<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>昭和の貧困を代表する閉山した福岡県の筑豊炭鉱町で育ちました。目の前で理不尽・不条理を体感してきました。その結果、ひとづくりはまちづくりに繋がると確信しました。</p><p>荒廃した故郷の助けになるようにと大学進学より「必要な事」を学び実践・準備してきました。失敗の中から沢山の教訓と沢山の先輩諸兄と出会い学びました。</p><p>2022年3月故郷の活動に区切りがつき新たな「学びの場」を探す中で、65才でも出願ができる分野が地域おこし協力隊にありましたので出願しました。</p><h2>長崎県五島市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>1980年に大学での専攻が考古学だったこともあります。縄文時代において全国でも珍しい「寄神貝塚（旧岐宿町）」という遺跡を見学に来ました。併せて、貝塚以外の貴重な文化財や寺院も同時に見学しました。</p><p>そこで衝撃を受けた経験がありました。その後は「不登校・ひきこもり支援」に出会い、いつの間にか20年余り、それなりの経験と結果を出してきました。</p><p>活動を評価いただいた自治体や団体からのお誘いもありましたが　偶然五島市の募集を目にして　初めて上陸した時の気持ちを思い出しました。改めて五島を見るとこれまでの活動の集大成がどこよりもできる舞台が揃っていると気づき、お誘いいただいていた自治体や団体を辞退して「受験生」として出願したところ採用となりました。</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><ol><li>ひきこもりの実態調査（関係施設・団体に対してのアンケート、聞き取り調査）</li><li>ひきこもりサポート業務<br>①相談窓口業務（電話・来所・必要があれば家庭訪問）<br>②伴走型支援業務（支援対象者及びその家庭、関係機関等への訪問）<br>③居場所づくり（公共施設等のフリースペースを活用し、交流会等実施）<br>④市民への周知業務（広報ごとう等により、ひきこもりへの理解を深める）</li></ol><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/V12-jc9bvsE_Vl0bz73Ib.webp"></figure><h2>地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか？</h2><p>民間活動の立場で20年余り不登校・ひきこもりに取り組んできました。全くの手探りからはじまり、それなりの結果も評価されたのか、国内外での講演や指導に忙しくした時間が長く続きました。</p><p>いつの間にか65才を超え、これまでの活動をふまえ次世代に繋ぐ機会（場）をいただきました。このうえないやり甲斐です。</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>特に想定外は感じていません。着任するまでに下準備ができたので多少の祖語等、違和感を感じることはありますが想定内です。私よりも私の周囲の方や上司の方が想定外を感じておられるかが気がかりです。</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>ひきこもり・不登校支援に民間の立場より支援に努力していきたいと考えています。これまで行ってきた事業を集積のうえ体系化を行い5年計画で進めていきます。</p><p>わずかながらの利益を出し、その利益を活動に充当するNPOの王道を目指します。詳細は割愛しますが、その実践がみなさんの参考になればとも願っています（反面教師も含めて）。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/vznTPL0l0tPMQ52xJnKZM.webp"></figure><h2>五島市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>私の活動方法として、町を理解するにおいてまずは「食べ飲み歩き等」を始めます。生の声をできるだけ聴かせていただくためです。</p><p>沢山のお店に伺いました（今も）。その中で多少私の事情とやり方に理解いただいたお店で、女将の「地元の家庭料理」で一皿置きながらの「方言講座」が楽しいです。</p><figure class="image"><img src="https://warp.city/storage/uploads/posts/2023/11/07/K2ZFzYT0mcjVgHAwvF-nM/tP-81RV_ekgRz4c8jla_j.webp"></figure><h2>五島市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>一言でいえば「五島は生きた万物資料館」と言えます。大陸の誕生・火山の爆発等自然界の歴史、その後の縄文時代よりの人間の活動・遣唐使、遣隋使、仏教の歴史（空海）・中世の倭寇・世界遺産である隠れキリシタンの歴史などです。</p><p>そして独自の食文化である「鯨・キビナゴ」や日本の源流が色濃く残る風習やお祭りなどがあり説明し尽せない島です。</p><p>自然に関しては、鐙瀬ビジターセンターがありますし、オススメスポットは半泊教会、製塩場などです。</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住は昔も今も国内外関係なく「大事業」です。簡単には決断・実行できることではないことをしっかり肝に銘じてください。</p><p>単身なら身軽ですが移住が「癖」にならないように（そういう生き方もありますが）、家族が一緒の場合は十分な下調べと子育ての環境と近未来のあり様、そして経済の裏付けについて検討してください。一般的に収入は減るし昇給は少なく生活用品は都会より高い場合があります。</p><p>ネット環境も同様です。そのうえで「濃厚な人間関係や尊重しなければいけない事」があると思います。それでもよいですか？</p><p>それでも、その移住先が好きになれるかが肝要かと思います。子どもたちには「故郷」になるのですから。私のこれまでの体験でもあります。</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong><br><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener noreferrer">https://warp.city/features/2</a></p>

ワープシティ公式

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第83回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長崎県五島市の野田隆喜さんです。

五島市

長崎県

長崎県五島市の地域おこし協力隊

野田隆喜

#83 20年取り組んできた「ひきこもり・不登校支援」の集大成を長崎県五島市で

<h2>地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。</h2><p>自然の多い地域に移り住みたかったのが1番の理由です。<br>その上で自然体験や野外活動を通して、生きる力を育む野外教育の実践がしたいと思っていました。</p><p>住む場所だけでなく活動拠点も地方の自然が多いところに移したかったので、協力隊で仕事をしようと思いました。協力隊は住居関係のサポートも充実しており、移住してから家と仕事を探すよりもハードルが低いと感じて地域おこし協力隊に応募しました。</p><p>&nbsp;</p><h2>長崎県五島市を選んだ理由について教えて下さい。</h2><p>海・山・川の自然があり、移住先の奈留島にはコンビニがなかったから選びました。</p><p>都会での暮らしは便利な一方で、間接的な体験が多く、自分が何もしなくても欲しいものが手に入ります。サービスが充実していて、お金を出せば誰かが最後までやってくれることで、自身の生きる力の領域がどんどん狭まっていく感じがしました。</p><p>元々、自然の中での活動が好きで、自分のことは自分でやりたいという思いが強かったので、ちょっと遠くてちょっと不便な五島の地が自分には合っているのではないかと思い選びました。<br>また、五島ではありませんが長崎が親の故郷ということもあり、小さい時から長崎が好きだったので、長崎で暮らしたいという思いがありました。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/05/ff5fb2b5-4.千畳敷.jpg" alt="千畳敷の風景"></p><p>&nbsp;</p><h2>地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。</h2><p>「一般社団法人奈留しまなび舎」の職員として、他3名の協力隊と4つの事業を主軸に活動をしています。</p><ul><li>離島留学生のための学生寮を運営し、中学を卒業して単身島に来て高校生活を送る生徒の、生活の世話や指導、島ならではの体験をするサポートなど。</li><li>島の子ども達に向けた放課後教室を開室、学習塾として宿題や補助プリントによる学習、生きる力を身につけるため地域資源を活かした体験活動を企画、実施。</li><li>多世代交流を目的とした講座やイベントの企画、運営。</li><li>地域探求学習のワークフィールドとして、島外の大学生の受け入れを実施。</li></ul><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/05/b9fb44f1-2.体験学習.jpg" alt="体験学習で話す梅村功太郎さん"></p><h2>地域おこし協力隊のやりがいはなんですか？</h2><p>自分にとって縁もゆかりもなかった土地が、地元になっていく感覚にやりがいを感じています。初めはお客様で「ヨソモノ」の扱いで、どうせ数年で出ていくんでしょ、といったことを言われることも多かったです。</p><p>地域行事の運営側に呼んでもらったり、主催したイベントが成功したりするにつれ、活動への理解や認知をしてもらうようになりました。自分自身もどんどん地域を好きになっていく感覚があり、いつ出ていくの？と聞いてきた人たちは、自分の孫を嫁にもらわないかとまで言ってくるようになりました。</p><p>地域おこし協力隊として地域に関わることで、自分がその地域に受け入れられ、たまたま訪れた場所が自分の故郷のようになっていくように感じ、とてもやりがいを感じています。</p><p>&nbsp;</p><h2>地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。</h2><p>五島市全体で見ると社会増を達成していたり、観光が盛んだったり、地域を盛り上げようと活動している人が協力隊以外にもたくさんいたりしたことです。</p><p>また、県全体でも若者が集まり、県を盛り上げるために何ができるだろうかと意見を出し合い、活動を広げていることもあげられます。周りの若者をはじめ、協力的な人たちが多く地域おこしの活動がしやすいというのは、当初持ってたイメージと違い想定外だったと思います。</p><p>&nbsp;</p><h2>卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。</h2><p>現時点で考えていることは、今いる地域で暮らしていくことです。具体的に何をしていくのかは模索中です。<br>新しく事業を起こすのも良いですが、残していくべき仕事や文化を繋いでいく活動をしていきたいと思います。</p><p>&nbsp;</p><h2>五島市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。</h2><p>人と話をするのが好きで、おもてなし精神が高いという印象を受けました。</p><p>地元ならではの食文化を調査するため、ある地区の老人のもとを訪れた時のことです。以前一度だけ会って話をしたことはあったのですが、アポ無しに突然訪問した自分を快く受け入れてくれて、部屋に通してくれました。</p><p>地域の郷土料理ではなく、その地区ならでは、その家庭ならではの味や料理を教えて欲しいとお願いすると、冷凍庫にあれが、昨日作ったあれが、、と気づいたら机の上がご馳走になっていました。（普段は一人でいることが多いから）こうやって尋ねてきてくれると嬉しいとたくさん話をしてくれました。</p><p>地域の人は皆こちらから話しかけると、初めは警戒してくる人もいますが、快く受け入れてくれて、止まらない勢いでたくさん話をしてくれます。</p><p>&nbsp;</p><h2>五島市の魅力について教えて下さい。（自然やグルメ、オススメスポットなど）</h2><p>五島といえば魚です。季節に応じた様々な海の幸を楽しめるのが、いちばんの魅力だと思います。</p><p>最近では島内外の人に五島の美味しい魚を食べてもらおうと、クラウドファンディングで島の新鮮な魚を提供するお店ができました。釣り好きの人に向けたシェアハウスができたりするなど五島の魚や釣りを活かした動きが見られています。</p><p>その他にも下五島エリアが日本ジオパークに認定されたり、朝ドラの舞台になったりなど注目されていることもあり、来てよし、見てよし、食べてよしの魅力がたくさん詰まった場所だと思います。</p><ul><li>クラウドファンディング（Crowdfunding）とは、インターネットのサイトでやりたいことを発表し、賛同してくれた人から広く資金を集める仕組みです。</li></ul><p>参考: <a href="https://a-port.asahi.com/guide/" target="_blank" rel="nofollow noopener">朝日新聞のクラウドファンディングサイト</a></p><p>&nbsp;</p><h2>移住を検討している方にメッセージをお願いします。</h2><p>移住はハードルが高いのではと感じている方は、「移住」にとらわれすぎる必要はないと思います。何かの縁で繋がった地域に自分ならではの関わり方を求めてみることから始めてみてはどうでしょうか。</p><p>その地域のことを調べてみる、特産品を買って応援をする、観光で訪れる・・・そういった関わり方を地域も歓迎しますし、その先に移住があればなお大歓迎です。まずはその地域を好きになる(好きになってみる)ことが大事だと思います。</p><p>実際に移り住むことを検討している方は、今はどこの自治体でも移住に関する補助金や住居探しなどのサポートが充実していると思います。まずは気軽に問い合わせをしてみるのが良いのではないでしょうか。</p><p>先輩移住者が優しく教えてくれたり、面倒見の良い地域の方がつきっきりでサポートしてくれたりと、心地よく迎えてくれると思います。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/uploads.warp.city/2023/05/ab2794e8-5.奈留神社例大祭2.jpg" alt="奈留神社例大祭の船の様子"></p><p>&nbsp;</p><p><strong>地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓</strong></p><p><a href="https://warp.city/features/2" target="_blank" rel="nofollow noopener">https://warp.city/features/2</a></p>

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。

自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。
地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。

ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやりがいなどについてヒアリングをいたしました。
地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください！

「地域おこし協力隊に聞きました！」第17回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、長崎県五島市の梅村功太郎さんです。

長崎県五島市の地域おこし協力隊、趣味・特技：釣り・料理・野外活動

五島市

五島市の移住体験談一覧：2件

#83 20年取り組んできた「ひきこもり・不登校支援」の集大成を長崎県五島市で

#17 「生きる力」の領域を広げるため、自然豊かな長崎県五島市に移住！