移住者プロフィール
坂東 美帆さん
移住時期
2019年6月
利用した支援制度
やまぐち暮らし東京支援センター
出身地:埼玉県さいたま市、前住所:埼玉県さいたま市、現住所:山口県防府市、職業:防府市観光コンベンション協会勤務
目次
INDEX
防府市に移住される前はどちらにいらっしゃったのですか?
坂東美帆さん(以下、坂東):埼玉県さいたま市です。市内の高校を卒業後、立正大学文学部史学科に進学して史学を学びました。 そもそも歴史に興味を持ったのは小学生の頃。新選組を題材にしたアニメを見たことがきっかけでした。大学卒業後は、旅行代理店に就職し、ホテルの予約やチケットの手配などをする窓口業務の担当として働きました。
そして、28歳の時に、かねてから興味のあった新選組ゆかりの地がある福島県会津若松市に移住し、旅館の仲居として働きました。仕事自体は楽しかったのですが、体力的にかなりきつく、体調を崩して入院。その後、静養のため、実家のあるさいたま市に戻りました。
移住しようと思われたきっかけを教えてください
坂東:静養後、事務の仕事に就いたのですが、今度は婦人科の病気で手術をすることになってしまいました。 2回の入院を経験したことで、「やりたいことをやっておかないと、将来、絶対に後悔してしまう」と強く思うようになり、再び移住を考え始めました。
その時、2018年に旅行で訪ねた山口県の印象がとても良かったことを思い出し、風情ある街並みや人々の温かさがあふれる山口県に「住んでみたい」と考えるようになりました。 そこで、今度は前回の反省点を生かして、大好きな高杉晋作をはじめとする幕末の志士を多く輩出した山口県で、自分が好きな歴史や観光に関連した仕事を探すことを第一目標にしました。
移住するにあたって活用されたサービスはありますか?
坂東:東京の有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」内の「やまぐち暮らし東京支援センター」へ相談に行きました。 移住された方の体験談に目を通していると、自営業の方や地域おこし協力隊を経験して起業された方などが多かったので、「手に職がない私でも大丈夫なのだろうか」と思ったこともありました。
でも、相談員の方に「起業される方ばかりではありません。一般企業に就職される人や、あなたのような歴史好きな人もたくさん移住されていますよ」と言っていただけて、とても勇気づけられました。
その後、インターネットで防府市観光コンベンション協会の職員募集の求人を見つけてすぐに応募し、2019年の5月中旬にリモート面接、翌6月の中旬に着任になりました。
現在のお仕事についてお聞かせください
坂東:主に、ツイッターやフェイスブックで防府市の観光情報を発信しています。 また、毎月第1金曜日には、コミュニティラジオ局「FMわっしょい」の「たびラジほうふ」という番組で、地域おこし協力隊の方と一緒に、防府市のイベントや観光にまつわる楽しい情報をお届けしています。
幕末の志士たちが駆け抜けた土地で、地域の魅力を発信するという仕事は、とてもやりがいがあります。県内各地の博物館や文書館、図書館などに残っている、歴史的に価値の高い日記や手紙などの史料に「防府」の地名が記されているのを見ると、改めて「すごい場所にいるんだな」と感動します。
最近は、情報発信業務と並行して、イベントの企画にも携わるようになりました。現在、講座を受講された方が、実際にガイドとして毛利氏庭園を案内するツアーの企画に関わっています。ほかにも、ドローンで撮影した動画をユーチューブで配信するなど、地域おこし協力隊の方と一緒に新たな取り組みも進めています。
移住するにあたって不安はありませんでしたか?
坂東:防府市に来たことはありませんでしたが、高杉晋作の足跡を追いかけて、下関市や美祢市、萩市などを旅したことがあったので、さほど不安はありませんでした。と言うよりも、引っ越しの準備や転職の手続きに追われて、考えている暇がなかったというのが正直なところでしたね(笑)。
両親も、私のやりたいことを理解し応援してくれたので、嬉しかったです。職場の上司や防府天満宮の宮司さんがいくつか賃貸物件を紹介してくださったり、自転車をくださったりと、まるで娘のように接してくださったおかげで、すぐに地域に溶け込むことができました。
移住されてからの暮らしはいかがですか?
坂東:やりたい仕事ができているので、毎日がとても充実しています。 休みの日には、図書館で幕末関連の本を借りたり、周辺の温泉地に出かけたり、歴史関連の企画展を鑑賞したりと、気の向くままに楽しんでいます。
また、防府では新鮮な魚が手に入るので、埼玉にいたときにはしたことがなかった「三枚おろし」にも勇気を出して挑戦しています(笑)。
防府市の魅力はどんなところですか?
坂東:中心地から車で20分圏内に富海海水浴場、気軽にハイキングができる大平山や桑山、水がきれいな佐波川、さらにはキャンプ場もあります。山口市や周南市に足を延ばせば温泉もあります。まさに自然の宝庫です!
それに加えて、ショッピングセンターやスーパー、映画館、病院などの施設も揃っていますし、物価も安いので、とても暮らしやすいですね。 また、山口県のほぼ中間に位置しているので、県内各所へはもちろんのこと、広島市、福岡市へもアクセスしやすいという、立地の良さも大きな魅力だと思います。
移住をお考えの方にアドバイスをお願いします
坂東:ひと口に移住といっても人それぞれ。移住の目的が「やりたいことの実現」なのか、「住みたい場所に住むこと」なのか、最初に明確にしておくことが大切だと思います。 そうすれば、もしうまくいかなかったとしても、立て直しがしやすいのではないでしょうか。
あとは、体調管理に気をつけることでしょうか。最初のうちは環境の変化に慣れなくて、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまいがちです。温泉に入ったり、お気に入りのカフェで寛いだり、自分なりの気分転換の方法を見つけておくことも大事だと思います。
最後に、これからの目標をお聞かせください
坂東:山口県内外の方々に、防府市のさまざまな魅力を更に分かりやすく伝えたいと思っています。 将来的には、歴史好きという強みと、移住者ならではの視点や発想を生かした新たな切り口のイベントを企画して、地域全体を盛り上げるお手伝いをしていきたいです。