移住者プロフィール
寺村 美保さん
移住時期
2015年12月
出身地:高知県香美市、前住所、東京都、現住所:高知県高知市、職業:高知県移住促進・人材確保センタースタッフ
目次
INDEX
移住のきっかけを教えてください。
寺村美保さん(以下、寺村):一言で言うと、東京でないといけない理由がなくなった!というのが大きな理由です。大学進学を機に上京し、卒業後、某IT企業(東証プライム)に就職しました。
六本木ヒルズにオフィスを構える超ベンチャー企業の人事部に所属し、新卒採用や常務取締役秘書や総務業務をメインに、製品管理、営業、カスタマーサポートなども幅広く経験しました。とにかく必死で働いたので、気づいたら30歳を超えていて(笑)。
心配した両親が「キャリアよりも幸せな人生を歩んでほしい」と Uターンを勧めてくれました。東京での生活には満足していたものの、「このままではあっという間にもう10年が過ぎてしまうな。
それにこれからの時代、東京に固執する理由はなくなるかもしれない。」と感じ、思い切って環境を変えてみることにしました。
Uターンを意識してから2年後の32歳のときに、高知に帰ってきました。
移住後のお仕事について不安はありませんでしたか?
寺村:2016年の4月から高知県移住促進・人材確保センターにスタッフとして勤務しています。現在の職場は友人の紹介で知りました。
東京での経験を高知のために活かしたい!と、就職以外も含めて仕事をどうするか考えていましたが、公務員試験を目指すUターン仲間が「移住促進の珍しい求人が出てるよ。美保ちゃんの経歴にピッタリなんじゃない?」と勧めてくれたのがセンターのスタッフ募集でした。
条件はともあれ、県を挙げて取り組んでいる移住促進や人材確保の最前線で、自分の経験が活かせるのであれば、やりがいはあると思い応募しました。
実際に勤務してみて仕事の内容、環境などについて大変だったことはありますか?
寺村:移住促進の仕事はやりがいのかたまりだと感じています。センターには、企業支援担当スタッフの採用で入社しましたが、最初の仕事は「求人情報サイトの構築」でした。
ホームページというより管理システムの開発に近かったので、自分で勉強しながら業務を遂行することになりました。その後もサイトや管理システムの運用保守、改修業務、アクセス分析、相談会や交流イベントの企画・運用など、部署間の垣根を超えて幅広く携われています。
給与はもちろん下がりました(笑)。でも高知の生活水準(収入、支出)になっただけで、貯金もできるしむしろ安定しています。
仕事内容も自分の価値観でやりがいを見出せてますし、やりたいことへの挑戦も十分させてもらっていると思っています。苦労したことといえば、県の外郭団体ですので、県の規則に準拠している部分がたくさんあり、仕事の進め方の違いに戸惑いました。
例えば、業務を外部委託する際、公募、プロポーザル、業者決定などなど…とにかく工程と資料作成が多かったですね(笑)。
また、組織文化の面で民間との違いを感じ、色々もどかしく感じることはありましたが、まずは理解を深め、自分なりの考えは要所要所で盛り込んでいければいいかなと、思えるようになりました。
Uターンして久しぶりの高知はいかがですか?
寺村:Uターンは、後退じゃなく前進だと思っています。高知での暮らしはめちゃくちゃ楽しんでます(笑)。
車で20~30分も走ると「ここは日本か?!」というくらい美しい自然がいっぱいで、太陽の下でお弁当を食べたり、キャンプしたり、泳いだり、星を観たり。こういう当たり前の暮らしがこんなにも幸せなのかと、改めて感じられています。高知を楽しみ過ぎて休肝日がありません(笑)
後悔することはない?とよく聞かれますが、ないです(笑)。東京では10年間、高知の20年分くらい働いたと思います。それくらいスピード感と得られるものが圧倒的なんですよね。
若いうちにたくさん失敗と努力と挑戦ができ、糧になっています。でも、”自分のための挑戦”は一生でなくてもいいと思っています。
次は”お世話になった場所や大切な人のため”にお返ししたい。そのお返し先を「地元と家族」にしたというだけUターンは後退じゃなく前進なんですよね。東京にはいつでも遊びに行けるし、また挑戦したくなったら行けばいいので、悔いることはないです(笑)
今後、挑戦していきたいことがあれば教えてください
寺村:高知に人を惹きよせる”原動力”になりたいと思っています。今後は、今の仕事を通して、自分が考える「高知移住」の魅力を全国の若者に届けたいし、高知をキーワードにいろんな仲間と繋がりたいです。
人口流出・少子高齢化はもはや日本全体の課題。その先進県である高知で暮らすことそのものが、課題「解決」先進県として、未来を創ることにつながっているような気がしています。
高知にはまだまだ手つかずの豊かな資源がたくさんあります。県土84%が森林ってほぼ木じゃないですか(笑)。日本一美しい川も、美味しい魚が獲れる黒潮の海も。空き家だって大事な地域資源です。
そのうえ、豪快で面白くて世話好きな住民がいて、素晴らしい伝統・文化・産業が根づいているんです。面白くするアイディアとか発想の転換があれば、これから何かを始めたい若手にとっては、高知ってめちゃくちゃ面白いし、愉しいし、チャンスがあると思うんですよね!
課題解決先進県「高知」から、日本の明るい未来を発信できたら面白いですよね!
取材を終えて(編集後記)
人口減少・高齢化社会が及ぼす「地域文化・地域経済の衰退」という危機的な負のスパイラルを、一日も早く克服することが高知県最大の課題。
県政の基幹的計画である「第2期高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」「第4期高知県産業振興計画」の中でも、センターの移住促進と担い手確保の取り組みは、とても重要な役割を担っており、全ての県民がその活躍と動向に注目をしています。
高知の最重要課題に立ち向かう精鋭部隊として活躍する寺村さんの情熱に、高知の未来は明るい!と感じた1日でした!
※この記事は、2022年7月22日時点の情報を掲載しております。