移住者プロフィール
藤田 憲一郎さん
出身地:岐阜県多治見市、現住所:岐阜県飛騨市、山林施業会社(株)バルステクノロジーを設立。
飛騨市へ移住されたきっかけは?
藤田憲一郎さん(以下、藤田):飛騨市にある妻の実家が空いたので、移ってきました。元々、飛騨市のほうがメローな感じでいいなと思ってたし。
メロー、mellowですか?
藤田:そうです。“やわらかで美しく、豊かな感じ”がします。
なぜ銀行を辞められたのですか?
藤田:僕は岐阜県多治見市出身で、地元で就職したのですが、2年目に高山支店に転勤になりました。そこで雪の降る様子に心を打たれ、スノーボードにはまりました。
でも、高山支店勤務3年目に、再度多治見に転勤と言われてしまったんです。会社の命令なので仕方ないですが、「どうしてもこの地を離れたくない」と思っていました。親は大反対しましたが、退職してこの地に残る道を選びました。
仕事については場所柄、“農業か林業”だと思っていました。投資が少なく済みそうなのと、体一つでできる林業を選びました。
林業の魅力はどういうところですか?
藤田:正直言うと、蜂や熊の危険もありますが、それよりも、“自然を相手にしている楽しさや奥深さ”のほうが大きいですね。冬が忙しくないのも、スノーボードが趣味の僕には最適です。それに、大きな会社では、なかなか自分の自由にはならないし、ユーザーの顔が見えません。
会社を作ったことによって、様々な可能性が広がったと思っています。例えば、今は伐採した木を薪やパルプチップにして販売していますが、「自分が切った木でスノーボードを制作して直接販売する」なんてことも可能です。それが現在の“僕の夢”です。
飛騨市に移住しようと考えている人にアドバイスをお願いします
藤田:ゲストハウスなどにしばらく滞在して、「現地を体験」してみてほしいです。雪の多さや、都会のようにお店がそろってないとか、大変だと感じることもあります。地元の人たちとのお付き合いもあります。草刈りや神社の掃除などの行事があります。
そのかわり、皆さん親切なので、野菜やおかずをくれたりします。その土地に染まれる人なら大丈夫でしょう。そして最後は、「自分の夢や直感を信じることが大事」です。多くの方々に育てられて、経験やスキルを得ることができました。飛騨で育てられたことに対し、自分ができることで恩返ししていきたいと思っています。