移住者プロフィール
平井 健一さん
移住時期
2020年
利用した支援制度
萩市移住創業チャレンジ支援事業
出身地:東京都江東区、前住所:神奈川県鎌倉市、現住所:神奈川県萩市、職業:ケンボー不動産 代表
目次
INDEX
Iターン前について教えていただけますか?
平井健一さん(以下、平井):東京都で生まれ育ち、仕事に就き、 最初の転機は35歳。思い切って鎌倉市に移り住みました。東京都では、趣味だったサーフィンの仲間たちと「いつかは海の近くに住みたいよね」なんて話していたんです。
でも、気がついたら数年が経っていました。「このまま、理想を語り合いながら、何も実現せずに定年になるのだろうか。それなら、1度きりの人生、今からやりたいことやろう」と思い立ち、移住したのです。 それから、鎌倉市で10年ぐらい暮らしました。
不動産関係の職に就いたのも、鎌倉市に移住してからです。「古い家を買い取り、リノベーションして住み継いでもらう」というコンセプトの企業で働いていました。そのノウハウは、現在にも活かされています。
Iターンされるまでの経緯を教えてください
平井:萩市に移住したきっかけは、元妻の実家があったことです。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、鎌倉市への移住者がさらに増え、元々競争の激しかった鎌倉市の不動産業界は、どんどん高級志向になっていきました。
これまでは、自分と同じようなライフスタイルを求める方に物件を紹介できていましたが、徐々に、自分とはかけ離れた価値観の方がお客様になり始め、気持ちの入った提案をすることが難しくなったことで、限界を感じるようになりました。
それなら、多少のリスクをとってでも、豊かな暮らしと将来のチャンスを掴める地方でチャレンジしようと思い、結婚のタイミングで萩市へ移住することを決めました。
萩に来て始めたお仕事について、教えてください
平井:移住する前から、萩市で不動産関係の仕事をすることは決めていましたが、いきなり移住者がやってきて不動産を扱っても馴染めないだろうと思いました。そこで、初めはもう少し身近でハードルの低い、空き家管理サービス業からスタートしました。
事前に萩市の空き家件数を調査したり、ある程度のマーケティングをしてから移住しましたが、現実は計画通りにはいかないもので、現在は、中古物件を扱う不動産サイトの運営にも業務を広げています。
移住する時に利用したサポートや制度はありますか?
平井:萩市移住創業チャレンジ支援事業を利用しました。また、最初のオフィスは「萩市インキュベーションセンター」内のシェアオフィスを利用しました。
萩市インキュベーションセンターでは、創業から2年未満の事業者への支援として、安価な料金でシェアオフィスの貸出を行っているんです。
萩市に住んだ印象を教えてください
平井:住みやすい街だなと思っています。ご飯もお酒も美味しいし、海が近いのも、サーフィン好きとしてはありがたいですね。 今の家は、空き家バンクで探しましたが、かなり古い建物です。
仕事柄、鎌倉市の時はもっと古い物件も見てきましたし、再生され生まれ変わる姿も知っています。実際、庭も広く贅沢な環境で、僕としては全く問題ないです。ちょこちょこ自分で修理しながら、快適に生活しています。
移住を考えている方へアドバイスをお願いします
平井:移住して、起業などチャレンジしようと思っている方も多いと思いますが、「これ一本に集中して頑張る!」というふうに片意地を張らず、並行して別の仕事とダブルワークするのもアリだと思います。 僕自身、本業の他にパートで旅館のフロント業もしています。
移住していきなり起業するとなると、経済的にも不安があります。「新しいことをやってみよう!」という熱意のある人ほど、そういう、リスクヘッジすることをお勧めします。
それに、都心で働いてきた方の持つスキルって、地方の企業ですごく役に立つと思うのです。地方の企業や行政は、移住者が持つスキルをピンポイントで活かせるような分業の仕方を提案できると良いですね。
今後の目標をお聞かせいただけますか?
平井:もちろん、仕事を成功させることがいちばんです! そして、萩の魅力を知る人を増やしたいと思っています。 実は、萩市と鎌倉市って姉妹都市なんです。
これまで、萩市と鎌倉市のそれぞれの知人友人へのインタビューを行い、ウェブサイトやSNSで発信したり、「#いつもココロにスマイルを」というテーマで、萩焼作家さんを呼んでのイベントや、萩市と鎌倉市から工芸作家さんや個人の飲食店を集めた交流イベントを開催してきましたが、コロナの影響もあり、大々的に発信することができませんでした。
今後は、せっかく両都市を知っているので、萩と鎌倉の交流にも一役買いたいと思っています。