<p><mark><b>「移住」と一口に言っても、いくつかパターンがあります。進学や大学で大都市圏に出て、その後故郷に戻るUターン移住や、故郷に近い地方都市に移住するJターン、そして生まれ育った場所や住んでいた場所とは異なる地域へと移住するIターンの3種類が主な移住パターン。</b></mark></p>
<h2>Iターンのメリット5選</h2>
<p>転職活動や就職活動において耳にする言葉の一つに、Iターンというワードがあります。Iターンとは、生まれ育った土地とは別の土地へ移住することを指します。主に、<mark>都会で生まれ育った人が地方へと移住するパターンに使われます。</mark></p>
<p>たとえば、都会とは異なるライフスタイルに憧れて移住を決意したり、就職した会社によって地方に住むことになったりした場合などが挙げられます。</p>
<p><span style="text-decoration: underline;">近年注目されているIターン。都会から地方へと移り住むIターンには、どのようなメリットがあるのかチェックしてみましょう。</span></p>
<h3>満員電車から解放される</h3>
<p>東京や東京に隣接するエリアでは、朝や夕方の満員電車は避けられません。ここ数年でリモートワークが一気に進みましたが、通勤時間のラッシュとなると電車は混雑しているものです。</p>
<p>地方にIターン移住した場合、車通勤も珍しくなく、公共交通機関を利用したとしても都内の満員電車のような状況は避けられるでしょう。満員電車から解放されるだけで、日々のストレスが一つ減ると感じる人も少なくないのではないでしょうか。</p>
<h3>生活コストが下がる</h3>
<p>地方に移住することで受けられる大きな恩恵の一つが、生活コストを抑えられる点です。特に家賃に関しては、地方では都心のワンルームの部屋と同じ価格で倍以上の広さの部屋を借りられることもあり、その差は明らかです。</p>
<p>賃貸の場合、家賃は生活コストを大きく占める項目の一つ。家を購入するにしても、都心で購入するよりも安く買えることが多いので、地方へIターンした方がコスト面では節約できるでしょう。</p>
<h3>子育てがしやすくなる</h3>
<p>都会は便利ですが、子育てをするとなると懸念点もあります。例えば、<strong>2021年の都道府県別の待機児童数は東京都が7,939人とトップ。一方で、長野県や山梨県、福井県などは0人と、大きな差が見られます。</strong>共働き希望の家庭では、少し厳しい現実と言えそうです。</p>
<p>また、<span style="text-decoration: underline;">小さな子どもを連れて電車に乗って出かける際に、鳴き声やベビーカーに配慮するなど、気を遣うシーンも。地方では車移動が多いので、そこまで気にかける必要がないのも子育てのしやすさにつながります。</span></p>
<p><a href="https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0907-2d.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">出典：https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0907-2d.html</a></p>
<h3>環境を変えて気分新たに生活できる</h3>
<p>今まで住んでいた土地を離れて、異なる県へ引越して暮らすというだけで、さまざまな環境の変化があります。家が変わり、付き合う人も毎日見る景色も変わり、食べるものもひょっとしたら変わるかもしれません。</p>
<p>環境を変えると自分の暮らしが変わるので、気分新たに生活できます。これまでの生活とは異なる場所で新しいスタートを切りたいという人にとって、Iターンは魅力的な選択肢ではないでしょうか。</p>
<h3>支援制度が整っている地域も</h3>
<p>近年では、Iターン移住者に向けた支援制度を整えている地方自治体も珍しくありません。家賃を補助してくれる住居支援制度や、移住者への助成金制度に子育て支援金など、探してみるとさまざまな支援制度が見つかるはず。</p>
<p>支援が充実している地方へと移住することで、現在の生活よりもバランスのとれた生活を送れることでしょう。</p>
<h2>Iターン移住のデメリット5選</h2>
<p>Iターン移住の際には、移住に伴うデメリットもきちんと把握しておくことが大切。ここではIターンのデメリットを確認しましょう。</p>
<h3>仕事の選択肢が大都市圏より狭まる</h3>
<p><strong>都心に比べると地方は仕事の選択肢が狭まります。</strong>自分のこれまでのキャリアとは全く異なる業界、職種の仕事に就く可能性も考えておいたほうが良いかもしれません。</p>
<p>ただ、昨今リモートワークで働く人も増えており、現在の仕事をしながら移住するということも珍しくない時代です。移住先で思うように仕事が見つからない場合は、リモートワークOKの仕事を探してみるのも良いかもしれません。</p>
<p>また、一般的に大都市圏の会社の年収の方が、地方の仕事よりも高い傾向にあります。仕事選びは、移住先の生活コストなども想定しながら、慎重に行いましょう。</p>
<h3>移住先の風習などが移住前と異なる</h3>
<p>移住先が地方だと、昔からの古い風習がいまだに残っている地域もあります。積極的にご近所付き合いや地域のコミュニティに貢献することを求められることもあるでしょう。</p>
<p><mark>移住先での風習や人付き合いに馴染める人は問題ありませんが、肌に合わないということもあります。移住を決める前にどのような風習が残っているか、どのような人が住んでいるのかについても、できるだけ調べておいたほうが良いでしょう。</mark></p>
<h3>交友関係が広がらない可能性もある</h3>
<p>都市部は人口が多いため、さまざまな人が生活しており、その分出会いもあります。地方は都市部と比べると人口が少ないので、交友関係も固定化されてしまうこともあるようです。</p>
<p><span style="text-decoration: underline;">その土地に住む人たちとの交流だけで十分という人は問題ありませんが、もっと色々な人と関わって生きていきたい、という人には少し窮屈に感じられることもあるかもしれません。</span></p>
<h3>地方の方が高いものも意外とある</h3>
<p>地方では、主な移動手段が車という地域もたくさんあります。一家に一台ではなく、複数台所有している家庭も珍しくありません。その分かさむのがガソリン代。ほぼ毎日乗るとなると、都市部に住んでいた頃よりもコスト面で負担が大きくなります。</p>
<p>また、プロパンガスが主流の地域では、都市ガスよりもガス代が高くなる傾向にあります。住居費を抑えられても、他のコストを考えると意外とお金がかかるということも頭に入れておきましょう。</p>
<h3>娯楽が少ない</h3>
<p>都市部では流行りの施設や美味しいと評判のお店、イベントや趣味の集まりなど、娯楽が盛りだくさん。一方地方では大型ショッピングモールかアウトドアしか娯楽が見つからないということも。</p>
<p>まだまだ刺激に触れていたいという人は、移住先の休日の過ごし方をしっかり想定しておいた方が良さそうです。</p>
<h2>Iターン移住の進め方</h2>
<div id="attachment-21001" class="wp-caption alignnone">
<p><img class="alignnone size-full wp-image-21001" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/08/6aa267df-iturn_familyplan.jpg" alt="iターン移住を検討する家族" width="1800" height="1200" /></p>
<p class="wp-caption-text">iターン移住を検討する家族</p>
</div>
<p>Uターン移住はかつて住んだことのある場所に移住するため、ある程度の土地勘はあるものです。しかしIターンは、今まで住んだことのない土地へ引越すことになるため、不安に思う方もいることでしょう。</p>
<p>この章では、Iターン移住を進めていく上で、実際にどのようなことをしていけば良いかチェックしていきましょう。</p>
<h3>移住することで実現したいライフスタイルを考えてみる</h3>
<p>直感で好きな場所へ移り住むのも行動力があって素敵ですが、移住後も長く住むことを考えている人や、後悔をしたくない人は、まずは移住先でどんな暮らしがしたいかを具体的に考えてみましょう。</p>
<p><strong>家族がいる人は、移住後に家族の不満が噴出しないよう、しっかりと意見をすり合わせましょう。</strong></p>
<h3>地方自治体の移住者支援を調べる</h3>
<p>さまざまな地方自治体で、<b>IターンやUターンなどの移住者向けの支援を行なっています。</b>移住にはお金もかかりますし、知らない土地に移り住むのは不安なこともあるでしょう。移住者支援が手厚い地域では、移住に伴うさまざまな補助金があったり、子育てに関する支援制度も整っています。</p>
<p>制度が整っていると移住に対する不安もある程度解消され、移住がグッと身近に感じられるようになるでしょう。</p>
<h3>自治体に相談・体験プログラムなどに参加してみる</h3>
<p>近年、移住セミナーを開催している自治体も多く、移住候補地の情報に触れられます。セミナーのタイミングが合わない場合は、実際に候補地の自治体に移住について問い合わせてみて、気になっている点を質問してみましょう。</p>
<p>移住に力を入れている地域では、体験プログラムを実施している自治体もあるので、実際に足を運んでみると、より移住に関するイメージが湧きますよ。</p>
<h2>Iターンに関する移住施策がある自治体</h2>
<p>この章では、これからIターンを考えている方向けに、Iターンに関する移住支援制度がある自治体をご紹介します。</p>
<h3>山口県阿武町</h3>
<ul>
	<li><b>Iターン奨励金：</b>阿武町に定住の意思のある人が転入した場合、単身世帯は10万円、家族世帯は20万円の奨励金あり。※家族世帯は、中学生以下1人につき10万円を加算（上限額は30万円）。</li>
	<li><b>家賃補助金：</b>IターンやUターン世帯が新たに町内の賃貸住宅に入居した場合、家賃の2分の1の額を2年間補助（上限は月2万円）。</li>
	<li><b>住宅取得補助金：</b>新婚世帯、子育て世帯及びIターン者が新築住宅を取得した場合、補助対象経費の10分の1の額（上限額150万円）を、中古住宅の場合は、補助対象経費の10分の1の額（上限額30万円）を基本補助金としてもらえる。また、町内建築業者の施工によって新築住宅を取得した場合は、基本補助金に50万円を加算、町が販売する分譲宅地を購入して住宅を新築した場合は、基本補助金に30万円を加算する加算補助金もあり。定住用公営住宅（一般住宅33戸、月額8,000円～30,000円）あり。</li>
	<li>その他、空き家情報提供や空き家リフォーム補助金、新規就農支援（林業・水産業含む）なども。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/35502">https://warp.city/cities/35502</a></p>
<h3>山口県萩市</h3>
<ul>
	<li><b>萩暮らし応援事業：</b>空き家情報バンクに登録されている物件を購入、または賃貸したUJIターン世帯に対し、空き家の改修費または家賃の一部を補助。対象者は、世帯主の年齢が55歳以下または18歳以下の子どもを有するUJIターン世帯で、改修費用の1/2～2/3以内で、限度額50～100万円を改修費補助金としてもらえる（18歳以下の子ども1人につき、50万円の加算あり）。家賃の2分の1以内で、限度額月額1〜2万円の家賃補助金も（18歳以下の子ども１人につき、5千円の加算あり）。</li>
	<li><b>農林漁業スタートアップ応援事業・セカンドキャリア就農支援事業：</b>萩市の農林水産業の担い手の確保、育成、定着を図るため、就業準備金の支給や経営または研修開始時期に必要な経費の一部を補助する。</li>
	<li><b>萩市移住創業支援補助金：</b>萩市外から萩市へ移住し、住民が求めるサービスなどを創業・継業する意欲のある人に対し、地域ニーズとのマッチングや事業実施に必要な施設の内装改修費などの支援をする。</li>
	<li><b>移住支援員及び地域移住サポーター：</b>移住者の相談にきめ細かく対応するため、移住支援員と地域移住サポーターを設置。移住支援員と地域移住サポーターは、萩市への移住を希望される人からの相談を受け、移住希望地区の住民との連携を図り、移住者が円滑に移住、定着できるよう支援する。</li>
</ul>
<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://warp.city/cities/35204">https://warp.city/cities/35204</a></p>
<h3>新潟県十日町市</h3>
<ul>
	<li><b>東京23区からの移住支援金：</b>東京23区に住んでいた人もしくは東京圏（埼⽟県、神奈川県、千葉県）に住んで東京23区に勤務していた人が、新潟県⼗⽇町市にIターンもしくはUターンをして、補助⾦対象企業などに就職した場合や起業した場合に受け取れる補助⾦制度。世帯でUIターン した場合は100万円、単身でUIターンした場合は60万円が受け取れます。更に、世帯に18歳未満の子どもがいる場合は、1名につき30万円を加算（2022年4月1日以降に転入した方のみ）。</li>
	<li><b>ふるさと回帰支援事業補助金：</b>　UIターン向けの補助金で、2020年4月1日から2023年2月28日の間に十日町市に転入し、一定条件を満たす方へ補助金を交付する支援制度。</li>
	<li><b>住宅等取得・改修支援制度：</b>⼗⽇町市UIターン補助⾦制度（⼗⽇町市ふるさと回帰支援事業補助⾦・東京23区からの移住⽀援⾦）を利⽤した人が、住宅を取得する場合に費⽤の⼀部を⽀援する制度。</li>
	<li><b>テレワーク助成制度：</b>十日町市UIターン補助金制度（十日町市ふるさと回帰支援事業補助金・東京23区からの移住支援金）を利用した人のうち、市外企業に在籍していてテレワークをする場合や、フリーランスとしてテレワークをする場合に、テレワーク設備準備のための費用の一部を支援する制度。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/15210">https://warp.city/cities/15210</a></p>
<h3>島根県奥出雲町</h3>
<ul>
	<li><b>IUターン介護人材・保育人材奨励金：</b>IUターンで移住する人で、町内の介護事業所や保育施設に就職する人に対して奨励金を交付（Iターン者は50万円、Uターン者は25万円）。</li>
	<li><b>UIターン者向け一戸建て住宅：</b>UIターン者向けに、空き家を活用して整備した住宅あり。その他にも空き家バンク制度なども。</li>
	<li><b>オーダーメイドの体験プログラム：</b>IターンやUターンを検討中の方向けに、一人ひとりに合ったオーダーメイドプログラムを用意。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/32343">https://warp.city/cities/32343</a></p>
<p><mark>出身地以外の場所へと移り住むIターン移住。移住した場合のメリット・デメリットの両方を考慮して、出来るだけ情報をたくさん集めながら移住計画を進めるのが良さそうですね。Iターンの移住施策を打ち出している自治体も調べてみると色々あるので、気になる地域がある人は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。</mark></p>

ワープシティ公式

萩市

山口県

奥出雲町

島根県

十日町市

新潟県

阿武町

今回は、近年注目されているIターン移住のメリットやデメリット、移住の進め方や施策についてチェックしていきましょう。

Iターン移住が注目されている理由。Iターンのメリット・デメリット

<p><mark><b>内閣政府は、2020年5月から2021年11月にかけて4回にわたり、「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化」に関する調査を実施しました。コロナ禍による個人の変化を捉える貴重なデータとなっており、2021年11月に行われた同調査では、「全年齢」で「東京圏」も「東京23区」も、いずれもが2019年12月の調査から回を重ねるごとに地方移住への関心が高まってきていることが明らかとなりました。第4回目の調査では「強い関心がある」「関心がある」「やや関心がある」を含め、「東京圏」で34％、「東京23区」で37.3％と約3割が地方移住に関心を持っていることが分かりました。</b></mark></p>
<div id="attachment-20974" class="wp-caption alignnone">
<div id="attachment-22170" class="wp-caption alignnone">
<p><img class="alignnone size-full wp-image-22170" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/08/af6994ca-.png" alt="「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化」に関する調査" width="940" height="1528" /></p>
<p class="wp-caption-text">「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化」に関する調査</p>
</div>
</div>
<p style="text-align: right;"><a href="https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">出典：https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf</a></p>
<h2>子育て家庭の移住の理由</h2>
<p>「地方移住への関心理由」として最も多い声は、<strong>「人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」が31.5％で、次いで「テレワークによって地方でも同様に働けると感じたため」が24.3％、「ライフスタイルを都市部から地方での生活重視に変えたいため」は21.6％</strong>という結果が出ました。</p>
<p>子どもがいる家庭のなかには、<span style="text-decoration: underline;">「自然豊かな環境のなかで子育てをしたい」</span>と、育児方針を転換するきっかけに移住を検討する親もいます。また、親自身が田舎で育ったことで、<span style="text-decoration: underline;">「田舎に戻って子どもにも親と同じ成長体験をさせたい」</span>という想いを持ち、Uターン移住をする人も少なくありません。</p>
<div id="attachment-22171" class="wp-caption alignnone">
<p><img class="alignnone size-full wp-image-22171" src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2022/08/44d8be8c-graph_02.png" alt="人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」が31.5％" width="940" height="783" /></p>
<p class="wp-caption-text">人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」が31.5％</p>
</div>
<p style="text-align: right;"><a href="https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">出典：内閣府「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より</a></p>
<h2>子育て支援制度が充実するようになった背景</h2>
<p>近年、昔よりも子育て支援制度が充実しているといわれています。その背景には、年々人口が減少し少子化が進んでいるため、現状を打破する対策が必要となったためだと考えられます。</p>
<p>国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」（2017年）によると、日本の総人口は2029年に1億2,000万人を下回り、2053年には1億人を割ると推計されています。</p>
<p>子育て支援制度を充実させることで、子どもを産み育てやすい環境が整えられ、少子化に歯止めをかけようとしているのです。少子化問題を解消するには<span style="text-decoration: underline;">「子どもは欲しいけれど育てられない状況を解消する」</span>ことが大切であり、家庭における子育てを、国や自治体、企業、学校等が一丸となって子育てに協力するシステムを構築し、社会全体でサポートしていくことが求められているのです。</p>
<h3>日本のどの地域に住んでいても利用できる公的制度と自治体の支援制度</h3>
<p>　共働き世帯が増加傾向にある現状で、安心して子育てをするためには国や市区町村が実施する子育て支援制度」を上手に利用していく必要があります。日本のどの地域に住んでいても利用できる国の具体的な公的制度は以下の通りです。</p>
<ul class="check">
	<li><mark>児童手当：0歳〜中学卒業までの自動を養育している世帯に支給される手当</mark></li>
	<li><mark>幼児教育・保育の無償化：3歳〜5歳までの幼稚園・保育所・認定こども園の利用料を無償化</mark></li>
	<li><mark>子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」：全国の教育・保育施設等の情報入手が可能</mark></li>
</ul>
<p style="text-align: right;"><a href="https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">出典：子ども・子育て支援制度｜内閣府</a></p>
<p>　一方で、政府が取り組んでいる子育て支援制度以外にも、自治体が提供する子育て支援にはさまざまなアプローチがあります。移住支援において、行政による子育て支援の整備は、移住者にとって大きな魅力となり、移住を決める大きな判断材料となります。子育てしやすい街として評価されやすい支援は、どのようなサービスがあるのでしょうか。</p>
<ul>
	<li>子どもの医療助成が手厚い</li>
	<li>子どもの学費補助が手厚い</li>
	<li>認可保育所をはじめとする子育て支援施設の数が多い</li>
	<li>育児用品の割引券やクーポンを配布している</li>
	<li>自治体が家事代行や育児ヘルパーの派遣サービスを行っている</li>
	<li>給食費を助成</li>
</ul>
<p>子育て支援制度は、自治体によって差が出やすいため「子育てしやすい街」の評価につながります。多くの自治体で子ども医療助成をおこなっていますが、助成を受けられる期間はそれぞれ異なります。助成を受けられる期間が長ければ長いほど、子育て支援が充実しているといえます。</p>
<p>移住支援制度に力を入れている自治体は、地域活性を重要視しており、子育て支援に手厚い傾向があります。子育て支援に手厚い自治体の支援制度についてご紹介いたします。</p>
<h2>子どもがいる家庭への支援制度が手厚い自治体7選</h2>
<h3>兵庫県丹波篠山市</h3>
<ul>
	<li>「定住促進重点地区子育て応援補助金」として、重点地区に在住する0歳～2歳の園児の保護者に､保育料相当額を補助､保育園･認定こども園･幼稚園在園児､施設利用認定を受けている子以外の小学生未満の子供､小学1年生､4年生､中学1年生～高校3年生の保護者には1人当たり3万円補助。</li>
	<li>児童手当：0歳から中学校修了前の児童を養育する方に年齢区分・所得額に応じて支給。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/28221">https://warp.city/cities/28221</a></p>
<h3>茨城県那珂市</h3>
<ul>
	<li>所得制限を撤廃し、高校生の入院・外来まで対象に、妊産婦から小児への医療費を助成。</li>
	<li>保育料が、国の軽減措置外となる階層において、小学3年生までの範囲で、最年長の子供から順に2人目半額、3人目以降無料。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/08226">https://warp.city/cities/08226</a></p>
<h3>北海道紋別市</h3>
<ul>
	<li>高校生までの入院、通院、歯科、薬剤等で係る医療費について、初診時一部負担金や入院時の食事代及び保険適用外医療費を除き、無償。</li>
	<li>国の制度により、保育所・認定こども園等を利用する3歳から5歳児までの全ての子どもの利用料が無償となっているが、紋別市では独自の取組として、0歳から2歳児についても、世帯の課税状況に関わらず保育料を無償。</li>
	<li>市立の小中学校に通う児童生徒の保護者が負担する学校給食費について、無償。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/01219">https://warp.city/cities/01219</a></p>
<h3>秋田県男鹿市</h3>
<ul>
	<li>第1子・第2子の出産に対し祝金5万円、第3子以降に出産祝金20万円を支給する。</li>
	<li>一定の所得制限のもと、平成28年4月2日以降に第3子以降が生まれた世帯と平成30年4月2日以降に第2子以降が生まれた世帯を対象として、第2子以降の保育料を助成する。</li>
	<li>幼稚園・保育園3歳児クラス以上について、副食費(おかず代)を全額助成する。</li>
	<li>0歳～中学生の子ども（中学校修了年度の3月31日まで）の外来と入院にかかる保険診療自己負担分を助成する。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/05206">https://warp.city/cities/05206</a></p>
<h3>宮城県利府町</h3>
<ul>
	<li>第3子以降の給食費の助成（3歳、4歳、5歳の園児）、保育所、幼稚園、認定こども園、認可保育施設すべて対象で、所得制限なし。</li>
	<li>18歳まで医療無料。</li>
	<li>小・中学校入学時に運動着を無料で支給する。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/04406">https://warp.city/cities/04406</a></p>
<h3>宮崎県三股町</h3>
<ul>
	<li>子育てを助けてほしい人と、子育ての援助を行いたい人が会員となり、地域の中で育児を支え合い、ゆとりをもって子育てができるように相互援助を行う。</li>
	<li>子ども１人１時間あたり３００円の利用助成がある。</li>
	<li>過疎地域内にある保育園に乳幼児を入園させ、過疎地域内にある小学校への入学を予定している保護者で、一定の条件を満たす場合に奨励金（最大１８万円/年）を交付する。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/45341">https://warp.city/cities/45341</a></p>
<h3>福島県南相馬市</h3>
<ul>
	<li>育児休業を取得した男性労働者に対し、奨励金を交付する。（育児休業取得期間7日以上1か月未満の場合5万円、1か月以上の場合20万円）</li>
	<li>市内に住民登録し、市内の保育園（所）・認定こども園・小規模保育施設に在園する乳幼児（0歳児～2歳児）の保育料を無料化。</li>
	<li>満3歳未満の子どもを保育園等に預けず、家庭において保育を行っている保護者に対し、子ども1人あたり月1万円を交付する。</li>
	<li>南相馬市立の小中学校に通学する児童生徒の保護者に対して、給食費全額を公費負担する。</li>
	<li>出生から18歳到達後、最初の3月31日までの子どもを対象として、保険診療分に係る自己負担額及び入院時食事代を助成する。</li>
	<li>18歳を迎える子どもたちの巣立ちにエールを送るため、大学進学や就職に係る準備資金として祝い金5万円を支給する。</li>
</ul>
<p><a href="https://warp.city/cities/07212">https://warp.city/cities/07212</a></p>
<p>多くの公的制度は、自分自身で手続きが必要な場合が多いため、支援制度の存在そのものを知らない保護者も少なくありません。移住を検討している地域の移住担当者に支援制度の利用について相談し、条件が満たしているか確認することをお勧めします。</p>

紋別市

北海道

男鹿市

秋田県

那珂市

茨城県

利府町

宮城県

丹波篠山市

兵庫県

南相馬市

福島県

三股町

宮崎県

ウィズコロナ時代を経てリモートワークが可能となったことで、子育てしながら働く世代のなかに「地方移住」を考える人が増加しています

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