移住者プロフィール
福山 直樹さん
移住時期
2015年6月
出身地:山口県周南市、前住所:福岡県、現住所:山口県周南市鹿野、職業:靴職人
目次
INDEX
ご出身は山口県周南市だそうですね。Uターンされる前はどちらにいらしたんですか?
福山直樹さん(以下、福山):大学進学を機に地元を離れ、そのまま福岡の写真館に就職しました。2〜3年はとにかくがむしゃらで、仕事に追われる毎日でしたが、結果が伴うようになってくると欲が出始めて(笑)。
ステップアップにチャレンジしたいと思うようになりました。その前に一度、地元に戻って心身共にリフレッシュしようと思い、27歳の頃帰郷しました。
カメラマンから靴職人になろうと思ったきっかけは?
福山:地元に戻ってからは、縁あって、周南市の写真館で働かせていただきました。その間も“ステップアップ”の想いは持ち続けており、仲間たちと様な表現にチャレンジしていました。そんな中で出会ったのが「革細工」です。
写真と同様に、人とコミュニケーションが取れ、より“人の生活を支えるモノ”は何かと考えた結果、「靴」に辿り着きました。スタートとして、東京の靴専門学校への入学を決めました。
専門学校を卒業された後、周南に戻ってこられたんですか?
福山:将来的に“地元で工房を”という夢を実現すべく、普通のオーダー靴では需要が少ないと考え、徳島県の「義肢装具製作会社」に就職しました。会社で医療系の靴作りを学んだ後、個人で靴のオーダーを受け始めました。靴作りをしていくうちに、〝早く地元に戻ってやりたい〟という想いが強くなり、帰郷を決意。
調べていくうちに、周南市の鹿野(かの)で「移住者支援」をしているということを知りました。その後、お時間を取ってもらえることになり、2014年12月に妻と共にお話を伺いました。偶然にも鹿野には幼少の頃から何度も訪れており、写真活動中も「鹿野で工房を構えたい」と考えていたくらい大好きな場所だったんです。
移住に際しての不安はありましたか?
福山:周南市出身であるとはいえ、自分たちのことを受け入れてもらえるのか、オーダーメイドの靴作りというものが受け入れられるのか不安もありました。そんな中、お話をさせて頂いた“鹿野の風”というまちづくりグループの皆さんに、僕の想いを伝えたところ、想像以上の歓迎をして頂くことができたんです。
これは、神様がすぐに“鹿野へ移住しろ”と言っているんだろうと(笑)。「地域の方々の声」が移住を決断する大きな後押しになりました。
移住にあたり苦労したことはありましたか?
福山:最も困ったのは、自分たちの希望に合う住まいがなかなか見つからなかったことです。想定外のアクシデントでした。結局今の場所が決まるまでに、移住を決めてから半年もかかってしまいました。
それは大変でしたね。クリーニングの取次をするようになったのは、どのようなきっかけから?
福山:地域の方々との対話の中で、クリーニングの取次店を“副業”としてやってみたらどうだというお話を頂いたんです。クリーニングに関する知識が全く無かったですし、どうしたらいいものかと最初は迷いました。
でも、クリーニングの取次店をすることで地域の役に立つこともできますし、経済的にも安定するのではと思い、始めることにしました。いざ始めてみると、靴作りをしているだけでは交流できなかったであろう地元の方々と接するいいきっかけになって、クリーニングの取次店をやって本当に良かったと思っています。
福山さんが感じる“鹿野の良さ”は、どんなところにありますか?
福山:豊かな自然はもちろん、それ以外に鹿野には“何か”惹かれるものがあります。空気感なのか色彩なのか。創作意欲を掻き立てるものがあるんです。
自然の中でゆっくり暮らしたいという方にも、お店やモノづくりにチャレンジしたいという方にとっても、素晴らしい環境だと、僕は思います。
移住をお考えの方に何かメッセージはありますか?
福山:地域にしっかりと根を下ろすつもりで来れば、地域の方々は温かく迎え入れてくれると思います。ただ、その“覚悟”みたいなものは、しっかり見られているような気がしますね。言ったことを、確実に、ひとつずつ実行していくことが大切だと思います。
移住を検討している方は、まずは現地に行って、気軽に相談をするところから始めてみるといいと思いますよ。
最後に、将来の夢を教えていただけますか?
福山:まずは、お店をオープンすること。そして、お客様の要望に対して“ノー”と言うことのないように、もっともっとレベルを上げていきたいですね。
自分の工房が「鹿野に足を運んでいただくきっかけのひとつ」になって、鹿野の活性のお手伝いができればと思っています。また、靴を媒体として、新たな創作活動にも取り組んでいきたいですね!
出典: https://www.ymg-uji.jp/interview/id_syunan_fukuyama.html