移住者プロフィール
吉成 翼さん
秋田県横手市の地域おこし協力隊、趣味・特技:バレーボール、野球観戦、カレー屋巡り、カレー作り
目次
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地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
23歳の時、NGOピースボートにて世界一周の船旅に参加しました。 JICAを諦め日本で同じようなことができないかと模索していた頃、その旅で出会った友人らの活躍が目にとまるようになりました。
それが地域おこし協力隊でした。旅に参加した当時の私は、政治経済や環境問題などにはほとんど興味がありませんでした。
ですが、旅で出会った同世代のみんなと貧困や差別、政治の問題について考え、刺激を受けたことで、いつか地域に寄り添う仕事がしたいと思うようになっていました。
また、移住前は横浜に住んでいたのですが、休日は気付くといつも自然を求めていました。その頃から生涯ずっと都会には住んでいたくないなと思っていたのもきっかけのひとつです。
秋田県横手市を選んだ理由について教えて下さい。
故郷ということが大きかったです。 移住前は千葉県や山梨県などの近場を検討したり、思い切って大好きな沖縄県や鹿児島県を検討したりもしていました。
ただ、地域おこし協力隊のねらいは、活動後もその地域へ定住することです。定住や活動のしやすさをイメージしたときに、地元が考えやすかったです。
また、地方暮らしを発信できるなら、やはり自分の育った町を発信したいと思いました。そう思えたのも、家族やお世話になっている人たちのことが好きだからだと思うし、大人がよく笑っていた記憶があるからです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
- 農業をメインとした情報発信。 (横手市は農業産出額8年連続県内1位を誇っています。)
- 市の広報を担当する秘書広報課に所属し、食と農からのまちづくりを進める食農推進課の施設に常駐。畑と隣合わせで日々活動中。
- 作物を育てながら、地元農家さんへの取材訪問、ラジオ出演、JA秋田ふるさとさんのYouTube動画制作などと、農業に関する発信。
- 市の広報誌の企画で高校生へ取材、中学生向けに情報紙をゼロベースから制作などのライティング業務。
- 情報紙では、地元の企業や若者にインタビューをし、紹介。
田舎に住むからにはスローライフをしたいと思っていましたが、メリハリのある半農半Xのような暮らしができていて、毎日充実しています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
ここで何かしてみたい!と、もがいている人と手を取り合うことができるのが、地域おこし協力隊の醍醐味だと感じています。 活動当初は、自分が先導していかなきゃとすごく力んでいた気がします。
ですが、もがきながらも活動を続けていくと、周りにいる人たちが挑戦したいことを話してくれるようになりました。それを応援できるのが地域おこし協力隊ですし、また、一緒に形にしようと行動ができるのも地域おこし協力隊だと思っています。
ここで奮起する人たちと高め合うことができると分かった今、改めて横手市を選んで良かったと思います。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
横手市で初めての地域おこし協力隊の採用だったので、地域のみなさんに受け入れてもらえるかがすごく不安でした。 聞き馴染みのない職業ですから偏見は絶対にありますし、私もヨソモノという感覚は地元出身であるとは言え、感じている部分ではありました。
ですが、逆に偏見を抱えていたのは私の方で、どこに取材に行こうが、まちで会おうが、どこに行っても歓迎してくれました。 私が聞くより先に前のめりで教えてくれたり、手土産をくれたりと田舎の人たちの面倒見の良さが、幼少期の頃と変わらずあり続けてくれたことで、偏見を払拭できたのかもしれないです。
東京で働いていた頃のようなピリつきが充満しているということがここには少ないので、あまり人と話すということが得意ではなかった私でも、ここでは人と話すのが楽しいと心から思えています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
退任後すぐの明確なビジョンはまだイメージできていませんが、横手市もしくは秋田県にずっと住み続けたいと思っています。 今までは自分の好きなこと、興味のあることを仕事にしてきましたが、30代になり先々のことを見据えると、やはり慎重に考えてしまっている自分がいます。
ですが、こうして活動することで、ただ生活していただけでは繋がらなかった縁も生まれ、その縁を退任後も変わらず大切にし続けていきたいと思っています。
横手市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
「田舎には何もないよ」と言いつつ、地域の方々と会話をし続けると「田舎には何もなくない」と言っているような気がします。 「田舎には何もないよ」と言うのは、頭でよく考えて出た言葉ではなく、口先から出た謙遜で、本当はこの地域が心地よく、期待しているんだなと感じることが時々あります。
その中でも一番印象に残っているのは、歯の治療を担当してくれた歯科衛生士さんです。 私の存在は市の広報誌で知ってくれていたそうです。横手の現状について思うこと、私の活動への期待の言葉を治療しながら、よく話してくれました。
横手市は人口8万人ほどの都市で、地域おこし協力隊の存在を知らない人も多くいるはずです。
ですが、こうして自分の活動が誰かに届いていることを実感できたのと同時に、見ず知らずの人が陰ながら応援してくれていたことがものすごく嬉しかったです。
これからも、気兼ねなく声をかけてもらえる存在でありたいなぁと思える出来事でした。
横手市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
日本はどこでも美味しい食べ物も自然もあるし、親切な人もたくさんいます。 横手といえばと横手やきそば、かまくらはもちろんですが、私が思う横手の魅力は、伝統ある発酵文化です。
恥ずかしながら私はこうして地元に移住してくるまで、こんなに発酵文化が根付いている町だとは認識していませんでした。
ただ、考えてみれば酒蔵や醤油屋、お味噌屋が当然のように地域に存在し、地場産のお漬物や甘酒、麹なんかもスーパーに陳列されている光景が、私にとって常識になっていたんだと気付かされました。
大人になり日本酒を嗜むようになり、そのあてにお漬物をかじる。 さらには、お味噌汁がぐんぐん体に染み込んでいるのを感じるようになり、最近になって発酵食品の美味しさに気付けるようになりました。
改めて「発酵」が注目されている昨今、私も流行の波に乗って、地元の味を再確認しているところです。
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
県内第2の都市なので、不便をあまり感じないちょうどいい田舎です。 農業が盛んだということは植物にとっていい環境ということ、つまり人間も健やかに暮らせる地域だと思います。
また、盆地で坂は少ないし、水道水は美味しいし、冬は雪のおかげかすごく乾燥を感じなくなりました。 居酒屋やラーメン屋、カフェも多いですし、想像以上に若い人も多いので、私生活は充実すること間違いなしです!
憧れだった田舎暮らし!ぜひ横手市から始めてみてはいかがですか?
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