移住者プロフィール
嶋田 大志さん
出身地:福岡県、前住所:神奈川県横浜市、現住所:岡山県倉敷市、職業:消防士
目次
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移住までの経緯を教えてください。
嶋田大志さん(以下、嶋田):大学卒業まで福岡で過ごし、神奈川県横浜市の消防署へ就職しました。公務員を目指す中で消防士への道を選び、同時に関東での就職を希望していたので、生活の拠点を横浜へ移すことになりました。
3,000名を超える大きな組織で、火災現場を経て火災予防の仕事に従事することになりました。仕事へのやりがいや使命感、大都市の利便性は実感しつつも、休日の人混みや満員電車の移動、食事の嗜好など様々な環境から移住を考えるようになる中、一人旅をする機会があり、倉敷、福山、尾道、広島など瀬戸内へ出かけました。
その際に「うまく表現できないけど倉敷や尾道って、なんかいいなあ」と感じ、僕にとっては関東より西日本の方が落ち着くことに気づきました。そこから瀬戸内への移住を考えるようになり、自分なりに下調べをして倉敷への移住を決めました。
倉敷での転職も横浜時代と同じく消防の仕事を選びました。公務員での移住を検討していると、倉敷市消防署の採用試験を見つけ受験しました。
一人旅の時のイメージ通り、移住してから僕には人や文化など西日本の方があっているなあと実感しています。食事についても西の方がやはり好きだなと。横浜にいる時も実家から醤油を送ってもらっていたんですよ。もう本当にこれだけは譲れなくて(笑)。
趣味のラップを仕事に活かすことができたそうですね。
嶋田:小学生でバスケットボールを始め、現在もチームに所属して続けていますが、もうひとつの大きな趣味がラップです。15歳でその世界に引き込まれバトルや大会にも積極的に参加し、今も仲間たちとラップに興じており、まさにライフワークとも言える趣味です。
僕が所属しているのは倉敷市消防局の予防課という部署で、火災警報器の設置推進も業務の一つなのですが、どうやったら人の心に響くというか印象に残るだろうかと考え、ラップ動画でアピールしたら面白いんじゃないかと、局内で提案してみたんです。上司や同僚の理解を得て、ラップ動画の制作協力もしていただきました。
倉敷市消防局公式のSNSに公開したところ、消防庁から全国の活動のひとつとして取り上げられ、局内からも賛辞の声を多く得ることができました。歌詞は全部僕が書いたんです。真面目な内容のラップなので是非多くの方に見てほしいです。
消防に携わる仕事でも、横浜より倉敷の方が自分に合っていると感じています。どっちがいいというのではなく、大都市より倉敷の方が規模的にも風土的にも自分には心地いいんだろうなと感じます。周りの人たちにも恵まれ、すごく良い環境で仕事と生活ができています。
移住後に何か変化したことはありましたか?
嶋田:変わったのは仕事の環境だけではなく家族ができました。当時からパートナーであった現在の妻と一緒に移住し、1年後に結婚して現在では3人家族で暮らしています。妻は関東の方ですが、5年が経過してすっかり倉敷の暮らしに馴染んでいます。
また、移住だけがきっかけではありませんが、ミニマリスト志向が強くなりました。例えばTシャツも枚数の上限を決めて持つようになり、デザインや柄もシンプルなものばかりになりましたね。
倉敷は山にも海にもアクセスが良くて、生活に必要なものも揃えやすく、ほどよいシティ感がすごく暮らしやすいです。車で自由に移動できるのも魅力で、アウトドア志向も強くなりました。
移住後に釣りを始めたんですよ。釣り場はどこも混んでいないし、近くで釣りをしている人たちとのコミュニケーションも楽しいですね。
お仕事について教えてください。
嶋田:消防士というと消火活動やレスキューなどのイメージが強いですが、様々な仕事があります。私の業務は、予防課という火災予防の啓蒙やPR活動の企画などをする部署です。
今の部署では消防車に乗ることはありませんが、責務と仕事へのプライドをしっかりと感じます。僕のいる部署はリモートワークも実践していて、在宅での仕事にも対応しているんです。現在は全国会議もオンラインが主流になってきています。
倉敷でお気に入りの場所はありますか?
嶋田:お気に入りの場所は美観地区と阿智神社です。どちらもよく足を運ぶのですが、特に阿智神社から見る景色がお気に入りです。
一人旅で来た時に見て衝撃を受けたというか、この景色に引き込まれたんですよ。美観地区の屋根とかすごく気に入ってて、ずっと見ていられます。
僕は旅で倉敷が気に入ったけど、移住するなら一度は自分の目で見た方がいいですね、自分にあった場所で暮らすと自然体で生きられますよ。
今後の展望を教えてください。
嶋田:移住から6年経ちましたが、今後の展望としては定年までここで勤めるつもりです、その先のことは追々考えます。
※インタビューはマスク着用の上、距離を保って行っています。
撮影時のみマスクを外していただきました。