移住者プロフィール
島津 栄一さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
出身地:千葉県市原市、前住所:東京都、現住所:秋田県男鹿市、職業:地域おこし協力隊、「ADAPT DESIGN」代表
目次
INDEX
いつから男鹿市民になりましたか?
島津栄一さん(以下、島津):2021年6月からです。
男鹿市に移住した経緯を教えてください。
島津:コミュニティに関わる仕事をもっとしてみたいという思いから、もともと地方に移住してみようかなと考えていました。『新しいチャレンジを新しい地でやる』と自分の想いをFacebookで発信したところ、以前から関係があった珈音焙煎所の佐藤毅さんから、「男鹿に来ませんか?」と男鹿を訪れるきっかけをいただきました。
改めて男鹿に来た時には、暮らしていくことを想像しながら環境を見てまわりました。移住の決め手になったのは、景色や食べ物などが良かったとかではなく、毅さんの思いや考えを聞き共感したことが大きかったです。
移住の決め手は何でしたか?
島津:人とのつながりがあることが決め手となった部分ではあります。 移住先が地元ではない限り、1人からスタートしなければなりません。自分には知り合いもいるし、ある程度コミュニティがあったので何とかやっていけるだろうと思えました。
あとは、何かの制度を使えればと考えていました。 地域おこし協力隊という制度も何年も前から知っていて、どうゆう状況なのか、将来はこうなっていくんじゃないかという考えのもとに、自分の将来の方向性に合うと思い、地域おこし協力隊の制度を使いました。
移住前に準備したことはありますか?
島津:何年も前から準備をしていました。いつかは地方に住むと決めていたので、地方での暮らしをたくさん調べました。
地域で何が問題なのか、そもそも仕事はあるのか、環境はどうなのか、あとはコミュニティがあるのか、市としてどういったことに取り組んでいるのかなども調べたりしました。
ただ、実際に住んでみると、そんなに甘いものではなかったというのが本音です。 東京では必要がなかった車の免許を取得する必要がありました。
また、今までシェアハウスに住んでいたこともあり、新しい生活をするうえで、いろいろなものを揃えないとQOL(クオリティ オブ ライフ)が上がらないということもありました。
東京であればちょっと誰かに声をかければ貰えたりするので、そんなに贅沢をしなければ暮らしのQOLは上げられます。その点、移住してくることでゼロからやらなければいけないので、生活に必要なものは揃えないといけないし、いろんな資格もやっぱりあった方がいいと思うし、そのお金も必要になってきます。
引っ越し代もかかりますし、実際住んでみると光熱費が高いなと思います。もっともっと稼がないと将来に不安を感じます。
移住してから自分が変わったなと思うことはありますか?
島津:人との接点が10分の1ぐらいになり、だいぶ減りました。
東京ではシェアハウスに住んでいたので、男鹿での生活でふれる人が減りました。仕事をしていても訪れる人がそもそも少ないこともあり、そういう意味ではがらっと変わりました。
良い面もあるし、悪い面もある
島津:良い面はストレスがだいぶ減ったことです。悪い面は面白くないことですね。
誰かと一緒に何かをすることで、自分とは違うアイデアが外から出てきます。それが面白く、楽しい生活が送れるわけです。どちらがいいかと言われるとやっぱり楽しい方がいいかなと思います。
やっと免許も取ったし、リース車も来たのでこれからは外に行く機会を増やそうと思います。そういう意味では、協力隊に車の補助があるのは助かります。
あとは、免許取得の補助があればいいなと思います。東京にいると車がなくても生活ができますが、地方での生活はやはり必要性を感じます。
そこの補助があった方が移住のハードルが下がるし、地域おこし協力隊の制度も使ってくれる人も増えるのではないかと思います。
移住前に知っておきたかったことはありますか?
島津:地域おこし協力隊としての給料の金額は分かっていましたが、地域おこし協力隊としての活動予算の内訳をもうちょっと詳しく知っておきたかったです。
例えば、何かやりたいと思った時に、「これぐらいは、あなたがやろうとしていることに対してサポートしますよ」という予算がどれくらい用意されているのかどうか。
予算はあるけれど自分がやりたいこととマッチしないこともありますし、1年目に関しては事業目的がはっきり決まっていて、これしか予算が使えませんという場合もあります。
お金の使い方をもちろん行政として細かく規定しないといけないのは分かっていますが、予算をもう少し幅広く使うことができればなと感じたことはあります。
難しいのかもしれないですが、あまりにもお金の使い方を制限するというのは、地域おこし協力隊の制度としてはやめた方がいいのではと感じる部分がありました。
個人的意見ですが、もう少し自由度が高ければ新しい何かが生まれる可能性もあるし、成功するチャンスに繋がるのではと感じます。
男鹿市に来て驚いたことはありますか?
島津:仕事がないことです。地域おこし協力隊で男鹿へ来て、将来就職するという目的で来る人はいいかもしれないですが、自分みたいなフリーランスの人にはハードルは高い方ではないかと感じます。
あとは、みんな淡々と生きている雰囲気があり、もうちょっと刺激があってもいいのではと感じます。他の地方でも起きていることなので、もちろん男鹿だけではないと思います。
高齢者が増えていくにつれ、自然とそうなってしまうのかもしれません。自分も昔に比べれば徐々に体力が減ってきていますし、回復力も遅く徐々に落ちてきています。
それがあと10年経つと、もっと落ちてしまうかもしれない。年齢に比較して若々しい人というのは、若い人たちと触れている要素が大きく、新しい感覚を取り入れ、新しいスキルを身につけることで若々しくできるのではないかと思います。
やっぱり町に若者がいるということは重要なことだと感じます。
また、海と山が一度に体験できる場所であるのはいいと思います。でも、男鹿の自然がすごく良いかと言われると、いろんな地域や場所を訪れたことがある自分としては、やっぱり弱いなと感じる部分はあります。
男鹿のおすすめスポットを教えてください。
島津:安田海岸です。
好きなスポットは人がいない方が良いですね。 自分だけのスポットみたいに感じるところがある方が好きです。
人がいない海岸が好きです。なので相反するものでビーチと呼ばれる場所は、あまり好きじゃないですね。
男鹿でお気に入りの食べ物はありますか?
島津:魚です。オガーレで脳天締めをした魚を販売している人がいて、その魚はとても美味しいです。
特に好きな魚があるといういうことではなく、締め方が大事で、その方は「ホース血抜き済」で出していて、その方法を男鹿でやっている人がいるのにはびっくりしました。
私も料理をするのですが、今は魚の業界も締め方がだいぶ変わってきており、血を完全に抜くような手法が浸透してきています。その締め方を見つけた時はすぐ買って冷凍して料理して食べています。
締め方ひとつで味は全然変わります。魚としては同じ見た目に見えますが、締め方が違うだけで、格段に美味しくなります。
近場でそういう魚を普段買って食べれるという事が、生活の中での楽しみです。
男鹿に移住を考える人へメッセージをお願いします。
島津:前準備をたくさんすることをおすすめします。自分もそうですが、コミュニティの繋がりがあったり、仕事が決まっていたり、やりたいことが明確にあるなど、どれかは必ず押さえておいた方が良いです。
私は協力隊の任期を終えても、男鹿と関りながら暮らしていきたいと思っています。デザインやコミュニティ作りに関して悩みごとがあればいつでもご相談ください。
出典: 関係人口から移住へ