<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>現在も続けているデザインや撮影の事業を、新たな環境へ移すことを考えていました。特定の地域と深く関わりながら、地域の一員として、これまで以上に人や地域に密着した生き方をしたい。そして、その土地で必要とされる活動を行いたいという思いがありました。</p><p>また、その地域でできる「ものづくり」に責任を持ち、地域と深く関わることを大切にしたいと考え、さまざまな候補地を検討しました。その中で広島県安芸太田町に魅力を感じ、地域には関わる余地が多くあるのではないかと考え、具体的に移住を検討するようになりました。</p><p>移住を考える過程で地域おこし協力隊という制度を知り、地域や行政の方々と自然な形で深く関われる機会が得られるのではないかと感じました。また、移住の際にも大きな支えとなる制度であると考え、応募を決意しました。募集要項を確認したところ、これまでのスキルを十分に活かせる内容であり、さらに関心のある分野でもあったため、応募を決めました。結果として採用され、移住を実現することができました。</p><h2>広島県安芸太田町を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>移住を検討するにあたり、私が求める環境や魅力的な資源が揃っていることに加え、地域に関われる余地が多いと感じました。また、これまでの生活圏に比較的近いため、環境の変化はあるものの、大きな負担にはならず、全く知らない土地ではないことから安心感もありました。</p><p>この地域は事前に訪れやすかったため、約1年間にわたり何度も足を運びながら慎重に検討を重ねました。その過程で、自分にとって理想的な生活環境が得られるのではないかと確信し、移住を決意しました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>広島県安芸太田町の津浪地域にある津浪振興会に派遣され、地域振興に携わっています。主な活動内容は、商品開発やブランディングを通じた地域活性化です。</p><p>具体的には、津浪振興会が運営する「ぷらっとホームつなみ」（JR可部線の旧津浪駅跡地を活用した都市農村交流施設）を拠点に、地域野菜の販売や店舗業務のサポート、情報発信、ブランディングなどに取り組んでいます。</p><p>また、津浪地域は農林水産省の「つなぐ棚田遺産」や「ディスカバー農山漁村の宝」に選定されており、「ぷらっとホームつなみ」もその一環として運営されています。地域全体の価値や魅力を高めるとともに、この施設を軸に地域環境の保全にもつながる活動を、地域の一員として進めています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/YNXMlgJevhf4ebflp9FlW.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>派遣先の施設を中心に、地域全体の印象がこれまで以上に柔軟で分かりやすい形で変化し、より活発な地域として認識されるようにリブランディングを行っています。</p><p>デザインの変更を含め、施設の印象が大きく変わったことで、地域の方々はもちろん、遠方からのリピーターを含めた幅広い世代のお客様にも好意的に受け入れられていることを実感しています。接客中の会話の中でも、その変化についての意見をいただくことが多く、やりがいを感じながら活動を続けています。</p><p>こうした取り組みの中で、ご来店されるお客様の層も徐々に変化してきており、この変化が地域全体の印象につながると考えています。将来的には、関係人口の増加にも貢献できるような活動を展開していきたいと考えています。</p><p>広島県で最も人口の少ない町である安芸太田町において、この地域の価値を高め、さらには町内全体の活性化へとつながるような取り組みを目指しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/btHAmB410wd3mxoJRlhFc.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>人間関係の面で、配属先の地域が非常に協力的であったことは、大きな支えとなりました。</p><p>当初は、地域で何かを行うためには、まず人間関係や信頼関係を築いた上で、地域課題について意見を交わし、改善点の指摘や提案ができる段階に進む必要があると考えていました。そのため、協力隊の任期中は最低でも1〜2年をかけて地域と関わりを深め、任期終了までに何か一つでも形にすることができれば十分だと考えていました。それでも、地域に対して協力隊として関わること自体に大きな意味があると感じていました。</p><p>しかし、実際には地域側の配慮もあり、積極的に受け入れてもらえる環境を整えていただきました。また、配属当初から「任期3年間をかけて取り組むべきこと」を共有した上で進めていたにもかかわらず、そのほとんどを1年目の終わりには形にすることができたことは、想定以上の成果でした。</p><p>これには、地域側が大きな変化を求めており、協力隊の派遣を希望していたこと、そして私自身がその変化を実現するためのスキルを持ち合わせていたことが大きく影響していたと感じています。お互いの想いがうまくマッチしたことで、想定よりも早く成果を出すことができたのではないかと考えています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>任期後は、この地域に定住し、生活を続けていくことを検討しています。また、デザイン事務所の事業も継続できるよう、環境をさらに整えていく予定です。協力隊として取り組んできた配属先や地域での活動についても、無理のない形で関わり続けることを目指しています。</p><p>具体的には、小さな地域商社のような形で地域の価値を高める取り組みを進め、商品開発やデザイン、プロモーションなどを通じて町全体と継続的に関わっていきます。また、新しい地域の魅力を創出することにも関心があり、そうした事業にも積極的に挑戦していくつもりです。</p><p>さらに、協力隊の活動の一環として立ち上げたコーヒーの焙煎所では、現在コーヒー豆の販売を行っています。今後はこれを発展させ、地域とのつながりを深めながら、コーヒースタンド（小規模な飲食店）の開業を目指します。この場が、県内外の人々が地域を訪れるきっかけとなり、地域の新たな魅力となることを期待しています。</p><p>地域振興の観点からも、これまでの活動を発展させながら、地域の魅力を発信し、貢献できるよう努めていきます。</p><h2>安芸太田町の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>地域おこし協力隊として採用された後、まず直面したのが住まい探しでした。役場の方から町営住宅などの提案もいただきましたが、派遣先の地域内で生活することがさまざまな面で重要であり、大きな意味があると考えていました。そんな中、地域の振興会の方々のご協力もあり、しばらく空き家になっていた古民家をお借りすることができました。</p><p>引っ越しの際には、地域の方々が多く集まり、残置物の処分や清掃まで手伝ってくださいました。とても早い段階で地域のあたたかさを感じることができ、最も不安に感じていた人間関係についても、たくさんの方と話す機会となり、大きな安心につながりました。この出来事は今でもはっきりと覚えています。</p><p>そのときの感謝の気持ちを忘れず、少しでも早く地域に恩返しができるよう、現在も地域の一員として活動を続けています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/vnMkKX19_PI4qh9JnSla9.webp"></figure><h2>安芸太田町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>豊かな自然と静かな環境が広がる、穏やかで心落ち着く場所です。田舎ならではの「少しだけ足りていない部分」があるからこそ、工夫や発想の余地が多く、新しい可能性を感じられることも魅力のひとつです。</p><p>また、津浪地域の方々は温かく優しいだけでなく、とても協力的な方が多く、地域全体にアットホームな雰囲気があるのもこの場所の大きな魅力です。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2025/02/05/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/JtSfIMU_Dks7s1564o_YV.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住を検討するうえで最も心配だったのは、人間関係でした。その次に、働き口の問題も大きな課題になるのではないかと考えていました。移住先の地域によって状況はさまざまですが、私のようにとても温かく迎えてくれる地域もあるかもしれません。</p><p>「地域に馴染めず孤立してしまうのではないか」という不安もありましたが、こうした部分はどれだけ事前に地域を訪れても、実際に暮らしてみないと分からないことが多いと感じます。生活の中で少しずつ見えてくるものがあり、そこで初めて感じられることも多いものです。</p><p>また、移住するにあたっては、自分の理想や目的を持つことが大切ですが、過疎地であればあるほど、地域側も移住者に期待していることや協力を求めていることがあります。そこには、必要とされる仕事や役割も数多く存在しています。</p><p>地域との関わり方や距離感を大切にしながらも、思い切って飛び込んでみることが重要です。移住先での新しい暮らしを、ぜひ楽しんでください！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第176回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、広島県安芸太田町の金本 淳さんです。

安芸太田町

広島県

広島県安芸太田町の地域おこし協力隊、趣味・特技：コーヒー焙煎・野菜づくり・デザイン

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安芸太田町の移住体験談一覧：1件

#176 「地域の魅力をデザインしたい」安芸太田町の秘めた可能性を探る期待と挑戦