移住者プロフィール
バレラ さん
移住時期
2020年
利用した支援制度
上天草市の移住お試し施設
出身地:コスタリカ共和国、前住所:アメリカ合衆国フロリダ、現住所:熊本県上天草市、職業:外国語講師
目次
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どのような経緯で移住したのですか?
バレラさん(以下、バレラ):私は中南米に位置するコスタリカ共和国の出身です。1983年に留学生として来日して、東京で妻のゆみこと出会いました。
卒業後に結婚し2人の子どもをもうけ、30年以上コスタリカとアメリカのフロリダで暮らしましたが、日に日に故郷への思いを募らせていた妻の意思を尊重し、日本に戻ることを決めたんです。
一番の決め手は、自然が豊かなところです。家の周囲は本当に静かで、海も山もあって…ロケーションが完璧だったんです。
しかも住居探しも兼ねて利用した上天草市の移住お試し施設の滞在中に賃貸で小さな一軒家を借りられることになり、移住が現実となりました。
お住まいについてはいかがですか?
バレラ:私たちは2020年秋に上天草に移住しました。小さな漁港近くにひっそりと建つ民家は、ほどよく古く、時間とともに成熟してきた独特の風合いがあります。
隣にはちょうどいい広さの畑があり、裏手には穏やかな海が広がっています。
移住後の生活についてはいかがですか?
バレラ:朝と晩、1時間ほどかけて近所の海や山のふもとをゆっくり散歩するのが私たちの日課になっています。
先日、近所の山道を散歩中に“チャヨテ”というフロリダでもよく食べていた馴染みのあるウリが自生しているのを見つけ、懐かしいねと大喜びして毎日食べています。
炒めるとホクホクしてすごく美味しいのに、近所の人からは「食べられるの?」と不思議がられたんですよ(笑)。
ゆみこさん(以下、ゆみこ):ジムに行って、モールに行って、買い物をして…というアメリカでの華やかな都会暮らしとはまったく違う日々です。上天草のたおやかな空気につつまれて、夫婦でゆっくりと優しい時間を過ごしています。
バレラ:近くに80歳を超えるおばあちゃんが住んでいますが、その方が本当によくしてくれるんです。隣近所の方の名前を教えてくれたり、ごみの出し方を教わったりしました。そうそう、“畑の先生”でもあるんですよ(笑)。
僕はいまオンラインで英会話やスペイン語のレッスンをしています。時間に融通が利く仕事なので、これから暖かくなったら畑に種をまいたり、苗を植えたり、一緒に畑仕事に精を出したいねと妻と話しています。
海外からの移住で不安はありませんでしたか?
バレラ:市のフォローも手厚く、出会う人たちみんなに歓迎されている感じがしてうれしいです。子どもたちに頻繁に会えなくなったのはちょっとさみしいけれど。
もともと私は日本が大好きで、田舎暮らしの不便さはまったく感じていません。ネットショッピングもたくさん活用していますよ(笑)。
上天草市に移住してみて感じたこと、よかったことはありますか?
バレラ:見えないものに眼をこらし、聴こえない声に耳をかたむけるようになった気がします。ゆっくり散歩をしていると、足元に咲くあたらしい花に気づく。遠くの山に目をやると、小さな道を車が登っていくのが目に入る。
これまで、何となく見えていると思っていたものは、本当は一部分だったことに気づいたんです。まだ日は浅いですが、上天草での暮らしは毎日、毎日、あたらしい発見があります。
それは、ちゃんと見ようとしないと見えないものばかり。自然のなかにいるから気づくものかもしれません。
※ インタビューの内容は2020年12月の取材時のものです