目次
INDEX
生産者プロフィール
伏見勇希さん
出身地:宮城県石巻市
現住所:福井県若狭町
職業:農業
趣味・特技:ゲーム・アニメ
生産物:梅
生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。
元々「ものづくり」が好きでシステムエンジニアの仕事をしていましたが、歳を重ねるにつれて「ものづくり」以外の仕事にシフトしてきていました。そういった理由からずっとできる仕事を探していました。
その時に農業も食べ物を作る仕事だなと考え、『新農業人フェア』に参加し、農業の担い手募集をしている所で未経験で受け入れてくれる所を探しました。その際、福井県若狭町にて地域おこし協力隊として赴任し、地元農家の方から農業の技術研修を受けて独立するプランがあるという事を聞きました。
農業の中でも果樹をやりたいと思っていたため、放棄農園を再生させること、研修中にもお給料をいただける事に魅力を感じて志願したのがきっかけです。
生産物の魅力について教えて下さい。
福井県の梅は『福井梅』のブランドで作っています。品種では『紅映』・『剣先』・『福太夫』・『新平太夫』の4種類がありますが、中でも『紅映』は他の梅と比べて遊離アミノ酸という成分が多く含まれるため、梅の味が濃いのが特徴です。
梅干しにしても梅酒・梅シロップにしても美味しく食べられます。『剣先』は早生の品種で早い時期から大玉が取れやすく、梅酒向きの品種で、『福太夫』『新平太夫』はフルーティな香りが特徴的な梅になります。
また、当方で製造している『完熟梅のジャム』は福井梅3種(紅映・福太夫・新平太夫)をブレンドし、フルーティで香りの良い梅の味を生かしたジャムにしています。梅とてんさい糖と変色防止のレモン汁を少々加えているだけなので、化学合成添加物や着色料などを使っていません。
そのため体に優しく、フルーツとしての梅を楽しめるものになっています。パンやヨーグルトにはもちろん、水や炭酸水と割ってレモネードならぬ『ウメネード』として美味しく飲む事もできます。
若狭町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
福井県若狭町の梅畑は三方五湖という湖の近辺に多く、3月になり花が咲くと湖と梅の花の景観がすごく良いです。また、レインボーラインを上がって梅丈岳の頂上から見える景色は三方五湖の5つの湖全てと、反対側にある日本海が一望する事ができ、日本の中でもここでしか見ることのできない景色を見ることができます。
また、若狭町三方五湖周辺にはドライブインやカフェなどがあり、福井県で有名なソースカツ丼が美味しい「ドライブインやまだ」、イカ刺しとトロロと卵が乗ったイカ丼で有名な「ドライブインよしだ」、鉄板スパゲティが美味しい「サタカフェ」などがあります。三方五湖を巡りながら、ぜひ若狭町グルメを味わっていただきたいです。
お仕事のやり甲斐はなんですか?
梅は6月に収穫し、7~9月は梅干しの天日干し、10~翌2月は剪定、3~5月は防除と1年中仕事があります。何といっても収穫した梅で作ったものを食べて、美味しいと言っていただけるのが、やり甲斐になっています。
青梅や完熟梅をご購入いただいたお客様からは、漬けた梅酒や梅干しが美味しくできたと、毎年言っていただけることがとても嬉しく、自分が作った梅ジャムを食べて、「こんな梅ジャム食べたことがない!すごく美味しい!」と言っていただけると、もっと美味しい福井梅の製品を作って驚かせたいと思います。
仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。
今まで室内での仕事だったため、外での自然相手の仕事がとても難しいと思います。室内での仕事であれば、スケジュールを立てて進めやすいですが、やはり自然相手だとスケジュールを立ててもその通りうまく行くことは稀なため、月単位で仕事を考えますが、やはり思い通りに進まないことも多いです。
例えば、梅干しの天日干しの作業も、天気が悪ければ、中々乾かないため、その後の品質分けの作業を人に頼むのが非常に難しく、妻と二人でやるしかないなど中々難しいことが多いです。
今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。
今後の展望としましては、梅の生産面で、移住時に新しく植えた梅の樹から実が取れるようになってきました。そのため生産量が増えた際の収穫時期に向け、作業の機械化を進めて全て収穫し、出荷・販売をしていけるようにしていきます。
また、梅の加工業に関しましては、梅ジャムの新製品を作り、新たな感動をお客様に届けるべく開発をしています。なかなか上手くいきませんが、試作を繰り返して商品化し、福井梅の新しい食べ方を今後も提案し続けていきたいです。
移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。
「一次産業は儲からない、安定しない」などと言われがちですが、私は、「無限の可能性がある仕事だなぁ」と思っています。手をかければかけるほど美味しいものができるのはもちろんのこと、多く作りたいと考えれば考え方次第で実現できます。
また、一次産業は原料を作る仕事でもあるため、自分で6次化をすれば原料代をかけずにこだわりの品を作ることもできますし、お客様に直接美味しい食べ方を提案することもできます。
もし、やってみたいと思ったのなら、一緒に『ものづくり』の一次産業を頑張りましょう。