<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>「何か面白いことがしたい」「さまざまな人と関わる仕事がしたい」と考えていたとき、地域おこし協力隊という職種の存在を知りました。</p><p>諫早市の協力隊には指定された地域ごとのミッションがありますが、他の地域でも活動できる自由度の高さが魅力的で、さまざまなことにチャレンジできると感じました。また、福利厚生がしっかりしている点も大きな決め手となり、応募を決意しました。</p><h2>長崎県諫早市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>私は23年間、東京以外で生活したことがなかったため、あまりにも不便な場所で暮らすのは難しいと考えていました。諫早市には「田舎の良さ」と「田舎過ぎない良さ」の両方があり、不便なく生活できると思い、移住を決めました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><ul><li>市の職員と空き家バンク運営の手伝い（現地確認、内見の同行）</li><li>移住定住促進業務（移住相談会の参加、東京などでのいさはやPR ）</li><li>SNSで諫早の魅力やイベントの企画運営、情報発信</li></ul><p>私のミッションは「空き家利活用コーディネーター」です。具体的には、空き家となっていた古民家を、所有者の方と協力しながら、レンタルスペースやイベント会場として活用しています。</p><p>イベントでは、諫早市で活動する方々を講師として招き、さまざまなジャンルの教室を開催しています。また、地域イベントの実行委員としても活動し、イベントを通じて諫早市外の方々と交流する機会を増やし、諫早市のPRにもつなげています。</p><p>さらに、商店街の皆さんと協力し、商店街の活性化を目指したプロジェクトにも参加しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/11/19/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/dJP8opOEvhEl6L-S4NE7h.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/11/19/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/1lsT8kSJtL97av6kcJ3D2.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>地域おこし協力隊のやりがいは、性別や年齢、立場、業種を問わず、多くの方とつながりを持てることです。</p><p>さらに、地域の方々と協力してイベントを開催し、参加者や関係者に喜んでいただけたときや、「次もお願いします」と声をかけられる瞬間、自分の活動が地域に役立っていると実感できるのが大きなやりがいです。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/11/19/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/22L7zFW-nA49OuWqpn9he.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>地域おこし協力隊として活動する中で、直接面識のない地域の方々や、インスタグラムを通じて私たちを見てくださっている方々から応援をいただけることに驚きました。こんなにも多くの方に気にかけていただけるとは思っておらず、本当に嬉しいです。</p><p>また、自分たちの活動がラジオやテレビなどのメディアに取り上げられる機会が多いことにも驚きました。さらに、企画ややりたい活動に対して、地域の方や役所の方々が協力してくださり、実現できることが多い点も大きな魅力です。</p><p>さまざまな業種の経営者と関わる機会が多く、新しい学びや経験を得られるのも、この仕事ならではの貴重なポイントだと感じています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/11/19/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Miv7Vqv7P8rJrVsZi5y9K.webp"></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>まだ明確ではありませんが、諫早市にはおいしい食べ物や魅力的な人、素晴らしい場所がたくさんあるのに、それらが知られず埋もれていると感じています。</p><p>そこで、諫早市の魅力を市内の方にも県外の方にも広く伝えられるツールや場所を作りたいと考えています。この地域の素晴らしさを共有し、多くの人に知ってもらえるきっかけを提供したいと思っています。</p><h2>諫早市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>諫早市の方々はとても優しく、温かい人が多いと感じています。</p><p>商店街を活性化するための活動では、私自身がお店を持っているわけでもないにもかかわらず、気づけば実行委員に加わっていました。外から来た私のような存在でも、諫早市の方々は快く迎え入れ、支えてくださいます。困ったときには心配して助けてくださり、プライベートでもお世話になることが多いです。さらに、活動につながるアドバイスも積極的にしてくださいます。</p><p>また、諫早市の年配の方々は少しシャイな印象もありますが、飲み会などを通じて交流すると、一気に打ち解け、たくさんのことを教えてくれます。話を聞いていると、諫早市への愛情がとても強い方が多いことに気づかされます。</p><p>このような温かく支えてくださる方々との関わりが、諫早市での活動を一層楽しく、充実したものにしてくれています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/11/19/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/_5KGC80sGP4HZ52YbPC8e.webp"></figure><h2>諫早市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>諫早市は県央地域に位置しているため、さまざまな場所にアクセスしやすく、不便すぎない暮らしやすい町です。一方で、中心部から少し外れると、段々畑や田んぼが広がり、田舎ならではの良さも感じられます。</p><p>季節ごとに美しい景色が楽しめるのも魅力のひとつです。さらに、お米や野菜、魚など新鮮で美味しい食材も豊富で、食の楽しみが尽きません。</p><p>都会と田舎の良さを併せ持ち、何でも楽しめて揃うのが、諫早市の魅力だと感じています。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>最初は、誰も知らない場所、行ったことのない場所に移住することへの不安が大きかったです。しかし、地域の方々が否定することなく温かく迎えてくださり、とても嬉しく、安心することができました。</p><p>諫早市での生活は、探せば探すほど新しい場所や美味しい食べ物が見つかります。移住して2年目になりますが、まだまだ知らないことばかりです。それを地域の方に教えていただいたり、自分で開拓したりしながら、毎日新しい発見を楽しんでいます。</p><p>ぜひ一度、諫早市に来てみてください！これまで暮らしてきた地域とは違う、新たな楽しみ方や魅力がきっと広がると思います！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第149回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長崎県諫早市の木下侑香さんです。

諫早市

長崎県

長崎県諫早市の地域おこし協力隊、趣味・特技：直売所巡り

木下　侑香

#149 探せば探すほど諫早市魅力発見 ！活動を通じて広がる応援の輪

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p><span style="color:rgb(23,43,77);">私は柔道整復師としてリハビリの仕事をしていく中で、地域に根ざした接骨院を開業したいと思っていました。</span>しかし、知らない土地で突然開業しても、「人とのつながりがなければ成功は難しい」と感じていました。</p><p>地域に根ざした接骨院を開くには、どのようなステップが必要なのかを考えていたとき、「地域おこし協力隊」という制度を知りました。協力隊として地域の方々と関わりを持ち、信頼関係を築きながら自分を知ってもらうことができれば、将来的に接骨院を開業した際も地域の一員として親しまれる存在になれるのではと考えたのです。人と人をつなぎ、住民の皆さんが気軽に相談できるような関係性を築きたいという想いから、協力隊に応募しました。</p><p>また、協力隊として地域づくりに携わり、地域社会の成り立ちや課題を学ぶことは、任期後の自分の生業づくりにも必ず役立つと思っています。松川村の皆さんがいつまでも元気で暮らせるよう、健康寿命を延ばす活動にも積極的に取り組み、地域の健康づくりを支える存在でありたいと思っています。</p><h2>長野県松川村を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>登山とスノーボードが趣味で、長野県には以前からよく訪れていました。豊かな自然とアウトドアアクティビティへのアクセスの良さに魅力を感じ、いつかはこの地に移住したいと考えていたのです。</p><p>あるとき、大糸線に乗って車窓から北アルプスの雄大な山々や広がる田園風景を目にし、深く感動しました。その時の印象が心に残り、駅名をメモしていたこともあり、後日、有楽町の交通会館にある移住相談窓口を訪れてみることにしました。そこで偶然、松川村の移住・定住促進に関わる協力隊の方と出会い、さらに具体的に移住を考えるきっかけとなりました。</p><p>2月の寒さが厳しい時期にお試し移住をし、実際に松川村の皆さんと交流する中で、この地での生活がリアルにイメージできたことが決め手となり、移住を決意しました。</p><p>松川村は、スーパーなど日常に必要な施設が揃っており、生活に不便さを感じない「ちょうどいい村」です。電車の駅が3つあり、大きな道路も3本通っているため、松本まで40分程度でアクセスできる利便性も備えており、ベッドタウンとしても魅力的です。</p><p>また、長野県北部に位置しながらも雪はあまり降らず、毎朝の雪かきに追われることがないので、冬場の負担が少ないのも嬉しいポイントです。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>現在、ボランティアコーディネーターとして松川村役場の福祉課から社会福祉協議会に出向し、勤務しています。勤務を始めてからは、地域の方々とのつながりを築くことを目標に、村内のさまざまなコミュニティに積極的に顔を出し、多くの住民の方と関わるようにしています。</p><p>具体的な業務としては、社会福祉協議会の事業を企画・同行し、地域の皆さんと交流を深める活動を行っています。また、村内の自治会館で住民の方が自発的に行っている活動に参加し、その様子をSNSで発信することで、地域の活動をより広く知っていただくよう努めています。</p><p>村外では、大北地域で地域づくりに携わっている方々とのワークショップに参加し、地域間の交流も進めています。また、公民館ではポールウォーキングの教室を開催し、健康づくりをサポートする場を提供しています。</p><p>今後は、社会福祉協議会の利用者やボランティアの皆さん、そして観光協会主催のイベントでの活動機会も検討し、さらに地域の多様な方々とつながれるような取り組みを進めていきたいと考えています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/10/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/6J0_YZns7lES5ulspq2bn.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>活動を通じて徐々に「顔を覚えてもらえている」と実感できる時に、やりがいを感じます。最近では買い物に出かけると知り合いに声を掛けられることが増え、地域の一員として受け入れられていることがとても嬉しいです。</p><p>また、活動で関わりのあった方から「顔を見ると元気が出る」と声をかけていただけると、少しでもお力になれているのかなと感じ、励みになります。松川村では「協力隊」という肩書きがあるおかげで、さまざまな場所に顔を出しやすく、活動の幅も広がっています。</p><p>今後も引き続き顔を覚えてもらえるよう努めながら、住民の皆さんにとってより良い地域づくりを模索していきたいと思っています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>想定外だったことは特にありません。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>卒隊後は柔道整復師として接骨院を開業し、リハビリテーションの提供を通じて地域住民の健康を支えたいと考えています。住民のニーズに応じて、訪問整体も取り入れ、より多くの方に利用していただけるような体制を目指します。また、ケアマネジャーの資格も取得し、社会福祉協議会で機能訓練や居宅介護支援のサービスも提供できるようになりたいと考えています。</p><p>さらに、ポールウォーキングや体操教室を開き、地域の介護予防に貢献する取り組みを進めていきたいと考えています。こうした活動を通じて、住民の方々が健康的で安心して暮らせる環境づくりに尽力したいです。</p><p>また、「村の保健室」のような気軽に体の悩みを話せる場所も作れたらと考えています。そこから接骨院での施術や体操教室、さらには介護保険サービスなどへとつながる、包括的な支援ができる場にしていければと思っています。</p><h2>長野県松川村の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>松川村で多くの方々と触れ合ってみると、男性は少しシャイな一方、女性は活発で生き生きとした方が多い印象を受けます。</p><p>道端で畑作業をしている男性に「畑が素晴らしいですね」と声をかけると、「いや、たいしたことはないよ」と謙遜しながらも、野菜のことを尋ねると「俺のやり方だけどね」と丁寧に教えてくださる方が多いです。時には一緒にネギを植えたり、雑草取り用の鎌を分けてくださったり、お宅を訪ねると野菜を袋いっぱいに詰めてくださったりと、温かい交流をさせていただいています。</p><p>女性の方々は、公民館や自治会館、地域のイベントやボランティアなど、村内のさまざまな活動に積極的に参加されている方が多く、いつも明るく元気です。集まりのたびに誰かが漬物を持ち寄り、お茶を飲みながら談笑する和やかな光景が広がっています。</p><p>また、運動は公民館など室内でできる体操が主流で、あまり外で体を動かすことはないようですが、皆さん無理なく楽しみながら健康づくりに取り組んでいます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/10/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/6Cb8CtljLg4moQHKiJ6M6.webp"></figure><h2>長野県松川村の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>美味しい水と澄んだ空気に育まれた松川村の作物はどれも格別で、特にお米は絶品です。「松川村は米どころ」といわれる理由がよくわかります。5月頃には田んぼに水が張られ、水鏡に映る山々が本当に美しく、心が洗われるようです。</p><p>また、都市部にいた頃と比べて空を見上げることが増えたと感じています。山に囲まれた環境のせいか、天気が変わる時には風向きや風の温度、雲の動きがはっきりと感じられ、自然の変化がとても面白いです。</p><p>今の時期は気温が下がり、朝もやに包まれた山並みに朝焼けが差し込む光景は、幻想的で目を奪われる美しさです。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>私が移住を検討する際にまず行ったのは、「移住を通じて自分が叶えたいこと」を整理することでした。自分の理想を実現できる場所をいくつか候補に挙げ、その上で有楽町の交通会館を訪れ、パンフレットや相談員の方から情報を集めました。</p><p>また、移住先を決める前に実際に現地を訪れることが重要だと思います。私の場合、特に「寒さ」に不安があったため、最も寒い時期にお試し移住を行い、現地の気候や生活のしやすさを確認しました。</p><p>例えば、地域の方々の暮らしぶりを知りたい場合、暖かい季節に公民館で開かれるイベントに参加してみると、その土地の雰囲気を肌で感じられるでしょう。また、金銭面に不安がある場合には、現在の生活費や最低限必要な費用を洗い出し、実際にかかるコストを明確にすることで、移住後の生活がより現実的にイメージできると思います。</p><p>移住は大きな決断です。最初の一歩には勇気が必要ですが、しっかりと情報を集め、自信をもって叶えたい未来に向かっていきましょう。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a><br>&nbsp;</p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第147回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長野県松川村の大森圭悟さんです。

松川村

長野県

長野県松川村の地域おこし協力隊、趣味・特技：登山・カメラ

大森圭悟

#147 「村の健康を支える存在に」柔道整復師が目指す村おこしのカタチ

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>急な体調不良（原因不明の腰痛）により、やむを得ず退職しました。その後、半年が過ぎても療養が長引いていたため、移住（Uターン）を検討し始め、東京で開催されている移住相談会に参加するようになりました。</p><p>相談会では、故郷である能代市の移住定住推進窓口「のしろ暮らす」にて、丁寧なアドバイスやサポートをいただきました。その結果、東京での再就職をやめて、移住を決意しました。</p><p>移住体験ツアーなどに参加する中で、「のしろ暮らす」の担当の方から、地域おこし協力隊という就業の選択肢を紹介され、応募することを決めました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/12/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/hSAWBxh8jg2PiyHt7ihus.webp"></figure><h2>秋田県能代市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>故郷を離れて30年以上が経過していたため、移住先としては他県も候補に考えていました。しかし、「のしろ暮らす」の担当職員の方々による相談会での丁寧な対応や、移住・定住のために尽力されている姿に触れるうちに、次第に能代市を選ぶ動機が固まりました。</p><p>また、当初は故郷とはいえ、すでに馴染みのない土地に来ているような感覚がありました。しかし、移住体験ツアーを通じて地元のさまざまな方々に紹介していただき、多くの話を伺う中で、次第に「ここなら生活していける」と感じるようになったことも、移住を決めた理由の一つです。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>私自身も、移住相談でお世話になった移住定住推進課・移住定住相談窓口「のしろ暮らす」に、移住定住支援担当として配属されています。</p><p>東京や能代市で開催される「移住定住相談会」や「あきた就職フェア」、「のしろの暮らしと仕事フェア」、「能代山本移住定住相談会」などに参加し、「能代市移住体験ツアー」にも同行させていただくことがあります。また、能代市への移住（Uターン含む）を検討している方々に対して、私自身が移住前後に経験したことをお話しする機会もいただいております。</p><p>さらに、2ヶ月に一度ほど「のしろ茶話会（さわかい）」という移住後の女性を対象にした交流会を開催し、参加者の皆様から移住後のギャップや悩み、能代市の魅力、生活に関する情報交換などを中心にお話を伺っています。</p><p>また、日常生活の様子や能代市での暮らしについて、X（旧Twitter）やInstagramを通じて発信しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/12/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/xbPbKhk3koLWTvaNuow4K.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>協力隊になっていなければ、これほど多くの方々からお話を伺う機会はなかったのではないかと、日々感謝しています。さまざまな発見があり、それに喜びを感じる毎日です。自分自身の人生経験が、誰かの役に立つことがあるのも嬉しく思っています。</p><p>協力隊の活動に、これまでの経験をどう活かせるかを常に考えることが、自分にとってのやりがいへと繋がっている気がします。また、地域の方々に喜んで受け入れていただけるよう、馴染むまでの時間は「協力隊という名の移住者」であることを意識し、常に謙虚さを忘れないよう努めたいと思っています。</p><p>協力隊の活動の一環である移住定住相談会や移住体験ツアーで交流した方々から、実際に移住された後もご連絡をいただけることは、非常に嬉しいご縁だと感じています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>協力隊に限らず、地方に移住すると、思いがけない経費がかかることがあります。例えば、車の維持費や冬の暖房費、自治会費、寺社への寄進などは、東京での生活では想像もしなかったもので、これは実際に生活してみないと分からないことだと思いました。</p><p>また、協力隊としての活動方針がなかなか定まらなかったり、当初やりたいと思っていたことが、現地で本当に必要とされているか、実現可能か、協力が得られるかなど、不確かな面もあり、悩んだ時期もありました。</p><p>協力隊員それぞれで悩みの内容は異なるものの、根底に流れる問題点は共通しているのかもしれません。多様な相談先や相談相手を見つけることが、とても重要だと感じています。</p><p>それから、個人的な話ですが、腰痛が再発している今、協力隊に参加したのは早すぎたかな…と思うこともあります（笑）。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>現在、「のしろ茶話会」では会の後半にアロマのワークショップを取り入れています。回を重ねるごとに、アロマの魅力を実際に体験していただき、その魅力をもっと広めたいという思いが強くなりました。この経験を、卒隊後の仕事に活かせればと考え、アロマの体験型ショップやワークショップを開くことができたらと思っています。</p><p>実際に、借りた畑やプランターでハーブの栽培を始めており、将来的には蒸留体験などもできる場所にしていきたいと考えています。また、能代市二ツ井町で活動しているラズベリー研究会にも参加し、国産では珍しいラズベリーの栽培にも挑戦しています。</p><p>日常を豊かに支えてくれるアロマやハーブ、そして自然に囲まれた体験型の場所作りを目指しており、いつか能代市の「行ってみたい場所」のひとつになれたら嬉しいです。また、さらに可能であれば、民泊やゲストハウスとしてお試し移住体験ができる場所も作れたらと夢を描いています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/12/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Stzzaas2_u2C7gkPCuOfc.webp"></figure><h2>能代市の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。</h2><p>私が住んでいるのは能代市の中心市街地ではなく、東能代です。この地域には「鰄渕番楽」があり、伝統を復活させ、次世代に受け継ぐための保存会の皆さんが活動されています。</p><p>また、自治会もあり、地域のために地区会の皆さんが熱心に尽力されています。この東能代には親身になってくれる方々が多く、私はこの地域が大好きです。古くから住んでいる方が多い地域と、移住者が多い地域が交わる自治会は、移住者に対してとても寛容な雰囲気があるのも魅力です。</p><p>引っ越してきた当初、自治会の仕組みがよくわからなかった私は、回覧板に掲載されていた地区総会に突然参加しました。「誰？？？」という空気が漂う中、それでも皆さんは温かく迎えてくださり、総会の準備や参加を快く手伝わせていただきました。</p><p>鰄渕神明社の祭事の参道飾りについても、回覧板で知り、またしても飛び入り参加。初対面の地元の紳士たちが、ここでも快く仲間に加えてくださいました。</p><p>今年度は、住んでまだ1年少しの私に、婦人部の部長という大役をお任せいただきました。婦人部の皆さんも親切に何でも教えてくださり、おかげさまで滞りなく行事を開催できています。</p><p>櫓を組める方がいなくなり、盆踊りがなくなった夏祭りですが、今年は新たに「鰄渕番楽」の体験コーナーを設けることになりました。子どもたちに鰄渕番楽の魅力を伝え、かっこいい伝統を少しでも多くの人に受け継いでいただけたら本当に嬉しいです。</p><p>（ちなみに、私は鰄渕番楽の熱心なファンです。本当に素晴らしいので、ぜひ多くの方に観ていただきたいです。毎年8月13日、鰄渕神明社でお待ちしております！）</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/12/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/DdDKN8G3Y_qqlNNoQR-wU.webp"></figure><h2>能代市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>能代市は、空が広くて美しい街です。天高く広がる空と劇的な雲の美しさが特徴で、遠くには白神山地を望むことができます。積雪は比較的少ないものの、風が強い地域でもあります。</p><p>かつて「木都」と呼ばれた歴史あるこの街には、最近では※洋上風力発電の大きな風車が景色の一部として定着してきました。また、「風の松原」は砂防の松林でありながら、見事な景観を誇り、散歩にも最適な場所です。</p><p>観光スポットとしては、旧料亭「金勇」がおすすめです。天然秋田杉をふんだんに使用した美しい建物で、国の有形文化財に登録されています。その近くには、バスケットボールファンにとって聖地とも言える「バスケミュージアム」があり、バスケットの強豪校・能代工業（現在の能代科学技術高等学校）の歴史や、バスケットボールの魅力を全国から訪れるファンと分かち合うことができます。</p><p>夏には、七夕灯籠「天空の不夜城」が街を彩ります。最大24メートルにもなる幻想的な巨大灯籠が、能代市の夏を代表する風物詩です。お酒好きの方には、地元で有名な「酒どこべらぼう」がおすすめで、移住者の中にはお気に入りの飲み屋を探すのが楽しみだという方もいらっしゃいます。</p><p>美味しいお店やカフェもたくさんありますので、能代市へお越しの際はぜひお声がけください。</p><p>※洋上風力：風力発電のうち、海上や湖面に建設されたものを指す。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/12/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/4OEVEhDCH1mpbwsyVreyq.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>地方への移住は、憧れや勢いだけで決めてしまうと、実際の生活でギャップを感じることが多いものです。まずは、各種移住相談会や地方の就業フェアに参加し、ぜひさまざまな自治体や企業、地域の方々から話をたくさん聞いてみてください。</p><p>その中で、「ここかな」と気持ちが少し固まってきたら、何度かその土地を実際に訪れてみることをおすすめします。知り合いが増えてくることで、移住前後の心の支えになります。相談できる人を増やしておくと安心です。</p><p>また、移住には思った以上にお金がかかることがあります。各自治体の支援金や助成金は年度ごとに変わることがあるので、相談会で確認し、無理のない計画を立てて進めることが大切です。</p><p>どの地域でも、移住を選んだあなたはその土地にとって大切な一員になるはずです。素晴らしい選択と素晴らしい人生を願い、お互いに頑張りましょう！</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

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「地域おこし協力隊に聞きました！」第143回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、秋田県能代市の七尾　有紀さんです。

能代市

秋田県

秋田県能代市の地域おこし協力隊、趣味・特技：読書、園芸、アロマアドバイザー資格

七尾　有紀

#143 移住定住相談から移住者支援へ。故郷に戻り、地域の未来を支える

<h2>どのような経緯で空き家に住むことを決意しましたか？</h2><p>自転車で日本各地を旅している中で、人の縁に導かれ、御浜町にたどり着きました。出会った方々の温かさに惹かれ、一年ほどゲストハウスでお手伝いをしながら暮らしていました。</p><p>この地の人々や豊かな自然、そして心地よい空気感に触れるうちに、ここで暮らす決意が固まりました。特に、周囲の人々の温かなサポートがあったことが、決断の大きな要因です。</p><p>この場所は、私にとってただの居住地ではなく、「第二の故郷」となりました。移住後の生活は、期待以上に充実しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/rwrWDa8dLMKte4iNT6qvJ.webp"></figure><h2>空き家を見つけるために利用した手段やサービスについて教えてください。</h2><p>空き家を見つけた経緯は、「御浜町移住・交流サポートデスク」に相談したことがきっかけです。サポートデスクは、地域の特性や生活環境の情報から補助制度の案内まで行う、移住者向けの総合相談窓口です。</p><p>サポートデスクに住居などの移住相談をした際に、御浜町空き家バンク制度を紹介していただきました。この制度で理想の空き家に巡り合い、移住をスムーズに進めることができました。</p><p>御浜町への移住を考えている方は、まずはサポートデスクに相談してみることをお勧めします。</p><h2>入居前の空き家の状態や実施した修繕、リフォームの内容について教えてください。</h2><p>空き家は10年以上も人が住んでおらず、少し荒れた状態でした。室内には残置物が残され、庭には雑草が生い茂り、まずは手入れが必要でした。最初の2ヶ月間は、これらの片付けや掃除、草刈りを中心に作業を進めました。</p><p>その後、修繕やリフォームを少しずつ進めていきました。例えば、台所の裏にあった壊れたトタン屋根は雨漏りを防ぐために新しく張り替え、カビの除去を行いました。床も磨き直して蜜蝋（※ミツロウ）を塗り、洗面所には新しい鏡やライトを設置し、心地よい空間を作り上げました。</p><p>さらに、元々庭にあった鉄筋や廃材を利用して、小さな小屋や柵を作りました。庭も整備し、今ではヤギを飼うなど、暮らしに新しい楽しみが増えました。</p><p>※蜜蝋（ミツロウ）ミツバチが六角形の巣を作る材料として、働き蜂の腹部にある分泌腺から分泌するロウ<span style="color:rgb(31,31,31);">のこと</span></p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/roq5DHjrO7G3EM1hKuZfM.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/nhFM84U1KcvnGrcInAP6r.webp"></figure><h2>空き家暮らしを始めてからの日常生活の変化や感じたことを教えてください。</h2><p>空き家をキレイにする過程で、近隣の方々から「よくやっているね」と褒めていただけることが増えました。少しずつ自分の手で家を修繕しお洒落に仕立てていく作業は、まるで大きな作品を作り上げているような充実感があります。</p><p>その過程で、DIYに使える道具も徐々に増え、自然と技術も向上しました。今では、時々ご近所の方から仕事を依頼を受けることもあります。</p><p>特に印象的だったのは、元々大工や建築に携わっていた方が、蔵に眠っていた道具や木材を提供してくださったことです。こうした地域の方々の温かいサポートには、心から感謝しています。</p><p>空き家暮らしを通じて、人とのつながりや新しいスキルを得られる喜びを実感しています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/Y8qYueaHLlypmysMy0YiU.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/O76DDDYfrBNyzLN4rcXKA.webp"></figure><h2>空き家暮らしで困ったこと、苦労したことについて教えてください。</h2><p>空き家暮らしでは、庭の草刈りや木の剪定が思った以上に大変です。特に、忙しい時期になると、手入れをする時間が取れず、雑草や木々がどんどん成長してしまいます。</p><p>また、床下の換気が悪いため梅雨の時期にはカビが発生しやすく、これも大きな悩みの一つです。特に湿気の多い日は、カビが家の中にまで上がってきてしまい、掃除に時間を取られてしまいます。</p><p>こうした点では、空き家のメンテナンスがいかに大切かを痛感しています。</p><h2>地域の人々との交流や関係性の構築について大切だと感じることを教えてください。</h2><p>まず大切なのは、挨拶だと思います。毎日の挨拶を通じて顔を覚えてもらい、自然に会話が増えていきます。</p><p>また、家やその周りをキレイに保つことも大切です。これにより、地域の方々に好印象を持ってもらえるだけでなく、自分自身も心地よく暮らせます。</p><p>さらに、地域の草刈りや行事に積極的に参加することも重要です。そうした場で顔を合わせ、交流を深めることで、地域の一員として受け入れられやすくなります。</p><p>特に、一人でも地域で信頼されている方と良好な関係を築くことができれば、他の人々ともスムーズに関係を築けます。あとは、自然を大切にする心も忘れてはならない要素です。</p><h2>今後も空き家での生活を続けたいか、その理由について教えてください。</h2><p>はい、これからも空き家での生活を続けたいと考えています。少しずつ家が素敵に変わっていく過程が楽しいからです。</p><p>自分の手で手入れをし工夫を重ねることで、家が生まれ変わっていくのを見るのは大きな喜びです。また、最近では地域にも目を向けるようになり、この街をさらに素敵な場所にするために、自分にできることを積極的に取り組んでいきたいと考えています。</p><p>地域のイベントや活動に参加し、地元の方々と交流を深めることで、この街にもっと貢献できるのではないかと感じています。</p><h2>地域の魅力について教えてください。</h2><p>豊かな自然です。水は綺麗で、風は心地よく、四季折々の美しさを楽しむことができます。山里の静かな環境にいながら、海も遠くないため、新鮮な海の幸や山の幸を安く手に入れることができます。</p><p>さらに、少し足を伸ばせばそれなりの町にもすぐに出られます。必要な施設やお店が揃っているので、生活に不便を感じることはありません。また、この地域は「聖地熊野」としても知られ、神聖で美しい場所が数多く点在しています。</p><p>歴史や文化に触れる機会が多く、地域独自の魅力を味わえるのもこの場所ならではです。加えて、魅力的な人物が多いことも特徴の一つで、まるで人間国宝のような面白い方々との交流も楽しみの一つです。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/09/02/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/9_vuMxqnXwuU8qNnC5WiS.webp"></figure><h2>空き家暮らしを検討中の方に向けてアドバイスやメッセージをお願いします。</h2><p>田舎暮らしを望む方が増えていますが、理想的な空き家を見つけるのは簡単ではありません。多くの空き家は、家主が高齢であったり遠方に住んでいたりするため、残置物があり修繕が必要な場合がほとんどです。</p><p>都会では、賃貸物件や売物件が整った状態で引き渡されるのが一般的ですが、田舎ではそうはいかないのが現実です。</p><p>このため、空き家を活用するには、補助金などのサポート制度を利用するだけでなく、家主、行政、入居者が協力し合い、居住可能な空き家を作り上げていく姿勢が求められます。三者が連携することで、空き家活用の幅が広がり、より良い暮らしが実現できると思います。</p><p>また、田舎での生活は、「仕事をしてお金を稼がないと生きていけない」という感覚を少し手放し、ゆとりのある時間や日々の生活、そして自分のやりたいことを大切にすることが重要だと感じています。身近な人や自然との調和を意識して生きていくことで、豊かな暮らしが実現するはずです。</p><p>空き家暮らしを検討している方には、そうした価値観を大切にしながら、ぜひ一歩を踏み出してほしいと思います。</p>

近年、古民家を購入し、自らの手でリノベーションを施してコストを抑えつつ、自分だけの理想の住まいを実現するDIYが人気を集めています。地方移住をきっかけに、古民家での暮らしを検討する方も増えている中、どのようにして理想的な古民家を見つけ、購入すると良いのでしょうか。実際に移住し、古民家リノベーションに挑戦した方の体験談をもとに、その魅力と課題を探ります。

第4回目にご協力いただいた方は、三重県御浜町の武部直輝さんです。

御浜町

三重県

所在地:三重県南牟婁郡御浜町、業種：便利屋・芸術家

武部直輝

#4 空き家暮らしの醍醐味！御浜町の人とのつながりや新しいスキルを得られる喜びを日々実感

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>2年前に夫が木工の仕事を始めた際、日本には豊富な森林資源があるにもかかわらず、その多くが活用されず、森が衰退している現状を知りました。</p><p>当時私たちは森から離れた場所に住んでいましたが、森の近くで活用されていない木を使い、森に還元できるような作品を作りたいと思ようになりました。その後、移住について調べていく中で、より地域に深く関わりながら活動できる「地域おこし協力隊」という制度を知りました。</p><p>その後1年くらいかけて、木工や地域資源を活用した地域おこし協力隊を募集していた茨城や群馬、栃木、千葉、青森、福島などの地域を家族で見てまわりました。その中でも福島県田村市の移住体験では、他の地域にはない人の温かさ、繋がり、地域愛をとても感じました。</p><p>加えて、森林資源の豊富さと、「森林をどんどん活用して！」と言ってくださる方との出会い、里山の風景の美しさ、綺麗な空気で夫婦ですっかり田村市に魅了されました。ここでなら、私たちのやってみたいことが形になるかもしれない！と感じたのです。</p><p>当初は夫が地域おこし協力隊へ応募する予定でしたが、職人気質の夫は制作に集中したほうがいいので、私が地域おこし協力隊になることになりました。</p><p>私が長く夢に描いていた「自給自足型のシェアハウスをつくる」という地域おこしの活動をしながら、夫の木工とコラボしていきたいと思い応募しました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/O4jZzUEfW-4rpiCm_JrUK.webp"><figcaption>&nbsp;</figcaption></figure><h2>福島県田村市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>上記にも書きましたが、色々な土地を見に行き様々な人にお話を伺いました。どの場所にもそれぞれの歴史があり、美しい自然が広がり、唯一無二の特徴がありました。</p><p>その中でも、田村市は人々が生き生きと暮らしているという印象を強く受けました。 地方の移住体験に行くと、街全体にどこか元気がなかったり、諦めムードが漂っていたり、移住者に対して他人事のような対応を感じることがありました。</p><p>一方で、田村市に訪れた際には、出会う人々皆さんが自分の仕事や生き方に誇りを持って暮らしている様子が印象的でした。震災を経験して、思い通りにいかない壁もたくさんあったと思うのですが、「前向きに、今よりもっと良くなろう！みんなで良くなろう！」という温かくポジティブな気持ちが、初めて会った私たちにも伝わってきました。</p><p>このように前向きに行動している人たちがいる場所であれば、私たちも思い描く暮らしができるのではないかと感じました。また、希望だった森林資源が豊富なこと、工房付きの住まいも運よく見つかったことも大きかな理由のひとつです。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>私が着任したのは「起業型地域おこし協力隊」で、自らのアイデアで地方創生・地域活性化につながる事業を立ち上げ、その地域に新たなビジネスを創出することを目指しています。自分でやりたい事業に向かって計画を立てて進めていくという少し変わった働き方です。</p><p>地域おこしの活動を通して、地域に精通している一般社団法人Switchと、創業支援のプロであるMAKOTO WILLがサポートしてくれています。見知らぬ地域で創業というとハードルが高いですが、サポートもある中でやりたいことに時間を使わせていただけるのは、本当に有り難いです。</p><p>今はシェアハウス物件の情報を集める段階で、色々なコミュニティに参加しながら、地域の方と交流をして自分の活動を知っていただいています。また、シェアハウスに併設したいと考えているカフェ運営の学びのため、地域で活躍されている「よりあい処　華」で研修を受けながら、飲食ビジネスについて学ばせていただいています。</p><p>「華」は、「震災後にみなさんのよりあい処になれば」との思いで始めた古民家レストランです。オーナーの今泉さんご夫婦の地域への思いに共感されて、地域を担う方々のよりあい処になっています。ここで働いているだけで、色々な方との繋がりができたり、応援していただける方と出会えたりするので、大変ありがたく思っています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/EmC7PPv6r5EsXuA-1HMQH.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>地域のために自分一人で何かを始めようとしても、情報収集や人との繋がりを築くのは難しいと思います。しかし、協力隊として活動することで、地域の現状や課題をより早く、深く知ることができます。また、必要な人々との繋がりを得ることもできると感じています。</p><p>地域おこし協力隊の活動を通じて、地域の課題やニーズについて多くの方々から熱心にお話を伺うことで、自分がどのように地域に貢献できるかが、少しずつ明確になってきます。そのプロセスで、自分のビジネスや取り組みが次第にブラッシュアップされ、成長していく感覚を得ています。そして、協力隊として活動していると、快く応援してくださる方にもたくさん出会います。</p><p>地域の活性化が、自分自身の幸せと繋がり、同時に地域の発展にも貢献できるという点が、とても素晴らしいと感じています。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>1つ目は、住む場所を見つけるのがとても大変だったことです。空き家バンクに登録されていた物件は、見学まで至らないものが多く、賃貸でも探しましたが、子供が3人いる我が家には手狭なものばかりでした。</p><p>田村市に魅力を感じて住みたいと思っても、なかなか住まいを見つけることが難しく、1ヶ月ほどネットと睨めっこしていたと思います。</p><p>2つ目は、地域のみなさんが子供たちをとても歓迎してくれたことです。一番心配だった子供たちがとても楽しく過ごせており、転校して2週間でお友達に誘われてスポ少（スポーツ少年団）に加入しました。</p><p>親の私たちの方が、子供たちのスピードについていくのが必死でした（笑）。もう少しゆっくり家を整えたり、田村市を散策したりしたかったのですが、引っ越してすぐに土日はスポ少の練習や試合で忙しくなったのは想定外でした！</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/6tNTlIVP_IZD6ywU4uMiS.webp"><figcaption>DIY作業。将来古民家を改装してシェアハウスの運営を目指しているため、DIYについても積極的に学んでいます。</figcaption></figure><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>3年後の目標としてサステナブルな暮らしができるシェアハウスを実現したいです。そして、そのシェアハウスを拠点に、集まる人々のご縁が自然に繋がっていくことで、地域全体が元気になって「ここって楽しいな、ここに住みたいな」と子供たちが希望を持ってくれるような場所を作っていきたいと考えています。</p><p>私たちが移住する土地を探していたときに、地域の方が繋いでくださったように、私たちも地域と人を繋げるような役目を担っていけたらと思っています。</p><h2>田村市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>子供を3人連れて移住しましたので、近所の方たちに「子供たちを連れて来てくれてありがとう、困ったことがあったら何でも言ってね」と声をかけていただけます。子供の安全のために、家の近くの道路に「飛び出し注意」の看板の設置を自治体に掛け合ってくださり、私たち家族が安心して住めるように考えてくださっていて有り難いです。</p><p>また、夫が木工の仕事をしていると知ったご近所の方が、山で採れた木を持ってきて「がんばってね」と声をかけてくださることもあります。畑で採れた野菜や、お漬物などをいただく機会も多くあり、そのお野菜やお漬物がとっても美味しいのです！</p><p>地域の方々が私たち家族を応援してくださる気持ちをとても感じています。</p><h2>田村市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>やはり一番の魅力は、ここに住む方たちの「温かさ」だと思います。</p><p>困ったことがあれば「声をかけてね」と言ってくださり、何かを相談すれば、親身になって聞いてくださり、地域のさまざまな方と繋げてくださることで、私たちの活動も広がっていきます。</p><p>地域、人を大事に暮らしている方が多いので、色々な人と繋がる度に「この場所に来てよかった」と感じます。特に私たちの住んでいる都路地区は震災の影響があり、地域住民の方がこの土地を離れた期間がありました。</p><p>大変な3年間を経験して、戻るか戻らないかの究極の選択をして戻って来ている方たちなので、外から来た私たちのことも分け隔てなく接してくださいます。</p><p>自然の魅力もたくさんあります。一番感動したのは星空が綺麗なことです。天の川が肉眼で見られるくらい、たくさんの星を見ることができます。</p><p>また、「昆虫の聖地」と呼ばれるような湿地やムシムシランドなどがある地域なので、日々の暮らしの中でカブトムシやほたるなどが網戸に止まっていたりします。生き物と触れ合う機会が多く、我が子たちはとても喜んでいます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/30/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/GFgmJ420hwYnOr6yJQyA2.webp"><figcaption>将来創りたいシェアハウスは自給自足のサスティナブルな暮らしをテーマにしたいので、自宅の庭で野菜や果樹など無農薬で育て始めています。<br>&nbsp;</figcaption></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住というとガラッと暮らしが変わる大きなことだと思うのですが、田村市に移住された方に話を聞くと、お仕事はそのままで住まいだけ変えた方、週末だけ畑作業に来る方、別荘感覚で数年過ごし、その後定住された方など、移住の形はさまざまです。</p><p>ご自身が移住で何を一番に大切にしたいのか、「変えられること」と「変えられないこと」を決めておくことで、移住相談の時にも欲しい情報が変わってくると思います。まずは、「こんなスタイルの暮らしをしたい」というイメージを明確に持って情報を集めてみることをおすすめします。</p><p>私たちは移住場所を田村市にしたいと決めた後、家がなかなか見つかりませんでした。しかしながら地域の方に繋いでいただき、「家と工房付きの物件を探しています。」と明確にお伝えしたことで、今のお家が見つかりました。</p><p>一人で情報を集めるより自治体や地域の方に相談してみると、理想の移住スタイルがどうしたら叶うのか見えてくると思います。あとは、一気に理想の暮らしは難しいので、住みながら少しずつ理想を叶えていくくらいの方が最初はいいなと感じました。</p><p>移住までは何となくお客様のような感じで色々なサポートがありますが、移住してからは自ら選んで来た人になるので、自分でも地域と繋がって少しずつ実現したい暮らしを作るという気持ちも大切だと思います。</p><p>大変なこともあるかと思いますが、「やってみたい、チャレンジしてみたい」と思うことが少しずつ叶って形になっていく過程は、とても楽しいですし、有り難いことだなと感じます。</p><p>まずはその土地に行って、その土地の空気や人とたくさん触れ合っていく中で、きっと道が見えてくると思います！</p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第140回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、福島県田村市の新井田美菜子さんです。

田村市

福島県

福島県田村市の地域おこし協力隊、趣味・特技：写真・そば打ち・和菓子作り

新井田美菜子

#140 田村市の温かな人々とともに築く未来。自給自足型のシェアハウスを作りたい！

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>私の両親は函館市出身で、幼少期には夏休みなどを函館で過ごしていました。（父の仕事の関係で、私は姉と共に京都と大阪で育ちました。）函館や道南での楽しい思い出が多く、小学生の頃から「大人になったら函館に住みたい」と思うほど、函館が大好きでした。</p><p>鹿部町に移住する前は、京都に本店がある雑貨店で約8年間勤務し、2店舗の店長やバイヤーを務めていました。主に日本やヨーロッパのロングライフデザインのプロダクトを取り扱っており、日本各地の伝統工芸品に携わる機会も多くありました。特に、作り手が減少しつつある日本の伝統工芸品を取り扱い、POPUP企画を通じてその素晴らしさや産地の魅力を多くの人に伝える仕事にやりがいを感じていました。</p><p>そんな中、父方の祖父が亡くなり函館に帰省した際、かつての楽しい思い出と現在の函館の様子にギャップを感じ、「函館ってこんなに元気がなかったかな？」と疑問を持ち、街の現状を知りたくなりました。</p><p>さらに、百貨店で新しい店舗の立ち上げに携わることになり、ようやくオープンの準備が整ったところで「コロナ禍」が始まりました。店のオープンは延期され百貨店を利用するお客様は減少し、外商はストップしました。百貨店での販売に関して、また小売販売の在り方に「もう、いいかな…でもあと1年は様子見てみよう」と思ったのが2019年の春です。</p><p>1年後、京都は観光地としての賑わいが落ち着き、本来の静かで魅力的な街に戻っていました。そのタイミングで函館の就職情報を調べ、親戚がいる函館ならすぐに移住できると感じ、「せっかくなら」という思いで道南の地域おこし協力隊を検索しました。</p><p>奈良県や青森県で友人が地域おこし協力隊をしていたので、制度や内容には馴染みがありました。地域の現状を理解し、地域の人々と直接関わりながら活動できる3年間を過ごしたいと思い、応募を決意しました。</p><h2>北海道鹿部町を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>「道南」「函館から近い町」という条件で地域おこし協力隊を検索したところ、鹿部町が候補に上がりました。鹿部町は間歇泉があることで、姉は知っていましたが、私は幼少期の記憶が曖昧でした。</p><p>その時、鹿部町で募集していたのは、産業振興や観光に関わる協力隊でした。しかし、当時の仕事をすぐに退職することが難しかったため、一旦応募を見送り、まずは現地を見てみようと親友を連れて京都から鹿部町を訪れることにしました。</p><p>鹿部町に向かう前に、函館市の湯の川にあるお寿司屋さんで大将と仲良くなり、さらに常連客だった南茅部のお寺の住職とも親しくなりました。レンタカーで鹿部町に行く予定でしたが、なんとその住職が大沼、鹿部、南茅部を案内してくれるという奇跡的な旅行となり、鹿部町に降り立つことができました。</p><p>その日、鹿部町は台風の影響で海が荒れ、駒ヶ岳も霧に包まれていましたが、逆に自然の力強さを感じ、「ここに住んでみたい」と思いました。</p><p>その後、自分の仕事の整理がようやくつき、産業振興の協力隊に応募しようとしましたが、締切ぎりぎりの3月末に応募したところ、すでに他の方で決まってしまったとの連絡がありました。しかし、その後すぐに担当者から「でも！4月から移住担当の協力隊を募集するので、ぜひ遠藤さんに来てほしいです」という連絡があり、これもご縁だと感じ、鹿部町への移住を決めました。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/RSBTXOaULOWUCM-ilJGSl.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>当初、私の主な業務は移住・定住サポートで、大阪や東京で開催される移住イベントへの参加や、移住希望者の窓口対応、定住後のサポートが中心でした。しかし、コロナ禍により状況が一変し、都市部での移住イベントは中止となり、対面での活動が難しくなりました。</p><p>そのため、移住相談や「ちょっと暮らし体験」の応募があった際には、役場の担当者と協力して相談対応に努めつつ、まずは町や地域住民、そして道南エリア全体を深く知ることを重視しました。そして情報発信の一環として、鹿部町公式のYouTubeチャンネル「しかべチャンネル」を開設し、動画の企画や編集を手掛けるとともに、移住者向けのパンフレットやチラシなどの制作物などを新しいデザインへ変更しました。また、オンラインでの移住フェアにも参加し、大阪や京都との違いをリアルに伝える活動も行いました。</p><p>2年目以降は、鹿部町の協力隊と一緒に動画企画や編集、オンライン移住フェア参加に加えて、他市町の方々との交流や、町民とのイベント企画(茶会や二胡の会)を行いました。また活動外では、函館市の金森ホールで、私の二胡の師匠と函館のアーティストや道南で活動している焼き菓子店や珈琲屋、燻製屋、パン屋と一緒に音楽と食のイベントを開催しました。</p><p>コロナ禍が終わってからは、外に出ての移住フェアの参加や、ダイワハウスの管理地である鹿部リゾート地区でのマルシェイベント、日本航空の客室乗務員さんとの動画制作をしました。活動外では、二胡イベントのフライヤー制作や、函館市で作陶をしている親友の作家とともに、京都でのPOPUP企画を手掛けています。この企画には森町の焼き菓子店や函館の珈琲屋も参加しており、地域の魅力を広く発信する取り組みを続けています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/TFguBvVAMvN6QRZav-i1_.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>今までの仕事や趣味などで身に付いたスキルを使って、新しいことに挑戦し地域貢献できることです。これまで接することがなかった役場の方々や、水産加工会社の方々など知らない世界を知ることは嬉しく、人との新しい出会いはやりがいを感じます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/CWfr8z3BLORborPeZuZdO.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>特に無いです。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>合致する空き家が見つかれば、鹿部町に定住する方はもちろん、町外の方も楽しめる茶屋兼雑貨店を開きたいと考えています。夜は軽く飲める場所としても活用し、移住を検討している方には移住相談を、町に暮らす方には物件情報を提供できる、気軽に立ち寄れるお店を目指します。</p><p>「鹿部らしくない」スタイルも、移住者だからこそ提案できるものであり、町に少しのスパイスを加える存在になれたらと思っています。しかし、それだけでは生活が成り立たないのが現実なので、函館でも働きつつ、時には京都に戻るなど、自分に無理のない暮らし方を模索しています。</p><h2>鹿部町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>道南の血が流れているからか、難しいと言われる「浜言葉」も自然と理解でき、町の皆さんは優しく親しみやすい印象を受けています。そして、女性たちは本当に強いです！</p><p>私の祖母や母、叔母も皆強く、道南の女性はたくましいと感じて育ってきたので、町のお母さんたちと話すとまるで家族と話しているような安心感があります。海産物の調理方法なども教えていただいています。</p><p>鹿部町には不動産会社がないため、空き家の状況を把握するのは難しいのですが、相談すると親戚を通じて情報を集めてくださり、親身になって助けてくれる方が多いです。</p><p>また、鹿部町にはダイワハウス工業が管理するロイヤルシティ鹿部リゾート（暮らす森の森林住宅地区）があり、本州から移住してきた多くの方々が、定年後のセカンドライフを楽しんでいます。私も一緒に餅つきや味噌作りをしながら、人生の先輩たちからさまざまなことを教わっています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/eFN4YjWVb_Uk9s_C2JMVY.webp"></figure><h2>鹿部町の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>春夏秋冬を通じて、駒ヶ岳や海の美しい景色を楽しむことができます。特に新鮮な海産物は絶品で、移住直後にはその新鮮さと生命力の強さに驚き、少しお腹を壊してしまったほどです。</p><p>鹿部町の特徴の一つである約10分間隔で噴き上がる間歇泉は珍しく、地面から立ち上るもわもわとした湯気も見どころです。また、夏は涼しく、冬は雪が少なく過ごしやすい地域です。</p><p>「暮らす森」の森林住宅地区では、作家さんのアトリエや他拠点生活の一部として活用されており、そうした方々との交流がとても楽しいです。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/qRA-6KFXO2UgW4gLtukQB.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/08/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/wHrC-mjL0vhD2PnFDtSeq.webp"></figure><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>正直なところ、私は深く考えずに「行ったらなんとかなるだろう」という気持ちで移住しましたが、地方で暮らすことには当然デメリットもあります。</p><p>鹿部町の場合、駒ヶ岳は活火山であり、噴火のリスクがゼロではないうえ、津波の危険区域も存在します。また、交通手段が限られているため、以前のようにすぐに欲しいものが手に入らないこともあります。大きな病院が近くにないことや、ヒグマの出没情報があることも気になります。</p><p>それでも、大阪や京都での暮らしと比べて、現在の暮らしには多くのメリットがあります。交通手段が限られていても、車での移動が主なので、満員電車やそのストレスから解放されました。欲しいものがすぐに手に入らなくても、オンラインショップで購入することで無駄な出費が減りました。</p><p>活火山である駒ヶ岳の近くで暮らすことに不安を感じるかもしれませんが、日本に住んでいる以上、自然災害のリスクは避けられないものです。ポジティブに考えれば、良い面も多く、変えられないことは受け入れるしかありません。</p><p>自分が「豊かさ」を感じられる場所に移住することが一番大切です。鹿部町は人々も温かく、気候も暮らしやすい町です。漁業が盛んな町なので、野菜や酪農製品は少ないですが、新鮮な野菜などは車で約30分圏内の隣町で手に入ります。さらに、函館空港まで車で約50分なので、東京や大阪へのアクセスも良好です。</p><p>鹿部町を拠点にして、道南エリアを存分に楽しむことができます。まずは、ぜひ鹿部町に足を運んでみてください。「ちょっと暮らし体験」もおすすめです。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第137回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、北海道鹿部町の遠藤麻耶さんです。

鹿部町

北海道

北海道鹿部町の地域おこし協力隊、趣味・特技：二胡・お茶

遠藤 麻耶

#137 北海道鹿部町での暮らしが教えてくれた、本当の豊かさ

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>専門学校を卒業後、サラリーマンとして約17年勤務していました。日々お客様対応をする中で培ったコミュニケーションスキルを、もっと違う形で発揮できる場所はないかと考え始めたのが最初のきっかけです。</p><p>様々な情報を収集する中で「地域おこし協力隊」というキーワードに出会いました。10年近く前、趣味でキャンプ場を訪れた際に、協力隊の方が楽しそうに活動している様子を思い出しました。</p><p>「自身のスキルを活かして活躍できる新しいチャンスがココにあるかもしれない！」という直感を信じ、地域おこし協力隊に応募することを決意しました。</p><h2>千葉県香取市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>JOIN(ジョイン)という地域おこし協力隊の情報を集めたポータルサイトを見ている中で、「千葉県香取市」の募集が目にとまりました。小野川沿いに広がる古い町並みと佐原の大祭の活気溢れる写真が印象的で、一気に引き込まれたのを覚えています。</p><p>また、ほかの自治体に比べて紹介ページの内容がしっかりと作り込まれており、その文章を見たときに自分が活動する姿をイメージできたことが、香取市を選んだ大きな理由です。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>香取市地域おこし協力隊として、「移住定住」部門を担当しています。移住相談メールの対応や、各種移住関連イベントへの参加を行っています。</p><p>また、「農家ツアー」や「古民家物件内見ツアー」等のイベントを企画し、市外からのお客様を招いて香取市のPR活動を行っています。さらに、「NPO法人小野川と佐原の町並みを考える会」にも所属しており、週に3日は「佐原町並み交流館」にてお客様対応に従事しています。</p><p>個人活動としては、現在住んでいる小見川地区で「町づくり協議会」の方々と共に、公共交通の問題解決等に取り組んでいます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/25/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/tBDDdfUARmyL57SdSa0Dy.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>佐原町並み交流館での活動では、何といっても地域ボランティアの方々との交流が楽しい時間です。皆さんに教えていただいた佐原の歴史を観光客の方にご説明し、「楽しかった」「参考になりました」などの声を直接聞けた時にやりがいを感じます。</p><p>地域おこし協力隊という制度の仕組み上、100人いれば100通りのやりがいが存在します。個人的には、人との交流を通じて「関係人口創出」に一役買えた時に達成感を感じます。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/25/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/RLuhCU5v4SnFE_DGZIbvU.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>インターネットで「協力隊」と検索すると、残念なことにネガティブな記事がたくさんヒットします。「地域の方々と揉め事になった」「自治体側と意見の食い違いが発生した」など内容は様々ですが、香取市での活動ではそういったことはほぼ無く、良い意味で想定外でした。</p><p>給与や活動費に関しても自治体によって様々な様式が存在し、その点で苦労する方もいると聞きますが、私個人としてはそのような悩みは一切無く、恵まれた環境で活動できていることを有り難く感じています。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>現在の協力隊としての活動を継続する方法を考えています。地域おこし協力隊には最長で3年間の任期がありますが、卒業後も同じような活動を続けて生計を立てていくことを目標としています。</p><p>具体的には、同期の仲間たちと一緒にNPO法人などの団体を立ち上げ、現役協力隊のサポートと地域貢献活動を並行して行えればと考えています。他の自治体でも同じような思想のもと団体を立ち上げて活動している方々がいるので、そういった方々にお話を聞きながら情報収集を進めています。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/30/-9EMqEXy356ofznTj9ilP/Sm8C7fSpGCeYXrp6_-74d.webp"></figure><h2>香取市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>私は生まれも育ちも都会だったため、佐原の住民の方々ののんびりとした雰囲気がとても新鮮に感じます。佐原町並み交流館で勤務していることもあり、地域の方々と接する機会が多いのですが、外から来た私のような人間でもアットホームに受け入れてくださったことが印象的でした。</p><p>環境的に、お年を召した方と接する機会が以前より増えましたが、皆さん本当に元気な方ばかりで驚かされます。一方で、同世代の方々は母数が少ないため、見かけると話しかけやすく、非常に活動しやすい環境だと感じています。</p><h2>香取市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>香取市の魅力はなんといっても豊かな自然と歴史的な町並みだと思います。特にオススメスポットとして紹介したいのが、私の勤務地でもある「佐原」です。</p><p>佐原には「伊能忠敬」「小野川沿いの古い町並み」「佐原の大祭」という3つの特色があり、これを「三つの宝」と題して観光客の方々にご案内しています。それぞれ全く違った観点で楽しむことができるので、どんな趣味の方でも絶対に楽しむことができます。</p><p>”香取観光は佐原町並み交流館から” &nbsp;皆様のお越しをお待ちしております。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>香取市は、都心からのアクセスが良好で非常に住みやすい街です。成田空港からも近い位置にあり、現在進行中の拡張工事により、さらに地理的な注目度が高まっています。</p><p>近年、自然災害が頻繁に話題となっていますが、人口過密の都会はこれらの災害に対して<span style="color:rgb(23,43,77);">脆弱だといわれております</span>。個人的な見解ですが、香取市は都会すぎず田舎すぎない絶妙なポジションを確立しており、安心して生活できる場所と感じています。</p><p>皆さんも多角的な視点から現在の生活環境について考察し、ぜひ香取市への移住を検討していただければと思います。移住相談をお待ちしております。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第119回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、千葉県香取市の山﨑 優一さんです。

香取市

千葉県

千葉県香取市の地域おこし協力隊、趣味・特技：ゲーム・映画鑑賞・ダイエット



山﨑 優一

#119 香取市でスキルを活かす！自分の新たな可能性を求めて

<h3>「ヤングケアラー」だった少年期。朝夕の新聞配達をこなす、孤独な日々</h3><p>熊本県の山間部で生まれ育った田中さんは、両親ともに体が弱く、そのケアを一身に引き受ける「ヤングケアラー」だった。</p><p>父親は大正14年の生まれで、戦争に出征した世代。戦地で受けた外傷のため満足に働けないことが悔しいと嘆くことがあった。母親も戦時下の食糧難の中で栄養失調に苦しみ、戦後も健康を取り戻すことはなかった。</p><p>「戦争さえなければ……」</p><p>どこにも向けることのできない怒りを抱えたまま、孤独な少年時代を過ごした田中さん。中学生になると、満足に働くことのできない両親に代わり、朝夕2回の新聞配達の仕事を毎日のようにこなした。</p><p>「朝4時に起きて新聞を配り、学校が終わるとまた新聞を配る。友だちと遊ぶことなんてできませんでした。</p><p>中学時代は、本当につらかったですね。だって、中学の授業は、高校受験を大前提として進んでいくんです。『高校受験に向けた勉強が大事』などと言われても困ってしまいます。自分はそもそもお金がなくて、行くことすらできないんですから」</p><p>子ども一人では到底解決できない問題を抱えているのに、周囲に相談できる大人もいなければ、手を差し伸べようとしてくれる人も現れなかった。</p><p>「全てを自分一人で判断するしかありませんでした」</p><p>同級生より一年遅れて通信制高校に入学。アルバイトをしながら勉強し、ようやく卒業する頃には20歳を迎えようとしていた。</p><h3>人一倍の努力で得たパラリーガルの仕事。青梅市の市議会議員も経験</h3><p>卒業後も、安定した職に就くことは難しかった。親の入院先から急に呼び出しの連絡がくることもあり、アルバイトとして働き続けるしかなかったのだ。</p><p>「同級生がいろいろな選択肢を持って進路を切り拓いている姿が羨ましかった」と話す田中さん。</p><p>しかし、羨ましがってるだけでは道は開けない。「誰よりも努力して多様な経験をしてやろう」と気持ちを切り替え、20代後半で本格的に就職活動を始める。とはいえ、それは、前向きな気持ちの変化というより、「このままではいけない」という恐怖心に突き動かされての行動だったという。</p><p>それでもなお、待ち受けていたのは過酷な現実だった。どこに応募しても、学歴や職歴で判断され、相手にしてもらえない。ようやく、東京の法律事務所で、大卒者が多くを占めるパラリーガルの職を得たのは、就活を始めて3年後の29歳の時だった。</p><p>「その法律事務所で頑張って13年間働きました。周りはほとんどが法学部卒だったり、裕福な家庭の人たちで、こういう言い方は正しいのかわかりませんが、頭が良いんです。一方、こちらは本来、大学で時間をかけて学ぶようなことを学んでいないし、法律自体も頻繁に変わるので覚えることが多い。仕事が終わってから家で勉強する13年間でした」</p><p>最終的には、「それに持ちこたえられずに辞めた」と言うが、専門的な勉強に独学で時間を割きながら13年間も働き続けるということは、並大抵の努力ではできないことだっただろう。</p><p>田中さんが次に挑戦したのは、青梅市の市議会議員だった。法律事務所で自分と似た境遇のヤングケアラーが苦しんでいる少年事件や家事事件の記録を見るにつけ、「このまま黙って見ているだけでいいのか」という気持ちが強くなり、出馬を決めたのだという。ダメで元々の挑戦だったが見事に当選。2期8年にわたって市議会議員を務め、ヤングケアラーや困難を抱える子どもたちの支援に取り組んだ。</p><h3>都会に疲れ、目が向いた「田舎暮らし」。桜川市の協力隊に着任へ</h3><p>実は、田中さんがパラリーガルの職で東京という場所を選んだのは、「田舎から出て、都会で一旗あげたい」という密かな野心があったからだった。しかし、東京の人の多さやそこに渦巻く理不尽な出来事に疲弊することも少なくなく、田中さんの目は、再び、地方へと向くようになる。</p><p>市議会議員を8年間務め、「一旗あげることができた」と思えたことも、東京での活動に一区切りつける気持ちを後押しした。</p><p>「田舎に行こう」</p><p>だが、子どもの頃の記憶や苦労が染み付いた、しがらみの多い熊本に帰ろうという気持ちにはどうしてもなれなかった。そんな時、田中さんの趣味であるアニメやドラマの聖地巡礼で訪れた茨城県で、たまたま辿り着いた先が桜川市だった。</p><p><mark class="marker-yellow">「茨城の大洗など有名どころを周っているうちにすっかり疲れてしまって......その日の宿泊先が見つからず困っている時に声をかけてくれたのが、桜川市役所の方でした。『キャンプ場で良ければ、申し込みの時間は過ぎているけれど、泊まっていいですよ』と。そんな風に親切にしてくれたことが嬉しくて、桜川市に住みたいという気持ちになり、地域おこし協力隊に応募しました」</mark></p><p>協力隊の着任に先立ち、田中さんは自ら狩猟免許を取得した。観光地の駐車場がイノシシに掘り返されるなど、有害鳥獣による大きな被害に苦しんでいる桜川市の実情を知ったからだ。そんな田中さんは桜川市の「救世主」として大いに歓迎されたという。</p><p>しかし、任期中にコロナ禍に見舞われ、活動は大きく制限されることになった。3年間の任期を満了し、地域の人との関わりを深めることもできたものの、「やり遂げた」という達成感を得るまでには至らなかった。</p><h3>再チャレンジの舞台は福島県玉川村。協力隊を大切にする姿勢が決め手に</h3><p>そこで、再度挑戦したのが、福島県玉川村の地域おこし協力隊だった。</p><p>玉川村は福島県の中通りに位置し、空の玄関口である「福島空港」や陸の玄関口である「あぶくま高原道路」を有するなど、交通の便に恵まれている。福島空港は、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の舞台となった場所で、このドラマのファンである田中さんは、聖地巡礼として何度も福島空港を訪れていた。</p><p>そんな玉川村が地域おこし協力隊を募集していることを知り、「ここに行くしかない」と迷わず応募した。選考を受ける過程で、協力隊を大切にする村の姿勢を実感したことも、移住の大きな決め手になったという。</p><p><mark class="marker-yellow">「玉川村の協力隊は、村長や教育長が面接官を務めます。これまで、色々な自治体の面接を受けましたが、首長が自ら面接をする自治体は少ないと思います。応募者に敬意をもって接しているということですよね。こんなにも自分のことを大切に思ってくれる人たちがいる。そう感じることができたのは決定的でした」</mark></p><p>こうして、2023年2月に玉川村に移住し、「移住コーディネーター」として地域おこし協力隊の活動を開始。村の人が自分を温かく迎え入れてくれたように、玉川村を見学に訪れる人を大切に受け入れ、もてなしたいという気持ちで移住相談に応じている。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/1J4WDuQs1UJbaTU_LJvoB.webp"></figure><p><mark class="marker-yellow">「例えば、お試し住宅『たまかわくらし体験住宅』は、1泊1,000円／組でご利用いただけます。まずは、気軽に玉川村の生活を体験していただくと同時に、地域おこし協力隊に興味がある方に向けては、現在、16人ほどいる隊員がどんな活動をしているのかといったことについて、丁寧に時間をかけてご説明しています」</mark></p><p>すっかり地域に馴染み、玉川村の人になっている田中さん。現在は、2024年5⽉にオープンした、⽟川村の関係⼈⼝創出や移住者サポートなどを担う「たまかわくらしサポートセンター」の運営に携わっており、移住だけでなく、住まいや仕事、日常生活、コミュニティなどに関する幅広い情報提供や相談に対応している。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/bO4o_YZo7EgLFZi-IWKXl.webp"></figure><h2>県民リポーターとして村の魅力を発信</h2><p>メディアにも積極的に出演し、地域おこし協力隊の活動や玉川村の魅力を発信している。</p><p>さらに、自身がカメラマンとして撮影を務めることもあるという。これは、KFB福島放送が募集している「県民リポーター」としての活動で、県民リポーターが撮影した動画を投稿すると、番組で取り上げられる仕組みだ。</p><p>「玉川村の人は奥ゆかしい人が多いので、『自分で撮影したりテレビ局の人と交渉したりはできないから、私たちががんばっているイベントの様子を撮影してほしい！』といった依頼を受けることがよくあります。放送を見た人から『田中さんの村の紹介に愛を感じた』と言われた時は、嬉しかったですね」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/ucZ6CG1TT5Y1cVk0NW4MM.webp"></figure><p>本記事に向けても、玉川村の魅力を紹介していただいた。</p><p>まず、夏場におすすめなのが「東野の清流」。標高500m以上の高地に位置する清涼スポットで、田中さんはここに行き、好きな漫画を読みながら過ごす時間が幸せなのだという。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/SYZAO1jWx54w-owrJFeHE.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/FVdLdNGx8iLaGb9HKb98x.webp"></figure><p>また、秋口には玉川村が生産量日本一を誇る「さるなし」の摘み取り体験も楽しめる。「さるなし」はキウイフルーツの原種で「コクワ」とも呼ばれる。収穫期には、県外からも多くの人が訪れ、特に子どもたちに大人気だという。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/9TSR7RaXzRNvoTr4fmgfE.webp"></figure><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/odcGywXGrt3gxPNU6ItKf.webp"></figure><p>「このさるなしの摘み取り体験ができるということは、山から下りてくるイノシシなどの有害鳥獣による被害が少ないということでもあります。これも、玉川村の地域的な特徴のひとつです」</p><p>狩猟免許を持つハンターとして、有害鳥獣の問題は、「田舎暮らし」を考える上で避けて通れない問題だと田中さんは続けて強調する。</p><p><mark class="marker-yellow">「命に関わることですから。特に家庭菜園をやりたい人は、移住候補地の獣害の実態を詳しく調べてから決断してください。被害の大きい地域では、金属製の囲いを立てるなどしても荒らされてしまうことがあります。実際、こんなはずじゃなかったと心が折れて都会に戻っていく人もいます。田舎で暮らす上で、知っておくべき実情といえるでしょう」</mark></p><h3>着ぐるみを着て、子どもたちと触れ合う。あの頃とは違う「朝から晩まで楽しくて仕方ない」毎日</h3><p>青梅市で市議会議員をしていたときは、小学校などに「ご来賓」として呼ばれ、子どもたちとの距離は遠かった。地域おこし協力隊になってからは、その距離がぐっと縮まった。</p><p>それには、田中さんが考えたオリジナルの着ぐるみ「ミッケ」の存在も大きい。桜川市で協力隊をしていた頃につくったものだが、それ以前から、着ぐるみに対しては特別な想いを持っていたという。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/jTG6E1Oy_RjxpMZymKELO.webp"></figure><p>「僕は、絶望の中にいた10代の頃、着ぐるみを着るアルバイトをしていたことがあるんです。着ぐるみを見つけると、子どもたちは一目散に駆け寄ってきますが、中には途中で転んでしまう子どももいます。そんな子も、膝から血を流しながらそれでも涙をこらえて、着ぐるみのもとまでやってくるんです。『この可愛い動物と一緒に遊びたい』『泣いたりしたらカッコ悪い』と思うのかもしれません。そんな姿が非常にいじらしく、着ぐるみというのは子どもたちに大きな勇気を与えているのだと思うようになりました」</p><p>玉川村のイベントの際も、田中さんはなるべくミッケの着ぐるみを着て登場し、子どもたちとの触れ合いを大切にしている。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/DQZILFnZA_L0Q3xSq5lj6.webp"></figure><p>「真夏の暑さの中でも、ほんのわずかな時間でも、着るようにしています。ミッケが登場すると、すぐに子どもたちや親御さんまで集まってきて、写真撮影が始まります。そうなると、もう動けないです（笑）。30分くらい同じポーズで立っていたこともあります」</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2024/07/31/IurpajjORaaiP5rDRE0hG/NRS9LHw6xMM-Kz86vA_Ar.webp"></figure><p>玉川村で地域おこし協力隊として働き始めて2年目。「朝から晩まで楽しくて仕方がない」と田中さんは頬を緩める。</p><p>「こんな仕事、他にないんじゃないでしょうか。みんな好意的に見てくれるし、励ましの言葉をかけてくれます。だから、辛いことがあっても、いや、あまりないですけど、すぐに元気になれるんです」</p><p>辛いことはあまりない―――。</p><p>そんな言葉の遠景に、朝夕の新聞配達に走り回るまだあどけない少年の姿を想像してみる。あるいは、着ぐるみに身を包んでアルバイトをしていた孤独な青年の姿を。彼らが今の田中さんを見たら、どんなふうに感じるのだろう。</p><p><mark class="marker-yellow">「自分には選択肢がありませんでした。あの頃、何より必要だったのは相談できる大人の存在です。ヤングケアラーや貧困、虐待などで、同じように苦しんでいる子どもたちはたくさんいます。自分はそんな子どもたちが安心して相談できる存在でありたい。そして、悲観しないでほしいと伝えたいです。</mark></p><p><mark class="marker-yellow">選択肢がなくても、こんなにいろいろなことを体験できたよ、と」</mark></p>

“ワープシティ地方移住体験談”では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けしています。

第81回目の先輩移住者は、福島県玉川村で地域おこし協力隊として活動する田中瑞穂（たなか・みずほ）さんです。

法律事務所でのパラリーガル、40代でチャレンジした市議会議員、茨城県桜川市での地域おこし協力隊……という異色の経歴を経て、2023年2月に玉川村に移住しました。

そんな田中さんの活動の中心にいつもあるのは、困難な時代を生きる子どもたちへの温かなまなざしです。そこには、ヤングケアラーだった田中さん自身の青少年期の生い立ちが深く関係していました。

玉川村で二度目の地域おこし協力隊にチャレンジするまでの道のりや、現在の活動に対する想いを伺いました。

玉川村

出身地：、前住所：、現住所：、職業：福島県玉川村の地域おこし協力隊

#移住相談

#移住相談の移住体験談一覧：8件

#149 探せば探すほど諫早市魅力発見！活動を通じて広がる応援の輪

#147 「村の健康を支える存在に」柔道整復師が目指す村おこしのカタチ

#143 移住定住相談から移住者支援へ。故郷に戻り、地域の未来を支える

#4 空き家暮らしの醍醐味！御浜町の人とのつながりや新しいスキルを得られる喜びを日々実感

#140 田村市の温かな人々とともに築く未来。自給自足型のシェアハウスを作りたい！

#137 北海道鹿部町での暮らしが教えてくれた、本当の豊かさ

#119 香取市でスキルを活かす！自分の新たな可能性を求めて

玉川村で2度目の協力隊に。過去の絶望を乗り越え手にした世界

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