移住者プロフィール
会田 喜文さん
移住時期
2021年8月
出身地:埼玉県、前住所:カナダ、栃木県、現住所:山形県尾花沢市、職業:帽子専門店『LADE clothing ltd』代表
目次
INDEX
起業した経緯を教えてください
会田喜文さん(以下、会田):スノーボードにどっぷりハマっていた18歳の頃、私は会社員でしたが、好きが高じてカナダに移住し、その頃に帽子を作り始めました。ルームメイトに編み物を教えてもらい、あとは全て独学。
そして、最初の起業をカナダでスタートしたのが、27歳の頃です。母が洋服屋をしていたことがあって、小さな頃からミシンで色んなものを作ってる環境にあったんです。
だから、何でも縫える、何でも作れるという感覚は、自然にあったんですよね。あとは、雪山で被るのに、“いかに暖かくて、蒸れなくて、ゴーグルも曇らない帽子を作れるか”ということを模索しながら創り続け、今に至ります。
尾花沢では初めての帽子専門店だそうですね。店名の『LADE STORE』の由来は?
会田:もともと、“英語でも日本語でも意味のある名前”をつけたいと考えていたんです。その中で見つけた『LADE』は、日本語でいう0℃の『零度』なんです。
水が氷になる温度で、固体と液体の中間点の零度。英語では、“手で水をすくう”という意味を持つ『LADE』に惹かれて決めました。
尾花沢市に移住を決めた経緯を教えてください
会田:これまで、「山に住みたい」という思いを持ちながら、理想とする居住場所をずっと探してきました。スキー場が近くにあって、とにかく雪がいっぱい降る所に引っ越したいと思っていたんです。
子ども達もスノーボードやスキーが大好きなので、家から歩いてスキー場に行ける場所が東北にないかな、と。そうしたら、山形県内で凄いところが見つかって、興奮して引越してきました。
尾花沢に来る前にも雪が降る所に住んでいて、雪には慣れていたつもりでしたが、尾花沢は『別格』。もうずっと雪が降っているなっていう(笑)。
もちろん、雪掻きとか大変な部分もあるんですけど、何より雪質がすごく良くて、常にパウダースノーなので、本当にすごい場所だと思っています。買い物は不便であっても、スーパーが近いより、スキー場近い方が大事です!
環境が変わることに、不安はありませんでしたか?
会田:子ども達の生活が一番心配でしたね。子ども達4人、それぞれ学校に友達がいて、引越し前は友達と別れるのがネックだったんですが、引っ越したからといって友達じゃなくなるわけではなく、さらに新しい友達が増えるんだよ、と、前向きになっていきました。
それと、去年滑りにきた時にものすごい雪の壁を見て、子ども達が『ここに住みたい!』と、言ってくれたことで、心配事が吹き飛びましたね。
ゲレンデの近くは積雪2メートルを優に超すそうですが、4人のお子さんたちの反応は?
会田:ナイターで滑れるので、学校から帰宅後、うちの子達は『皆勤賞』で毎日滑りに行っています。なんせ雪が毎日降るので、常にパウダースノー。
誰かが滑ってラインがついても一晩で消えて、また誰も触っていない斜面を滑れる。それが、毎日毎日続くという“夢のような場所”なんです。
コンパクトでスキー場の山の地形が面白い。斜度に変化があって、山の斜面も色々なものがあって、そんなところに雪がどっさり降る。
こんなに魅力的な場所だということを、皆さんまだ気づいていないので、それを独占して、毎日子ども達は滑れる。すごく良いところですよ。
お子さんたちと接する上で、大切にしていることは?
会田:子どもが生まれてから思うのは、ああしろ、こうしろと言っても全然ダメだってこと。子どもって真似をするのが凄く得意ですよね。
例えば雪遊びにしても、ただ単に遊んでる姿を見せているだけで、上手に真似をして、いつの間にか雪遊びを好きになってくれている。
なので、『お父さんだけ滑りに行くなんてズルい!』なんて言ってくれれば、こっちのもんかなって(笑)。
2月に5番目のお子さんが誕生したそうですね。子育てに大変さは感じていますか?
会田:奥さんは感じていると思います(笑)。僕は、滑って、帽子を作って、また滑って、なので。奥さんには負担かけているだろうな、と感じています。
これから尾花沢で挑戦したいことはありますか?
会田:スキー場のポテンシャルがものすごく高いこの尾花沢に、色んな人がここを目指して来てくれる場所になってくれれば、と、思っています。
ゲレンデサイドに住んでいて、雪の状況を一番よく見ているので、スキー場と協力して、遊び方も提案していきたいですね。
子供達がずっと好きなことに没頭していっても、出口がある地域にしたい。私がここで充実して生きているように、尾花沢の子ども達も、好きなことをしながらこの場所に住んで、最高に楽しい『ライフスタイル』を築いてほしい。
その手助けをすることができたらな、と、思っています。