#53 「便利で、ちょっと秘境の新庄」山形県新庄市で移住コーディネーターとして活動中

体験談

「地域おこし協力隊」とは、地方自治体が地域外の人材を「地域おこし協力隊」として任命し、地域の魅力PRや、農業・漁業への従事、イベントやお祭りの運営など、様々な地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る、総務省の取り組みです。 自治体から地域おこし協力隊に委嘱される地域協力活動の内容はさまざま。 地域おこし協力隊の方々は、ふだん一体どのような仕事をしているのでしょうか。 ワープシティは、全国の地域おこし協力隊の隊員にご協力いただき、応募動機や仕事内容、仕事のやり甲斐などについてヒアリングをいたしました。 地域おこし協力隊への入隊をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください! 「地域おこし協力隊に聞きました!」第53回目にご協力いただいた地域おこし協力隊の方は、山形県新庄市の小沼敏行さんです。

地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。

「移住交流推進事業」を担当する協力隊員として2021年12月1日に赴任しました。新庄・最上地域の魅力を全国に広め、地域の資源や資産を活性化させられるように頑張りますので、よろしくお願いします。

私自身は東京都出身ですが、父母が金山町・新庄市の出身です。幼い頃から何度も新庄に来たことがあり、いつかは住みたいと考えていました。

リモートワークが盛んになり、都会に居なくても全国の人と仕事ができるようになったことが、移住の決め手になりました。 東京では、社会人大学事業構想大学院大学で山菜の研究をしながら、仕事をしていました。

最上地域の親戚がおいしい山菜を送ってくれていたため、東京に居ながらにして天然物の山菜を食べる機会が多くあり、興味を抱いたことがきっかけです。

研究を通して分かったのは、山菜をブランド化している例は非常に少なく、事業のチャンスがあるということ。山菜の魅力を地域の外に示すことができれば、観光資源になります。

この点を協力隊の活動と結び付け、事業を組み立てていきます。また、山菜という食が継承されていくための仕組みも作っていきたいと考えています。

2022年1月市報より(P16) 『広報しんじょう1 「いまコレすった。」地域おこし協力隊活動レポートvol.9』

東北移住相談会の小沼敏行さん

 

山形県新庄市を選んだ理由について教えて下さい。

  • 両親が生まれ育った地域のため
  • 自然が身近にあり、アウトドアに最適
  • 山形新幹線は、実家のある東京へアクセスしやすい
  • 米や野菜がうまい
  • 時間の流れが緩やかで、新たなライフスタイルを築きやすい

 

地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。

移住コーディネーターとして活動しています。
おもに、移住者への地域の魅力をPRし、最適な移住定住環境(お試し住宅、移住体験会、仕事の紹介、子育て環境、住宅支援、地域交流会、など)を整えることを役割とし、普段から開かれた地域をアピールすべく、気軽な相談を受ける体制を整えています。

最上地域の魅力は、厳しい冬を乗り越えた春に芽吹くと考えています。山菜もそのひとつですね。今は春に向けて、移住を考えている人向けの体験ツアーを企画 しています。

最上地域の8市町村それぞれに魅力があると思いますので、お客さまがやってみたい体験を選んで組み合わせられるものに仕上げていきます。さらに体験だけではなく住宅見学もツアーのメニューに取り入れるなど、移住を考えている人のニーズに合わせて柔軟に対応できるものにしていきます。

また、移住を考えている人への情報発信にも取り組んでいきます。彼らが求める情報は、子育て・住居・仕事など、多岐にわたります。私自身が移住するにあたり経験したことなのですが、こうした情報のほとんどは、さまざまなところに散らばっていました。

それらを自分で組み合わせなければならないので、検索した時点で移住に対してのモチベーションが下がってしまいます。ですので、移住を考えている人が求める情報をまとめて一つのパッケージにし、SNSなどのツールを活用して提供していきます。

2022年1月 市報より(P16) 『広報しんじょう1 「いまコレすった。」地域おこし協力隊活動レポートvol.9』

蕎麦打ち体験会の様子

 

地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?

自然環境に囲まれながら、地域に人々と地域課題に向き合い、共創する形はこれからの未来の姿と考えています。 都市と地方の格差是正の一役を担えるということは、大変すばらしい機会だと思います。

 

地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。

協力隊の役割は、「地域活性を担い、その地域に定住する」ことです。
しかしながら、自治体側で移住定住の支援が全くと言っていいほど整っておらず、自ら構築することを余儀なくされたことです。

この現実は、どこの自治体も変わりませんが…。 結果として、同時に移住定住事業の推進に繋がったことは、不幸中の幸いです。

 

卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。

2023年度が任期の最終年度となります。任期終了後の生活基盤を構築するため、2023年6月に合同会社(山菜加工販売事業、グリーン/エコ・ツーリズム事業、地域支援事業(コンサル)を立ち上げ、協力隊の活動を行いながら、準備を整えています。

また、任期終了後のモデルケースとなるよう、仕組化に努めていこうと思っています。

参考記事: https://mirai-works.co.jp/media-career/interview/immigration/

 

新庄市の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。

オープンマインドな方と閉鎖的な方に、はっきり分かれる印象があります。 よそ者への期待を持ってくれる方々も多く、様々な場面でご支援を頂いています。

美味しい野菜をくれたり、事業に関係するであろう仲間を紹介していただいています。 
また、市役所内では風通しの良い総合政策課への配属だったため、比較的活動がしやすい環境でした。

山菜

 

新庄市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)

8市町村で構成される最上地域では、新庄を起点に様々な自然環境に気軽に触れられます。
「便利で、ちょっと秘境の新庄」と銘打ってPRをしています。

山登り、キャンプ、ユネスコ無形文化遺産の新庄まつり、山菜採り、渓流釣り、川遊び、温泉、美味しいコメや野菜、伝承野菜、ウィンタースポーツ、冬遊び、雪深き地域の知恵の詰まった文化、美しい景色を楽しみながらドライブ、フレンドリーな仲間の集まるスナック文化、など、特有の魅力・文化のある地域です。

新庄名物「とりもつラーメン」

 

移住を検討している方にメッセージをお願いします。

自然に触れながらスローライフを楽しみたい方、気軽に二拠点生活を試したい方、雪深い地域だからこその美味しいコメや野菜を普段から楽しみたい方、子育てのためデジタルデトックスを実践したい方、自分に合った、自分なりの新しいライフスタイルを築きたい方、ぜひお気軽に相談してください。

「杢蔵山」の景色

 

 

地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓

https://warp.city/features/2

 

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新庄市

shinnjo

当市は四季の移り変りが、生活する中ではっきりと感じられ、特に冬は積雪が多く、生活する上では大変な面もありますが、そのぶん春のありがたみが他の地域より深く感じられることが魅力の一つであると思います。また、夏にはユネスコの無形登録文化財の一つになっている「新庄まつり」が市民生活の一部として根付いており、多くの市民にとって当市の自慢の一つでもあります。そして、当市は山形新幹線の始発駅でもあり、東北自動車道の要所でもあることから、首都圏へのアクセスにも利便性があります。