<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>コロナ禍を経て未曽有の経験をし、人生の最終盤の生き方を真剣に考えたとき、今までとはまったく違った環境で生活してみたいと思うようになりました。</p><p>出身は大阪府豊中市、育ったのは兵庫県西宮市、結婚してからは神戸市で暮らし、人生の大半をいわゆる“阪神間”で過ごしていましたが、慣れ親しんだ都会の人口密集地ではなく、地方への移住の可能性を探っていたときに、「地域おこし協力隊」という制度に出会いました。<br><br>仕事を通して地域を知ることができる、地方移住を目指す人にはこの上なくよい制度だと思い、応募しました。</p><h2>姫路市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>今まで住んでいた人口過密の都会ではなく、ゆったりとした距離感で過ごせる田舎で暮らしてみたいと思い、夫に相談しました。すると、ずっと海の近くで育った夫からは「海の見えるところで」と言われたため、海のそばという条件で移住先を検討することにしました。</p><p>四国や中国地方、九州など、さまざまな候補地を訪れる中で、自分たちが住んでいる兵庫県にも離島があることに気づき、家島諸島を訪れたところ、関わった方々に大変親切にしていただきました。ちょうどそのタイミングで、家島諸島の地域おこし協力隊が募集されていることを知り、応募しました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>姫路市の地域おこし協力隊はフリーミッション型であり、地域からの要望に対して、所属先であるひめじ創生戦略室に相談の上、対応することが基本的な業務となっています。ひめじ創生戦略室からは「たとえ地域からの要望であっても、対応が難しいものは断ってよい」と言われていましたが、結果的にはスケジュールの許す限り、できるだけ対応するようにしています。</p><p>具体的には、地域行事（写真①家島天神祭）やイベント（写真②ぼうぜペーロンフェスタ）のお手伝いをはじめ、空き家や地域猫といった地域課題にも、地域の方々と協力しながら取り組んでいます。</p><p>また、家島諸島・坊勢島の知名度向上も大きな課題の一つであり、島に興味を持っていただける方や来訪者を増やすことにつながる活動も、重要な役割となっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/08/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/TXNGoAF77nvV0D3fxYBEN.webp"><figcaption>①家島天神祭</figcaption></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/08/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/Tl-Eu0GLhjXgm0Gd4k1OI.webp"><figcaption>②ぼうぜペーロンフェスタ</figcaption></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>姫路市の地域おこし協力隊は、フリーミッション型の制度です。行政が求める内容や地域からの要望に沿っていれば、公務員という立場に立ちながらも、自分の興味のあることにフォーカスして活動することができます。</p><p>現在、家島諸島には3名の地域おこし協力隊が配属されており、それぞれが自分の関心に即した「やりたいこと」に取り組んでいます。地域からの要望や、行政としてふさわしい内容であるという制約はあるものの、それをクリアすれば、自分のやりたいことに自由に取り組むことができ、そのことが大きなやりがいにもつながっています。</p><p>また、自身の活動を見てくれている地域の方から「いつもがんばってくれてありがとう」といったねぎらいの言葉をかけていただけることも、大きな励みとなっています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>現在、平日は家島諸島・坊勢島で地域おこし協力隊として活動し、土日は夫の住む神戸で過ごす二拠点生活を送っています。ただ、最初からこの生活スタイルを想定していたわけではありません。</p><p>実際に坊勢島で暮らしてみると、思っていた以上に神戸の自宅から近く、意外と通えることに気づきました。神戸の自宅と坊勢島の住まいの間に姫路市中心部(都市部)があり、買い物等は姫路に立ち寄ってすることも多くなり、そうした流れの中で、自然と毎週末神戸に帰るようになりました。</p><p>家島諸島は姫路市中心部からのアクセスも良く、離島での生活とはいえ、それほど不便を感じることはありません。都市部からの“ちょうどよい距離感”は、ある意味で想定外の心地よさでした。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>もともと移住を目指していたこともあり、卒隊後も坊勢島に住み続けることを目標に活動していますが、現時点では、まだうまくいっているとは言い難い状況です。</p><p>坊勢島で自分にできることは何かを考えたときに、近年増加傾向にある観光客への対応、そして今後、坊勢島に住んでみたいと思ってくださる方々の受け皿として、観光業での起業を目指したいと考えるようになりました。</p><p>具体的には、来島者だけでなく地域住民も気軽に利用でき、交流が生まれるようなコミュニティカフェの設立を目指していました。しかし、空き家を改修するには莫大な費用がかかることが判明し、やむなくその計画は断念しました。現在は、新たな候補地を探している段階です。</p><h2>姫路市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>私が住んでいる坊勢島は、姫路港から約20kmの距離にあります。坊勢島の方々は、全体的に控えめでシャイな方が多く、初対面からフレンドリーというわけではありません。しかし、島の中で「この人、困っているのでは？」と感じた瞬間には、たとえ相手が見知らぬ人であっても、シャイな心の扉がパッと開き、「だーしたん？（どうしたの？）」と自然に声をかけてくれるような、人の温かさがあります。</p><p>道に迷っていたり、「まさか歩いてここまで来たの？」と思われるような場所にいると、必ずと言っていいほど「だーしたん？」と声をかけられます。</p><p>ちなみに私の夫は、坊勢島での島歩きの楽しみは「道に迷うこと」だと断言しています。それだけ、島の人たちの優しさに触れる機会が多く、心温まる出会いがあるのです。</p><h2>姫路市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>姫路市は兵庫県の南西部、播磨平野のほぼ中央に位置する中核都市です。世界文化遺産・ 姫路城とともに、旧城下町の面影が残る歴史的な街並み、海・山・川などの豊かな自然や多彩な農水産物に恵まれ、また、ものづくり産業が集積する商工業都市として発展しています。都会と田舎が同居する姫路市は、さまざまな魅力がギュッと詰まったまちです。住むほどに、姫路の多彩な魅力を実感して、きっとこのまちがどんどん好きになると思います！</p><p>私の住む家島諸島・坊勢島は、姫路港からわずか30分船に乗るだけで、「こんなに海がきれいなのか！」と感動するほど、透明度の高い美しい海が広がっています。どこにいても海の存在を感じられる、離島ならではの特別なシチュエーションが魅力です。</p><p>特におすすめなのが、島から眺める夕景です。刻一刻と表情を変える空と海のグラデーションは、訪れる人の心を癒してくれます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/08/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/xytiBNbED89YiOaCG-3ex.webp"><figcaption>島から眺める夕景</figcaption></figure><p>坊勢ターミナル港に船が到着すると、まず目に入るのが、地域の方々がボランティアで整備しているガーデンです。季節ごとの花々が咲き誇り、訪れた人をあたたかく迎えてくれます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/08/05/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/InOABbgAnj6J5E_oXd_ZC.webp"><figcaption>地域の方々がボランティアで整備しているガーデン</figcaption></figure><figure class="image"><img></figure><p>船を降りて右手すぐの場所には、坊勢島随一の“映えスポット”として知られる弁天島があります。美しい景観を背景に、思い出に残る一枚を撮影してみてはいかがでしょうか。</p><p>また、坊勢島は漁師の島としても知られており、瀬戸内海の新鮮でおいしい魚をぜひ味わっていただきたいです。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住を考えている方にとって、地域おこし協力隊はとても有効な制度だと私は思います。働きながら地域のことを知ることができ、その土地で自分に何ができるかをじっくり考える、貴重な機会になるのではないでしょうか。</p><p>卒隊後にその地域に定住することは、もちろん理想的ではありますが、たとえ定住に至らなかったとしても、地域おこし協力隊として過ごした場所がその方にとって「大切な場所」になれば、それだけでも十分に意味があると思います。</p><p>また、「自分には合わなかったな」と感じたとしても、その経験が自分の糧となり、次のステップにつながることもあると思います。</p><p>いずれにしても、自分の「やりたいこと」と真剣に向き合うきっかけとなるような、そんな時間を過ごしていただけたらと思います。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第202回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、兵庫県姫路市の阪井 元子さんです。

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兵庫県姫路市の地域おこし協力隊、趣味・特技：地域猫活動

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姫路市の移住体験談一覧：1件

#202 自分の“やりたい”が地域の力に！フリーミッション型で広がる協力隊の可能性