#11 健康で美味しいお米を作ることが、良い土づくりの基本!

コラム

田舎暮らしに憧れる、自然の中で子育てをしたい、農業を始めたい、その土地の風土や農産物に惹かれる。 地方移住をしたいけれど、まず気になるのが、移住先に仕事があるのかどうかではないでしょうか。 ワープシティは、地方で働く生産者の仕事に焦点を当て、生産者の生の声をお届けします。 移住をきっかけに、心機一転、地方ならではの新しい仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。 第11回目にご協力いただいた生産者の方は、山形県新庄市・米、さつまいも、にんにく、その他夏野菜などを生産する指村僚汰さんです。

生産者プロフィール

指村僚汰さん
出身地:山形県新庄市
現住所:山形県新庄市
職業:農業
趣味・特技:写真・バイク
生産物:米、さつまいも、にんにく、その他夏野菜など

生産者への道を志した経緯やきっかけについて教えて下さい。

幼い頃から父の農業をする背中を見て育ちました。小学生頃の夢は「農業」でしたが、中学校3年生の時には、年の離れた妹が居たこともあり、幼稚園の先生になりたいと思った時期もありました。

高校受験を控え親に相談したところ「好きな仕事をしてもいいが30歳になったら農業を継いでほしい」と言われました。新庄での農業は大体1年に1作。人生の中でも数える程しかできません。「若い頃から経験を積んだほうがいい」と考え、農業の道に進みました。

生産物の魅力について教えて下さい。

土づくりから収穫の直前までこだわって栽培しています。米でも野菜でも共通することですが、栽培の基礎となるのが稲作です。

稲作の副産物である籾殻、精米した際の米糠を活用して初めて土づくりができます。健康で美味しいお米を作ることが、良い土づくりの基本です。

目には見えない微生物の力を借りて田畑を耕し、植物を育てる環境を整えます。また、熟成させた「たい肥」、奥羽山脈から流れるミネラルたっぷりの湧水、海藻や蛎殻(かきがら)の粉末に、魚系のぼかし(有機肥料)、もみ殻、小糠などを、時間を掛けて発酵させた肥料を使用します。

収穫の直前まで植物を活かすことで、本来の旨みとコクを残したまま収穫をすることがてきます。こうして手間暇をかけて育まれたお米や野菜は、慣行栽培された作物とは格段に異なる旨み・輝きを放ちます。

新庄市の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)

自然が豊かな新庄では、釣りや川遊び、山菜採りやキャンプなどの、自然を満喫した遊びが堪能できます。また、日本一に輝いたラーメン屋を始めとする美味しいラーメン屋さんが点在しており、県内外から食べに来られる方が大勢います。

また、国の登録有形文化財を活用した「エコロジーガーデン」では、地元に愛される産直やカフェのほか、「キトキトマルシェ」というイベントが毎月開催され、賑わいを見せています。

お仕事のやり甲斐はなんですか? 

植物が力強く成長する様子を間近で見られることや、収穫したての美味しい農産物を食べられることなどがありますが、何よりも、食べた方に「美味しかった」と言ってもらえることが一番嬉しいですね。

最近では新庄市のふるさと納税に登録、InstagramやLINEなどでの情報発信をしており、寄附者の方やフォロワーの方が私の米や野菜を食べ、レビューや投稿を掲載してくださるのを見ると、とても嬉しくなります。

 

仕事していて大変なことや困難だと感じることを教えて下さい。

家で田畑を行い、問屋に卸すだけの「農家」ではなく、コスト計算などの経理業務から販売ルートの確保などの営業まで行う仕事としての「農業」への意識転換が大変です。

私自身、「リルストーリア」というブランドを立ち上げ、実際の農業はもちろん、新商品開発やコスト管理、農業にかけるこだわりなどの情報発信など、さまざまな仕事をやっていますが、他の方の米や野菜と差別化していくには必要なことだと思い、取り組んでいます。

今後の展望や、挑戦してみたいことについて教えてください。 

農家の道を歩み始めてから今日まで、さまざまな素敵な出会いがありました。農業を通して出会った友達や仲間、地域を超えた知人の方々など、今の自分があるのは素敵な方々のおかげだと思います。

先ほどお話した通り、現在は農協などの市場への出荷が農業の大半を占めています。今後はマルシェなどの対面販売やEC販売などを通して、良い農産物をもっと多くの方に、直接お届けしていきたいと考えています。

移住して一次産業を目指す方へメッセージをお願いします。

0から農業を始めることは、とても勇気と決意が必要なことです。でも、新庄市には心強い農業の先輩方が多くいます。

ぜひ一度、自然豊かな新庄市に遊びに来て、美味しい農産物や農業に触れてみてください。

 

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