<h2>生産者プロフィール</h2><p><strong>近藤しろさと牧場</strong><br>所在地：茨城県城里町<br>業種：和牛繁殖農家（黒毛和種）<br>商品：黒毛和種の子牛<br>会社URL：<a href="https://www.kondo46310farm.com/" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://www.kondo46310farm.com/</a></p><h2>事業内容をお聞かせください。</h2><p>私は、近藤しろさと牧場の近藤友香（ゆか）と申します。<br>代表である夫の近藤修（しゅう）と共に茨城県城里町（しろさとまち）に移住し、地域おこし協力隊を経て、未経験から和牛繁殖農家として独立新規就農しました。</p><p>和牛繁殖農家とは、和牛のブリーダーのことです。母となる雌牛を飼養し、生まれた子牛を9〜10ヶ月齢ごろまで育成して、生体で家畜市場へ出荷します。</p><p>2024年2月現在、我が家では、28頭の母牛と20頭の子牛を飼養しています。肉用牛の経営は、母牛を飼養して生まれた子牛を出荷する繁殖部門と、繁殖農家から子牛を引き継ぎ、肉用牛として大きく美味しく仕上げていく肥育部門に分かれます。</p><p>我が家は繁殖部門だけを専門にする繁殖農家ですが、肉用牛だけを飼養する農家のことを肥育農家、繁殖・肥育を一手に担う経営スタイルを一貫経営と呼んで、区別しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/t8cNQwd52eEapM8CUD4aq.webp"></figure><h2>商品・サービスの魅力についてお聞かせください。</h2><p>夫は子どもの頃から動物が大好きで、幼稚園から延々と飼育委員をしてきたほどです。そんな夫の希望で、私たちは未経験から牛飼いとして暮らし始めました。</p><p>いざ牛たちと一緒に暮らし始めて、こんなにも規則正しく充実した日々を過ごせるものかと感動しています。この仕事を始める前は、毎日となると大変だし、もしかして嫌になってしまう時もあるのではないか…と心配していました。</p><p>しかし、同じ仕事をしていても、毎日違った様子を見せてくれる牛たちとの日々は、仕事というより「暮らし」そのものです。嫌になるどころか、むしろ牛たちの顔を見ないと不安になってしまうほど、どっぷりとハマっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/47Lmp_1teQl7dvtE2_DKM.webp"></figure><h2>お仕事のやり甲斐についてお聞かせください。</h2><p>繁殖農家が出荷する子牛市場は、子牛を1頭ずつ引き回し順番にオークション形式で入札する、いわゆる「競り」で子牛の値段が決まります。たくさんの方に欲しいと思ってもらえれば高値になり、そうでない場合は「買い」が入らず、価格が伸び悩みます。</p><p>良くも悪くも結果で勝負する世界です。出荷者の歴史や経験、子牛の見栄えや血統、さらには母牛の過去の成績と、全てを総合して、子牛1頭1頭に値段が付けられます。</p><p>毎日どのように牛を育てているのか、その過程が大切なのはいうまでもありませんが、それを踏まえても、結果で勝負できる世界です。言い訳ができない、とても格好いい世界だと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/IUo7hEDhMeWH2z1oi3Kmi.webp"></figure><h2>お仕事をする上で、大変なこと、困難だと感じることをお聞かせください。&nbsp;</h2><p>農家に限らず、どの業界にも共通する経営者の悩みだと思いますが、やはり資金繰りには頭を悩ませます。</p><p>私たちが移住したのが2018年、最初の母牛を導入したのが2019年、最初の子牛を出荷したのが2020年12月です。今日までに、社会情勢に大きく左右されるかたちで、コスト大幅アップ、売上大幅ダウンを余儀なくされています。<br><br>どうにか工夫してやりくりしていますが、物価高騰や円安など、個人の努力だけではどうにも避けがたい状況であることも事実です。</p><p>和牛といえば、インバウンド需要やハレの日のごちそうなど、「明るい社会でこそ本領を発揮できる食材」です。<br>一日も早く、多くの皆さんの暮らしが明るく晴れやかになっていくことを願います。</p><h2>今後の展望や、挑戦してみたいことについてお聞かせください。</h2><p>まずは、和牛繁殖農家として実力をつけていくことです。<br>その指針として、出荷している子牛市場での最高値販売、トップセールスを獲ることが現在の目標です。</p><p>また、私たち自身が未経験からの独立新規就農なので、同じような志で業界を目指す方の力になれることがあれば、積極的に協力したいと考えています。</p><p>もう一つは、私の個人的なライフワークとして、地域のこども園や小学校に伺い、農業について描いた絵本の読み聞かせをする活動を始めました。</p><p>子どもたちには、「食」と「農」との関係を頭ではなく五感で感じてほしいと、いち生産者として考えています。牛飼い農家による絵本の読み聞かせが、その一助になれば大変嬉しいです。</p><p>※絵本の読み聞かせ活動について詳しく知りたい方は、「<a href="https://www.instagram.com/agribatonproject/">AGRI BATON PROJECT</a>」をご参照ください。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/eam_SCLM0XPYvw1gabapN.webp"></figure><h2>ご自身が感じる、地域の魅力についてお聞かせください。</h2><p>県庁所在地である水戸市の隣に位置する城里町は、人口2万人ほどの小さな町で、地方都市に隣接する静かなロケーションが魅力です。</p><p>都会育ちの新人牛飼いにとっては、「無理のない田舎暮らしができるベストな環境」だと感じています。<br>良くも悪くも周辺都市に何でもあるので、逆に町内の施設は最低限です（笑）。</p><p>でも、車メインの生活でストレスになる渋滞や踏切待ちがないので、移動がスムーズで、実は暮らしやすいというのが本音です。ガソリン代だけはキッチリかかりますが、こちらに移住して燃費はかなり伸びました。車にとっても、よい環境なのだと思います。</p><p>また、美味しいお米が生産されていることでも有名で、コンテストで最高賞を受賞された経験をお持ちの先輩農家さんが、身近にたくさんいらっしゃいます。</p><p>食は生きる上での基本であり、ごはんは日本人の主食です。<br>美味しい原点が身近にあるというのは、とても素敵なことだと思います。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/MJDu1LCF8AgXuzKVbtSaA.webp"></figure><h2>移住をし地方の仕事に携わりたいと考えている方へ、メッセージをお願いいたします。</h2><p>何をして、どうやって暮らしたいのか、決められるのは自分だけです。<br>何をしたいのか決めかねている移住者の背中を押すのは責任重大で、地元の方も安易に応援しづらいのでは、と、今改めて感じています。</p><p>何をして、どうやって暮らしたいのか。<br>自分自身とよく向き合って整理してみることが、楽しいだけではない移住生活の「芯」になっていくのではないでしょうか。内省と行動をバランスよく進めて、あなただけの素敵な暮らしを実現してください。</p><p><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/04/19/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/FcHCduhobVBvOoOxOIYM3.webp">&nbsp;</p>

ワープシティ公式

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。

ワープシティは、地方の仕事に焦点を当て、仕事内容や働く方の生の声をお届けします。移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

第41回目にご協力いただいた方は、茨城県城里町・和牛繁殖農家（黒毛和種）の近藤しろさと牧場です。

城里町

城里町のお仕事一覧：1件

＃41 茨城県城里町に移住後、地域おこし協力隊を経て未経験から和牛繁殖農家に！