移住者プロフィール
早川 隆さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
島根県隠岐の島町の地域おこし協力隊、趣味・特技:スポーツ(バスケット、バレー)・登山
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
私は、地元隠岐の島町で生まれ育ち、高校を卒業と同時に島を離れました。旅行の分野に興味を持ち、トラベルコースがある専門学校を経て、念願の旅行会社に勤務をすることができました。
ちなみに島を離れる際には、「将来、島に戻って経験とスキルを持って故郷の為に働きたい」と願っていました。そんな中で情報収集として自治体のホームページを拝見していたところ、地域おこし協力隊制度を知りました。
地域おこし協力隊は、「地域協力活動」を行いながら、地域への定住・定着を図る取組でもあり、任期終了後の起業・事業継承に向けた支援もあります。私自身が起業を目的としていたことから、この制度が自分の望む姿だと思ったことで地域おこし協力隊に応募をいたしました。
島根県隠岐の島町を選んだ理由について教えて下さい。
“地元に帰る”という思いの中で、故郷の島でもある隠岐の島町を選びました。私が住んでいた頃にも島を離れる人もいれば残る人もいて、島に移住してくる人もいたようです。
そんな島の姿を知ったのも今回の地域おこし協力隊だったのかもしれません。以前はそんなことに全くもって興味がなかったからです。
全国的に人口減少や高齢化が進む中で、この隠岐の島町にも影響が及んでおり、住んでいた20年前より様子が変わっていました。その代表的なことは、2004年に「平成の大合併」として隠岐の島町に名称が変わったことです。
時代の変化によって変わりつつある島で“自分は何ができるのか”を日々考えながら過ごしてきました。島を離れる時のことを思い返せば「あの頃を忘れずに、とりあえず故郷の為に頑張ろう!」と自分に言い聞かせ、帰ることが出来た今は何事にも前向きにチャレンジするようにしています。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
隠岐の島町でのミッションは、「関係人口の拡大」が私の仕事になります。具体的には、地域の課題解決、情報発信の強化、ふるさと納税の推進、関係人口とつながるなどです。
そもそも関係人口とは何か?どんな事業が必要なのか。活動する前は漠然としたイメージしかなかったかもしれません。いわゆる定住している人とは異なる、地域づくりに欠かせない流動的に関わる人達を意味する言葉として指しています。
地域の課題解決に関係人口の手法を重ねてみたり、島外の方に向けてふるさと納税をPRしたり、つながりが出来た方との協働を図ったりなど様々な役割があることに日々精進しながら学んでいます。
隠岐の島町としては、多様に関わりを持ちながらも、短期的ではなく長期的な関係の強い人を増やす取り組みとして、つながりのファン活動も行っております。半年が過ぎた現在は、関係人口の全般としてセミナー受講や、情報発信を通じてイベントの参加をしたり、島外に出向いて拡大に向けた活動を行うなど幅広く取り組んでおります。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
隠岐の島町では会計年度職員として雇用され役場本庁舎内に勤務しております。その中でも、窓口に立つことから町民の皆さんに一人の公務員として見られ、責任ある立場で業務を行うことは、大きなやり甲斐になります。
その他には、協力隊員同士で一つの活動を成し遂げることも大切なやり甲斐です。お互い巡り合った者同士が年齢性別関係なく、ミッションを取り組む上で励ましあえる仲間と活動することは将来としての自信にもつながります。
そうしたことで、徐々に町民の皆さんから認められていくことが実感できれば、心も豊かになり自分自身に余白が生まれ、やり甲斐を感じ取れる瞬間がくると思っております。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
地域おこし協力隊は、「地域協力活動」と言いますが、私の場合は、あまり地域住民の方と関わることが少ないことです。もちろんミッションが優先されますが、もっと地域に繰り出して協力活動をするイメージをしていました。
あと、意外に地域おこし協力隊の認知度が低かったことも挙げられます。私自身、Uターン者で地元からの認知はあるものの、協力隊員として何をやっているのか分からないという意見もあり、まだまだ町には浸透していない様子でした。
協力隊の役割を全うしながらも、定住定着を目指すためには地域住民の理解が不可欠です。そのため、今後においては協力隊同士の活動の幅を広げて、より知ってもらえる仕掛けづくりを作りたいと思うようになりました。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
地域おこし協力隊になったのも起業することが目的だったため、卒業後は念願の旅行会社を故郷で起業する予定です。また、以前の旅行会社で培ったスキルとキャリアをこの故郷で必要とされるような事業にもチャレンジしていきたいと考えております。
協力隊のミッションは「地域」が課題にあがり、今後のビジネスにおいては「旅行」が主体となっていきます。これからの旅行の在り方は、ただ観光地に行くだけではなく、行った先の地域交流やその土地の地場体験であったり、ちょっとした工夫がお客様の満足度に影響しています。
そうしたことから、協力隊として学んでいる「地域」と主体の「旅行」がハイブリッドとなり「地域×旅行」として差別化することができます。それこそ本当の自分の強みでもあり、大きい価値になると確信しています。
そうした中で、将来的には島にとって必要な人材となりながら、活躍できることを目標に頑張りたいと思います。
隠岐の島町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
協力隊活動とは違いますが、島の三大祭りの一つに数えられる伝統的な行事に裃を着て参列したことが最も印象的でした。本家の裃を着ることも初めてで、着付けや家紋を身に着けるだけでも背筋が伸びる思いです。
そもそも、そんな姿を披露できたのも地域おこし協力隊になれたおかげかもしれません。地域に関わりたいという思いと願いが家族を通じて、ご先祖様から役割をいただけたような気がしています。
結果、猛暑日により暑さで体力を消耗したものの、なんとか無事役目を終えることができました。ご先祖様から代々伝わる呼び名の“屋号”も詳しく知るきっかけとなり、あらためて故郷の魅力を感じつつ、家族への感謝を思った1日となりました。
隠岐の島の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
隠岐の島町は隠岐諸島の中で最も大きな島(島後)です。約13,400人もの人が暮らしており、大地が織りなす豊かな自然や独自の生態系、人の営みを感じる事ができる神秘的な島です。
その中で、島後・島前の4町村で構成された隠岐ユネスコ世界ジオパークとして世界に認められています。その一つとして、大地の成り立ちや気候の影響を受け、島には北方系・南方系などの様々な生物が生息していて、オキシャクナゲやオキサンショウウオ、オキタンポポなど特異な生物環境を形成しています。
グルメは、「隠岐ブランド」として、隠岐黒磯牛、隠岐松葉ガニ、隠岐の岩ガキ、隠岐の白バイ、島の香り隠岐藻塩米など離島を活かした農業や牛の飼育など品質の高い食物を生産しています。
オススメなスポットはなんといっても約500万年前に噴出してできた、まさに自然がつくり出した奇跡の造形物のローソク島です。高さ約20メートルの岩の頂点に夕日が重なると、まるでロウソクにあかりが灯ったかのように見えます。晴天の波が穏やかな日に、島と夕日が醸し出す景観は、悠久の時と大自然が生み出した芸術の極みといっても過言ではありません。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
隠岐の島町は離島ではあるものの、生活する上で最低限必要なものは揃っています。また、医療機関や生活料品店、小中高養護学校の教育機関などインフラも整っております。
とはいえ、本土より物資輸送費が掛かることで若干割高のコストになることは否めません。そんな中で、隠岐の島町からは移住者に対して手厚い支援制度(ふるさと定住奨励金・UIターン促進事業補助金・島留学促進事業補助金)などもございます。
何より、伝統と文化を守り受け継ぐ温かい島の人たちがいます。生まれ育った人もいれば、一度島を出て戻ってきた人、偶然のご縁からたどり着いた人や生活の基盤を作りに来た人など多様な方々が島には存在しています。
円を描くように形成された島の形は、まさしく手と手を取り合いながら“円を縁”でつなぎ合う様子に見えてきませんか?そんな包容力に満ち溢れた島を味わいたい方は、まずはお試しとして、一度足を運んでみてください。
きっとあなたの“おきにいり”に巡り合うはずです!みなさんのご来島をお待ちしております!
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2