移住者プロフィール
猿渡 勇介さん
出身地:佐賀県川副町、前住所:福岡県、現住所:長崎県壱岐市芦辺町、職業:たこ焼職人
目次
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壱岐(いき)に移住する前は、どちらにいましたか?
猿渡勇介さん(以下、猿渡):壱岐に来る前は、福岡県にいました。“飲食業で働きたい”と考えていたので、大学卒業してから、15,6年ほど、バーテンダーや鉄板料理の料理人として仕事をしてました。もともと出身は、佐賀県の川副(かわそえ)町という漁師町なんですが、気の荒い人ばかりなんです。
なので、そこで生まれ育ってしまったら、もう漁師になるか、農家になるか、それくらいしか選択肢が無くて。可能性を広げたくて、福岡に出ました。
壱岐に来たきっかけは?
猿渡:高校卒業して、初めてのバイト先の店長(以下、グウさん)との出会いがきっかけになりましたね。大学にも通わず遊び歩いていたんですが、バイトだけは真剣にやっていました。毎日時間になると、グウさんの家まで車で迎えに行って、最初は「店長」というイメージが強かったので、ちょっととっつきにくくて、何を話せばいいのかもわかりませんでした。
でも、そのうちに、なんだかすごく仲良くなって。グウさんが壱岐にUターンしてから、僕は福岡の大名というところで一人でbarを経営していたのですが、競合も多くて、ツテも無い状態で開業して、あまりうまくいってなかったんです。
そんな時、偶然、グウさんと連絡をとる機会があって、お店に遊びに来てくれたんですよ。その時に『うまくいってないんだったら、一緒に壱岐で働かんか?』って誘ってくれて。もともとグウさんは兄貴分だったので、それも悪くないかなと思って、店を畳んで壱岐に来ました。
福岡での暮らしとのギャップに驚いたことはありましたか?
猿渡:結構みんな好奇心旺盛というか、島内ならではなのかもしれないですけど、「人」に興味を持っている人が多いですね。福岡の人は、お隣さんのこともわからないくらい、結構無関心だったので、ギャップに驚きましたね。
なんせ、壱岐の人だと10km先に住んでる人のこともわかるので。良くも悪くも、「人」が好きで、「人」に興味のある人が多いということは、すごく感じていますね。あとは、“横のつながり“はもちろんのこと、先輩・後輩などの“縦のつながり”も、皆さん大事にされていますね。言ってしまえば、縦・横、そして「斜め」までつながりがすごい。
この島には、もはや、「他人」なんて存在しないんじゃないかなと、思うほどです。悪いこともできないですよ(笑)。正直、僕は酒癖が悪い方なので、壱岐に来てからは、あまりお酒を飲まないようにしてるぐらいですから。
地域に馴染むまでに、どんな出会いがありましたか?
猿渡:実は、住む前に一度、壱岐を見てみようと、移住する1ヶ月前くらいに壱岐に来たんです。グウさんが経営する『洋食と珈琲の店 トロル』を見せてもらったんですが、その時に遭遇した“第一島民”が、壱岐FMのDJ「ボブ斎藤さん」だったんです。
その時の印象は、「ファンキーな御仁(おかた)だな」でしたね。そこで意気投合したことがきっかけとなり、当時休止中だった、壱岐FMの名物番組『グーフィーのスクラップソウル』の第3期を、“グウさん” “ボブさん” “僕”の3人でやることになったんです。
今も、月に2〜4回ほど更新し、ごく一部のリスナーさんに好評を博しつつ、放送されておりますので、ご興味のある方は、是非一度、聴いてみてください。
猿渡さんにとって、壱岐はどんな場所ですか?
猿渡:正直、壱岐を選んだのも、特別思い入れがあったというわけではなかったんですが、ただ、気がつけばもう3年いるんです。だから、僕にとっての壱岐は、時間を忘れて毎日を過ごせる「竜宮城」のような場所だと思いますね。
1日1日がするんと終ってしまうような感じで、まさに“浦島太郎状態”で毎日を過ごしています(笑)。会う人会う人、初対面の人にでも、フレンドリーに接する。そんな「人」の温かさの中で暮らすのは、とても居心地がいいですね。