移住者プロフィール
樋之口 久孝さん
利用した支援制度
農業者入植促進事業の助成金、第1次産業成長化支援事業、桜島降灰対策事業
前住所:鹿児島県霧島市、現住所:鹿児島県南大隅町、職業:農業
目次
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南大隅町で就農するにあたり、利用した制度はありましたか?
樋之口久孝さん(以下、樋之口):インゲン生産農家の後継者として、5年前にUターンしました。帰郷後しばらくは父親の生産を手伝っていました。自分のハウスを持ってインゲン栽培を始めたのは2年前です。
まったくの新規就農ではないため、町の農業者入植促進事業の助成金月4万円を利用し、さらに、第1次産業成長化支援事業でトラクターや暖房機購入代金の15%助成を受けました。ハウスは4連棟と3連棟を整備。
国と県からの桜島降灰対策事業で整備費の65%を賄い、先ほどの支援事業の15%助成を上乗せして、合計で80%の補助を受けました。
就農についてご不安はありませんでしたか?
樋之口:中学生の頃に暖房インゲンを手伝ったことはあります。でも、電気工学系の大学に進み、中退後に大手企業に就職して、その後は測量専門学校を経て測量コンサルタント会社で10年間働いていました。ようやく地元に戻りましたが、農業とはほぼ無縁でしたね。
移住後のインゲン栽培についてはいかがですか?
樋之口:今は、17アールの暖房インゲンを自分の手で生産する喜びはもちろんのこと、誰かに指図されることがないので、毎日伸び伸びと過ごせます。田舎暮らしならではのメリットを享受していますね。インゲン栽培の準備が始まるのは9月です。
畑の土を消毒し、10月にはハウスにビニールをかぶせます。10月半ばに植え付けしてから暖房の準備。一番最初のインゲンの出荷は12月半ばから。
年明けには、次に備えて追肥します。ハウスでの作業は主に1人ですが、両親も手伝いにきてくれます。収穫時は一斉に摘み取らなければならないので2、3人でも追い付きません。この時ばかりは人を頼んでいます。
収穫したインゲンは値崩れしないのでJAに出荷しています。インゲン生産による年収はおおよそ500万円です。繁忙期以外はバレイショや米の生産も行いますが、今後は、ここの気候に適したパイナップルなど他の作物にも目を向けていきたいと思っています。
南大隅町役場経済課(野菜営農指導員)池田 重市さんからの就農アドバイス
池田重市さん:南大隅町では、温暖な気候を活かした野菜の露地栽培が主体でしたが、たびたび寒波に見舞われるなど、後継者が農業で生計を立てるには苦しい状況でした。そこで、国の支援を利用し、5、6年かけて毎年30アール以上のハウス導入に踏み切りました。
2018年はピーマン農家3人がハウスを作り、2019年は暖房インゲン3人が予定しています。ハウス導入に伴い、特産作物としてのめども立ち、新たな就農希望者も出てきました。市場よりも価格が安定するJAとの契約販売などで経営の安定化を指導しています。
出典: http://furusato-kagoshima.com/minamioosumi/syuunou/01.html