<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>大学在学中から地域活性に関心はありましたが、仕事として具体的にどのように関わればよいのかまでは深く考えていませんでした。卒業後は数年間、旅行業・観光業に従事していましたが、転職を考えていた際に偶然、当町の地域おこし協力隊募集を知りました。募集内容が地域の魅力発信に関わる業務であり、元々写真を撮ることが好きだったことから、その経験や趣味を活かして働けるのではないかと思い、応募を決意しました。</p><h2>羅臼町を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>北海道といえば『北の国から』。その最終作「遺言」の撮影が行われたのは、知床半島の南東に位置する羅臼町でした。私はこの「遺言」が放送された2002年、まだ小学生でしたが、両親と自宅のテレビで一緒に観ていました。それ以来、冬の羅臼の景色や流氷、雪に覆われた風景、吹雪の中で働く漁師の姿などが、ずっと心に残っていました。</p><p>新卒の頃には、某動画配信サービスで同ドラマを観ることができ、特に「遺言編」だけを何十回も繰り返し観ていました。「いつかこの目で、あの羅臼の景色を直接見てみたい」――そう思い続けていたところ、偶然当町の募集を目にしたことが、羅臼町を選んだ大きな理由です。</p><figure class="image"><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/posts/2025/09/08/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/0199284c-7ae3-7bb0-be5d-762e98933504.webp"><figcaption>流氷ドローン</figcaption></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>現在、私が「魅力発信プロデューサー」という名称で就いている地域おこし協力隊の仕事は、町公式SNSでの情報発信が大部分を占めています。取材や撮影、編集、投稿まで、すべて自分で行っています。</p><p>「魅力情報発信」と聞くと観光的な要素を想像されるかもしれませんが、私が発信している内容は幅広く、学校関連や産業関連、イベント情報、北方領土に関すること、そして世界自然遺産の町ならではの自然に関する情報など、多岐にわたります。</p><p>具体的には、夜中に出航する漁師さんの船に同乗して一晩中取材・撮影を行ったり、雪山に登って撮影したりすることもあります。</p><figure class="image"><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/posts/2025/09/08/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/0199284d-eaae-7bb0-be5d-7ea119601a93.webp"><figcaption>撮影している姿</figcaption></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>小さな町で、町民みんなが家族のような場所に飛び込む感覚で始まった私の仕事。今では多くの町民の方々に顔と名前を覚えていただくことができましたが、最初の頃は取材依頼をするだけでも毎回ド緊張していました。</p><p>それでも、過去の地域おこし協力隊に負けないよう、できる限り多くの場所に足を運び、タイムリーに情報を発信できるよう努めてきました。その2年間の積み重ねの結果、「雨ちゃんはどこにでも取材に来てくれるよね」「いつも素敵な写真をありがとう」「いい投稿をしているね」と、町民の皆さんから声をかけていただけるようになったのです。</p><p>全町民に貢献することは不可能ですが、できるだけ多くの方々の力になれればという思いで働いています。そうして声をかけてくださる方が増えることこそが、私にとってのやりがいだと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/posts/2025/09/08/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/01992850-3cad-7bb0-be5d-8edd67618a69.webp"><figcaption>トドの群れ</figcaption></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>私は役場と雇用契約を結んでいる協力隊のため、想定外の縛りごとがいくつかありました。たとえば活動費については、前年度の冬に翌年度の活動内容を決め、その使い道も厳密に定められるため、新たに何かを始めたいと思っても、予算の流用をする以外の方法で使うことができませんでした。</p><p>また、現在では町の規則を変更しましたが、当初は町公式SNSで情報発信をするために、所属課や関係する課の決裁を取る必要があり、タイムリーな発信が難しい状況でした。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>理想は、２拠点生活です。夏は実家のある大分県で過ごし、冬は羅臼に住む、といった暮らし方を実現したいと考えています。</p><p>また、羅臼の魅力を写真や動画で発信する活動も、引き続き続けていきたいと思っています。</p><h2>羅臼町の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>私はほぼ毎日、町民の方とお話しする機会がありますので、特別な出来事というよりも日常の中で感じたことになります。<br><br>「魚の城下町」とも呼ばれる羅臼町では、漁業に従事する町民の方が多く、正直、最初は「ちょっと怖いのかな」と思っていました。しかし、私が役場に所属する地域おこし協力隊だからかもしれませんが、実際には皆さんとても優しく、関われば関わるほど、自然と輪の中に入れてくださるように感じます。<br><br>日頃から町民の皆さんには本当に支えていただいていると、強く実感しています。</p><h2>羅臼町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>日本の北東端に位置し、世界自然遺産・知床に代表される世界有数の自然に囲まれた羅臼町。春夏秋冬、四季の変化がはっきりと残っていることが、この町の大きな魅力のひとつだと思います。</p><p>春には、薄い黄緑色から濃い緑へと変化する木々の葉が町内全域に広がり、キツネなどの動物の子どもたちに出会うことも多く、柔らかくやさしい空気に包まれます。</p><p>夏は、渓流釣りやホエールウォッチングが楽しめる季節です。山奥に行かなくても、ヤマメなどのトラウトフィッシングを手軽に楽しめ、さらに国内では羅臼の海でしか見ることができない野生のシャチにも出会うことができます。</p><p>秋には、知床横断道路から知床峠までの紅葉が多彩な色に染まり、絶景が広がります。</p><p>そして冬には、流氷が訪れます。特におすすめなのは早朝、朝陽が昇る前のほんの一瞬の時間。晴れていると空と海がピンク色に染まり、流氷がその景色に加わることで、ただただ美しい光景が広がります。何度見ても飽きることのない、特別な瞬間です。</p><figure class="image"><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/posts/2025/09/08/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/0199284e-ae8c-7bb0-be5d-812ec6d6dec8.webp"><figcaption>ピンクの空と海</figcaption></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>可能であれば、夏と冬のそれぞれの時期に、1週間ほど羅臼町に滞在してみてください。町が管理している「ちょっと暮らし住宅」（有料）も利用可能です。<br><br>実際に滞在することで、この町に住むことができそうか、住みたいと思えるかを体験してみましょう。1週間という短い期間では見えない部分も多いかもしれませんが、「住んで楽しい」と感じられるか、またその後も住んでみたいと思えるかといった感覚を、少しずつ実感できると思います。</p><p>&nbsp;</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第208回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、北海道羅臼町の近藤 雨さんです。

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北海道

羅臼町の地域おこし協力隊、趣味・特技：風景写真

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羅臼町の移住体験談一覧：1件

#208 流氷と雪景色に包まれて。羅臼町の魅力を撮影・発信する仕事