移住者プロフィール
田中瑞穂さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
福島県玉川村の地域おこし協力隊、趣味・特技:アニメや漫画・狩猟射撃
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
子どもの頃、両親ともに体が弱くヤングケアラーでした。進学や就職とはほぼ無縁でしたので、友達がいろんな選択肢を持ち進路を切り拓いている姿が羨ましかったです。
でも羨ましがってるだけで道は開けないので、“誰よりも努力して多様な経験をしてやろう!”と思い立ちました。
私の最終学歴は通信制高校卒ですが、大卒者がほとんどのパラリーガルに挑戦し、法律事務所で13年働きました。
少年事件や家事事件ではヤングケアラーが苦しんでいる様子が分かり、“このまま何もせず見ているだけでいいのか?”という気持ちが強くなり、住んでいた東京都青梅市の市議会議員選挙に出馬して当選。
市議会では2期8年、ヤングケアラーや困難を抱える子どもへの支援に取り組みました。貴重な体験をさせていただきましたが、困難を抱えた子どもたちと直接交流する機会が少なくなりました。地方自治と関わりながら子どもたちを直接笑顔にできる活動をしたくなったのです。
私が次に挑戦したのは、「地域おこし協力隊」でした。
青梅市から茨城県桜川市に移住して、桜川市地域おこし協力隊で里山保全というミッションに取り組みました。
生まれて初めてチェーンソーや草刈り機を使い、狩猟免許を取って有害鳥獣にも立ち向かい、三毛猫の着ぐるみとパペット(指人形)を製作して思い切り子どもたちと遊びました。
有意義で楽しい日々でしたが、コロナ禍に見舞われることに。あまり活動できない日々が続くなかで3年が経過しようとしていました。でも、きちんと協力隊の仕事をやり遂げたかったのです。
私は福島県玉川村の地域おこし協力隊に応募しました。次の挑戦は2度目の協力隊でした。
福島県玉川村を選んだ理由について教えて下さい。
玉川村を選んだ一番の理由は福島空港があるからです。ドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」のファンですので、ロケ地の福島空港に聖地巡礼したことがあったのです。
旅するだけでなく移住することでもっと作品の魅力を感じられるのではないかと思い「聖地移住」に挑みました。もうひとつの理由は、協力隊を大切にするのが玉川村の大きな特徴だからです。
例えば、玉川村地域おこし協力隊の面接では村長や教育長が面接官になります。首長が直接面接する自治体は少ないのではないでしょうか。
応募者をリスペクトする村の姿勢に感銘を受けました。村の隊員は2024年5月31日現在で16人になっており、さらに増えようとしています。
役場の人だけでなく多くの村民が私たち隊員を歓迎してくださるのも玉川村を選んだ理由です。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
玉川村の関係人口創出や移住者サポートなどを担う「たまかわくらしサポートセンター」を運営しています。
センターは2024年5月15日にオープンしたばかりで、移住希望者や村内で活動したい・関わりたいと考える方々(移住希望者等)と地域の橋渡し役として活動していく予定です。
移住だけでなく、住まい、仕事、日常生活、コミュニティに関する幅広い情報提供や相談に取り組み、ワンストップ窓口として発展できるよう日々努力しています。また、情報発信には力を入れており、SNSはもちろん、テレビやラジオ、新聞、雑誌にもアタックしており、「お金をかけない効果的な広報活動」を目指しています。
5月9日には、東京FMさんのスカイロケットカンパニーという番組の「スカロケ移住推進部」というコーナーで10分程お話しさせていただきました。スタッフの方によると、約20万人のリスナーが聴いておられるコーナーだそうです。
それから、自前の着ぐるみとパペットで、子どもたちを中心に村民のみなさんと楽しく交流しています。東京で着ぐるみを推していたときはイマイチな反応でしたが、今はたくさんの人たちに愛されて嬉しいです。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
茨城県桜川市の協力隊では、ハンターとして有害鳥獣駆除にも取り組みましたので、害獣を捕獲したあとに農家さんから手を握り締められてお礼を言われることがありました。今でも桜川市のイベントに参加すると「おかえり」と言ってもらえます。「ただいま」と返事できるのは第二の故郷ができたからですよね。
玉川村に来てからは、村民のみなさんに「玉川のために頑張ってくれてありがとう!」「応援してるからね!」と、いつも声をかけていただきます。
心から喜んで激励していただけること、それは涙が出るくらい嬉しいです。どんどん意欲が湧いてきます!こんなにも幸福感に満たされる仕事は他にあまりないでしょう。
地域おこし協力隊は、やりたいと思っていることを大体やれてしまう仕事でもあり、とてもやり甲斐があります。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
玉川村協力隊の隊員が増え続けていることです。私が着任した時点で8人だったのが、わずか1年ちょっとで16人と2倍に増えています。これは想定外です。
誠実で情熱を持った隊員ばかりというのも素晴らしく、抜きん出たスキルを持った人も何人かいて良い刺激となっています。若い隊員が多いわけですが、共通のミッションに一緒に取り組んだり飲んだり勉強会をしたりと、楽しく過ごせています。
福島県内でもかなり注目を集めている玉川村の協力隊がさらに発展することを願っています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
玉川村への定住を決めているので、なるべく玉川村で移住定住に関わる仕事をしたいです。地域プロジェクトマネージャーだったり、交流人口に関する法人だったり、いくつかの選択肢があると思っています。
ただ、57歳という年齢的に就職が厳しいだろうとも感じています。ですので、玉川村から通える範囲での就活もやるべきだと思うし、自ら法人を立ち上げて経営者となることなども考える必要があると思っています。
そんなに悲観せず任期いっぱい全力で活動することが今は一番必要ではないでしょうか。
玉川村の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
印象的なことが二つあります。ひとつは、Uターンを検討していた若者を玉川村協力隊の隊員として迎え入れることができたことです。
子ども時代を玉川村で過ごし、首都圏に引っ越してからも玉川の祖父母に会いに来ていた若者です。祖父母も孫のことを大切に思っており、なんとかUターンを実現させたいと頑張ったつもりです。
若者が懸命に努力し続けることで隊員となり、村民がびっくりするようなスキルを発揮しているのが現在です。
もう一つは、玉川出身の女性が遠方から訪ねて来てくださったことです。私を訪ねて来られたその方は、「今は県内の都市部に住んでいます。あなたが故郷の玉川村のために頑張ってくださっていると聞き、とても嬉しいです!」と明るく話しかけてくださいました。
そして「私の免許証を見てください」と免許証を取り出して見せてくれたのです。さすがに戸惑いましたがお名前を見て理解できました。
私と同じ「瑞穂」さんだったんです。そして、女性のお父さんが私のことを「瑞穂さん」と呼んでくださる理由も分かりました。とても嬉しくなったエピソードです。
玉川村の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
玉川村は、阿武隈山系の中南部に位置しており、JR水郡線や「あぶくま高原道路(高規格道路)」、福島空港があるなど交通の便が良いことが大きな利点です。村内にスーパーやドラッグストア、ホームセンターもありますし、クルマがあれば須賀川市まで約20分、郡山市まで40分ほどで行くことができます。
豊かな自然環境の中で暮らせるだけでなく、「日本一自転車が好きな村」として、BMXやMTB(マウンテンバイク)、スケートボードが利用できるパークや、村の自然を活用した屋外パーク等を完備しています。観光名所である「乙字ヶ滝」ではカヌーやサップなど、多彩なアウトドアを楽しめる施設「乙な駅 たまかわ」が令和6年9月にオープン予定です。ソースカツ丼やラーメンなど美味しい飲食店もあります。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
人が温かく、地域になじみやすいのが玉川村です。移住を前向きに検討している方には、お試し住宅「たまかわくらし体験住宅」もありますので、ぜひ、一度玉川村にお越しください。
たまかわくらし体験住宅は、利用料金が1泊1,000円/組で、利用期間は2泊3日~30泊31日(年2回まで合計30泊)、最大利用人数4名となっています。移住ではなく観光であっても、森の駅yodgeや、奥たまかわ温泉すわや、癒しと寛ぎの宿ひたちや旅館などの宿泊施設もあります。
お越しいただいた方には、なるべく私がアテンドさせていただきますので、楽しく有意義な玉川村ツアーを過ごしていただけると思います。さあ!あなたも玉川村へ!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2