移住者プロフィール
山田 美那子さん
移住時期
2020年4月
前住所:神奈川県、現住所:宮崎県宮崎市、職業:キッチンカー111 Triple One(トリプルワン)オーナー
目次
INDEX
移住前の暮らしについて教えていただけますか?
山田 烈さん(以下、烈):宮崎に移住する前は、神奈川県の湘南で趣味のサーフィンを楽しみながら横浜に通勤していました。仕事はずっと飲食業で、調理、ホール、マネージャーなど様々な業務に携わってきました。
山田美那子さん(以下、美那子):私は“聞く”をメインとしたセラピストとして、催眠療法(※1)や声紋分析(※2)を行ってきました。
※1 催眠療法…心理療法のひとつで、催眠状態に入って自分の内面と向き合いながら、悩みやストレスの原因を探ったり、解決の糸口を見つけたりする療法。
※2 声紋分析…声からその人の強みやモチベーションアップ方法等の個性・適性を知ることが出来るツール。6秒間名前を言っただけで、個性・特性のみならず、今の状況やストレス具合もわかる。
宮崎への移住を検討したきっかけは?
烈:過去にサーフィンで、奄美大島→鹿児島→宮崎→福岡→四国と各地に訪れたことがありました。その時、宮崎には3日間ほど滞在し、率直に「いつか住んでみたいなあ」と感じました。その後、横浜で仕事が切り替わるタイミングがあり、今しかない、と宮崎移住を決意したんです。
美那子:きっかけはもう一つあります。それは“ぽんず”(ラブラドール・レトリーバー)が家族に加わったことです。ぽんずと暮らす前、私達はペット不可の家に住んでいたため、ぽんずを迎え入れるタイミングでどこかに引っ越さなくてはという話をしていました。
引っ越しなら近くのエリアでもいいなとも思っていたんですが、以前から彼がいずれどこかに移住をしたいと考えていたことや2人の職業的に飲食とセラピストなら場所を選ばずどこでもできるということもあり、もっと枠を広げて住む場所を考えようとなりました。
そして、彼の好きなサーフィンができて移住支援が整っている場所ということで、宮崎を選びました。
移住にあたり大変だったことは何でしたか?
美那子: 2020年4月に宮崎に移住しましたが、ペット可のお家が少なく、物件探しには結構苦労しました。
烈:宮崎は公園も多く、ペットと一緒に散歩できる場所の選択肢がいくつもあるのは最高だなと思いました。逆に気になったのは、ワンちゃんと一緒にご飯が食べられる場所が少ないということです。
美那子:宮崎は天気が良いのにオープンテラスのカフェがあまり無いなとか、観光地でペットOKでも一緒に飲食できるところがないので、コンビニに行くしかないなと私達の中で感じる部分はありました。
それで新たなアイディアが生まれたのですね
烈: 移住してすぐに宮崎の飲食店で働き始めたのですが、コロナ禍の影響や働き方が合わない部分があり退職しました。
そして、イタリアンシェフの経験を活かし、自分たちでペットと一緒に楽しめるカフェを各地に提供したいと思い、2021年3月キッチンカー「111 Triple One(トリプルワン)」をスタートさせました。
気軽に食事ができるよう、様々なテイストのホットサンドや季節に合わせたドリンクを販売しています。ワンちゃんには、体に優しく美味しく喜んで食べてもらえるような無添加素材のおやつもご用意しています。
キッチンカーを始めるにあたりご不安はありませんでしたか?
烈:少しずつイベントに参加するうちにキッチンカーの協会があることを教えていただきました。しかし、そこではペットを連れて販売することをあまり良く思ってもらえなくて、なかなかお仕事をいただくことに繋がりませんでした。
出店したくても枠がこちらに回ってこないことがほとんどで途方に暮れていた時、別の協会である『フードトラッカーズ』をご紹介いただき、前の協会を退会し新たに加入しました。
ここではぽんずの存在もとても快く受け入れて下さり、今ではのびのびと楽しくいろんな場所に出店させてもらっています。
ぽんずちゃんも一緒にお仕事できるのですね
烈:トリプルワンの店長はぽんずです。本当にこれまで関わってきたお客様ほとんどがぽんずを介して繋がったといっても過言ではないです。
美那子:ぽんずがいることでお声がけしてくださるお客様も多く、ご自身のペットを連れてきて下さったりと子供からお年寄りまで幅広い方々とコミュニケーションがとれています。ぽんずに会うためにトリプルワンに来てくださる方が多いので、出店の日は必ず「ぽんず店長○時から出勤」とインスタでお知らせするようにしているんです。
移住してライフスタイルに変化はありましたか?
烈:前職のときは仕事が終わる時間が夜中で、散歩やご飯の時以外ぽんずと一緒に過ごせる時間はほとんどありませんでした。しかし、キッチンカーを始めて今では、朝6時には起床し、夜10時に寝ることもあるくらいしっかり規則正しい生活が送れています。
仕事もぽんずと一緒なので、今では一緒にいないことの方がかなり少ないです。 休みの日は、午前中はお店の買い出し、午後はダーツの練習をしています。ダーツは、サーフィン以外に何か趣味を持ちたいなあと思ったことが始まりです。
同級生の間でふざけて「40歳からの挑戦シリーズ」を決めようという話になり、僕は、ダーツだったら今からでもプロになれるんじゃないかと思い、挑戦することに決めたんです。2021年3月に行われたオンライン開催のダーツ大会では全国1位になりました。本格的にプロテストを受けに行こうかなとも思っています。
移住してお仕事の幅も広がったそうですね
美那子: 私自身も、イベントでキッチンカーと一緒に声紋分析を行うこともあり、お客様にも喜んでいただいて、宮崎でセラピストとして活動する機会も増えてきています。彼は、キッチンカーに加え、宮崎県素材をふんだに使った生パスタ&ソースをネット通販のみで販売する「Cucciolo Tenero(クーチョロテネロ=イタリア語で“可愛い子犬”)」というお店も立ち上げました。
移住してから気づいた宮崎の食材の美味しさを県内外多くの方々に届けたいと思い、キッチンカーとは違ったスタイルで行っています。また、ワンちゃんのオリジナルデザートプレートもお作りしています。
プレートは、チョコペンの代わりにワンちゃんが舐めても安心な食材を使用し、健康を考え試行錯誤したデザートカップとセットになっています。ホットサンドは外で、パスタやデザートプレートはお家でお祝いの時や外食の気分を楽しんでいただけるように、いろんな場所でみんなが幸せになれる場面としてお役に立てたらなと思っています。
しかも、これらは全て決して無理してできたものではなくて、私たちが元々持っているスキルを活かして宮崎の方に喜んでいただきたい、少しでも力になりたいと思い、形になったものなんです。
宮崎で起業を検討中の方へ何かアドバイスがあればお願いします
烈:宮崎では、絶対に自分の技術を活かせる場が見つかると思います!アイデアも「あなただけの売りは」みたいな特別なことじゃなくても、今自分が持っているスキルで起業に挑戦でき、勝負していける環境が宮崎にはめちゃくちゃあるなと感じています。
美那子:起業は、地道に地元の方と交流を続けていくことで自分たちの良さが伝わるのかなと思います。私たちも、これからも地域の方と交流することを楽しみながら、宮崎で暮らすペット含めみなさんが幸せになれる場面を提供できる機会を少しずつ増やしていきたいです。