移住者プロフィール
安田 順子さん
出身地:山口県山口市、前住所:東京都、現住所:山口県山口市、職業:農家
目次
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山口へ移住したきっかけを教えてください。
安田順子さん(以下、安田):2013年11月に東京からUターンしてきました。高校を卒業して上京し、マスコミやレコード会社で働いていました。
レコード会社では人事総務にいて、居心地よかったんですけど、帰省するたびに東京と比べて、自然が多いこと、空気がおいしいことをしみじみ「いいなあ」と感じていました。東京にいたからこそ「すごくいいところ」なんだと気づいたんです。
私が結婚して子育てして年老いて死ぬのは徳地だ!と思った時に、ここを守らなければいけないと、帰郷を決意しました。
現在の状況と移住した感想を教えてください。
安田:帰ってきて、祖父がしていたヤマノイモ栽培を継ぐことにしました。防府市にある山口県立農業大学校で1年間勉強し、2015年4月に就農しました。ブドウ栽培も始めたいなと思っていますが、まだまだ手探り状態です。
地方への移住にあたり不安だったことは?実際はいかがでしたか?
安田:農業のことを分からないまま始め、勉強するうちに厳しさを感じるようになりました。「なぜこれをやろうと思ったのか」と常に問いただすようにしています。
経営も栽培も不安でいっぱいです。学校に行っている間は就農支援の補助金が出たので助かりましたが、これからは収益があがるように頑張らなければいけません。
暮らしについては、故郷に戻ってきたので周りはみんな知り合いだし、両親と祖父、家族と一緒で安心です。
山口の魅力を教えてください。
安田:何にもないところだけど、徳地は空気も水も食べものも美味しいです。よそで「徳地米」を使っているレストランを見たりすると、徳地にはまだ伸びしろ、可能性があると感じます。自分でも何かできたらいいなと思っています。
人は優しいです。農業するなら手伝ってあげるよって、土地を耕すこと、土木や井戸掘りや電気のこと、ブドウ栽培のこと、その道の専門の人たちがそれぞれ声をかけてくれます。
山口に住んで戸惑ったことはありましたか?
安田:徳地にも新しいケーキ屋さんやカフェができていてびっくりしましたが、山口には若者が面白いと思うような場所がないですね。時には福岡まで足を伸ばしますが、買い物については、最近はインターネットで手に入るので、別に東京でなくてもいいと思います。
山口に来てよかったですか?
安田:水、お米、野菜、魚が美味しくて、帰って来てよかったと思います。東京では浄水器を使っていましたから。
就農も、自分のペースで働けて、自分の技量が試せるのでやりがいを感じられて楽しいです。
我が家はお風呂を沸かすのに薪を使います。ぬくもるし、灰は畑にまいて循環するという無駄のない生活ができます。
台所の生ごみも畑に返します。これは街中ではできないことですよね。刺激的な都会もいいけど、田舎の方が楽しいと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
安田:栽培技術をアップしてゆるぎないものにして、絶対美味しいものを作りたいです!品質の高いヤマノイモを作って関西や関東にまで広めたいと思っています。
ネットの力を利用したり、自分で人脈を築いて口コミでしっかりPRしていきたいと思います。
ヤマノイモとかニンジン、ダイコンなど根野菜は掘る楽しみがあります。宝物を探すようなワクワク感があるんですよ。
ヤマノイモはデリケートなので掘ってからの扱いには細心の注意を払います。JAの直売所のほか、レストランや関東方面に進物用としても出しています。
みんなに「おいしい!」と喜んでもらえる、いいものを作っていきたいです。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスをお願いします。
安田:迷ったら行動した方がいいと思います。私も5、6年悩みましたが、何かを始めるのに遅いということはないと思うので、思いきって始めてみたらいいと思います。
出典: 先輩移住者の声 安田順子さん