移住者プロフィール
清水 茜さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
和歌山県かつらぎ町の地域おこし協力隊、趣味・特技:異文化交流、ドラム
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
2023年の夏に、和歌山県の地域振興部が運営している『わかやまLIFE』を通して、しごと暮らし体験として天野へ訪れたことがきっかけです。
もともと、古民家をリノベーションして民泊を運営することが夢でした。その際、同年代でお宿を運営しているオーナーとお話しする機会があり、意気投合。しごと暮らし体験の後も月に1回、大阪から通ってお手伝いを続けていました。
そのような中で、地域おこし協力隊という制度を知り、興味を持つようになりました。さらに、2024年度から天野地区で地域おこし協力隊の募集が始まることを知り、直感で「自分の夢への第一歩になる」と感じ、応募を決意しました。
和歌山県かつらぎ町を選んだ理由について教えて下さい。
天野を訪れるたびに、美しい自然や澄んだ空気、虫や鳥の鳴き声など、すべてに癒される感覚がありました。疲れた心が吹き飛ぶようなその環境に魅了されました。また、地元である大阪からも近く、移住後も家族や友人とすぐに会える距離であることも大きなポイントでした。そのため、迷うことなく移住を決めました。
さらに、お宿のオーナーだけでなく、地元の方々の人柄にも感銘を受けました。温かく迎えてくださる地元の方々と触れ合う中で、この地で生活したいという思いがどんどん強くなりました。
協力隊の応募前に地元の方とお話しした際、「地域活性化に繋がることは、何事にも前向きに挑戦してください」と励ましの言葉をいただきました。チャレンジ精神旺盛な自分の性格とこの土地の雰囲気がとても合っていると感じたことも、応募の決め手となった理由のひとつです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
- 地域の魅力を詰め込んだPR活動/SNS発信や、観光客が楽しめるコンテンツの準備(周辺マップの作成、散策ツアーなど)
『大阪からも行きやすい自然のある場所』として天野を宣伝 - 移住希望者に対する交流支援/移住に関しての不安解消、移住後の『横とのつながり』を作りやすくするためのサポートや、リアルな生活・雰囲気について赤裸々に話す移住希望者交流会・相談会の開催
- 天野といえば!のお土産づくり/地域の方と一緒に、天野の定番お土産を考え販売することで、多くの若者に足を運んでもらえるような地域を目指す
- 元小学校をリノベーションした簡易宿泊所・地域交流センター『ゆずり葉』の運営・イベント開催/宿泊対応や、施設の管理、ゆずり葉でのイベントを企画(春はインド人講師による英会話教室、夏は水風船合戦、秋からはドラム教室を開講)
地域おこし協力隊のやりがいはなんですか?
単なる移住者としてこの地に来るよりも、圧倒的に地域の方々との交流が多く、一緒に地域を作り上げていく使命感や達成感を感じられるのが、協力隊ならではのやりがいだと思います。協力隊になることで、地域づくりのメンバーとして役割を与えられ、地元の方々との話し合いの場に積極的に参加する機会が増え、地域活性化に深く携われる環境が整っています。
また、移住者の視点から、この地ではまだ実現されていないユニークな取り組みを提案するなど、自分のアイデアで新しい風を吹き込むことができるのも大きなやりがいです。活動を通して、地域の方々に顔や名前を覚えていただき、『横とのつながり』や『自分の居場所』を実感できることも、この役割ならではの大きな魅力だと感じています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
想定していた以上に、取り組んでいきたい活動を自分の裁量次第でチャレンジできることに驚きました。自分の得意分野に合った企画を自由に提案することができるので、幅広い可能性を感じます。
他にも、他地域への視察、情報収集も重要になりますので、体力・気力・探求心は思っている以上に必要になります。協力隊の任期は最長3年間ですが、あっという間に月日が経ちます。
それほど毎日が充実しており、切磋琢磨できる生活が待っているので、卒隊後の明確なビジョンを応募前から持っておいた方がスムーズに活動できます。また、生活面に関してもギャップがありました。家の広さゆえに、清掃や管理が大変なこと、特に湿気や寒さに厳しい地域であるため、季節ごとに対策が必要になります。
他にも想定外だったことはありますが、天野地区では周りからのサポートを受けられる環境が十分に整っていますので、地域活性化に携わりたい人にとっては、夢のような仕事であると感じます。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
空き家となった古民家をリノベーションし、地域の方々と観光客が気軽に交流できる場所を作ることを目標としています。その一環として、「民泊」として利用できる空間を作りたいと考えています。この場所を、国籍や住む場所を問わず、多くの人が集い、天野の魅力を発信するインフォメーションセンターの役割も担えるような拠点にしたいと思っています。
古民家に注目した理由は、大阪で日々壊されていく古民家を目の当たりにした経験にあります。日本の文化や伝統的な建物を現代に合った形で再生し、次世代に繋げる活動を通じて価値を守りたいという思いが、古民家活用への興味を深めました。
さらに、近年の社会問題である人種差別や孤立などに触れる中で、居場所に悩む人たちが安心して訪れられる癒しの空間を提供したいと考えています。この空間が、人々が安心して集まり、心を休められる場所になればと思っています。
また、地域活性化を目指し、地元の飲食店や「ゆずり葉」と連携しながら、天野全体の経済を活性化させる仕組みを作ることも大きな夢です。地域の力を合わせて、里全体が元気になる流れを築いていきたいと考えています。
かつらぎ町の住民と触れ合った際の印象と、エピソードも添えて教えて下さい。
この地に住めば住むほど、地域の方から『助け合いの精神』を感じます。
悩んでいるときは、親身に相談に乗ってくれる方がいたり、知らない間に採れたての野菜を玄関のドアに掛けてくださる方がいたり、田舎暮らしでは必須の草刈り機の使い方をイチから教えてくださる方がいます。この地域の温かく活気づいた雰囲気は、時間を惜しみなく親切に接してくださる方の集まりで成り立っているなと強く感じています。
私は学生の頃、国際学生寮でイベントの企画を行っていた経験から、天野でも皆さんがわくわくするようなイベントを企画しています。さまざまなイベントを実施する中、主催者だけが頑張るのではなく、参加者同士で各々の得意分野を発揮しながら、足りていない部分を協力して作り上げるなど、助け合いの精神が軸となって、和やかな交流ができているのは、素晴らしい雰囲気だなと感じています。
私自身も得意分野を活かして地域づくりに貢献することで、天野の魅力である、温かくいきいきとした活動的な雰囲気を守りながら、次の世代に引き継いでいきたいと思い日々活動しています。
かつらぎ町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
四季折々の季節が楽しめることです。春は咲き乱れる桜・花モモの鑑賞、夏は舞い飛ぶホタルとの遭遇、秋は黄金に輝く稲穂、冬は雪景色を楽しむことができます。
おすすめは、世界遺産の丹生都比売神社、ゆずり葉の目の前にある八幡神社など、パワースポットがたくさんあります。都会に疲れたときの癒しの場所としてお越しください。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
少しでも移住を検討している方、興味がある方は、一度足を運んでみてください。私自身の経験から、インターネットでのその地域の情報の検索、頭の中での移住後の生活の想像をいくらしても、不安に思っていることの解消やリアルな生活を想像するのはなかなか難しいことだと思っています。
元々移住する予定ではなく、しごと暮らしの体験として来た私も、些細なことがきっかけで移住をすることになりました。本当に毎朝起きる度に、「ここに来てよかったなぁ、幸せだなぁ」と思える充実した生活を送っています。
自分の小さな一歩が、この先の人生を変えうる大きな第一歩に変わることもあります。
実際に足を運んで、その土地の空気を吸い、地域の方と触れ合うなど、自分の価値観とこの土地が合っているのか、本当にここに住みたいのか、直観で感じることが一番重要だと思います。深いことは何も考えずに、『とりあえず行ってみる!』これが移住を決断するにあたり、一番の近道であると思います。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2