。</p><p>これまでの『学生→働く→老後』という3ステージの人生から、これからの時代は「マルチステージへ移行し、キャリアライフを充実させる」と書かれてありました。そんな未来を妄想していた4年前、コロナ禍が突如として訪れました。</p><p>それまで「なくなるはずがない」と思われていた仕事が次々に消え、職場では「急いで仕事を探している」という相談が増加していました。一方で、求人が少ない中でも着実に仕事を得ていたのは、「柔軟な姿勢で新しいことに向き合えるデジタルスキルを持つ人々」でした。</p><p>「LIFE SHIFT〜」を読んでいたこと、そして常識を変えてしまうほどの影響をもたらしたコロナに直面し 社会の混乱を直に体感したことで、私の考えも大きく変化しました。</p><p>「人生の折り返し地点からは、これまでの経験と新たに得るスキルを活かし、精神的にも肉体的にも、そして経済（社会）的にも豊かな暮らしがしたい」と強く思うようになりました。そんな中で出会ったのが、東神楽町地域おこし協力隊の募集要項でした。</p><h2>北海道東神楽町を選んだ理由について教えて下さい。&nbsp;</h2><p>東神楽町は、北海道第2の都市である旭川の隣に位置し、利便性の良さと豊かな自然が共存しています。晴れた日には、美しい大雪山を望むことができ、その景色に心が洗われるような気持ちになります。</p><p>「人生100年時代」といわれる今、私は人生の折り返し地点に立っています。これからの暮らしを豊かにするためには、東神楽のような自然に囲まれた環境で働き、生きていくことが、自分にとっての「Well-being」につながるのではないかと感じました。また、募集内容への共感も重なり、この場所を選びました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/01/08/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/f_uGgQokrDdPGokUJLsC5.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。&nbsp;</h2><p>「デジタルスキルを学びながら地域貢献活動を行う」という内容の協力隊として、町全体の『デジタルデバイド解消』をテーマの一つに活動しています。具体的には、同期の隊員たちと一緒にスマホ相談会を開催し、地域の高齢者がスマホの使い方について気軽に質問できる場を作っています。</p><p>「同じ質問を何度しても良い」「何度でも気軽に来られる」このスタイルが好評で、おかげさまで毎回大盛況です。</p><p>また、個人の活動としては、SDGsや気候変動、ゼロカーボンといった難解で分かりにくいテーマを少しでもわかりやすく伝えることに取り組んでいます。たとえば、カードゲームを用いたワークショップを企画し、制作を通じてSDGsについて考える機会を提供しています。</p><p>さらに、気候変動による予測不能な災害に備えるため、「今、何を準備すべきか」を地域の人々と一緒に考えていきたいと思っています。</p><p>趣味のガーデニングをきっかけに「花のまち東神楽」に住み、花に関わる活動をしている多くの方々と出会いました。その出会いを通じて、人と人がつながる場を作り、新たなコミュニティが生まれています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/01/08/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/I0IAoo6sR_14KkEAfeJtT.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>着任してから、多くの町民の方々との出会いを重ねてきました。その中で感じたのは、「東神楽町には多様な活動をしている方が多い」ということです。</p><p>これは町の大きな強みであり、貴重な財産だと思います。しかし同時に、それらの活動について詳しく知っている町民は、意外と少ないのではないかと感じました。</p><p>そこで、「それぞれの活動が連鎖することで、これまで『あきらめていたこと』が『できるかもしれない』に変わり、やがて『できる』になるのではないか？」という問いを基にアクションを起こしました。その結果、少しずつ新たなつながりが生まれるのを実感したとき、「取り組んでよかった」と強くやりがいを感じています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。&nbsp;</h2><p>趣味のガーデニングをきっかけに、「花の町」というコンセプトに興味を持ち、活動を始めました。しかし、実際に活動を進めるうちに、人と人をつなぐことが主な役割になってきたと感じています。</p><p>この町そのものへの驚きというより、自分自身の中で起きた“化学反応”的な驚きがありました。協力隊になる前の私は、まさかこんな方向性に進むとは思ってもいませんでした。</p><p>しかし振り返ると、前職の派遣会社でも、人と仕事、そして人と人をつなぐ役割を担っていました。気づかないうちに、こうしたつながりを生むことが私の本質的な強みだったのかもしれません。</p><p>現在、協力隊の同期は4名（当初6名）で、私以外の3名は息子と同年代の若いメンバーです。彼らと協力しながら過ごしてきた時間そのものが貴重ですし、「自分にもまだまだできることがある！」と気づかせてもらったのは、私自身にとって大きな想定外でした。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/01/08/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/7UWNfC9uk6YDlBq0u7UL5.webp"></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。&nbsp;</h2><p>今後、個人事業を立ち上げ、これまでの経験を活かしながら「つながり」と「活動」をさらに広げていく取り組みを進めていきます。自分自身も学び続けながら、次のようなテーマを軸に活動していく予定です。</p><h3>ワークショップデザイン</h3><p>現在、学生や職員を対象にしたワークショップを行い、SDGs、ゼロカーボン、気候変動、防災といった難しいテーマをわかりやすく伝えながら、一緒に考える場を提供しています。これらの活動を通じて、町内にとどまらず、北海道内のさまざまな分野の人々に知ってもらえるよう、活動を広げていきたいと考えています。</p><h3>コーディネーターとして人をつなぐ活動</h3><p>「その場所に住んでいる人だからこそ気づけることやできること 」&nbsp;<br>「逆に、そこに住んでいるだけでは見えにくいこと」</p><p>これらを外部からの視点で伝えたりつなげたりすることで、新たな気づきを生み出し、地域のコミュニティを活性化させたいと考えています。どんどん新しい取り組みが生まれるような「仕掛け」をつくっていければと思っています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/01/08/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/qNYMKA_bAgAqYQyT4JvdP.webp"></figure><h2>東神楽町の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>私が企画・プロデュースした「花の歴史と時の彩り展」の展示会場での出来事です。今年の春から夏にかけて、複合庁舎内でこの企画展を開催しました。</p><p>新庁舎を見学するついでや、バスの待ち時間、薬局での処方待ち時間などに立ち寄ってくださる方が多くいらっしゃいました。その中でも特に印象に残ったのは、町内在住の70代の男性との出会いです。ドア越しに会場のオブジェ「揺らめく花の環」の輝きが目に留まり、気になって来場されたそうです。</p><p>「花壇で花を見るだけが『花のまち』を楽しむことじゃないね。これだけきれいな作品を作る人がこの町にいることを初めて知ったよ。こんなにキラキラときれいな作品をみると、こんなじいさんでもトキメクよ。お堅い役場にこういう空間があるのはいいね、ありがとね。」とお帰りになりました。&nbsp;</p><p>この言葉をいただいたとき、「花のまちで活動している多くの方々を、もっと知ってもらいたい」という思いでこの展示を企画してよかったと感じました。そして、「こんなじいさんでもトキメクよ」という言葉が今でも私の頭の中でリフレインし、新しい挑戦をする際の大きな原動力となっています。</p><h2>東神楽町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）&nbsp;</h2><p>「2024年　街の幸福度（自治体）ランキング：大東建託調べ」で第1位のまち東神楽町です。夏は暑く冬は寒いという北海道らしい気候の中で、四季の変化を存分に感じられる町です。</p><p>町内には親子連れで楽しめる広い公園があり、「花のまち」として、春から秋にかけて美しい植栽が咲き誇ります。 &nbsp;</p><p>町の魅力の一つは、大雪山系や十勝岳連峰を望む絶景です。その日の気分が山の見え具合で左右される（個人の感想ですが）ほど、美しい風景が広がっています。また、写真が趣味の方には、多くの魅力的な撮影ポイントが点在しています。</p><p>生活面では、町内に商業施設があり、隣接する旭川市へのアクセスも良好で利便性抜群です。地元で採れる新鮮な野菜やお米を楽しめる環境も、本当に幸せを感じます。生活に困ることはほとんどなく、「住みやすい町」です。 &nbsp;</p><p>さらに、東神楽町は北海道の中央部に位置しており、距離はあってもどの方面にもアクセスしやすいのもポイントです。空港までは町中心部から車で15分ほどで到着でき、手荷物検査もスムーズに進むため、時間的ロスがなく移動できます。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>北国での暮らしには、最初は驚くことがたくさんあります。例えば、 &nbsp;</p><ul><li>4月でも野原がまだ茶色く、春は遠いこと &nbsp;</li><li>涼しいはずの北海道の夏が予想以上に暑いこと &nbsp;</li><li>11月の朝7時や夕方4時には外が暗くなること &nbsp;</li><li>雪が降る日の時間配分を間違えると、その日は仕事が進まなくなること &nbsp;</li><li>冬装備にお金がかかること &nbsp;</li></ul><p>など、慣れないと戸惑うことが多いかもしれませんが、「この気候・風景を楽しめること」や「東神楽町に住む人は人間性豊かで素敵な方が多いこと」が、東神楽町の魅力だと思います。&nbsp;</p><p>東神楽町は人口が多くはないですが、その分、町の中で顔見知りになる機会が多く、地域のつながりを感じやすいです。様々な地区があり、それぞれで活躍する人々がいて、地域の中で新しいつながりや新たな何かが生まれる、そんな可能性を秘めた町だと思います。</p><p>移住はゴールではなくスタートだと考えて、興味を持った方はぜひ一度、この素晴らしい町に足を運んでみてください。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第171回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、 北海道東神楽町の松江佳月さんです。

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北海道東神楽町の地域おこし協力隊、趣味・特技：ガーデニング・野球観戦ほか色々

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東神楽町の移住体験談一覧：1件

#171 人生の折り返し地点からの地域貢献。「花のまち」で見つけた新たな生きがい