目次
INDEX
生産者プロフィール
河原尚史さん
出身地:神奈川県
現住所:栃木県鹿沼市
職業:自営業・農業
趣味・特技:DIY
生産物:いちご
生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。
もともと農業には興味があり、「定年後に本格的に果樹園でもやりたいなぁ」と思っていました。ですが、それまで農業経験がまったく無かったので、まずはシェア畑を契約して、家族で挑戦。自分で育てたものを収穫して食べることに喜びを感じました。
また、農業は家族にも合っているなとも。目指すライフスタイルに近かったため、早目の就農を考え始めました。
本格的に調べていくうちに、農業は収入になるまで時間がかかることや、初期投資が想像以上に必要となるなどの課題が出てきました。しかし、様々な要因を考慮し、農業をやるなら「いちご」と決め、情報収集していた中で、栃木県鹿沼市は「いちご市」と名乗るほどいちごのPRに力を入れていることを知りました。
栃木県は全国1位のいちごの産地で、新規参入のハードルが高いイメージを勝手に持っていたのですが、鹿沼市は研修制度の内容が非常に充実していたので、挑戦してみる決意をしました。自分は神奈川県出身で、それまで鹿沼市に縁もゆかりも無かったけれど、手厚い支援を受け、研修後すぐに就農することができました。
生産物の魅力について教えて下さい。
いちごは面積当たりの収入が高い農産物です。やり方次第では、新規就農者でも十分に経営が成り立ちます。
また栃木県のいちごは50年以上連続生産量全国トップ、その中でも鹿沼市は、いちご単価がトップクラスなんです。単価の安定、技術レベルの高さ、情報の多さで品質の高いいちご作りには恵まれた地域だと思います。
かぬまの魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
鹿沼市は里山と市街地が隣り合わせになっていて、ほどよい田舎です。そんな立地にキャンプ用品などを手掛ける国内メーカーのスノーピークが、2024年春に関東初の直営キャンプフィールドを開業するようです。
また、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「鹿沼秋まつり」は圧巻です。個人的には、オシャレなカフェが多いことも、魅力のひとつです。東京から100kmでアクセス性も良いので、是非一度訪れてみてください。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
当園の経営理念は「For one’s smile」としています。自分が作ったいちごを食べてもらって笑顔になってくれる。これが一番です。
お客様からいちごを食べて笑顔になっている写真や、お礼のお手紙などサイネージに映し、この笑顔のために頑張るんだという「力」にしています。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
私はいちご作りが趣味ですので問題ありませんが、いちごは自分のペースで成長していくので、それに合わせての管理が必要で、ほぼ休みが無いことです。
家族の理解も大切です。出かけたくても、急な雨や急な晴れなどは圃場の環境管理を変えないといけないので、なかなか出かけられません。出かけても落ち着かず、急に帰りたくなることもしばしばあります(笑)。
あとは、自然災害や温暖化です。これは自分では変えられないので、リスク管理で影響を最小限にする努力をしています。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
今後はうちのいちごのファンを増やしていきたいですね。そのためには、品質重視と期待を裏切らない感動サービスの追求をしていきます。
美味しいいちごは当たり前です。お客様が誰かを喜ばせるきっかけに、うちのいちごを使ってもらえると嬉しいです。
移住して新規就農を目指す方へメッセージをお願いします。
人件費は上がり、農作物の価格は上がらずという厳しい時代ですが、場所とやり方を考えれば十分に新規でもビジネスチャンスが見込める分野だと思います。人と接するのが苦手ということで農業を選択する人もいると思いますが、地域の人や周りの農業者とのコミュニケーションは一定程度必要です。孤立するとやっていけません。
新規就農者にとって農地の確保も重要な課題です。でも移住者や新規就農者を本気で呼び込みたい地域は、農地の確保や斡旋も積極的に行ってくれます。そのような地域を見つけ、出会うのも選択側の自由ですので楽しんで欲しいです。