移住者プロフィール
草野 一也さん
移住時期
2020年3月
出身地:長崎県南島原市、現住所:長崎県壱岐市、職業:「イチノ珈琲焙煎所」
壱岐に来るまでは何をされていましたか?
草野一也さん(以下、草野):福祉施設に勤め、野菜生産を担当していました。施設が管理する畑で野菜を作っていて、一日中、畑にいました。 また趣味で始めた珈琲の焙煎にも熱中しており「いつかは珈琲屋さんをしたい」と勉強しながら機材を揃えていました。
壱岐では今どんなことをしていますか?
草野:郷ノ浦町で「イチノ珈琲焙煎所」を営業しています。こちらに来た当初は、コロナの影響でどこも行けず、焙煎ばかりしていました。次第に自分だけでは飲みきれなくなって、地元の友だちに送ったり、妻の職場で配ったりしていました。
すると、少しずつ買いたいという人が現れ、「どこで買えるの?」「お店はいつから?」と聞かれることが多くなり、ショッピングサイトに登録して、自宅でも販売を開始しました。本当にオープンする計画なんてなかったんです(笑)。
今も大きな看板は出していなくて、準備中と言った方が正しいのかもしれまん。お店のInstagramを始めた頃からお客さまが徐々に増えていきました。
最初は移住者や転勤者が大半でした。それが今では半分以上が地元の人です。人との繋がりを珈琲が少しずつ繋いでくれたんですよね。
壱岐に来て変わったことはありますか?
草野:もともと流されるのが嫌いな性格でした。 意地でも自分が向かうところに行っていたのが壱岐に来てからは「流されていいんだ」と思うようになりましたね。
何がそうさせたのかはっきりは分からないのですが、自分よりも大きなパワーが壱岐島、いえ壱岐の人にはあって、それに抗わず流れても良いって思えるのかもしれません。
あと、子どもと過ごす時間も変わりました。 移住前は私も妻も勤めに出てたので、平日は子どもを妻の両親に預けており、朝起きて実家へ連れて行き、お風呂に入れてもらってから、迎えに行くというスタイルでした。
1日の中で一緒に過ごすのはほんの数時間だったのが、今では学校や保育所以外はずっと一緒。作業しながら子守りをしています。焙煎途中で「パパ、トイレー」と呼ばれることもしばしば(笑)。
あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
草野:「みんなが一つ屋根にいるような島」ですね。壱岐って、ひとつの会社、学校みたいな感覚。誰もがどこかで繋がっているんですよね。
例えば、今ここで会って話したことが、次の日誰かから「こないだ、○○ちゃんに会って、こんな話ししたらしいね」と言われるなんて、当たり前。
だから自分の言動に責任を持って生活をしないといけないと思うようになりました。 最初に地元の方と話した時から感じてたんですよ。あまり思ったことを言わないなって。
同じ屋根の下に繋がっているから言いたいことをはっきりと言っているとうまくいかないんだろうと思います。