サーフィンに導かれ辿り着いた一宮町で、海の見えるサロンを開業!

独自取材!

千葉県一宮町

サーフィンに導かれ辿り着いた一宮町で、海の見えるサロンを開業!

移住者プロフィール

洋子

前住所:東京都、現住所:千葉県いすみ市、職業:Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)オーナー

前住所:東京都、現住所:千葉県いすみ市、職業:Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)オーナー

住む場所が変わると生き方も変わる。 環境が変わると自身も変化し、人生までもが変わっていくーー。 都会の喧騒を離れて、地方で“自分らしい生き方“に憧れを抱く人は少なくないだろう。 しかし、いざ真剣に移住を考えると、移住に大きな期待を持つ反面、不安も計り知れない。 現実的に自分の思い描く理想の暮らしが実現できるのかーーー。 “ワープシティ地方移住体験談“では、地方移住を検討している方に向けて、先輩移住者から移住に至った経緯や体験談、移住先の仕事内容や生活などの生の声をお届けする。 第11回目の先輩移住者は、東京都からサーフィン移住し、千葉県長生(ちょうせい)郡一宮町(いちのみやまち)に、プライベートサロン「Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)」を開業した、平 洋子さん。 人生の転換期に出会った“サーフィン”がきっかけとなり、導かれるようにたどり着いたという、一宮町。 移住後、彼女を開業に突き動かした想いとはー。一宮町での暮らしと共に、詳しくお話を伺った。

サーファーと生きる町・一宮町

千葉県東部の九十九里浜最南端に位置する、人口約1万2千人超の小さな町、千葉県一宮町ー。2020年東京五輪のサーフィン会場にも選出された「釣ヶ崎(つりがさき)海岸」を擁し、“世界最高レベル”とも評される波を求め、年間60万人ものサーファーが訪れる、“サーファーの聖地”として親しまれてきた。

そんなサーファーたちの数多のドラマを一望できる場所に、2022年1月、新しいお店が誕生した。「新たなことへのチャレンジに、年齢は関係ありません。何かを始めるのに遅すぎることはないと思います」そう語る彼女こそ、東京都からサーフィン移住し、千葉県一宮町に『サーフィン×美』をコンセプトに掲げたプライベートサロン、「Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)」(以下、Luana)を開業した、平 洋子さんだ。

白を基調とした看板が印象的な「Luana beauty salon」の店頭ディスプレイ。

白を基調とした看板が印象的な「Luana beauty salon」の店頭ディスプレイ。ご自身で拾った流木をリメイクして作ったオーナメントなど、おしゃれなインテリアがお出迎え。一歩足を踏み入れれば、そこには非日常の空間が広がる。

サーフィンとの出会い

元々海が大好きだったという平さんは、サーフィンへの憧れを長年抱き続けていたものの、初心者が一人で始めるにはハードルが高いスポーツであることから、二の足を踏んでいた時期もあったのだとか。

そんな折、サメに片腕を奪われた天才サーファーの実話を映画化した、『ソウルサーファー』に出会い、トラウマと対峙しながら再起していく彼女の姿に感銘を受け、「岸から海を眺めているだけでは何も始まらない」と、サーフィンの世界に足を踏み入れることを決意。この決断こそが、平さんの人生を大きく変え、のちに“この地”に導くこととなる。

当時、結婚生活に終止符を打つという大きな決断を迫られており、“人生の岐路”に立たされていたという平さん。シングルマザーとして、2人の息子を育て上げることへの不安感が大きな重圧となり、長らく心に暗い影を落としていたのだとか。そんな時でも、海に赴き、波と戯れるだけで、不思議なほど心は軽くなったという。

そんな心とは裏腹に、サーフィンの難しさは想像以上のものであった。

「はじめのうちは、波に飲まれてけちょんけちょんにされます(笑)。波に飲まれた時の衝撃も想像以上でしたし、最初は沖に出るどころか、波に乗ることすらできませんでした。そんな時、友達に『スクールに入ったらいいよ』とアドバイスをもらい、偶然通うことになったスクールが千葉にあったんです」

 

大きな決断

こうして繋がれた平さんと千葉県の「縁」。訪れる回数が重なるほどに、千葉県の魅力は色濃く映り、サーフィンへの想いも強くなっていった。

その後、2人のご子息と共に、新天地で人生のリスタートを切ることを決意するのだが、大きな決断を前に、迷いや不安はなかったのだろうか。その背景には、彼女の原体験から培われた、環境の変化への“適応力”が大きく関係していたという。

「父親の仕事の関係で、国内外問わず転居を重ね、計8回もの転校を経験してきました。なので、環境を変えることへの抵抗感は不思議となかったですね。家賃も物価も高い都内での暮らしを続けるには、私一人の力では、生計を立てるだけで精一杯だったでしょう。車を手放すことになれば、自ずと“サーフィンを諦める”ことになる。生活のために色々なことを諦めるよりも、『千葉県に引っ越して、“暮らし”と“サーフィン”、どちらも楽しみながら生活した方がいいのでは』と考え、移住を決断しました」

 

人気の秘訣は、利便性と豊かな自然環境の“バランスの良さ”

都心からわずか60-70キロ圏内にありながら、絶好の波が打ち寄せる海、季節の移ろいを身近に感じられる里山、のどかな田園風景を擁する一宮町は、“東京近郊の屈指のリゾート地”として、かねてより多くの観光客を集めてきた。

そんな一宮町は、2009年より、“サーフタウン”としての地の利を活かしたPRを開始しており、“サーフィンを楽しむ”ことを目的とした移住者を多く迎え入れている。

「2020年東京五輪」のサーフィン競技会場に選出された2015年以降、町への関心は更に高まりを見せ、その勢いを決定づけたのが、コロナ禍における「リモートワークの定着」。これまで「仕事」がネックとなり、移住を実現できずにいた人々の背中を押す形となったのだ。

2021年9月に発表された都道府県地価調査において、主要都市の地価が軒並み下落する中、一宮町は千葉県内でもトップの上昇率8.1%を記録。前年比2倍以上の移住相談が持ちかけられたという隣接都市いすみ市と共に、“海辺のリモートライフ”を実現できる移住先として、注目を集めている地域だ。

一宮町の玄関口である、上総一ノ宮(かずさいちのみや)駅は、外房線快速電車の始発駅にあり、東京までおよそ1時間半でアクセスが可能。思い思いの時間を過ごしながら、ゆったりと座って通勤(学)できることは、「住みやすさ」の大切な要素の一つとなるだろう。この“程よい距離感”が、「移住」のみならず「二拠点生活」のニーズにも合致し、サーファー愛好家を中心に一宮町への移住を加速させている。

 

「サーファーさんの想いを叶えるサロン」をオープン!

モチベーションを維持する上で必要不可欠となる「心身の健康維持」のため、サロンという空間に身を置くことを、長年の日課としてきたという平さん。

開業前は、日に幾度も海に入り、“サーフィンのある暮らし”を存分に満喫していたというのだから、スキンケアの重要性が格段に上がったであろうことは、容易に想像がつく。

しかし、メラニン色素に反応してしまう従来の方法を採用しているサロンでは、日焼けした黒い肌への施術は断られることも珍しくないのだそう。

移住後、自身のニーズにマッチするサロンとの出会いが叶わなかった平さん自身も、都内まで足を運び、メンテナンスに励んでいたのだとか。「育児」と「仕事」の“二足のわらじ”を履く平さんにとって、時間もお金もかさむ環境でのエステ通いは非常にハードルが高く、頭を悩ませる問題であった。それは、周囲の人々にとっても同じだったという。

「いつか自分の力で何かを成し遂げたい」という想いを抱き、自身の夢を模索してきたという彼女を開業に突き動かしたものは、自身もサーファーだからこそ抱く、ある“想い”からだったという。

「私もその一人ですが、『“サーフィンを楽しむこと”と、“綺麗でいること”、どちらも諦めたくない!』と願っている人は、とても多いと思います。エステ業界に従事した経験もありますし、サーファーさんの想いをどちらも叶えることができるサロンが近くにないなら、私がやっちゃうか!と(笑)」

目指すべき“道”と、出会えているであろう“未来の自分”を思い描き、目標達成に向けひた走ることができる環境作りへの“投資”をするため、長い時間をかけて貯蓄に励んできた。

その想いは奏功し、「何か」は「夢」に変化を遂げた。「思い立ったら即行動」がポリシーであるという彼女は、程なくしてスクールに通い始め、猛勉強に励む傍ら、店舗の物件探しにも奔走。物件探しには想像以上に月日を要したというが、“自己研鑽に励む時間を授かった”と、ポジティブに捉え、モチベーションを切らすことなく、夢の実現に漕ぎ着けた。

過去の自分からのエールのバトンを受取り、2022年1月、「Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)」は産声をあげた。サロンからは九十九里浜が一望でき、プライベートビーチ感さながらの贅沢な空間で広がる。波音に包まれながら、心身を癒す至福のひとときを過ごすことができそうだ。

サロンの目の前に広がる青い海

窓の外には開放的なオーシャンビューが広がる。

「平さんに会いに行きたくなる」そんなシンプルな表現がしっくりくるサロン

オープン後、開業を応援し続けてくれた地域の人々を介し、平さんと同じ想いを抱いていたサーファーたちがお店を訪れるなど、幸先のいいスタートを切ったという「Luana」。現在は、プロサーファーなども顧客に名を連ねるようになり、SNSや口コミを介して、じわじわと人気が上がってきている。

紫外線のダメージを受け続けるサーファーたちの肌ケアにも一役かっている肌再生フェイシャルも人気メニューのひとつだ。ターンオーバーを促し、紫外線からのダメージを軽減、紫外線にも負けない美肌作りを目指すことができる。

Luanaでは、従来のメラニン色素に反応する脱毛方法ではなく、毛の生成の司令塔である「バジル領域」に直接アプローチしていく、SHR(スーパーヘアリムーバル法)を採用しており、従来では難しいとされてきた「日焼け肌」にも施術が可能。

窓の外には開放的なオーシャンビューが広がり、波音をBGMに“心身をほぐす至福のひととき”を過ごすことができるが、「Luana」の魅力はそれだけにとどまらない。太陽のような“力強さ”と木漏れ日のような“柔らかさ”の両極の融合が魅力的な平さんとの会話は、心の栄養もたっぷり補給してくれることだろう。

施術を終え、サロンの外に一歩出れば、心も体も軽くなり、明日への活力が湧いている自分に出会えることだろう。

夕さりのオレンジがかった空と水平線のコントラストが美しい。

波に撒かれて笑っている自分に「私、何やっても大丈夫だなって」

一宮町での生活を心の底から満喫している様子の平さんだが、見知らぬ地で、人間関係を一から築き上げることに不安はなかったのだろうか。いかにして、地域の人々と関係を深めていったのだろう。「実は私、結構人見知りなんです」と意外な反応を示した後、「これもね、サーフィンのおかげなんですよ」と続けた。

「今思えば東京にいた頃は、綺麗な格好にヒールを合わせて、“きちんとしていなきゃ!”と、無意識のうちに肩に力が入っていたような気がします。でも、一宮町に来てからは、ビーチサンダルにすっぴんが当たり前。波に撒かれてぐちゃぐちゃになりながらも、『ワハハー!』なんて笑い合うことが日常になり、恥ずかしい姿をさらけ出せたことで、どんどん自分が変わっていくのを感じました。みっともない自分を受け入れて、できないことにチャレンジしていく。一歩ずつ成長していく自分を感じた時に、“私、何をやっても大丈夫だな”と、自然と思うことができたんです。サーフィンが橋渡しとなり、地域の人たちとの関係を少しずつ築いていけているような気がします」

 

一宮町の魅力は、「心」のやりとりを大切にする「人」との繋がり

最後に、これから一宮町に移住を考えている方に向けて、メッセージをお願いした。

「人生が辛い、頑張る気力が湧いてこない、孤独感に苛まれているー。何か悩み事を抱えている方は、一宮町に来て、ぜひサーフィンを始めてみてください。“新しい自分”にきっと出会えると思いますよ。海も自然もあって、お米も魚も野菜も美味しい。近所の人が育てた野菜や釣った魚をお裾分けしてもらうなど、“心のやりとり”を大切にする、『人との繋がりが深い町』です。町も人も魅力たっぷりな場所なので、安心して移住してきて欲しいな、と思っています」

挑戦する一歩を踏み出し、幾多の課題と困難を乗り越え、ようやくスタートラインに立つことができるサーフィン。波は皆に“平等”に訪れるが、その波への“関わり方”は、個々の選択に委ねられる。

人生の転換期に訪れたビッグウェーブを逃さず、失敗を恐れずに、真正面から挑んだ平さん。恐怖心や挫折を乗り越えた者にしか見ることのできない景色は、どれほどの美しさなのだろう。

到底岸から語ることはできないが、一宮町での暮らしを語る彼女の笑顔の中に、確かにその片鱗を見たような気がした。

サーフィンはまさに、「人生そのもの」なのかもしれない。

☆「Luana beauty salon(ルアナ ビューティー サロン)」HP

https://luana-taito.com/

自治体情報

MUNICIPALITY

千葉県

一宮町

ichinomiya
一宮町
  • サーフィンのある暮らし

  • スポーツで豊かに

  • 夢の暮らし

  • 海のそばの暮らし

  • 独自取材

  • 移住してチャレンジ

  • 自然と暮らす

一宮町(いちのみやまち)は、千葉県の東部に位置し、長生郡に属する町。都市雇用圏における東京都市圏。サーファーの聖地や別荘地としても知られ、2020年東京オリンピックのサーフィン競技会場、釣ヶ崎海岸を有する。出典:一宮町 - Wikipedia

もっと見る

一宮町へのお問い合わせはこちら