移住者プロフィール
大森圭悟さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
長野県松川村の地域おこし協力隊、趣味・特技:登山・カメラ
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
私は柔道整復師としてリハビリの仕事をしていく中で、地域に根ざした接骨院を開業したいと思っていました。しかし、知らない土地で突然開業しても、「人とのつながりがなければ成功は難しい」と感じていました。
地域に根ざした接骨院を開くには、どのようなステップが必要なのかを考えていたとき、「地域おこし協力隊」という制度を知りました。協力隊として地域の方々と関わりを持ち、信頼関係を築きながら自分を知ってもらうことができれば、将来的に接骨院を開業した際も地域の一員として親しまれる存在になれるのではと考えたのです。人と人をつなぎ、住民の皆さんが気軽に相談できるような関係性を築きたいという想いから、協力隊に応募しました。
また、協力隊として地域づくりに携わり、地域社会の成り立ちや課題を学ぶことは、任期後の自分の生業づくりにも必ず役立つと思っています。松川村の皆さんがいつまでも元気で暮らせるよう、健康寿命を延ばす活動にも積極的に取り組み、地域の健康づくりを支える存在でありたいと思っています。
長野県松川村を選んだ理由について教えて下さい。
登山とスノーボードが趣味で、長野県には以前からよく訪れていました。豊かな自然とアウトドアアクティビティへのアクセスの良さに魅力を感じ、いつかはこの地に移住したいと考えていたのです。
あるとき、大糸線に乗って車窓から北アルプスの雄大な山々や広がる田園風景を目にし、深く感動しました。その時の印象が心に残り、駅名をメモしていたこともあり、後日、有楽町の交通会館にある移住相談窓口を訪れてみることにしました。そこで偶然、松川村の移住・定住促進に関わる協力隊の方と出会い、さらに具体的に移住を考えるきっかけとなりました。
2月の寒さが厳しい時期にお試し移住をし、実際に松川村の皆さんと交流する中で、この地での生活がリアルにイメージできたことが決め手となり、移住を決意しました。
松川村は、スーパーなど日常に必要な施設が揃っており、生活に不便さを感じない「ちょうどいい村」です。電車の駅が3つあり、大きな道路も3本通っているため、松本まで40分程度でアクセスできる利便性も備えており、ベッドタウンとしても魅力的です。
また、長野県北部に位置しながらも雪はあまり降らず、毎朝の雪かきに追われることがないので、冬場の負担が少ないのも嬉しいポイントです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
現在、ボランティアコーディネーターとして松川村役場の福祉課から社会福祉協議会に出向し、勤務しています。勤務を始めてからは、地域の方々とのつながりを築くことを目標に、村内のさまざまなコミュニティに積極的に顔を出し、多くの住民の方と関わるようにしています。
具体的な業務としては、社会福祉協議会の事業を企画・同行し、地域の皆さんと交流を深める活動を行っています。また、村内の自治会館で住民の方が自発的に行っている活動に参加し、その様子をSNSで発信することで、地域の活動をより広く知っていただくよう努めています。
村外では、大北地域で地域づくりに携わっている方々とのワークショップに参加し、地域間の交流も進めています。また、公民館ではポールウォーキングの教室を開催し、健康づくりをサポートする場を提供しています。
今後は、社会福祉協議会の利用者やボランティアの皆さん、そして観光協会主催のイベントでの活動機会も検討し、さらに地域の多様な方々とつながれるような取り組みを進めていきたいと考えています。
地域おこし協力隊のやりがいはなんですか?
活動を通じて徐々に「顔を覚えてもらえている」と実感できる時に、やりがいを感じます。最近では買い物に出かけると知り合いに声を掛けられることが増え、地域の一員として受け入れられていることがとても嬉しいです。
また、活動で関わりのあった方から「顔を見ると元気が出る」と声をかけていただけると、少しでもお力になれているのかなと感じ、励みになります。松川村では「協力隊」という肩書きがあるおかげで、さまざまな場所に顔を出しやすく、活動の幅も広がっています。
今後も引き続き顔を覚えてもらえるよう努めながら、住民の皆さんにとってより良い地域づくりを模索していきたいと思っています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
想定外だったことは特にありません。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
卒隊後は柔道整復師として接骨院を開業し、リハビリテーションの提供を通じて地域住民の健康を支えたいと考えています。住民のニーズに応じて、訪問整体も取り入れ、より多くの方に利用していただけるような体制を目指します。また、ケアマネジャーの資格も取得し、社会福祉協議会で機能訓練や居宅介護支援のサービスも提供できるようになりたいと考えています。
さらに、ポールウォーキングや体操教室を開き、地域の介護予防に貢献する取り組みを進めていきたいと考えています。こうした活動を通じて、住民の方々が健康的で安心して暮らせる環境づくりに尽力したいです。
また、「村の保健室」のような気軽に体の悩みを話せる場所も作れたらと考えています。そこから接骨院での施術や体操教室、さらには介護保険サービスなどへとつながる、包括的な支援ができる場にしていければと思っています。
長野県松川村の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
松川村で多くの方々と触れ合ってみると、男性は少しシャイな一方、女性は活発で生き生きとした方が多い印象を受けます。
道端で畑作業をしている男性に「畑が素晴らしいですね」と声をかけると、「いや、たいしたことはないよ」と謙遜しながらも、野菜のことを尋ねると「俺のやり方だけどね」と丁寧に教えてくださる方が多いです。時には一緒にネギを植えたり、雑草取り用の鎌を分けてくださったり、お宅を訪ねると野菜を袋いっぱいに詰めてくださったりと、温かい交流をさせていただいています。
女性の方々は、公民館や自治会館、地域のイベントやボランティアなど、村内のさまざまな活動に積極的に参加されている方が多く、いつも明るく元気です。集まりのたびに誰かが漬物を持ち寄り、お茶を飲みながら談笑する和やかな光景が広がっています。
また、運動は公民館など室内でできる体操が主流で、あまり外で体を動かすことはないようですが、皆さん無理なく楽しみながら健康づくりに取り組んでいます。
長野県松川村の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
美味しい水と澄んだ空気に育まれた松川村の作物はどれも格別で、特にお米は絶品です。「松川村は米どころ」といわれる理由がよくわかります。5月頃には田んぼに水が張られ、水鏡に映る山々が本当に美しく、心が洗われるようです。
また、都市部にいた頃と比べて空を見上げることが増えたと感じています。山に囲まれた環境のせいか、天気が変わる時には風向きや風の温度、雲の動きがはっきりと感じられ、自然の変化がとても面白いです。
今の時期は気温が下がり、朝もやに包まれた山並みに朝焼けが差し込む光景は、幻想的で目を奪われる美しさです。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
私が移住を検討する際にまず行ったのは、「移住を通じて自分が叶えたいこと」を整理することでした。自分の理想を実現できる場所をいくつか候補に挙げ、その上で有楽町の交通会館を訪れ、パンフレットや相談員の方から情報を集めました。
また、移住先を決める前に実際に現地を訪れることが重要だと思います。私の場合、特に「寒さ」に不安があったため、最も寒い時期にお試し移住を行い、現地の気候や生活のしやすさを確認しました。
例えば、地域の方々の暮らしぶりを知りたい場合、暖かい季節に公民館で開かれるイベントに参加してみると、その土地の雰囲気を肌で感じられるでしょう。また、金銭面に不安がある場合には、現在の生活費や最低限必要な費用を洗い出し、実際にかかるコストを明確にすることで、移住後の生活がより現実的にイメージできると思います。
移住は大きな決断です。最初の一歩には勇気が必要ですが、しっかりと情報を集め、自信をもって叶えたい未来に向かっていきましょう。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2