移住者プロフィール
マクニコル 良治さん ・足立 真希さん
マクニコル良治(まくにこる・よしはる)さん/出身地:東京都、現住所:富山県砺波市、NPO法人「地球映像ネットワーク」理事。 足立真希(あだち・まき)さん/前住所:東京都、現住所:富山県砺波市、NPO法人「地球映像ネットワーク」事務局長。
目次
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砺波(となみ)への移住の経緯を教えてください
足立真希さん(以下、足立):「世界自然・野生生物映像祭」は、野生生物や自然のドキュメンタリーの映像祭で、世界3大映像祭のひとつとして知られています。今年で25年目を数えました。マクニコルさんと私が住んでいるこの古民家は、その「映像祭の拠点」です。
映像祭の時に滞在していた制作者の方々から、『ここには日本の文化が詰まっているし、居るだけでクリエイティブな発想が得られる』と言われました。
制作者の方々の創作活動を支援すべく、世界中のアーティストが来日して、制作活動や情報交換ができる「アーティスト交流の場にしよう」ということになりました。そのプロジェクトをスタートするために、私たちが移住することになったんです。
この古民家が「映像祭の拠点」になったきっかけは?
足立:この家の元々の持ち主は、ピアニストの林さんでした。しかし、映像祭の理念に共感され、職業柄、世界各国で演奏をするなど、家を空けることが多いこともあり、「地球映像ネットワーク」に家を寄付してくれました。
それが、「映像祭の拠点」になったきっかけです。映像祭期間中以外も、製作者が滞在できる場となっています。
砺波(となみ)に移住をして良かったですか?
足立:「地球映像ネットワーク」の目標は、自給自足をしながら映像祭を開催していくことです。私たちも東京でずっと暮らすつもりではなかったため、ここに来て良かったです。近所に挨拶回りをしていた時、地域の新年会に誘っていただき、参加させてもらいました。
また、冬に家の周りが雪で埋まった時には、除雪の手伝いに来てくださったり、夏にはたくさん野菜をいただいたりと、近所の方々には良くしていただいています。もちろん、「アーティスト交流の場」として、木彫り職人や写真家、デザイナーなど、さまざまなアーティストとの交流も盛んですよ。
ここからJR砺波駅まで、車では約15分ですが、公共交通機関を使う場合はバス停まで徒歩20分、そこからバスに乗って15分と、遠いんです。
でも、アーティストの方々は「毎日20分歩くのが楽しい。農村の風景を見たり、毎日同じ人に会って会釈をするのが嬉しい」と言うんです。その視点がいいですね。すっかりお気に入りの場所です。
本業について教えてください
足立:本業は、「フリーランスの字幕制作者」です。字幕のつけ方はNPOに入ってから学びました。今はスポーツや海外ドラマ、ドキュメンタリー映像の字幕制作の事業に携わっています。
2人とも「リモートワーカー」で、インターネットさえあればどこでも仕事ができるので不都合はありません。蔵を改造して仕事部屋にしたんですよ。
マクニコル良治さん(以下、マクニコル):本業は、「フリーランスの写真家」です。これからは、砺波で映像を撮っていきます。海外プロダクションと提携を組んで、一緒に「砺波を盛り上げよう」と、今は企画を立てているところです。
映像祭と連動してやっていきたいと思っています。本業とは別に、「フリーランスのドッグトレーナー」としても取り組んでいきたいと思い、この家でドッグトレーニングを始めました。この家には、ラブラドール(犬)のスカイ、猫のそらも一緒に住んでいるのですが、スカイとドッグランに行った時、そこで知り合った女性から、トレーニングを頼まれたことがきっかけです。
スコットランドに住んでいた時、猟犬を育てており、いろいろな猟犬と小さな頃からふれあっていましたので、その経験が活かせそうですね。
砺波への移住をお考えの方へ。2人が思う、砺波の魅力をお伝えください
足立:10年以上、この家の庭の手入れを手伝ってくださっているシルバー人材センターの女性たちから、「昔の家は周囲をぐるりと回ると、柿の木など、どこかに食べ物があるように作られているんですよ」という話を聞いた時に、すごく素敵だと思いました。
東京はお金がないと何もできないところですが、ここは川で遊ぶことも、山にキノコを取りに行くこともできます。食べ物もとてもおいしいですよ。
マクニコル:「人ときちんとつながれる」ところがいいと思いますね。ここに来る前は、閉鎖的なところだと聞いていましたが、実際は毎朝挨拶したり、差し入れをしてくれたり、皆さん明るくて、ストレートに接してくれます。「人のつながりが心地よい」感じられる場所です。
足立真希(あだち・まき)さん
1987年、兵庫県生まれ。10歳から14歳まで米国に滞在。18歳で東京学芸大学に入学し、19歳でアフリカに渡航。21歳でエイズ孤児支援NGO・PLASに出会い、ウガンダやケニアで学校建設や母子感染啓発事業に携わる。映像祭のスタッフになり、後に事務局長に。現在、NPOの運営の傍ら、フリーランスとして字幕制作事業に携わる。
マクニコル良治(まくにこる・よしはる)さん
1984年、東京生まれ。5歳でスコットランドに移住。7歳でラグビーを始め、17歳でスコットランドU-18に入り、エジンバララグビー・プロフェッショナルリーグで活躍。19歳でオックスフォード大学に入学し、22歳で日本に帰国。アジア学院の講師などを経て、フリーランス写真家の傍ら出版社に勤務。現在は写真家、ドッグトレーナーとして活動しながら、新会社設立に奮闘中。