移住者プロフィール
細野達也さん
利用した支援制度
地域おこし協力隊
鹿児島県肝付町の地域おこし協力隊、趣味・特技:登山・カヤック
目次
INDEX
地域おこし協力隊の応募動機について教えて下さい。
前職では大手小売企業で、関西圏を担当する文房具バイヤーとして働いていました。結婚を考えるタイミングで今までの人生を振り返り、新たな場所で新しい仕事に挑戦したいと思うようになり、心機一転して鹿児島に来ました。
接客経験が長く、コミュニケーションには自信があるため、肝付町で募集していた移住コーディネーターという仕事に興味を持ちました。任期があることに不安はありましたが、新しい事に挑戦できるチャンスだと思い応募を決めました。
鹿児島県肝付町を選んだ理由について教えて下さい。
様々な地域で地域おこし協力隊の募集はありましたが、肝付町の3つの綺麗な海岸「内之浦海岸・岸良海岸・辺塚海岸」に興味を持ち一度足を運んだのがきっかけです。実際に訪れてみると、目の前には誰もいない手つかずの海岸が広がり、こんな綺麗なところにすぐ行ける環境で生活したいと思うようになりました。
肝付町内に24時間営業のスーパーやドラッグストア、ホームセンターがあり、普段の生活で必要なものはすべて町内で揃えることができます。それに加え、肝付町の隣には鹿屋市という大きな街があり、移住前の生活で利用していた店がほとんどあり、利便性を兼ね備えた田舎暮らしができると感じたのも理由の一つです。
地域おこし協力隊の仕事内容について教えて下さい。
肝付町役場、企画調整課内に設置された移住サポートセンターに所属し、移住サポート・空き家バンク運営をしています。移住サポートセンターは、移住希望者の相談対応、移住フェアへの出展、お試し移住体験住宅の管理、空き家バンクの情報収集及び掲載物件の問い合わせ対応、内覧希望者対応が主な業務になります。
その他にもワーケーション施設の利用促進に向けての取組みや、移住者交流会イベントの企画などをしています。
地域おこし協力隊のやり甲斐はなんですか?
新しい事に挑戦できることだと思います。例えば空き家バンクの運営では、相続や登記などの話を受ける事があり、不動産会社にでも転職したのではないかと思うこともあります。
しかし、そういった今までに経験してこなかった事も、給料を頂きながら知識習得していく事ができるのもやり甲斐になっています。業務を通じて学んだ知識をより深めて、活動業務に関連する資格取得していく事も可能なため、任期終了後にも役立つ知識を、資格という形で残すことができるのもやり甲斐の一つになっています。
地域おこし協力隊になって想定外だったことを教えて下さい。
空き家バンクの運営業務では、私が思っていたような家(不動産情報に載っている中古住宅レベル)ではなく、すぐには住めないような状態の家が多く、物件調査するだけでも苦労します。物件によっては、入り口にたどり着くまでに、草木をかき分けないといけないものもあったり、管理されていないものは、中に入った瞬間にカビ臭さを感じる時もあります。
山の中の物件では、虫の死骸(蜘蛛、アブ、ゴキブリ、ヤスデ)が多く転がっており、中に入るために毎回勇気を振り絞る必要があります。そのため、物件調査に行くときはスリッパと虫除けが必需品となっています。
町の特徴として、家に隣接する道路の道幅がせまく、外壁に囲まれ入り口が狭い家が多いため、物件調査に行ったときの車の運転に神経を使います。特に車の駐車には毎回苦戦しています。
卒隊後のビジョンがある場合は教えて下さい。
まだ決まっていませんが、移住サポートセンターの活動を役場組織から切り離し、委託事業として継続していければと考えています。移住サポートや空き家バンク運営をしていく人材は今後も必要だと考えていますので、3年後の独立を視野にいれて活動していく必要があります。
1年目は知識習得に励み仕事に慣れ、2年目からは町と話し合いを重ねながら任期終了後の進路を決めていきたいと思います。
肝付町の住民と触れ合った際の印象と、裏付けるエピソードについて教えて下さい。
移住者に抵抗がなく、歓迎している雰囲気があります。高齢化に伴い、住民が減っているのが現状で、町もこの問題を深刻に考えています。
転入した際に、振興会長様へ挨拶をしに行ったら「肝付町に新しい人が来てくれて嬉しい」と言って頂けました。若い世代は進学や、就職などで町から離れて戻って来ない人が多いので、外からでも新しい人が来てくれたら嬉しいとの事でした。
移住者が引越してくる時に、近所の人で家の片付けや引越作業をお手伝いしてくださる方もいらっしゃいました。空き家には、家財が残っている場合があり、多くの処分品が出ることがあります。
振興会長を筆頭に近所の方に声をかけてくださり、軽トラックの手配などもしていただけました。近年では近隣住民との関わりが少なくなっていますが、人口が少ない地域では、周囲の方々で助け合いをする習慣が残っていると感じました。
肝付町の魅力について教えて下さい。(自然やグルメ、オススメスポットなど)
魅力はたくさんありますが、いくつかご紹介したいと思います。
- ウミガメも産卵に来る美しい白砂の海岸がある。
- 小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げた、JAXA宇宙空間観測所がある
- 約50km続く海沿いは、磯釣りの一級ポイントとして有名であり、イシダイ・クエ・メジナなど豪快な磯釣りを楽しむ事ができる
- 全国で唯一、子供(14歳男子)が射手をつとめる、900年続く無形民族文化財「流鏑馬(やぶさめ)」がある
- 農業、漁業、畜産業が盛んで、新鮮な食材をスーパーで手軽に買うことができる
移住を検討している方にメッセージをお願いします。
何を最優先に考えるかが重要だと思います。すべての希望が叶う地域というのは、なかなか見つけるには苦労します。「子育てがのびのびできる」「海が近くにあってサーフィンができる」「農業にチャレンジできる」など、一人ひとり移住先で望むものは違うと思います。
多少なりとも妥協しなくてはいけない事がありますので、自分がこれだけは譲れないという点だけはブレないようにすると良いと思います。
移住体験住宅を持っている市町村もあるため、まずは気になった地域に足を運んでみる事をおすすめします。可能であれば1週間以上滞在し、現地での暮らしを想定して周辺地域を見て回り、土地勘をつけていくと移住した時のギャップがなくなると思います。
地域おこし協力隊の詳細についてはコチラ↓
https://warp.city/features/2