移住者プロフィール
峯山 耕平さん
前住所:神奈川県、現住所:兵庫県丹波篠山市、職業:有機農業
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移住後、生活はどのように変わりましたか?
峯山耕平さん(以下、峯山):移住して3年を迎え、現在は市内の農園のお手伝いと自分の畑をしています。もともと農業をしたことがなかったので、農園のお手伝いに行かせていただくことで、技術も身に付いてきました。
他にも「無農薬・無肥料」での栽培を全国に広めておられる方のセミナーに通い、「シードバンク」の取り組みにも共感し在来種保存などの活動もしながら、今は運営スタッフとして関わらせてもらっています。ビジネスマン時代には想像もしていなかった生活をしていますが、やっぱり「丹波篠山で暮らす」のは良いですね。
農業を始めるきっかけはありましたか?
峯山:「食」に対する意識が変わったのは、子どもの影響です。食べるもので腸内に影響を受けて体調が変わることを学び、食材に気をつけるようになりました。購入する有機野菜も“作り手がどういう思いで作っているか”で、安心安全の基準には大きな違いがあることを知り、それなら自分たちが安心だと思う有機野菜を作ってみようと始めました。
でも、農業にはさまざまなやり方がありますし、化学肥料や農薬を使っても構わないと思っています。それぞれの考えや手法があって当然だと思います。
ただ僕たちは使わない方を選択しているだけです。僕らが育てた作物を一定数必要としてくれる人が居るので、自分たちの感覚と近い人たちが反応してくれればいいと思っています。
証券会社からの大胆な転身、不安はありませんでしたか?
峯山:昔は、「給料をもらうために働く」という感覚でした。今は、農業・加工品・投資など、収入源は一つでなくて良いと思っています。
経済的には都市部にいた頃と大きく違いますが、自分が頑張れば良いことです。なにより「やりたいこと」を軸に取り組めることが、僕の考える「仕事」であり、そこから新しい何かが生まれてくるのではないかとさえ感じています。
地元の方たちとの交流についてはいかがですか?
峯山:農業を通じて知り合う方はもちろんですが、地域の皆さんとの”つながり”も都市部にいた頃とは全く違います。家との距離は離れていますけど、心の距離はとても近いですね。「よう頑張っとてやな」とか「最近見いひんけど、どこ行っとったん?」とか。
その時その時の何気ない会話の中に”優しさ”や“温もり”を感じます。子どものこともよく見守ってくださいますし、地域のお付き合いにも戸惑いは全く無かったです。
人との距離は、自分の心の持ちようとか捉え方次第ではないかと思います。僕は人と繋がるのは好きなので、こっちの方がいいですね。
移住を考える方へメッセージをお願いします
峯山:丹波篠山に移住して予想外だったことは「寒さ」ですね。家族の健康のためには、薪や灯油代はケチらない方がいいですね。
移住していろんなことを経験してもらって、四苦八苦しながら慣れてもらったら、少しずつ“暮らしの知恵”も付いてきます。本当に自分たちの望む生活を、自分たちの力で形にしていく楽しさを味わって欲しいです。
出典: 好きな場所で新しい暮らし3