移住者プロフィール
米澤 友紀さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
岩手県久慈市の地域おこし協力隊、趣味・特技:お菓子作り・早食い
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
2022年6月に旅行で三陸鉄道を利用し、そこでお会いした方に『地域おこし協力隊』を勧められたことがきっかけです。当時住んでいた東京は暑く、涼しい場所を求めて、北を目指して旅行していました。
「あまちゃん」で久慈市や三陸鉄道を知っていたため以前から興味があり、三陸鉄道に乗ってみたくなって、乗車しました。そこで偶然相席になった女性とお話しをしていて、「久慈の知り合いに『地域おこし協力隊』をやっている方がいるのだけど、貴方もどう?」と声をかけていただき、そこで初めて『地域おこし協力隊』制度の存在を知りました。
勧められたその足で、協力隊制度について詳しく伺おうと久慈市役所を訪れると、急な訪問にも関わらず『地域おこし協力隊』について丁寧にご説明をいただき、さらに久慈市に好感を持ちました。
私は以前から、「飲食店を開きたい」という夢がありました。周囲の方に洋菓子を振る舞った際に「自分の店を出した方がいいよ」と仰っていただいたことがとても嬉しく、今でもその気持ちを大事に持っています。
そういった経験からも『地域おこし協力隊』の活動を通して、夢を実現できるかもしれないと考え、応募に至りました。
岩手県久慈市を選んだ理由について教えて下さい。
東京は非常に暑いため、夏でも涼しい場所を探していました。2022年の6月や8月にも久慈市を訪れていましたが、いずれも冷涼な風がとても心地良かったのを覚えています。何より自然の豊かさ、人の温かさに心を動かされました。
東京で生まれ育った私にとって、久慈渓流などの水の流れや白樺の美しさがとても魅力的に見えました。
また、丁寧に対応してくださった市役所職員の方や、街中でお話しさせていただいた地元の方々がとても楽しそうに久慈の魅力を教えてくださいました。
とても良いところだなと感じるとともに、いきなり話しかけても嫌な顔をされず、穏やかにゆったりと話してくださったので、地元の方の温かさに触れ、しだいに「ここに住みたい」と思うようになりました。さらに、久慈市は食物資源が豊富なことも大変魅力的に感じました。木の実や農作物、水産物などの地元の食材を使ったスイーツや料理を提供する飲食店が開業できるのではないかと構想が膨らんだことも一因です。
転居後の生活や協力隊の活動のイメージを具体的に持つことが出来たので、久慈市への移住を決めました。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
地元の食材を使った喫茶店を開くことを目標に、日々活動しています。普段は、久慈市役所にて、関係する部署とのやり取りやメニュー表・資料の作成を行いつつ、開業を見込んだ店舗候補地探しをしています。
また、最近は市内外のイベントへ出店させていただく機会も増え、ほぼ毎週のように出店しています。イベントの実施に合わせて、販売メニューの開発や試作、看板の作成、焼き菓子の焼成などに取り組んでいます。
地域おこし協力隊は自由にスケジュールが立てられるため、柔軟性を持って活動できる環境をとてもありがたく感じています。
その他、地域おこし協力隊としての活動とは別ですが、地域の皆さんと繋がりたい・文化を継承していきたいという思いから、『久慈秋まつり』という久慈で最大のイベントに地域団体舞踊の踊り手として参加させていただきました。地元の皆さんと一緒に活動することで、少しずつではありますが久慈市に馴染めてきているのではないかなと思っています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
地元の方々に「活動を見たよ!頑張ってね!」とお声をかけていただけることが、とてもやりがいにつながっています。
イベントへ出展した際には、毎度来てくださる方や、忙しい仕事の合間にもわざわざ顔を出してくださる方もいて、とてもありがたいことだなと感じています。
「Instagramを見て来ました」と、遠路はるばる東京からいらした方もいて、SNSでの発信も大事だなと思いました。イベントの準備段階からお手伝いしてくださる方や、気にかけて下さる方もいて、本当に恵まれているなと感じます。
これまでは自分からイベントに参加したいと申し込むことが多かったのですが、最近は出店してほしいと、逆に声をかけていただける機会も増えてきて、感謝の気持ちでいっぱいです。
地域おこし協力隊の活動が高じて、市内の高校で進路相談の講師をさせていただいた際は、講師の中で一番人気だったそうで、大変光栄に思います。今後も一層励んでいきたいと思います。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
店舗が見つからないことです。喫茶店を開業できる店舗を探しているのですが、店舗探しに難航しています。
飲食店や菓子の販売を行うにあたり、飲食店の営業許可だけではないことや、建物の広さや造りによって条件が異なることなど、初めて知ることが多くありました。なかなか許可が取れないことや、喫茶店を開業するのに適した物件がここまで見つからないことは想定外でした。
菓子製造許可や消防関係の許可が必要だったり、許可を取るための条件を把握していくことが、一つ一つ勉強になっています。想定外のことがあっても、市役所の皆さんや他の協力隊員の皆さんが気にかけてくださり、働きかけてくださる方もいらっしゃるので不思議と不安は少ないです。
近所の方にお話しすると、空いている店舗の情報をいただけます。親身になってくださる方も多くいて、嬉しく思っています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
ご年配の方でも入りやすい喫茶店を開業したいと考えています。久慈地域はご年配の方が多いのですが、「カフェが暗くて入りにくい」「雰囲気がおしゃれ過ぎて入りづらい」「メニューが小さくて読めない」といったお声を直接いただきました。
そこで、ご年配の方でも入りやすい、落ち着いた雰囲気の喫茶店を開きたいと思っています。コンセプトは「岩手・久慈の食材を使った、身体と心にやさしい喫茶店」です。
イスやテーブルの高さも低めに設定してご年配の方でも過ごしやすく、明るい雰囲気の喫茶店を目指します。
また、移住者として経験や前職の青色申告会での勤務経験を活かして、コーヒーを飲みながらの移住相談や税務に関わる相談なども受けられたらなと考えています。
久慈市の交流の場として地域に根差し、私自身も久慈に定住ができたらと思っています。
久慈市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
温かい人が多いなと感じました。初めて久慈市を訪れた際、商店街の飾りつけをしていた方に久慈の良いところを尋ねたところ、笑顔でとても楽しそうにお話してくださいました。
また仮店舗として借りている物件の近所の方に、店舗がなかなか見つからないことを相談すると、「以前店舗だったところが空いていたよ」「知り合いの持ち物でアテがあるから電話してあげる」など、とても親身になってくださいます。久慈には縁が無く、親戚や知り合いが元々いない中で、大変心強く感じています。
また、照れ屋な方も多いのかなという印象もあります。こちらから話しかけるまでは静かなのですが、話してみると沢山お話ししてくだる方が多くて、「話しかけていいのか分からなかったけど、話せて良かった」と言われ、自分から話しかけて良かったなと思いました。
久慈市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
まずは、山・川・海の3つがそろった豊かな自然を推したいです!様々な自然が織りなす風光明媚な景観は素晴らしいです。山に霧がかかっていることも多いのですが、その光景はとても神秘的な美しさが漂っています。
小袖海岸や滝ダム、白樺美林で有名な平庭高原は、ドライブしているだけでとても癒されます。つりがね洞の朝焼け時は、キラキラ光る海面と大きな岩からのぞく太陽の光が絶景を作り出してくれます。
個人的には、空気が綺麗なことで、東京に住んでいる時は喘息の薬を服用していたのに、久慈に来てから症状が出なくなり、薬がいらなくなりました!
次にグルメです!やはり、まめぶ汁を召し上がっていただきたいです!根菜たっぷりの醬油ベースのつゆに、黒糖とくるみを包んだまめぶがもちもちっとして、とっても合います!私も大好きです!
その他、山ぶどうや水だこ、軍配もち、豆腐田楽などのご当地メニューもおススメです!海と山の幸が両方楽しめるのも魅力だと思います。
そして、琥珀です!久慈市では琥珀の発掘体験も出来ます。2023年も新種の亀の化石が発見されるなど、太古のロマンが溢れる街でもあります。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
私は移住して良かったと心から思っています。家族の介護もあり、数か月に1度は地元の東京に帰っていますが、それでも久慈に移住して良かったと思っています。
今住んでいる地域を離れるのはとても勇気が要ることだと思います。ご家族のこと、仕事のこと、考え出すと移住に踏み切るのは難しいのかもしれません。
けれども、一歩踏み出すことで、これまでの生活では決して得られなかったものを私は得ることが出来ました。幼いころからの夢を実現するところまで、ようやく来ました。
きっと、移住しなければ、ここまで夢に向かって進めることは出来なかったと思います。移住した久慈市で、様々な人やものとの出会いに恵まれ、毎日刺激をもらっています!
イレギュラーも何もかも楽しむ気持ちで、バッと飛び込んでみても良いと思います!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2