移住者プロフィール
林文明さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
山口県光市の地域おこし協力隊、趣味・特技:スポーツ観戦(駅伝・野球) ・温泉めぐり
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
夫婦で「海のきれいな田舎に移住したい」と意見が一致したことがきっかけです。オンラインサロンに入り、移住地と仕事について検討しました。
その中で、「田舎に住んでも、フルタイムで仕事をしたら、仕事中心の生活となり大きな変化は望めないのではないか」と考えるようになりました。今までの会社員で培ったものとは違う、「スキルや収入の柱」を作る時間が欲しかったので、地域おこし協力隊員としての移住を決めました。
山口県光市を選んだ理由について教えて下さい。
瀬戸内海沿岸のほとんどは埋め立てられて電車が走り、現在では残念ながら古くからの美しい景観が残っていません。
一方で、移住した山口県光市室積は、数少ない美しい海が残る地域です。集落から眺める瀬戸内海が絶景であること、地域からも「バックアップするので、ぜひ移住してほしい」と歓迎してもらえたので、この地を選びました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
山口県光市の東端に位置する人口200人弱の伊保木(いおき)地区で、地域協議会である「伊保木ぐるみ協議会」の活動支援、高齢者運転支援、竹林整備、耕作放棄地の利活用などを行っています。
孟宗竹の放置竹林を整備して、「たけのこ収穫会」「メンマづくりワークショップ」を行ったり、竹の根が浸食した耕作放棄地をかんきつ畑として再生させたりしています。文化祭では、演劇集団「伊保木座」の役者として出演したり、集落住民に密着した活動を行ってきました。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
「林さんに伊保木に来てもらって良かった」「楽しかったよ」「今日はありがとう」などと住民の方に言っていただいた時に、地域おこし協力隊として移住してよかったと感じます。
移住前は、私自身、特別な能力もない平凡な会社員で、移住の手段として地域おこし協力隊を選んだ部分もあり、正直「地域おこしがしたい」という気持ちはそれほどありませんでした。
ただ、思いのほか、地域の方に良くしていただき、「自分ができることをコツコツ積み重ねた」結果、感謝されることが増え、やり甲斐も感じるようになりました。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
企画立案、日々の業務など、基本的に隊員個人で組み立てなければならない点です。地域おこし協力隊は、受け入れ団体や業務内容によって環境は様々です。
私の場合、竹林整備や耕作放棄地の利活用は、土地勘も知人もいない場所で個人でゼロから始める必要がありました。コロナ禍で人に会うのが難しい時期に、人脈を作るところから始めたので、苦労の連続でした。
協力隊員は、「組織内で一定の役割や指導体制がある環境」と、「個人の自由度は高いが個人責任が強い環境」の大きく2つに分かれると思います。移住地やミッションだけでなく、上記の環境も含めて、応募を検討されることをおすすめします。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
2025年3月に任期が終了しますが、任期後は定住することに決めました。竹林整備によるたけのこ生産や耕作放棄地を利活用したかんきつ栽培を拡大して、交流人口の拡大と複業の確立を目指しています。
また、近隣から、「週末農業」など副業として耕作放棄地を利活用している人材を招き、農産物の加工ができる施設を整え、加工販売にも取り組みたいと考えています。
光市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
移住して3年近くなり、多くの人とのつながりが何よりの「財産」として残っています。伊保木地区は「とにかくいい人が多い」のが特徴です。
昔から、平地が少なく暮らすにも生きて行くにも不便な土地で、人口は最盛期の3分の1以下に落ち込んでいます。その中で「勤勉で真面目、かつ地域への想いが強い人」が地域に残っていると感じています。
移住者として、地域おこし協力隊員として、地域の方に何百回と頭を下げて、時には無理なお願いもしてきましたが、「断わられたのはたった1回」しかありません。それほど、懐と人情の深い地域です。
光市伊保木(いおき)地区の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
山口県東南部に位置し、愛媛県松山市と緯度が近く、島しょ部より風が少なく山口県内でも一番温暖な地域とされています。車で10分で行けるスーパーが4件あるなど市街地にも近いため、平均年齢が70歳の限界集落でありながら、車さえ運転できれば、不自由を感じない便利な立地が特徴です。
瀬戸内海沿岸では、電車が通らず、昔ながらの海岸線と美しい景観が残る数少ない地域の一つです。のどかな環境と「地域想いの人」が多いのが何よりの財産です。陶芸の窯元が3つあるのも特徴です。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
個人運営のブログ「温泉おたくのち夫婦移住」の記事でも書いたのですが、「地域密着型の地域おこし協力隊として移住するには、定住したいという強い意志」が必要です。定住への気持ちが弱いと、地域の人と信頼関係を築くことが難しく、うまくいってないケースが多いように感じます。
地域での活動を頑張るのと同時に、任期後の個人の仕事(収入の確保)も常に考えていく必要があります。そこが協力隊員の難しいところです。
3年は本当に短いので、移住前から副業などにチャレンジして、少しでも収入を確保する方法を増やしておくことをおすすめします。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2